権利書を部長から受け取ってから早くも一週間。その間、小猫はずっとオレのことを避けていた。そしてある日の夜、オレの家の呼び鈴が鳴る。
「はーい、どちらさ………白音」
「こんばんは。黒歌姉様、龍呀先輩」
「心の整理は着いたのか?」
「はい。なので、来ました」
「分かった。取り敢えず、中に入れよ」
「お邪魔します」
小猫をリビングへと案内して黒歌と対面する様に椅子に座らせる。
「あとは二人で思う存分話すと良い。オレは地下に居るから」
地下に入ると見たことがある人物がいた。
「なっ!? 貴女は、メイビス・ヴァーミリオン!?」
「こんばんは、異世界にいる若き妖精の魔導士」
「なんで、初代が?」
「私が居るのは、貴方を迎えに来たのですよ。狩谷龍呀」
「オレを迎えに来た?」
「そう。今後、貴方の行く道には戦の困難が待ち受けています。だから、神様が貴方に新たな力を身に付けて貰わないといけないとのこと」
「新たな力を……?」
「それでは行きましょうか」
「ちょっ、待っ!」
……パンッ!
オレが言い終わる前に初代が両手を合わせて『パンッ』と鳴らすと身体に浮遊感が襲い。それが止むとオレはただただ広い場所に居た。
「ここは…………?」
「やぁ、久しぶりだね」
「あっ、エセ神様」
「誰がエセ神様だ!まったく」
「狩谷龍呀くん。君を呼んだのは他でもない、君に新たな力を身に付けてもらうためだよ」
「何でだよ?オレは転生する前、確かに4つ願いを選んだはすだ」
「いいや、君には4つ目が残っている。だから、私が勝手に決めたよ」
神様がそう言うと右手を高く上げて、そして…………。
「さぁ、来てくれ!」
指を鳴らすと神様の背後に魔法陣が展開される。そして、その魔法陣から現れたのは…………
「なっ、お前は………!?」
「貴様が異世界の滅竜魔導士か?」
「アクノロギア!」
「我こそはアクノロギア!竜の王にして全ての竜を滅する魔の竜なり!」
アクノロギアは自分の名前を口にすると共に魔力を解放する。その魔力のデカさにオレは吹き飛ばれそうになるが足を踏ん張る。
「ぐっ!?」
「なんて、魔力のデカさだよ。こんな奴をナツは倒したのか」
「ナツ?それはナツ・ドラグニルのことか?」
「ああ、ナツはオレの仲間だ。そしてオレは、ギルド フェアリーテイルの滅竜魔導士、狩谷龍呀」
「狩谷龍呀。よし、覚えたぞ」
「で、神様。アクノロギアを呼んで何をするんだ?」
「そんなの決まってるじゃん、修行だよ」
「え……?」
「この空間は君の居た世界と時間が異なるから思う存分に修行するといいよ。アクノロギアの状態は最盛期にしてあるから」
「ほう?神とやらも粋なことをしてくれるな」
「なに、君には彼を鍛えて貰わないと」
「よかろう。その余興、この我が乗ってやろう」
「マジかよ…………」
「それでは早速行くぞ。異世界の滅竜魔導士、狩谷龍呀!!」
「来やがれ、魔竜アクノロギア!!」
◇◆◇
《side黒歌》
白音が家に訪ねて来て、リビングで対面する様に座り、龍呀が私たちのために地下へ行った後。
未だに、私たちは沈黙したままだった。
「…………」
「…………」
しばらく沈黙を続けていると白音がしびれを切らしたのか口を開いた。
「お久しぶりです。黒歌姉様」
「そうね。久しぶりだにゃ、白音」
「先日、龍呀先輩から聞きました。私は姉様が何で、はぐれ悪魔になったのか。その真相を」
「…………」
「聞かせてもらえますか?」
「…………分かったにゃ」
やっぱり、話さないとダメなんだ。龍呀は大丈夫だと言っていたけれど、それでも不安だ。
でも、家族だから伝えないといけない。せっかく、龍呀がくれた白音と和解するチャンスなんだもの!
