《side龍呀》
ライザーと戦い終わったオレたちは、パーティー会場へと戻ってきていた。
「それでは、ドラゴンスレイヤーくん。君が望むのはとある悪魔の全権だが。そのとある悪魔とは一体誰のことだい?」
ようやく、ようやく、お前を本当の自由に出来る時が来たぞ。黒歌!
「オレが言っていたとある悪魔とは、SS級犯罪悪魔の黒歌のことだ」
「「「なっ!?」」」
パーティー会場にいるサーゼクスとグレイフィア以外の悪魔たちが俺の発言に凄く驚いていた。その中でも小猫が信じられないという目でオレを見ていた。
「魔王ならちゃんと答えてくれるよな?」
「ふざけるな!SS級犯罪悪魔の黒歌だと!?」
「正気なのかこの人間は!?」
「あんな主殺しの全権などと……」
オレは貴族の悪魔たちが放ったその言葉に怒りが爆発した。
「おい、誰だ今の?何も知らない奴がアイツの……黒歌のことを悪く言うんじゃねぇ!!!!」
堪忍袋の緒が切れたので魔力を全力で解放する。するとオレの魔力で立っている場所にはクレーターの様な物ができ、パーティー会場は揺れ出し、柱や壁には皹が入る。
この時のオレの目には殺意が宿っていた事だろう。
「龍呀……」
「龍呀くん……」
「龍呀先輩……」
「分かった。私こと魔王サーゼクス・ルシファーの名に置いて、SS級犯罪悪魔である黒歌の全権をフェアリーテイルの滅竜魔導士 狩谷龍呀くんに一任する。また、黒歌くんのはぐれ悪魔認定はこの場合に置いて既に解除したものとする」
サーゼクスの宣言を聞いたオレは少しだけ頭が冷静になる。
「後日、君の所へ我が妹リアスを通して黒歌くんの権利書を渡す」
「分かった」
オレはパーティー会場から出ようとするが念のために、この場にいる貴族悪魔たちに念を押す。やり方は白竜のドラゴンフォースで貴族悪魔を脅す。
「もしも今後、黒歌や黒歌の家族に手を出してみろ?サーゼクス・ルシファーの腕に傷を負わせたこのオレがお前たちを跡形も無く、聖なる白竜の力で消し飛ばしてやる。覚えておけ」ゴゴゴゴ
それを最後にオレは本当にパーティー会場から退場した。
▽▲▽
《sideイッセー》
俺は今。本能的に死の恐怖を感じた。
龍呀が勝利の対価にSS級犯罪悪魔の黒歌とかいう悪魔の全権と言った途端に貴族の悪魔たちは騒ぎだす。そして、貴族の誰かが黒歌の悪口を言った途端に心臓が止まるかの様な圧力を感じた。
その圧力を出していたのは龍呀だった。
その時の龍呀の目は今までに見たことが無いほど、怖い目をしていた。それも目から殺意がビシビシと伝わってくるほどだ。
そして、パーティー会場を出る時に扉があった所で立ち止まると白竜のドラゴンフォースを使ったのか龍呀の身体には白い竜の鱗が現れていた。
他にも驚くことがあった。なんと、龍呀は部長のお兄さんである。サーゼクス・ルシファー様に手傷を負わせたことがあるらしい。それを聞いたパーティー会場の悪魔たちは顔が一気に青ざめたり、ガタガタと震え出した。
マジで、どんだけ規格外なんだよ。お前は…………。
「お、お兄様。龍呀が言った事は本当ですか?」ガタガタ
「ああ、本当だとも。私は彼と一度戦ったことがある。無論、お互いに本気ではなかったけどね。でも、まさか彼の本気があそこまで凄まじいとはね。もしかしたら、私でも勝てないかもしれないね」
「今まで私たちは一緒に過ごして来ましたが、彼の力の底が分かりません」ガタガタ
「何、人間界でも言うだろう?『触らぬ神に祟り無し』ってね。だから、この場にいる全員に私からのお願いだ。彼の逆鱗には触れないでくれ。これは今後、彼とは友好な関係で居たいからだ。もしも、彼の逆鱗に触れてしまったら今度こそ私たち悪魔にとって滅亡の未来が見えてくる。私からは以上だ」
サーゼクス様のその発言にパーティー会場内の悪魔たちは一同に同意の意を示した。
▽▲▽
《side龍呀》
サーゼクスに勝利の対価に黒歌の全権をオレへ一任することの言質を取った。それにパーティー会場に居た悪魔たちにも牽制が出来たから、よしとしよう。
「ただいま」
「お帰りなさい、龍呀」
