東方人想録   作:たいやき屋

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どうもたいやき屋さんです!
今回インフルでは無いんですが風邪を引いて書けませんでした。はい、完全に言い訳です、すみません。
その分いつもより文章量が多いです!
それではどうぞ!


メイド長の3秒串刺し教室

〜紅魔館広間〜

やっとの事で門番を倒しどうにか館の中に入れた。中は外見と同じく洋風の内装で至る所に高価そうな彫刻の施してある卓や椅子などが見える。

 

それと同時に不思議なことに気付いた。外観よりもかなり屋敷の中が広かったのだ。なんというか家の中を無理矢理次元拡張して広くしている。そんな感じだ。これだけの広さがあれば数十人人を呼んで立食パーティでもひらけそうだ。そんな感想を抱きつつ、周りを見渡すと奥の方に階段があったので、中央に敷かれた赤い絨毯を歩きながら階段に向かって歩いていく。

 

 

 

ヒュッ いきなり風を切るような音が聴こえたので足を止めると進もうとしていた場所にナイフが刺さっている。顔を上げると階段の上に人がいる。さっきまでは人も居なかったし足音も聞こえなかったのに。いつの間に来たのだろうか?

 

?「ようこそ紅魔館へ。御用件はなんでしょう?」

 

涙「この館から出てる赤い霧?を止めてくれないか。俺は普通の夜空が好きなんだ。赤い夜空はどうも美しく無い」

 

?「申し訳ございません。あの霧は我が主人が外に出るために必要なもの。止める訳にはいきません、どうぞお帰りください」

 

 

 

月の灯りが階段上の人物を映し出した。髪型は銀髪のボブカットであり、もみあげ辺りから三つ編みを結っている。 また髪の先に緑色のリボンを付けている。服装はメイド服をアレンジしたような格好だ。

手にはナイフを三本持っており、先ほど飛んできたナイフはこの人が投げたのだろう。

 

 

この人に言っても霧は止めてくれなそうだし、ここの主人に交渉しないとダメなのかな?それでもいいんだがどこにいるか分からんし。

うーむ、迷った時は.....

 

涙「それじゃあ、力技で押し通らせてもらう!」

 

一番楽な選択肢を取ってしまった!

まあ仕方ないよね、楽だもん力技。

 

咲「それでは私、十六夜咲夜が侵入者を排除します。我が主人に刃向おうとした貴方が悪いのですよ?」

 

階段まで走って行こうとしたその瞬間。

 

 

 

「幻世 ザ・ワールド!」

 

時が止まる。

 

ここで動けるのは私1人私だけの世界。

月も風も虫も全てが止まり、動かなくなる。

時が止まっている事に気付かずに死んでいく。

 

「ようこそ私の世界へ。そしてさようなら」

 

 

驚いた。いきなり目の前にナイフが数十本飛んできている。さっきはナイフなど無かった。取り出す動作も見当たらなかった。相手はどこからナイフを取り出して、いつ放ったのだろう。様子を見るために背後に大きく飛んだ。

 

 

まただ。相手のことはよく見ていた。予備動作は何も無かった。なのに今、頭上にはまた先程と同じぐらいの量のナイフがある。まだ避けることが出来る量だがこう避けてばかりだと疲れる。さてはて、いったいなにが起こっているんだ?

 

咲「あら、上手く避けますわね。それならこれはどうですか?」

 

 

これはまずい。先程までの一方向からのナイフではなく、俺を中心にしてナイフが円の様に配置されている。それを覆うように遠距離からもナイフ飛んできている。これは避けられないぞ。能力発動間に合うか!?

