なかなか考える時間が無くて投稿が遅くなりました。
いや、この時期はゲームのイベントが
重なり過ぎて軽く死ねる.....。
それはさて置き、今回はレミリア編です!
中身がいつも以上に薄いカモですが.....
それではどうぞ!
〜凄そうな扉の前〜
入り口から睡眠門番、手品師メイド、妖精メイドを倒し辿り着いたこの扉。明らかに他の部屋の扉とは見た目が違う。何かがいるような気配がする。
重そうな扉に手を当て力いっぱい押すとその扉は重苦しい音を立てながら開く。直後悪寒が走る。何者かによる明らかにな敵対の意思のようなものが体を駆け巡る。そして扉の先の部屋で見た光景は一面赤い色で染め上げられた部屋だった。血のように赤い絨毯に、少し鈍い赤色のテーブル、赤い椅子など至る所に赤がある。そしてその奥にはひとつだけこの部屋の色とは違う、黄金のように輝く玉座のようなものがある。明らかに今までの部屋とは違う、ここに異変の主犯が居るのだろうか?
霊「何この部屋......。色が赤に金しかないじゃない。悪趣味な部屋ね」
涙「でも肝心の主犯がいないぞ?どうするよ」
霊「いや、見つけたわ。ほら、あそこ....」
霊夢が指差を指した場所は玉座の少し下、奥の方に見えるベットだった。確かに少し膨らんでいて人が寝ているかも知れないが........。
流石に異変の主犯が寝てたりしないだろ。まあこんな状況で寝てるのならある意味では大物である。
俺はベッドに近づき、かかっている布をめくる。
霊「どう?なにかいたかしら?」
涙「..........」
いた。
布団をめくっても起きないようで、完全に熟睡しているようだ。にしてもこれは......。見た目完全に幼女だろ。青みがかった銀髪に、衣服は、淡いピンク色の寝巻き。太い赤い線が入り、レースがついた襟。三角形に並んだ三つの赤い点がある。両袖は短くふっくらと膨らんでおり、袖口には赤いリボンを蝶々で結んである。しかしその背中には蝙蝠を彷彿させるような大きな羽があった。これが異変の主犯なのか?
涙「なあ霊夢......。異変ってのは幼女が起こすのか?今寝てるみたいなんだが」
霊夢が様子を見にベットまで来た。霊夢は呆れた顔をして
霊「本当に寝てるじゃない......。とりあえず起こすわ。ここに居るんだもの、何かしら関係してるんでしょ」
霊夢は寝ている幼女をお祓い棒で叩いた。ピシャッと高い音がなり幼女が起きたようだ。霊夢さんや、他の起こし方無かったんかね......。
?「う〜。何よ咲夜、まだ夜でしょ〜」
そう言いながら、寝ぼけた目を手で擦りながら話しかけてきた。起きた幼女は先程倒したメイドと俺たちを勘違いしているようだ。
霊「残念ながら私はメイドじゃないわ。さっさと起きなさい。私は博麗霊夢。この館から出ている赤い霧を止めに来たの。あんた何者?この霧と関係あるの?」
?「はぇ.....。はっ!幻想郷の巫女!?なんでここに来るのは明日の筈じゃ.......。まさか疲れて丸2日寝てたの?嘘どうしよう何も準備してないじゃない。咲夜ー!?」
物凄い慌てっぷりである。この様子だと、どうやら異変の関係者のようだ。だがこんな幼い子供まで使うとは今回の主犯はどんな奴なのだろう。
涙「お嬢さん、寝起きの所済まないんだがこの館から出てる霧は誰が出してるか知ってるかい?」
俺は目の前の幼女に聞いてみた。ところが幼女は下を向いたまま、ぷるぷる震えだした。そして顔を上げたかと思ったら幼女の羽から大量の蝙蝠がこちらに襲いかかってきた。
涙「えっ、ちょっ、いきなり!?」
どうにか背後に飛び蝙蝠を避けることができた。そして襲い掛かってきた蝙蝠は幼女の羽根に消えていった。
レ「いきなり何言い出すのよ!?。私はこの館の主人レミリア・スカーレット。巫山戯た事言ってると殺すわよ、人間」
どうやらこの幼児本当にこの館のあるじだったようだ。見た目完全に小学生くらいだけど主人なら相当な年だよな。何歳なんだろ?