「白音は、私がナベリウス家の分家の上級悪魔の眷属になったのは知っているかにゃ?」
「はい。部長……リアス・グレモリー様とサーゼクス様から聞きました」
「その時の主に私は、私たち二人が生きて行くために必要な、衣・食・住を提供してもらうことを対価に転生悪魔として眷属になったにゃ」
「けれど、アイツは私たちの仙術の力に目を付け、白音を無理矢理にでも眷属にすると言い出したにゃ」
「え……?」
「だから、私は何度もアイツに抗議したにゃ。私がもっと頑張るから妹に……白音だけには手を出さないでと」
「けれど、アイツはそれを聞き入れなかった。だから私はアイツを殺してはぐれ悪魔になったにゃ」
「そんな……そんなことが」
「本当は知らないままで居て欲しかったにゃ。これを聞いたら、白音は絶対に自分を責めるから」
「そんなの当たり前じゃないですか!」
「私はずっと姉様が仙術の力に溺れて主を殺して、はぐれ悪魔になったと……」ポロポロ
「そして、弱い私は要らないから置いて行ったと…………ずっと、そう思ってたのに」ポロポロ
「なのに姉様は、私を守るために…………」ポロポロ
「ずっと、ずっと、私は姉様のことを誤解していたなんて、ごめんなさい、ごめんなさい」ポロポロ
白音は私から真実を聞いて泣き出してしまう。
私はそんな白音に寄り添い抱き締める。
「でも、いいにゃ。私は別に何とも思ってないから、こうして白音と本当の話しができて、それで十分だにゃ」
「黒歌姉様……」ポロポロ
「これも全て、龍呀のお陰だにゃ」
「はい。龍呀先輩には感謝してもしきれません」
こうして、私は龍呀のお陰で白音との和解ができた。
そして、和解が出来て綺麗に話が終わり告げようとした時、地下の部屋から今までに感じた事のない。
計り知れない魔力のデカさを感じた。
「「!!」」
「な、何ですか、この魔力のデカさ!?」
「この魔力の波動は……龍呀!」
私たちは急いで地下へ行くと、ズボンがボロボロで上半身が裸、首にお気に入りマフラーを巻いて、目を瞑っていた龍呀がそこに佇んでいた。
「りゅ、龍呀?」
◇◆◇
《side龍呀》
オレは初代によってエセ神様の所へ飛ばされ、エセ神様の力で魔竜アクノロギアとの修行を終えて元の世界に戻ってきた。
しかし、さっきほどまでアクノロギアとガチバトルをしていた所為か魔力をゼロまでに抑えることが出来ていなかったようでリビングにいる黒歌たちが慌てて降りてきた様だ。
「りゅ、龍呀?」
「ん?黒歌か……話は終わったのか?」
「う、うん。終わったにゃ」
「それより、その魔力のデカさは何ですか………龍呀先輩?」
「ライザーとの試合でも、そんなデカさはしていませんでしたよね?」
「ああ……。さっきまで神様の所でアクノロギアと修行してたんだよ」
「アクノロギア!?」
小猫はオレの修行相手を聞いて、すごく驚いていた。
「白音、ソイツを知っているのかにゃ?」
「私も詳しくは知りませんが、リアス様のポーンで今代の赤龍帝の兵藤一誠先輩から前に聞いたのですが」
「魔竜アクノロギア、そのドラゴンは世界をも破壊できる程の力を持っているドラゴンだとか」
「世界を破壊する程の力を持っているドラゴン!?」
「そんな化け物みたいな奴と修行をしてたのかにゃ、龍呀は!?」
「だから、そう言ってんだろうが。それにお互いに魔法が効かないから素手で戦うことになったし」
「魔竜と素手で…………」
「何処までも規格外だにゃ…………」
「それより、腹が減ったから何かないか?」
「なら、そろそろ夕飯の時間になるから何か作るにゃ」
「ね、姉様が料理を作る日が来るなんて……」
「白音、私も一応女よ。料理ぐらいは作れるわよ」
「でも、子供の頃に作ってもらった時……」
「あ、あの時はまだ未熟だっただけにゃ!」
「何でもいいから飯~」
オリ主の滅神魔法について
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完全習得(永久的)。
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一時的な習得(今章限り)
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今後も使える(条件有り)
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ごめん、使えなかった。