 

 

十六夜咲夜は後ろを向いた。さっきの攻撃なら避けられずに死んだと思ったからだ。彼も人間にしてはよく避けた方だろう。避けている時もこちらを見ていた。私の攻撃の瞬間を測るためだろう。私にはそんなものありませんけどね。この能力がある限り。

 

 

 

 

咲「ようやく死にましたね。お仕事完了。後はあの死体を妖精メイドたちに片付けさせてっと」

 

涙「おいおい、誰が死んだって?」

 

 

 

 

 

 

背後から男の声が聞こえた。

そんな馬鹿なッ!あの攻撃は避けられるはずがない、横に避けても遠距離からのナイフで追撃出来るように配置したはず。あれは避けられない。男はどうやって避けたんだ。振り返って男を見た。

肩で息をしながらもその男はしっかり生きていた。

 

ふと、おかしな光景見た。どこにもナイフが見当たらない。

おかしい。男が避けたはずならナイフは床に刺さっているはず。しかし男の周りにナイフは一本もなく、刺さった形跡も無い。私が投げたナイフはどこに消えたんだ!?あの男に焦りを見せてはいけない。余裕そうな対応をしなければ。焦りを悟られてしまう。

 

 

咲「あら、まだ生きていらしたんですか。貴方の死んだ死体の掃除をどうしようと考えていましたのに。しぶといですね」

 

 

涙「ははっ。褒め言葉をありがとう。俺はしぶといぞ。それが俺の数少ない取り柄の一つだからな。手足を斬られても全然動くぞ?」

 

 

どうやらこの男にナイフは当たっていませんね。となれば、物理的に破壊された?だがそれならなんらかの音が聴こえるはず。さっきは音は特に....。そういえば指を鳴らすような音が聞こえたような?

 

咲「先ほどのナイフどう避けたんですか?避けられるように配置した覚えはないのですが?」

 

涙「ああさっきのは危なかった。普通ならあの配置じゃ、どう避けとも刺さって死ぬわ、普通ならな。咲夜さんだっけ?あんた町でも行って大道芸人でもしたらどうだろう?きっと儲かるぜ」

 

咲「あいにく仕事は間に合ってますわ。それより、避けていないならナイフはどこへ?全て破壊したのですか?」

 

 

今一番重要なのはあの男がナイフをどこへやったかだ。全部音も無く破壊できるような相手なら危険すぎる。全力で排除しなければ主人に危害を加えるかもしれない。

 

涙「ナイフならここにあるぞ?」

 

男の手には私がさっき投げたナイフが一本を指先で回してみせた。あの男、今ナイフをどこから出した?手には何も持っていなかったはず。その時、男は両手にナイフを持っていた。どこにナイフをしまっていたのだろう。この男は危険だ。今この場で殺す。

 

 

 

咲「今からでも遅くありません。おかえりいただけますか?」

 

 

 

涙「断る、せっかく来たんだ。ここの主人の文句の一言でも言ってから帰るわ。さっさとこの霧を消せってね」

 

 

 

 

こうなると殺すしか手はありませんね。先程のナイフをどう避けたかがわかりませんが、まあ大丈夫でしょう。

 

 

 

 

咲「それなら仕方ありません。 死んでもらえます?」

 

 

 

 

 

 

再び時を止めた。これ以上時を止めると体に負荷がでる。なんとしてもここで殺さないと。主人の所には行かせない。

 

咲「メイド秘技・殺人ドール。何が起こったかもわからないまま、ここで死ね」

 

相手の近くにナイフをランダムにばら撒き、中心に楕円形に配置したナイフで囲う。これで死ななかった相手はいない。今まで数回しか使ったことのない必殺の技である。ナイフの配置が終わり時を動かす。

 

 

咲「さようなら、哀れな侵入者」

 

 

涙「だからまだ死なないっての!」

 

咲「!??」

 

男は死んでいなかった。ナイフが男に当たる瞬間全て消えたのだ。この男はやばすぎる。頭の中で考えてしまう。この男には勝てない。だが、主人にこの男を合わせるわけにはいかない。手元にあるナイフはあと2本。ナイフが回収でき無いのでこれしか無い。

 

 

涙「ネタ切れか?それなら先に進ませてもらうぞ」

 

 

この男だけは、は行かせてはならないっ!!

時を止めて目の前まで間合いを詰める。そして

 

咲「いい加減死ねッ!傷魂ソウルスカルプチュア!」

 

至近距離で目の前の相手を斬りつけていく。斬りつける腕の時間を加速させて目にも留まらぬ斬撃を相手に浴びせる。この距離では躱せないし、素手ででは防げない。このまま斬り殺す!

 

 

涙「おお〜、すごい斬撃だな。だが、あいつの斬撃よりは遅い」

 

 

この男私の攻撃をナイフ一本、片手だけで捌いている!?こいつは人間じゃ無い、こんな相手にどうやって勝てばいいんだ...