目の前のレミリアの周りに再び蝙蝠が現れて覆い尽くす。蝙蝠が居なくなるとそこに服を着替えてドレスをきたレミリアがいた。
霊「それで、この霧を出してるのはあんたなんでしょ。迷惑だから止めてくれない?」
わぉ、霊夢さん怒ってらっしゃる。まあこの時間だもんな。いつも何時に寝てるんかしれんが、大体今は夜中の1時ぐらいだから眠いのも分かるわ。
だけどよ、女の子がそんな恐ろしい顔するのもどうかと思うぞ.......
レ「やだね、この霧は私達吸血鬼の弱点を無くす為に必要なの。日光が出てちゃ外に出歩けないじゃない。」
霊「交渉決裂ね。止める気が無いなら仕方ないわ、強制的に止めるとしましょうか」
なんだろう、今霊夢の顔がさっきと違う意味でヤバい。眠気と怒りが混じってよくわかんない表情になっとる。その顔もアウトですぜ.....
ん?その前に吸血鬼って言ったか?それならこいつ倒すのめちゃ楽な方法があるな。
涙「なあ吸血鬼さんよ、さっき敵意のない俺をいきなり殺そうとしたよなぁ。そりゃ流石に酷くないか?代わりにこっちの攻撃を1発ぐらい受けてくれてもいいんじゃないかね?」
レ「そおねぇ、確かにいきなり殺そうとするのは酷かったかしら?良いわ、代わりに貴方の攻撃一度だけ受けてあげる。まあ人間ごときでは?私に傷をつけられないでしょうけど」
そう、吸血鬼の明確な弱点は太陽、銀など色々あるが一番の弱点はプライドの高さである。吸血鬼は自分の種族を頂点と思い、驕り、慢心する。だからこそ、そこを馬鹿にしたり、相手を見下してくる。そこに今回は漬け込んだ。
涙「霊夢、ちょい俺の背後に居てくれや。よし、それじゃあ吸血鬼。1発避けずに受けてくれよ?」
霊夢が後ろに来たことを確認したら、能力を使い吸収済のある物を取り出した。俺の能力に覆われている野球ボール位でオレンジ色の球体だ。これをレミリアに投げつける。
涙「さよならレミリア、生きてたらどんな感じだったか感想聞かせてくれよ?」
レ「何を言ってるの?そんなもので......」
レミリアに球体が触れるのと同時に能力を解除。その瞬間、レミリアは赤くて紅い焔に包まれた。辺りを超高温の熱波と紫外線やらなんやら有害なものをひたすらばら撒く。吸血鬼ならこれは辛いだろう。
霊「涙あれはなんなの?やばいものってのは見れば分かるけど」
涙「あーね。あれね、擬似太陽っての。ちょいと知り合いに創って貰ってストック相手あるんだ。吸血鬼ならこれが一番効くだろ」
まあ擬似と言っても創ったのがアイツだからなぁ。ほぼ本物の太陽と同温度の6000度ぐらいはありそうだな。内部まではわからんが。人間なら当然即死だし、創れる奴も頭おかしいと思うけど。
涙「っと、そろそろかな?」
能力で擬似太陽を吸収する。あんまり長いこと使うと疲れるし、吸収しない限り燃え続けるから危ないんだよね。
さて、吸血鬼はっと。良かった生きてるわ。
涙「おーいレミリアさんよ、太陽を食らった感想はどうだい。これでもう降参するかい?」
そこには擬似太陽の熱で火傷を負ったレミリアがいた。流石に太陽がこんな屋敷の中で現れるとは思っていなかったのか、かなりのダメージを受けたようだ。肩で荒く息をしているが目は此方側を睨みつけていた。この目では俺も見たことがあった。この目では昔の俺の目とよく似ている。怒りや怨みと言ったモノが眼に現れている。
レ「まさか太陽を使ってくるとは思わなかったな。確かにかなりの痛手だがな、私はまだ戦えるぞ。それこそ人間2人ぐらいなら、簡単に殺せるぐらいはなッ!」
とレミリアが怒りを露わにしたのと同時にこちらに突進してきた。霊夢もいきなりの攻撃に反応が遅れて、このままでは分が悪い。俺は取り敢えず霊夢を突き飛ばした。しかし、レミリアはニヤリと笑みを浮かべている。
レ「残念ながら、私の狙いは最初からお前だ!」
狙われていたのは霊夢じゃなくて俺だったか。どうにか紙一重で突進を躱したが、左手に鈍い痛みが走る。そこにあった筈の左手はなく、代わりに赤い血が勢いよく流れ出ていた。
涙「流石吸血鬼、スピードも力も強いな。突進も躱したと思ったけど、左手を持っていかれたか」
霊「何呑気な事言ってるの!?早く止血しないと死ぬわよ!」
レ「やはり人間は脆いわね。少し掴んだだけで手が千切れたもの。それじゃあ今度は右手も.......?」
と言いかけてレミリアの言葉が止まる。霊夢もレミリアも驚いた表情で俺の左手を見ていた。噴き出ていた血は止まり、千切れた左手が再生してきているのだ。数秒で元通りになった左手を見てレミリアが叫ぶ。
レ「何故だ、今お前の左手は確かに千切った。だが何故お前の左手は再生する!?人間風情には肉体再生などできない筈だぞ!」
そりゃそうだろ。誰でも千切れた腕が生えてきたらびっくりする。俺はまあ。ね、見慣れてるから驚いたりしないけどさ。霊夢は驚いたが納得したような顔をしている。なんで再生したからわかったのかな?
