滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第27話

はぐれ悪魔を討伐してから2日。現在、オカルト研究部の部室に教会側からの使者が来ているとかで目の前に二人の女の子がソファーに座っている。

 

 

「会談を受けていただき感謝する」

 

「私はゼノヴィア」

 

「紫藤イリナよ」

 

 

青い髪に緑のメッシュが入っている方がゼノヴィアで、茶髪の方が紫藤イリナか…………。

 

 

「神の信徒が悪魔に何の用かしら?」

 

「元々行方不明になっていた一本を除いた残り六本のエクスカリバーは教会の3つの派閥が保管していましたが、その内の三本が堕天使に強奪されました」

 

 

「「「!!」」」

 

 

「強奪された!?」

 

 

まさかのことにオレを除く、オカルト研究部員は凄く驚いていた。

 

 

「私たちが持っているのは残った内の破壊の聖剣:エクスカリバー・デストラクション」

 

「私が持つ。この、擬態の聖剣:エクスカリバー・ミミックの二本だけ」

 

 

イリナは自分の腕に付けているアクセサリーを示した。

 

 

「で、私たちにどうして欲しいのかしら?」

 

「今回の一件は我々と堕天使の問題だ。この街に巣食う悪魔に要らぬ介入をされるのは面倒なのでね」

 

「随時な物言いね。私たちが堕天使と組んで聖剣をどうにかするとでも?」

 

「聖剣は悪魔にとって忌むべき物だ。堕天使と利害が一致するじゃないか」

 

「残念ね。今さら聖剣ごときに執着はしないわ」

 

「なに?」

 

「聖剣は近距離でしか意味をなさない。けれど、私たちは聖剣よりもそこにいる人間の彼を恐れているわ」

 

「人間を?」

 

「ええ。彼は人間の身でありながら白竜……つまり、聖なる竜の力を宿し、その力で魔王の一人に手傷を負わせるほどの実力を持つわ」

 

 

部長は何故か俺のことを教会の二人に話した。

本当に何故話したの?それとやっぱり、あの時の影響でオレのことを悪魔たちは恐れてるんだね。

 

 

「人間が魔王を……!?」

 

「君、すごいね」

 

「そうでもない。手傷だけで、致命傷にはなってないからダメだ」

 

「致命傷になっていたら、それはそれで困るのだけれど………」

 

 

部長はオレの言葉を聞いて、こめかみに手を当てて頭を痛がるポーズを取る。

 

 

「話しを戻しましょうか。私は堕天使なんかとは手を組んだりなんかしないわ。グレモリーの名に賭けて、魔王の顔に泥を塗る様なことはしないわ」

 

「それが聞けただけで十分だ」

 

「それで、私たちはこれで…………ん?」

 

 

ゼノヴィアとイリナは部室から去ろうと立ち上がるとイッセーの側にいるアーシアを見た。

 

 

「兵藤一誠の家を訪ねた時にもしやと思ってたいたが、やはりアーシア・アルジェントか」

 

「は、はい」

 

「まさか、こんな地で魔女に会おうとはな」

 

「!?」

 

「ああ、貴女が魔女になったっていう元聖女さん?」

 

 

ゼノヴィアとイリナの口からアーシアのことを魔女という言葉が聞こえた。

また、アーシアは魔女という言葉を聞いてから身体が震え始めた。

 

 

「堕天使や悪魔をも癒す能力を持っていたために追放されたとは聞いていたけど、悪魔になっていたとはねぇ」

 

「あの……私は……」

 

「しかし、聖女と呼ばれた者が悪魔とはな。堕ちれば堕ちるものだ」

 

「てめぇ!いい加減しろ、お前ら……!?」

 

 

イッセーがゼノヴィアたち二人に詰め寄ろうとした時に小猫が止める。

 

 

「ダメです、イッセー先輩」

 

「くっ!」

 

「まだ、我らの神を信じているのか?」

 

 

ゼノヴィアは震えるアーシアに向けて、そう問うた。

それをイリナがバカにするような言い回しをする。

 

 

「ゼノヴィア、彼女は悪魔なのよ?」

 

「いや、彼女からまだ神を信じている臭いがする」

 

「へぇ~、そうなんだ」

 

「ねぇ、アーシアさんは主を信じているの?悪魔の身になってまで?」

 

 

コイツら分かってて言ってやがんだろう?

