十三鬼将とキングダムトゥエルブの激闘から、しばらくの時が過ぎる。
しかし、十三鬼将の日常に特に大きな変化が起こった訳では無い。週末の大黒パーキングは、走り屋達のマシンで賑わっていた。
その中でも、パーキングの一角に陣取る、追撃のテイルガンナーの駆るFC3SRX-7と、迅帝の愛機であるBNR34スカイラインGT-Rは、注目の的であった。
「……ほー。そんで覇魔餓鬼は、イギリスに行った訳か……」
岩崎はそう答えた。
「相馬が言ってたぜ。“迅帝に二度敗れた以上、自分の走りを見つめなおす必要がある”ってな。
まぁ、モータースポーツ発祥の地だし、ヨーロッパは本場だからな」
内藤に言われ、岩崎は少し思う事があるようだった。
「どうした?」
「……いやー……金あるなぁって思ってさ」
「なんだそりゃ……。R34とインプレッサ持ってるお前も、十分だろ……」
呆れ気味に言いながら、内藤は煙草を一本くわえた。
「まぁ、でも今回の一件は、なんだかんだで面白かったけどな。俺らにとっても、いい刺激になったと思うぜ」
内藤は紫煙を吐き出しながら呟く。
「俺も一応、首都高のトップである以上さ。それなりの事しないと、面目が立たないし。
それに……」
「……それに?」
「…………ちょっとは俺ら(十三鬼将)の方もアウェイでバトルしないと、腕が鈍るじゃん?」
「……間違いねぇや」
岩崎が笑いながら言うと、内藤も笑みを見せていた。
そんな話をしていると、とある走り屋が岩崎に声をかけてきた。
「貴方が……岩崎基矢だな?」
「そうだけど?」
その雰囲気から、首都高に出没する走り屋ではないと、岩崎は直感した。
「噂は聞いてる。首都高のみならず、街道でもその速さを見せている。
“街道プレジデント”さえも、打ち破ったその走り……ここで見極めさせてもらう」
そう。その走り屋は、岩崎へ挑戦状を叩きつけてきた。
「はるばる遠征してきたって感じだな。
……いいぜ。アンタのマシンは?」
「アレだ……」
その走り屋が指した先には、大胆にモディファイされた、赤と黒のBNR34が構えている。
「R34同士でバトルか……面白れぇ。乗ったぜ」
岩崎はポケットから、愛機のキーを取り出した。
「……先にアンタの名前聞いておくぜ」
「梶岡泰明……。
箱根では“グランドゼロ”で通っている」
その走り屋は、そう名乗った。
「……オーケー。遊ぼうぜ!!」
大黒パーキングに、今宵もハイチューンドのRB26DETTのエキゾーストが鳴り響いていた。
これにて、完結になります。
また、小ネタなどは後日投稿いたします。