滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第17話

《side小猫》

 

 

修行一日目の夜。皆が寝静まった頃、水を飲みに行くと龍呀先輩が別荘を出たので追いかけると開けた場所で先輩は水晶玉の様な物に手を触れると姿を消した。

 

私は水晶玉が気になり触れるとホログラムの様な物が現れ、そこにはボロボロの龍呀先輩が映っていた。

 

 

「龍呀……先輩?」

 

『ぐああああ!!』

 

「あっ!」

 

『まだまだ、こんなんじゃアイツを守れない……』

 

「アイツって誰のことなんだろう……?」

 

『モード、白影竜&カオスドライブ!!』

 

 

龍呀先輩は白と黒の魔力をその身に纏い、『カオスドライブ』と叫ぶと先輩の魔力の質が濃くなった気がする。

 

 

「カオス……ドライブ……」

 

『白影竜のカオスレイ!!』

 

 

右手の白い魔力、左手の黒い魔力を合わせて無数の白黒の閃光を先輩がモンスターたちに放つ。

すると、大量に居たモンスターはある程度、倒すことに成功するがまだ何十体ものモンスターが先輩のことを囲んでいた。

 

 

「こんなの、勝てっこいない……」

 

『まだまだ、諦めねぇぞ!』

 

「龍呀先輩……」

 

『ウオオオオオ!!』

 

 

それから、何十分も先輩はモンスターたちと傷だらけになりながら戦い続けた。

そして、先輩は殆ど立ってるのですら限界な状態なのに大技を繰り出す。

 

 

『滅竜奥義・改 聖影竜閃牙!!』

 

 

大技が放たれるとそれはモンスターたち呑み込んでいく。

 

 

「凄い……」

 

 

しかし…………

 

 

『だめ……だったか……』バタリ

 

 

龍呀先輩は全ての魔力を使い果たしたのか、その場に倒れてしまう。

 

 

「龍呀先輩!」

 

 

先輩が倒れたのも束の間、大量に居たモンスターは倒したはずなのに違うモンスターがジリジリと龍呀先輩に近づく。

 

 

「そんな…………どうにかしないと」

 

 

私は水晶玉をあちこち触り、龍呀先輩をあの場からこちら側に戻せないか試す。

 

 

「お願い、戻って!」

 

 

水晶玉をあちこち触っていると何かが反応する感覚があり、後ろから【ドサッ】と何かが落ちる音が聞こえた。

 

 

「龍呀先輩、龍呀先輩!」ユサユサ

 

 

何度も先輩の名前を呼んでも返事がない。なので先輩を担いで別荘に戻り、アーシア先輩の部屋のドアを叩く。

 

 

「アーシア先輩!アーシア先輩!」ドンドン

 

 

何度か呼んでいるとドアが開き、アーシア先輩が目を擦りながら出てきてくれた。

 

 

「どうしたんですか、小猫ちゃん?」

 

「龍呀先輩が……龍呀先輩が大変なんです!」

 

「龍呀さんが?」

 

 

アーシア先輩を連れて一階のリビングにあるソファーに寝かせているボロボロの龍呀先輩を見せた。

 

 

「これは!?」

 

「何があったんですか、小猫ちゃん?」

 

「龍呀先輩が一人で別荘から出ていくのが見えて追いかけると、水晶玉みたいな物を出して、それに触れると消えたんです」

 

「それで、私も水晶玉を触ってみたらホログラムの様な物が出て来て。そこには既にボロボロになった龍呀先輩が大量のモンスターと戦っていたんです」

 

「ということは、龍呀さんは一人で修行を?取り敢えず、怪我を治します」

 

「お願いします」

 

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

《side龍呀》

 

 

 

「んん…………知ってる天井だ」

 

「龍呀先輩!」

 

「龍呀さん!」

 

「あれ?アーシアに小猫?なんで?」

 

「てか、オレ、いつ別荘に戻った?」

 

「もう、心配したんですよ!」

 

「まったくです」

 

 

アーシアと小猫の言葉でオレに何があったのかを思いだした。

 

 

「あー、なるほど。伏魔殿で魔力のペース配分と難易度を見誤ってリタイアしたのか」

 

「なんで、あんな無茶な特訓をしてたんですか?」

 

「…………」

 

「教えてください」

 

「言ったらお前が傷付くぞ?」

 

「構いません」

 

「不完全燃焼だったんだよ、昼間の特訓がな。だから、誰も起きていない真夜中に普段している特訓をやろうと思ったんだよ」

 

「そうですか…………」

 

「まぁ、今日はもう伏魔殿には挑まないさ。魔力も無いしな」

 

