東方人想録   作:たいやき屋

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大晦日、家でダラダラしていたら寝ている間に年が明けてしまった。

どうも!たいやき@です。どうにか頑張って面白い文章を書けるように考えてはいるけど、センスがないwどうしたものか....


それはさておき、異変第2話が始まります。
駄文で読むに耐えないと思いますがご了承を。
それでは皆様
「さあ!物語の始まりだ!」


赤い館の居眠り門番前編

〜湖〜

さっきまで熟睡していたはずだったのだが、妙に肌寒くて起きてしまった。せっかく寝ていたのに.....。周りを見渡すとそこには、怯えながら今にも泣き出しそうなチルノがいた。先程まであんなに元気だったチルノが今は何かに怯える様に震えている。

 

「おいチルノ。どうしたんだ?そんな顔して?俺が寝てる間に何かあったのか?」

 

「涙、空を見てみなよ.....」

 

チルノに言われた通り空を見た。時間帯的には夜のはずなのだがそこにある筈の夜空はどこにもなく代わりに、赤い空と大きな満月が見えた。しかし、空自体が明るいのではなく、何かに空全体を覆われているそんな風に見えた。幻想郷の夜空ってこんなに赤い色なのか。しかし、いつもこんな空ならチルノが怯えるはずもない。少々気になったので聞いてみた。

 

「なあチルノ。幻想郷の夜空はなんでこんなに赤いんだ?俺がいた世界では夜空ってのは暗くて幻想的で、とても綺麗なものだったんだが。これじゃあ、赤い絵の具に月を浮かべたような空なんだが?」

 

いきなりふと、元いた世界で毎年行っていた月見が脳裏によぎった。最初はいつも1人で月見を楽しんでいるのだが、いつのまにか1人また1人と増えて気づけば4人で酒を呑みながら大騒ぎしていた。今となってはもう会えないあいつら。今頃は何をしてるんだが。まああいつらは俺が居なくても面白おかしく生きていくんだろうな。そんな事を考えていると、チルノが震える声でこう言った。

 

「ちがう、いつもの夜空は涙が言ってたような空だよ。それでねさっき涙が寝て少し経ってたら、なんか空が赤くなってきたんだ。あたいも気になって周りを見てたら、あそこにある赤い所から出てるところを見たんだ。気になってそこまで行ってみたんだけど....」

 

そこまで言うとチルノは下を向いたまま黙ってしまった。どうやらいつもの夜空はこんな赤い色ではなく今の状況が異常事態だということがわかる。それに、チルノの説明から考察するに遠くに見える赤い館がなんらかの関係があるようで、あそこに行けば何かわかるかもしれない。

 

「よしチルノ。俺少しあそこの館まで行ってくるわ。いけば何か分かるだろうし何もしないよりマシだろ。チルノはどうする、一緒に来るか?」

 

チルノは下を向いたまましばらく黙っていたが、少し経ってから無言で頷いた。よしこれで何をするかは決まった。まずはあそこに見える赤い館に向かうとするか。そうして俺とチルノは歩き出した。

 

 

 

 

 

 

〜赤い館〜

しばらく歩いてようやく館の前に着いた。上空を見るとこの付近はより一層空が赤いように見える。やはりここがこの空と何か関係しているのは間違いなさそうだ。にしてもこの館、周りの雰囲気とは違い悪い意味でで目立っている。湖の奥にポツンと西洋風の館だけがあり、その上館全体が真っ赤に染まっている。今まで幻想郷の建物は大体江戸時代ぐらいの日本の風景がそのままあるような感じだったがこれは日本のものではなさそうだ。どうしてこんなものがここにあるのか疑問に思ったが考えても答えが出るはずもなく、気にしないことにした。なぜか館の門の前には1人の女性がいた。

緑色のチャイナドレスに赤い髪が腰辺りまで伸びている。少し近づいてよく見ると.........

 

「zzz」

どうやら寝ているようだ......。それにしても人は立ちながら寝る事が出来るのか。思わずそんな事を考えてしまった。とりあえず中に入るか。

 

「すみません〜。この館から出てる赤い霧はなんですか〜?」

 

 

......返事がないな。この距離で話してるのに寝てられるのか。寝ていて会話ができないので気にせずそのまま入ろうとしたら後ろにいたチルノが服を思いっきり引っ張ってきた。

 

「ちょ、チルノ!?」

 

引っ張られた反動で尻餅をついてしまった。

 

「危なかったね涙!」

 

何が危なかったのかと思い、前を向くと先程まで自分がいた位置に寝ていた人が蹴りを繰り出していた。確かにこりゃ危なかったな。チルノが引っ張ってくれていなかったら今頃どこまで吹っ飛ばされたことか。それと今気づいたが蹴りを出した人はまだ寝ており、先程いた位置に戻っていた。なんだこの人。そういえば、ある拳法が頭をよぎる。

