滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第16話

先日のライザーとの接触から翌日。オレたちは10日後に控えているライザーとのレーティングゲームのために部長のご家族が所有する別荘で修行をすることになった。

 

そして、オレは皆のサポートとして修行に参加することになった。

 

正直、オレの場合は白竜の滅竜魔法でライザーを消滅させることは容易いからな。

けれど、ストーリーに影響するからしないけど。

まぁ、今更ではあるが。

 

 

「ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ……ぜぇ」

 

「ほらイッセー、早く来なさい」

 

「美味しいですわよ~」

 

「は、は~い」

 

「あ、あの、私も少し荷物を持った方が…………」

 

「いいのよ。イッセーはあれくらいこなさないと」

 

 

部長たちはオレたちが歩いている道の先にある水飲み場で手を振っている。

 

 

「お先に」

 

「く、くそ……木場の奴、余裕見せやがって!」

 

「失礼」

 

「うあっ!?」

 

 

小猫はイッセーや木場の何倍ものデカさの荷物を軽々と背負いながら坂道を登っていく。

そして、オレはというと…………

 

 

「ほらほら、イッセー頑張れよ」

 

「あの………龍呀さん?貴方、その背負っている鹿はなんですか?」

 

「偶々、美味そうな匂いがしたから取ってきた。あとで食おうと思って」

 

「色々と駄目だろう!」

 

 

そして、別荘に着いたのだが…………

 

 

「なぁ、イッセー?」

 

「なんだ、龍呀」

 

「これはオレたちの知ってる別荘なのか?」

 

「いや、多分違う。これは、もはや……」

 

 

「「豪邸」」

 

 

「さぁ、中に入って直ぐに修行を始めるわよ」

 

「直ぐ修行!?やっぱり、部長は鬼だ!」

 

「悪魔よ」

 

 

別荘の中に入り、各自割り振られた自室で動きやすい服に着替える。オレはやっぱりナツの服が一番動きやすいので、ナツの服と同じ服装になる。

 

 

「龍呀、それ……」

 

「ああ、俺はこれが一番動きやすいからな」

 

「マジで、髪を染めたらFAIRY TAILのナツになるぞ」

 

「だろうな」

 

 

着替えが終わり、全員で別荘の外に出る。

 

 

─レッスン1─

 

 

 

「行くぜ、木場!」

 

「何処からでも!」

 

「ウリャアアアッ!」

 

「フッ!」

 

 

イッセーは木刀で木場へ仕掛ける。けれど、やはり剣は木場の専売特許である。

 

 

「そうじゃない、剣の動きだけじゃなくて相手や周囲もよく見るんだ」

 

「デヤアアアッ!」

 

「フッ!」

 

 

イッセーが大振りで振り下ろした木刀を木場は簡単に叩き落とした。

 

 

「あっ……」

 

「次、龍呀くん」

 

「オッシャアアアッ!」

 

「木場、実剣で来てくれ」

 

「いいのかい?」

 

「ああ」

 

「分かった。なら、本気で行くよ?」

 

「来い!」

 

「それじゃッ!」

 

 

木場はナイトの駒を使って全力で高速移動しながら向かってくる。けれど、そんなのはオレには通用しない。天竜の力で空気の流れを読んで見切る。

それにスピードなら俄然、ジェットの方が速い。

 

 

「そこだ!鉄竜剣!!」

 

 

右斜め後ろから来るであろう、木場の動きを先に読んで鉄竜剣で切り掛かる。

 

 

「ッ!?」

 

「流石はナイト。瞬時に剣でいなしたな」

 

「まさか、行動を読まれるとはね」

 

「もっと来いよ?」

 

「なら、遠慮なく!」

 

 

ある程度、木場との剣を交えると次は朱乃からの魔力の修行へ

 

 

─レッスン2─

 

 

「魔力は体全体を覆うオーラから流れる様に集めるのです」

 

「デイッ!ぐぬぬぬ…………」

 

 

イッセーは右腕を突き出して内側から捻り出す様な声をあげる。

 

 

「全然駄目だ……。なぁ龍呀、お前はどんな感じで魔力を出してるんだ?」

 

「オレか?そうだな……例えばナツの火竜の鉄拳なら、そのイメージを頭の中で自分と混ぜ合わせて、最後には自分で打つイメージを強くするだけ」

 