セカンドオリジンを解放してれば、伏魔殿のハードをクリア出来たかもしれないがそれでは意味がないのだ。

 

 

 

 

 

 

 

あの夜から早くも8日間が過ぎ、今日はイッセーの成長を確かめる日だ。

 

 

「ブーステッド・ギアを使いなさい。イッセー」

 

「え?」

 

「でも、この合宿中は使っちゃダメだって、部長が…………」

 

「私の許可無しにはね?」

 

「相手はそうね……龍呀、頼めるかしら?」

 

「ご指名とあらば」

 

 

部長のご指名なのでオレはイッセーの前で構える。

 

 

「何処からでもかかってこいよ」

 

「ブーステッド、ギア!」

 

 

イッセーがそう叫びながら構えると左腕から真っ赤な声で出現する。

 

Boost!!

 

 

「もう一度!」

 

「ブースト!」

 

 

Boost!!

 

 

「もう一度!」

 

「ブースト!」

 

 

Boost!!

 

 

「まだまだよ!」

 

「ブースト!」

 

 

Boost!!

 

 

「もう一回!」

 

「ブースト!」

 

 

Boost!!

 

 

「もっと!」

 

「ブースト!」

 

「ブースト!」

 

「ブースト!」

 

 

Boost!!

 

 

「これで12回パワーアップしましたわ」

 

 

朱乃の言うとおり、イッセーはブーステッド・ギアで2の12乗強化した。よって、イッセーの能力は4096倍されているのだ。

 

 

「ストップ!」

 

「イッセー、分かる?今までの貴方なら、ここまでの強化に耐えられなかったはずよ」

 

「ッ……!」

 

「貴方だって、ちゃんと修行の成果が表れているのよ?」

 

「そうか………!」

 

「それでは始め!」

 

 

部長の合図で、イッセーは今まで溜めていた力を解放する。

 

 

「行くぜ!ブーステッド・ギア!」

 

 

Explosion!!

 

 

するとイッセーの魔力の質が一気にデカくなった?

 

 

「あれは?」

 

「あの音声によってイッセーは、一定時間強化されたままの状態を保ったままで戦うことができるのよ」

 

 

ブーステッド・ギアの不思議な音声が気になったアーシアに不思議な音声のことを部長が教える。

 

 

「龍呀!」

 

「了解!」

 

「ウオオオオッ! 鉄竜剣!!」

 

「ぐっ!?」

 

 

ある程度、手加減をした鉄竜剣をイッセーに向けて振り下ろす。それをイッセーはブーステッド・ギアで受け止め、弾く。

 

 

あれ?一応、鉄竜剣も滅竜魔法なのにダメージがそんなに無い?

あっ!まだ、イッセーがドライグと取引してないからか、納得。

 

 

「イッセー!魔力の塊を撃つのよ!」

 

「ハアアアアッ!!」

 

 

イッセーは左手を開き、小さな魔力の塊を生成する。

 

 

「やっぱり、これだけ!?」

 

「行くぞ、イッセー!」

 

「撃ちなさい!」

 

「このォォォォォォオ!!」

 

 

イッセーは先ほど生成した小さな魔力の塊をブーステッド・ギアで殴ると魔力の塊は巨大なビームとなってオレに襲いかかってくる。

 

 

「チッ!」

 

「雷炎竜の撃鉄!!」

 

 

いきなりのことにオレも反応が遅れたので咄嗟に雷炎竜の撃鉄でイッセーが放った魔力の塊を空へと軌道をずらす。

ずらした魔力の塊はかなりの高さまで上ると爆発し、空にあった雲がその爆発により全て吹き飛ぶ程の威力だった。

 

 

「いやー、参ったぜ。いきなりのことだがら雷炎竜の撃鉄を使っちまった」

 

「こ、これが俺のちか……ら……」

 

 

イッセーは一気に力を消耗したのか、その場で膝をついてしまう。

 

 

「イッセーさん!」

 

「流石に力を使い果たしたみたいね。それと龍呀、今の雷を帯びた炎は?」

 

「あれは、モード雷炎竜です。炎の滅竜魔法と雷の滅竜魔法を混ぜ合わせた物なんですよ」

 

「そんなものまで隠していたのね」

 

「正直、モード雷炎竜とかは人間界で使えば簡単に街が一つ丸ごと無くなる威力を持っていますから」

 

「そんなに………?」

 

 

部長はモード雷炎竜の力を聞いて驚いていた。

 

 

「イッセー、貴方はゲームの要。恐らく、イッセーの攻撃力は状況を大きく左右するわ。私たちを、そして何より自分を信じなさい」

 

「みんなを………自分自身を………」

 

 

こうして俺たちの修行合宿は最終段階へと移行した。

 

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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