「黒歌、話がある」
「分かったにゃ」
オレは一度、自室へ行き。部屋着へと着替えてからリビングで椅子に座り、黒歌と対面する。
「それでパーティー会場での事だが、結果として黒歌のはぐれ悪魔認定は解除。ならびに黒歌の全権は俺に一任されることになった」
「本当なの……?本当に私はもう、はぐれ悪魔なんかじゃないの?」ポロポロ
「ああ。もう、お前を苦しめる物はない。黒歌、お前は今度こそ本当の自由なんだ」
「龍呀……ありがとう……ありがとう」ポロポロ
「どういたしまして」
「後日、部長の方から黒歌の権利書が届くはずだから、それまではまだ自由じゃないけど」
「分かってるわ」
「それと、アイツに…………白音に本当のことを話そう。パーティー会場でオレの対価を話した時、アイツが一番驚いていたはずだ」
「…………」
「大丈夫だ、心配すんな。お前たちは家族なんだ。だから、必ず分かり合える」
「分かった。白音に本当のことを話してみる」
「ああ」
それから3日後。部長にサーゼクスから権利書が届いたと連絡が来た。そして現在、オレはグレモリー眷属に囲まれながら権利書を拝見している。
「確認しました」
「ありがとうございます、部長」
「礼には及ばないわ、魔王様からのご命令だから。それで龍呀。何故、貴方が元SS級犯罪悪魔の黒歌のことを知っていたの?」
「そうですね。そろそろ、話しても構わないかな。まず、オレはこの世界の住人じゃない」
「「「!?」」」
「それはどういうこと、龍呀?!」
「オレは元の世界で神様のミスとかで死んでしまったんですよ。それで、ここに転生させてやると言われて、オレは神様に滅竜魔法を護身用にくれと願ったんです」
「だから、お前は滅竜魔法が使えたのか」
「ああ。でも滅竜魔法を貰ってもただ使えるだけだから天狼島で5年間の間、修行したんだ」
「それで最後に黒歌は神様から救ってほしいと言われたから助けた。これは朱乃、お前も含まれている」
「私も……?」
「オレがいなかったら、朱璃さんは…………」
「そうですわね。龍呀くんがいなかったら……今頃、私も母様も……」
「今まで黙ってて悪かったな」
今まで黙っていたことを話して少しだけ心の重荷が軽くなった気がする。
「龍呀先輩。姉様は……黒歌姉様は何処に?」
「オレの家だ。小猫、いや……今はこう呼ぶべきだろうな、白音」
「!?」
「白音、お前は黒歌から聞かなければいけないことがある。何故、黒歌がはぐれ悪魔になってしまったのか、その真実をな」
「…………」
「なら、私も同席するわ龍呀!」
小猫に黒歌の話しを聞かなければならないとオレが言うと、直ぐに部長が自分も同席させろと言い出した。
「部長、それはできない」
「なぜ?私は小猫の主で小猫は私の下僕なのよ!」
「主だろうが下僕だろうが、部長は白音とは血が繋がっていない。端から見れば、部長は赤の他人だ」
「!?」
「それとも部長はグレモリー家のこと全てを血の繋がっていない赤の他人に話せますか?」
「そ、それは…………」
「なら、オレの言っている意味が分かるでしょ?これは、血を分けた黒歌と白音、二人の姉妹だけで話すべきことなんですよ」
「分かったわ」
「ありがとうございます」
「それじゃ、俺はこれで。白音、心の整理が出来たら、ここへ何時でも来るといい」
小猫が座っているソファーの前にあるテーブルに一枚のメモを置いて、オレは部室から出た。
オリ主の滅神魔法について
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完全習得(永久的)。
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一時的な習得(今章限り)
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今後も使える(条件有り)
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ごめん、使えなかった。