「ようは、イメージが大切って訳ね……」

 

「それが、かなりの物になるとこうなる」

 

 

オレは右拳の雷を帯びた炎をイッセーたちに見せる。

 

 

「雷を帯びた、炎…………」

 

「それって…………」

 

「そっ。モード、雷炎竜」

 

「二つの属性を合わせるなんて……」

 

「まさか、モードまでとは………ってことは、ドラゴンフォースも……?」

 

「一応は出来るぞ?」

 

「スゲー!」

 

 

続いて、朱乃から小猫の修行へ

 

 

─レッスン3─

 

 

「ぐあああっ、ガハッ!?」

 

 

イッセーは小猫に殴れて木に背中を打ち付けて倒れる。

 

 

「よわ」

 

「クッ、まだまだ!」

 

 

イッセーは再び、小猫に突撃するがあっさりとノックアウトされてしまう。

 

 

「打撃は相手の中心線を狙って、適格且つ抉るように打つんです」

 

 

「グアアアアア!?」

 

「ああぁぁぁ……」チーン

 

「あっ、やり過ぎました」

 

「おいおい……」

 

 

まさかのイッセーがダウンしたので、オレが小猫の相手をすることになった。

 

 

「では、行きます」

 

「来いよ」

 

「フッ!」

 

「……」ペシ

 

「ハッ!」

 

「……」ペシ

 

「ムッ」イラ

 

「当たってください」

 

「いや、当たってるじゃん」ペシ

 

「全て、いなしてるじゃないですか」

 

「そりゃ、修行だし……なっ!」

 

「!?」

 

 

ずっと小猫からの攻撃を全ていなし、小猫に隙が出たところに普通の拳を入れる。すると、小猫は咄嗟に腕をクロスしてオレの拳を受け止める。

その際、小猫の足元は後ろに引き摺られた様な跡が少しだけできる。

 

 

「龍呀先輩、本当に人間ですか?」

 

「う~ん。多分、そろそろ人間を止めてるかも?半人半竜?」

 

「それって確か、龍呀先輩が使っている滅竜魔法の副作用ですよね?怖くはないんですか?」

 

「そうだな~、怖くないと言ったら嘘になるかな。もしも、アクノロギアみたいになったらオレはこの世界で最も災厄の存在になってしまうからな」

 

「…………」

 

「お喋りはお仕舞いだ。ほら、かかってこい」

 

「行きます!」

 

 

それから30分くらい小猫と組み手をしてから、オレはみんなの夕飯の支度をしに別荘へと戻った。

 

 

「はい、お待ちどう」

 

「おお、スゲエ」

 

「これはこれは」

 

「これ全部、龍呀が作ったの?」

 

「ええ、そうですよ」

 

「龍呀くん、凄いね」

 

「美味しいそうです」

 

 

オレが作ったのは、行きに仕留めた鹿のローストビーフ、ジャーマンポテト、山菜の天ぷら、湖にいる魚で作った、魚のカルパッチョ等々、全部で15品ほど作った。

 

 

 

「イッセー、今日一日修行してみてどうだったかしら?」

 

「えっと、正直俺が一番弱かったです。人間の龍呀にすら勝てないなんて……」

 

「そうね、それは確実ね。それと龍呀は普通の人間とは桁が違うわよ、イッセー」

 

「でもアーシアの回復、貴方のブーステッド・ギアだって貴重な戦力よ。相手もそれを理解しているはずだから仲間の足を引っ張らないように、最低でも逃げるくらいの力は付けて欲しいの」

 

「りょ、了解ッス」

 

「は、はい」

 

「さて、食事も済んだし。お風呂に入りましょうか?」

 

 

部長から『お風呂』と聞いて、イッセーは勢い良く席を立ち上がる。

 

 

「お風呂ぉぉぉぉお!」

 

「あら、イッセー?私たちの入浴を覗きたいの?なら、一緒に入る?私は構わないわよ。朱乃はどう?」

 

「ウッフフフ。殿方のお背中を流してみたいですけど、私は龍呀くんが良いですわ」

 

「お、俺!?」

 

「龍呀、てめえ…うらやましいぞ!」

。゚(゚´Д`゚)゚。

 

