十三鬼将vsKINGDOM TWELVE   作:囃子とも

30 / 31
終夜 それから……

 十三鬼将とキングダムトゥエルブの激闘から、しばらくの時が過ぎる。

 しかし、十三鬼将の日常に特に大きな変化が起こった訳では無い。週末の大黒パーキングは、走り屋達のマシンで賑わっていた。

 

 その中でも、パーキングの一角に陣取る、追撃のテイルガンナーの駆るFC3SRX-7と、迅帝の愛機であるBNR34スカイラインGT-Rは、注目の的であった。

 

「……ほー。そんで覇魔餓鬼は、イギリスに行った訳か……」

 岩崎はそう答えた。

「相馬が言ってたぜ。“迅帝に二度敗れた以上、自分の走りを見つめなおす必要がある”ってな。

 まぁ、モータースポーツ発祥の地だし、ヨーロッパは本場だからな」

 内藤に言われ、岩崎は少し思う事があるようだった。

「どうした?」

「……いやー……金あるなぁって思ってさ」

「なんだそりゃ……。R34とインプレッサ持ってるお前も、十分だろ……」

 呆れ気味に言いながら、内藤は煙草を一本くわえた。

 

「まぁ、でも今回の一件は、なんだかんだで面白かったけどな。俺らにとっても、いい刺激になったと思うぜ」

 内藤は紫煙を吐き出しながら呟く。

「俺も一応、首都高のトップである以上さ。それなりの事しないと、面目が立たないし。

 それに……」

「……それに?」

「…………ちょっとは俺ら(十三鬼将)の方もアウェイでバトルしないと、腕が鈍るじゃん?」

「……間違いねぇや」

 岩崎が笑いながら言うと、内藤も笑みを見せていた。

 

 そんな話をしていると、とある走り屋が岩崎に声をかけてきた。

「貴方が……岩崎基矢だな?」

「そうだけど?」

 その雰囲気から、首都高に出没する走り屋ではないと、岩崎は直感した。

 

「噂は聞いてる。首都高のみならず、街道でもその速さを見せている。

 “街道プレジデント”さえも、打ち破ったその走り……ここで見極めさせてもらう」

 そう。その走り屋は、岩崎へ挑戦状を叩きつけてきた。

「はるばる遠征してきたって感じだな。

 ……いいぜ。アンタのマシンは?」

「アレだ……」

 その走り屋が指した先には、大胆にモディファイされた、赤と黒のBNR34が構えている。

「R34同士でバトルか……面白れぇ。乗ったぜ」

 岩崎はポケットから、愛機のキーを取り出した。

 

「……先にアンタの名前聞いておくぜ」

 

「梶岡泰明……。

箱根では“グランドゼロ”で通っている」

 その走り屋は、そう名乗った。

 

「……オーケー。遊ぼうぜ!!」

 

 大黒パーキングに、今宵もハイチューンドのRB26DETTのエキゾーストが鳴り響いていた。

 




これにて、完結になります。

また、小ネタなどは後日投稿いたします。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。