滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第26話

イッセーが合流したので、本格的にはぐれ悪魔退治に乗り出す。

 

 

「はぐれ悪魔はあの廃工場の中ですか?」

 

「間違いなく、はぐれ悪魔の臭い」

 

「オレも感じてるから間違いないな」

 

「今晩中に討伐するよう命令が出てしまいまして」

 

「それだけ危険な存在って訳ね。中で戦うのは不利ね」

 

「アーシアは後方に待機。朱乃と私は外で待ち構えるから小猫と裕斗とイッセー。それに龍呀で敵を外に誘き寄せてちょうだい」

 

「「「「了解」」」」

 

 

部長の指示で皆が動き出す。

 

 

「黒歌、何も無いとは思うがイレギュラーがあったら部長たちを頼む」

 

「分かったわ」

 

 

黒歌に部長たちのことを頼み。オレたちは廃工場へと入る。

 

 

 

「今度はどんな奴かな?また、化け物みたいな奴だったら…………」

 

「えい」

 

「ラアッ!」

 

 

イッセーが何か言っているがオレと小猫は堂々と扉を蹴り破る。

 

 

「やっぱり、いきなりですか……」

 

「チマチマやっても面倒なだけだろう?本当なら工場ごと消し飛ばした方が早いんだけど」

 

「そんな無茶苦茶な……」

 

 

 

廃工場の中に入ったらまず、雷竜の魔法でハンドボールくらいの大きさの雷電球を4つ作り工場内の端に飛ばす。

 

 

「雷電球よ!」

 

「オオオオッ、明るい!」

 

「これなら、直ぐに見つかるだろう?」

 

「でも、龍呀。こんなことをしたら、他の人間たちにばれるんじゃないか?」

 

「その心配は無用ですよ、イッセー先輩」

 

「小猫ちゃん?」

 

「姉様が、龍呀先輩のために廃工場の周りに結界を張ってるので」

 

「そういうことだ。それよりも………いたぞ!」

 

 

オレが見ている先には物陰に隠れる銀髪の女性が居るが、その女性はいきなり物陰から出ると姿を人間から角の生えた蜘蛛へと変貌させてた。

 

 

「ヴェェェェア!!」

 

「どあっ!?やっぱり、化け物じゃん!」

 

 

『Boost!』

 

 

姿を蜘蛛へ変貌させたはぐれ悪魔は意外にも敏捷性が高く、駒は多分ナイトだろうと推測する。なので、ナイトにはナイトで対抗する。

 

 

「裕斗先輩、お願いします」

 

「…………」

 

「裕斗先輩!」

 

「あっ!ごめん」

 

 

木場は戦闘中には関わらず。何かを考え込んでいたのか動き出しが遅く。はぐれ悪魔が先に蜘蛛の尻の部分からクモの糸の様な物を出すがオレは本能的にそのクモの糸は危ないと感じたので天竜の魔法で防御する。

 

 

「天竜の旋風壁!!」

 

「龍呀、ナイス!」

 

『Boost!』

 

 

「次は俺だ!」

 

 

『Explosion!』

 

 

「喰らえ、ドラゴン・ショットー!!」

 

 

イッセーは二度倍加させた力でドラゴン・ショットーを放つがはぐれ悪魔の手で簡単に弾かれてしまう。

 

 

「チッ!やっぱり、パワーアップが足りねぇか……」

 

「何、ボーっとしてんだイケメン!」

 

「ッ!!」

 

 

木場はイッセーの声で我に還ってたのか鞘から剣を引き抜き。高く飛び上がり、クモの巣でぶら下がっているはぐれ悪魔に切り掛かる。

 

 

「デヤアアアアッ!」

 

 

木場の一太刀ではぐれ悪魔は左腕を切り落とされる。しかし、着地時に何かに躓いてしまう。

それをチャンスと思ったのか、はぐれ悪魔は木場に覆い被さるように襲いかかる。

 

 

「木場!」

 

「本当に何をボサッとしてやがる!」

 

 

オレは木場を助けるために足に魔力を纏わせて敏捷性を高めてから一気にはぐれ悪魔の懐へ入り、魔力を纏わせた拳でアッパーを決める。

それにより、はぐれ悪魔は廃工場の天井にある硝子を貫いて外へ出る。

 

 

「朱乃、任せた!」

 

「分かりましたわ!」

 

「ハアアアアッ!」

 

 

外へと出たはぐれ悪魔は外で待ち構えていた朱乃の雷撃により、黒焦げになる。黒焦げになったはぐれ悪魔は地球の重力で落下する。落下する場所は運悪く部長の目の前だ。

 

 

「主の下を逃げ。己の欲求を満たすままに暴れ回る不貞の輩。その罪、万死に値するわ!」

 

「グレモリー公爵の名において、貴方を消し飛ばしてあげる!」

 

 

部長は最後の留めに破壊の魔力ではぐれ悪魔を言葉通り跡形も無く消し飛ばした。

 

 

「やった!」

 

「心を完全に失っていました。最早、悪魔とは呼べませんわね」

 

「ああは成りたくねぇな」

 

 

イッセーは、はぐれ悪魔の成れの果てを見て体を抱き締めた。

 

 

「なら、部長から下から離れないことだな」

 

「あの様なはぐれ悪魔でしたから緊急の討伐命令が出るはずですわ」

 

 

はぐれ悪魔の討伐を無事に終えて一息入れていると、少し離れた場所で叩かれる音が聞こえた。

その音は部長と木場によるものだった。

 

 

「これで、目は覚めたかしら?」

 

「…………」

 

「少し間違えれば誰かが危なかったのよ?」

 

「すみませんでした」

 

「一体どうしたの?貴方らしくもない」

 

「調子が悪かっただけです。今日はこれで失礼します」ペコリ

 

「裕斗……」

 

 

木場は部長に一礼して廃工場から去ろうとするのをイッセーが追いかけて声をかける。

 

 

「木場!」

 

「どうしたんだよ?マジでお前、変だぞ?部長にあんな冷たい態度なんて」

 

「君には関係ないよ」

 

「心配してんだろうが!」

 

「心配?誰が誰をだい?」

 

「は?」

 

 

イッセーは木場が言っている意味が理解できなかった。

 

 

「悪魔は本来利己的なものだろう?」

 

「お前………何を言ってんだよ?」

 

「まっ、今日は僕が悪かったと思っているよ。それじゃ」

 

「待てよ!」

 

「もし、悩みとかがあるなら話してくれ。俺たち仲間だろう?」

 

「仲間、か」

 

「イッセーくん、君は熱いね」

 

「……」

 

「僕はね。基本的なことを思い出したんだよ」

 

「基本的なこと?」

 

「僕が何のために悪魔になったのか、ということだよ」

 

「そりゃあ部長のためだろう」

 

「いや、違うね。僕は復讐の為に悪魔に転生したんだよ」

 

「復讐?」

 

「聖剣エクスカリバーを破壊するために生きているんだよ。僕は」

 

 

それを最後に木場は廃工場から去った。

 

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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