「そんなことで泣くな!」

 

「アーシアはどうかしら?愛しのイッセーだから、平気よね?」

 

「はい」

 

「小猫は?」

 

「嫌です。ですが、龍呀先輩なら………考えても」

 

「だから、何で俺なんだよ!!」

 

「龍呀ァァァァア、貴様!」

。゚(゚´Д`゚)゚。

 

「だから泣くなっての!!」

 

「まぁ、朱乃が駄目な時点でイッセーの混浴は無しだけれど。龍呀、貴方はどうするの?私たちと入る?」

 

「断固として遠慮します!(仮にも、一緒に入ってみろ?黒歌に叱られるわ!)」

 

「あら、残念」

 

 

そして、食器の片付けをしてから男女に別れて温泉に入る。

しかし、やはりと言うべきか性欲の化身が興奮して止まない。

変態のイッセーは女子風呂との境目にある壁をずっと見ている。

 

 

「はぁ~、はぁ~」(*☆∀☆)=3

 

「イッセーくん、そんなことをして何の意味が?」

 

「黙ってろ、これも修行の内だ!」(*`Д´)ノ!!

 

「イッセーくん、透視能力でも身に付けたいのかな?」

 

「さぁな?アイツならやりかねん」

 

「ところで龍呀くん」

 

「なんだ?」

 

「その体の傷は一体?」

 

「これは滅竜魔法を修行してる時に付いた物だ。かなり、無謀な修行方法をしていたからな」

 

「どんな修行なんだい?参考まで聞かせてくれるかな?」

 

「そうだな……。まずは、山籠りだな。それも魔獣が住んでる山のな」

 

「え?」

 

「それから、ドラゴンと戦ったり……」

 

「…………」(;゚Д゚)

 

「他にはフェアリーテイルの仲間と戦ったりかな?」

 

「なんか、とてつもないね」

 

「そうか?今もそれに近い修行は毎日してるぞ?」

 

「その修行は一体……」

 

「伏魔殿っていう殿堂をクリアする修行なんだが、難易度があってイージー、ノーマル、ハードの中から1つを選択して殿堂の中に居るD~Sまで100体の悪魔を倒すんだ」

 

「悪魔?僕たちとは違うのかい?」

 

「こっちのは人の形をしてないし、言葉すら話さない化け物さ」

 

「そんなのがいるんだね……」

 

「なんなら、今度やってみるか?」

 

「え、いいのかい?」

 

「構わないさ。ただし、かなり難しいぞ?俺でもノーマルをクリアするのに一時間くらいかかるし」

 

「龍呀くんですら一時間も……」

 

「そんだけ難しいのさ。先に上がるぞ?それとイッセー、そろそろ止めないと小猫の拳が鳩尾に来るぞ」

 

「マジか!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

温泉から上がり、皆、自室で寝静まっている時。オレは一人、別荘から抜け出し森の中へと入る。

そして、少し開けた場所で伏魔殿のラクリマを起動させて伏魔殿に挑む。

 

 

 

「よし、今回はハードでやってみるか」

 

 

しかし、この時、温泉で臭いが流れていた所為かオレの後を尾行して来ている者が居るとは気が付かなかった。

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

《side小猫》

 

 

 

私は喉が乾いたので水を飲みに行くと龍呀先輩が一人、別荘から抜け出すのを見つけた。

 

 

「こんな夜中に何処へ行くんだろう?」

 

 

そんな先輩を興味本意で追いかけると森の中へと入り、やがて開けた場所に着くと龍呀先輩は切り株の上に水晶の様な物を置いた。

そして、その水晶に魔力を送ると龍呀先輩はその場から消えた。

 

 

「え、消えた!?」

 

 

木の影から出て、龍呀先輩を探すが見当たらない。最後の可能性として龍呀先輩が触った水晶に私も触ると水晶が突然、光だした。

 

 

「にゃっ!?」

 

 

光が止むと水晶の上にホログラムの様な物が出現し。そして、そのホログラムには龍呀先輩が映っていた。

しかし、ただ映っていたのではなく、大量のモンスターと戦いながらボロボロになっている龍呀先輩が映っていた。

 

 

「なに……これ……」

 

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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