霊「確かに普通人間は千切れた手なんかは生えてこないわね。一部例外を除けばね。例えば半妖とか人間に擬態した妖怪とかだったら出来るけど、涙はそんなんじゃ無いわね。そうなると.....」
霊夢が1人でブツブツ呟いているがレミリアはまだ納得出来ないようだ。
レ「お前の正体、本当は妖怪なんじゃないか?人間の再生力じゃない。妖怪でも肉体再生できる奴はそういないが」
ここで霊夢が疑惑を浮かべた顔で
霊「涙まさかとは思うけど、今までに変な魚に肉か薬を飲んだことある?」
おっ。霊夢がついに正解がわかったようだ。本当はあんまり知られたくないんだけど、今更だしまあいっか。
涙「お見事霊夢!俺は昔人魚の肉を喰ったようでな。この通り、身体が損傷しても再生するんだよね。俺も気付いた時びっくりしたわ」
霊夢から嫌な目でみられてるな。まあこんだけやっててまだ「僕は普通の人間です」ってのもおかしいかな?まだあいつらよりも可愛い能力だと思うけどね〜。
涙「それでレミリアさんや。この状況でまだ戦い続けるかい?俺は面倒臭いが諦めないなら付き合うぞ。見ての通り俺はしぶといぞ。そんな簡単には死なん」
ここで諦めて霧を解除するなら、これで終わり。解除しないなら......。解除してくれるまで交渉かなぁ。(物理)
レ「そうね。確かに私じゃ貴方を倒すのは骨が折れるわ。だからもう終わりにしましょう」
涙「それじゃあ、降参と。ならこの霧を解除して....」
レ「あら、終わるのは貴方のほうよ?」
レミリアが笑いながら俺を指差す。何か攻撃してくると思い、その場で構えていたが何も来ない。不発かな?それにしては何か怪しい。
涙「失敗したのか?それなら諦め......」
と言った瞬間に気付いた。足元にいつのまにか鎖のような物が絡み付いて身体を縛り付ける。しかもこの違和感、どこかで一度食らったことがあるぞ。まさか......。
レ「ミゼラブルフェイト。誰も運命からは逃れられない。私に刃向かった事を悔みながら、惨めに死ね!」
どうやらこの鎖。呪いだか魔法だかわからないが対象を確実に殺せるみたいだな。違和感の正体はこの事か。だが俺は......。
レ「何故っ、どうして死なない!?ミゼラブルフェイトは確実にお前を縛りつけている。それなら魔法の効果で死ぬはず。なのに何故死なない!?」
俺の身体に確かに鎖が絡みついている。だが、肝心の死に誘う事が出来ずに驚いているようだ。
涙「やっぱりな。どこかで一度受けたことあるはずだ。まあ俺に呪いとか即死系の物は効果無いぞ?とある事情でそういうのじゃ死ねないんだ。」
昔かけられた呪いのせいで今の俺はそんなものじゃ死ねない身体になったんだよな。これがいい事かどうなのかはわからんが。
レミリアは静かに震えていた。自分の奥の手が通じない。身体を千切っても再生する。こんな化物にどうやって戦えばいい?勝てる訳ない。そう思った瞬間、レミリアは.....。
レ「.........」
涙「おっ、まだ諦めないのか?それならとことん付き合おう。どちらが勝つか諦めるまで根競べだ!」
次の瞬間
レ「びゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!」
涙「....................は?」
目の前にいた誇り高き吸血幼女が、大粒の涙を流しながら泣き出した。
カリスマ
ブレイクッ