 

「チルノ、あれが何かわかるか?」

 

「あたい寝ながら攻撃してくる人なんかしらない!」

 

「俺はアレに似た拳法を知ってるぞ。確か酔拳だったかな?酒に酔いながら戦う方法だ。まああれは寝てるからな。眠拳ってところだろ」

 

「でもさ。それじゃあ近寄れないから中にはいれないよ。どうするの?」

 

そうなのだ。起こそうと近寄れば攻撃が飛んでくる。だからといって遠くから声をかけても起きる気配がない。これはもうあれしかないな。

 

「チルノ、強行突破するか!

声かけてもおきないし。門を壊させてもらおう。なんか言われたら後で直せばいいだろ。そんじゃいきますか。氷塊グレートクラッシャー!」

 

少し門から離れてスペルを撃つ。目の前に大きな氷山のような氷の塊が現れ、門にぶつかる。門は大きな音を立てながら粉々に砕けた。

門にいた人を巻き込んで吹っ飛ばしながら。

 

「よし、チルノ行くぞ〜。謎の館に殴り込みだ!」

 

館に入ろうとした瞬間。

 

「ああああああっ!門が壊されてる!誰も来なくてつい、うとうとしてる間に.....。やばいやばい、咲夜さんに怒られる!」

 

どうやらさっきの衝撃で目を覚ましたようだ。むしろどうやって今ままで寝たまま攻撃できたのか。不思議なものである。

となるとこの後な流れは.......

 

「貴様だな、この門を破壊したのは!ここがどこか知っていて壊したのか!?このままじゃ私が怒られ....。じゃなくて私の使命を果たさなければならない、門番として貴様を排除する。いくぞっ!」

 

デスヨネー。そりゃ門壊したんだもの、怒って戦闘にもなりますわな。さて、どうしたものかな〜。また弾幕バトルか、またマスパぶっ放せば倒せたりしないかな?などと考えていたら

 

「隙ありだっ、くらえっ!」

 

「へっ?」

 

いつのまにか間合いを詰められており、顎に掌底を喰らいそのまま鳩尾に右ストレートが当たり奥の木まで吹っ飛んでしまった。

 

「いてて。なんだよ、弾幕バトルじゃないのか?」

 

てっきりまた弾幕バトルをすると思っていたので油断していた。一応お相手に聞いてみると

 

「弾幕バトル?なんだそれは。そんなものは知らない、私の使命はこの館への侵入者の排除。ただそれだけだ!」

 

だそうで、どこでもこのルールでするわけではないようだ。弾幕バトルじゃないなら普通に戦えば良いのかな?まあそっちの方が楽っていえば楽なのだが。

 

「了解〜。それなら門番さんは俺を排除したい、俺は館の中に入りたい。こうなったら戦ってどうするか決めるしかないよな。話し合いでどうにかなるのが一番良いんだが。お互いもう引けないだろうからな。」

 

「ただ門番さんよ。戦う前にお互いの名前ぐらい名乗らないか?それぐらいの礼儀があっても良いだろう。始めて戦う相手ならなおさらだ。俺の名は門入涙、普通の人間だ。あんたの名前は?」

 

一瞬門番は睨んできたがどうやら話は通じたようでこちらの提案に応えてくれた。

 

「確かにな。ここまでされて黙ってこの門を通らせたりしたら、私がここにいる意味がない。あの方のに頂いた大事な使命を果たさなければならない。この館に入りたいなら私を倒してからのするんだな。名乗らせてもらおう。私の名は紅美鈴。この館、紅魔館の門番だ!」

 

 

これでお互いもう後ろには引けない。

どちらかが勝ちどちらかが負ける。シンプルでわかりやすい。

今「紅霧異変」最初の戦闘が始まる。

 

「紅美鈴、推して参るッ!」

 

 

「さあ、物語の始まりだ!」

 




紅美鈴

気を操る程度の能力

謎の赤い館で門番をしている妖怪。なぜか門番なのに、門の前で寝ている姿がよく見かけられる。
能力の気を操る程度の能力は、自然界に存在する生命のエネルギーが目で見えたり、人の放つ気を察知できる。
この能力のおかげで寝ていても侵入者を返討ちにできるのだとか。
見た目は普通の人間だが、筋力や体力は並みの人間より多いので下手に手出しをするとタダでは済まない。
因みに、気を操る程度の能力の応用で、自然界に存在する生命のエネルギーを吸収して自己強化や自己回復、気の放出などができる。

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