 

 

涙「そろそろ終わりにするか」

 

咲「まだ負けてなッ」

 

首の後ろに強い衝撃を受ける。意識がうまく保てない。すみませんお嬢様、わたしではこの男に.......

ここで私の意識は闇に落ちた。

 

 

 

 

 

 

涙「あっっぶねー!幻想郷の使用人の強さおかしいだろ!」

 

 

この館の使用人 強さが桁違いだ。門番も強かったがこのメイドは、強すぎる。攻撃の起こりが解らないし、いつのまにかナイフが飛んできたり、間合いを詰められたりと使用人の強さじゃ無い。時が飛んでるような感覚だった。そんなものが実際にあったら強すぎだろ。幻想郷って怖いわ〜。

 

 

頭の中でそんな事を考えていると背後から賑やかな声が聞こえた。

 

魔「霊夢、涙が中に居るぞ?」

 

 

霊「あらほんとね。こんなところで何してるの?異変の最中なのに」

 

霊夢と魔理沙達だった。どうやら八雲紫から異変を解決してこいと言われたらしい。俺も今ままで会ったことを霊夢達に話した。果たして今までの戦闘が伝わるかは不明だが。霊夢達でもこの人達に勝てたのかな?

 

 

 

霊「ん、なるほどね。門で伸びてたやつと、そこで倒れてる奴は涙が倒したのね。いや〜手間が省けて楽だわ」

 

 

魔「それにしてもよく勝てたな!普通の人間なら勝てないとおもうが、涙は......。普通じゃ無いから勝ててもおかしく無いか!」

 

 

涙「いやいや、俺能力展開できてなかったらただの人間だからな!?」

 

そんな談笑をしているとメイドの人が気付く。さっき強めに当てたんだがもう起き上がるのか、本当にすごいな。

 

 

咲「いっっ....、はっ。博麗の巫女ッ。これ以上は進ませない!」

 

おぼつかない足取りでふらふらと立ち上がるメイド。この状態じゃ霊夢には勝てないとおもうがなぁ。

 

 

霊「あんた、涙に倒されたばかりでしょ。異変解決まで寝ていなさい」

 

 

霊夢はメイドさんに向かって札を投げつけた。メイドにあたると札がばちばちと火花を放ちメイドは倒れた。どうやら札の効力で気絶したらしい。

 

魔「涙はこれからどうするんだ?最後までいるか?」

 

 

涙「居てもいいけど死なないかな?」

 

 

霊「貴方なら大丈夫でしょ。簡単に死ななそうだし」

 

こうして俺も異変解決に参加する事になった。途中までは3人で行動していたが魔理沙が途中で図書館を見つけ、急用ができたと言い図書館に行ってしまった。魔理沙ェ.......。

 

こうして俺と霊夢はたまに出てくる妖精メイドを倒しつつ進んでいく。ある程度進むと他の部屋のものとは明らかに作りの違う扉を見つけた。ここに異変を起こした、館の主人が居るのだろう。

 

霊「この部屋の奥に今回の異変の元凶がいるわね。サクッと退治して明日は宴会をするのよ、涙も準備手伝ってよね!」

 

涙「異変ってそんな簡単に解決するのか?ま、いいぞ。乗りかかった舟だ最後まで付き合ってやるさ!」

 

 

そんな事を言い合いながら重い扉に手を当てる。異変解決まであと少し、ここから長い夜の戦いが今始まる。

 

 

 

 

 

 




十六夜咲夜

時間を操る程度の能力

紅魔館のメイド長にして唯一の人間。
時間を操るとゆう人間離れした能力を持っておりこの能力を使って紅魔館の業務を進めている。(紅魔館内が広すぎる為、能力を使わないと仕事が追いつかない)また能力の応用で空間を広げており、紅魔館が外見より広いのはそのためである。

得意なことは投げナイフと家事全般で、美鈴が侵入させてしまったものを排除する事もある。料理は得意だが主人に紅茶を出すときに変なアレンジを加えて青い紅茶などを出す時もあるようだ。
ちなみに戦闘で使うナイフは全て自分のもので相手に投げては、時を止めて回収しているらしい。

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