 

 

「す、捨てきれないだけです。ずっと、信じて来ましたのですから」

 

「ならば、今直ぐに私たちに切られると良い」

 

「!?」

 

「君が罪深くとも、我らの神は救いの手を差し伸べてくれるはずだ。せめて、私の手で断罪してやろう。神の名の下に」

 

 

ダメだ。頭にきた!

オレと同じ考えなのか、イッセーとオレはアーシアの前に出る。

 

 

「ふざけんな!」

 

「自分たちで勝手に聖女に祭り上げた挙げ句、勝手に魔女にするとは、とんだ落ちぶれ神様だな」

 

「なに?今の発言、許さんぞ!」

 

「許してもらう必要はない。オレたちは仲間を守りたいだけだからな」

 

「俺も龍呀と同じだ!」

 

「イッセーさん、龍呀さん」

 

「君たちはアーシア・アルジェントの何だ?」

 

「さっきも言ったがオレはアーシアの仲間だ。イッセーは?」

 

「俺はアーシアの家族だ!友達だ!仲間だ!お前たちがアーシアに手を出すってなんら、俺はお前ら全員を敵に回しても戦うぜ!」

 

「ほうー。それは私たち教会全てへの挑戦か?一介の悪魔が大口を叩くね?」

 

「イッセー、龍呀。お止めなさい」

 

 

部長がオレたちを止めると部室の入り口から新たな声がかかる。

 

 

「ちょうど良い。僕が相手になろう」

 

「誰だ、君は?」

 

「君たちの先輩だよ。失敗作だけどね」

 

 

そして、オレたちは聖剣使いの二人と戦うことになった。

最初は木場&イッセーvsゼノヴィア&イリナだ。

まぁ、結果から言ってしまうとイッセーはイリナに"洋服崩壊"を決めようとしたところ避けられて小猫とアーシアに当たりそうだったのでオレが撃沈させた。

 

木場の方は愚策にも持ち味のスピードを捨てて、破壊力に力を回した所為であえなく敗北した。

 

 

「次は君だ」

 

「えっと、貴方、名前は……」

 

「狩谷龍呀。フェアリーテイルの滅竜魔導士だ」

 

「滅竜魔導士?」

 

「部長、すみませんが今から戦う光景は見せることができないので」

 

「それはどういう……」

 

 

─────パチンッ!

 

 

部長が言い終わる前に指をらして土の滅竜魔法で俺たちの周りを囲うように土の壁を作る。

 

 

「なんの真似だ?」

 

「今から使う魔法は部長たちには致命傷になるからな。なんせ、さっき言っていた聖なる白竜の力を使うからな」

 

「魔王に手傷を負わせたほどの魔法……」

 

「フッ、面白い!」

 

「さぁ、何処からでもかかって来いよ」

 

 

オレは二人に片手で煽る。

 

 

「なら行くぞ!」

 

「ハアアアアッ!」

 

 

まずはゼノヴィアが破壊の聖剣で上から切りかかってくるが、それを片手で受け止める。

 

 

「…………」ガシッ

 

「なっ!?」

 

「嘘!破壊の聖剣を片手で受け止めるなんて」

 

「君は本当に人間なのか…………?」

 

「ああ、人間だ。しっかし、白竜の力と比べると聖剣エクスカリバーの聖なる力は弱いんだな?」

 

「なに?」

 

「オレの白竜の力はもっと強いぞ?」

 

「なら、その力を見せてもらおうか!」

 

 

ゼノヴィアは再び、破壊の聖剣に力を込めるがびくともしない。なので俺は、聖剣ごとイリナの方へと投げ飛ばす。

 

 

「うわああああっ!?」

 

「ゼノヴィア!?」

 

「じゃあ、今から見せてやるよ。竜を滅する聖なる光をな」

 

 

構えを取り、魔法を解放して白竜の力を出す。

 

 

「ホーリードライブ!!」

 

 

ホーリードライブを使ったオレの身体からは白いオーラがユラユラと出る。そして、ゼノヴィアとイリナはホーリードライブの聖なる光のデカさに驚愕している。

 

 

 

「な、なんだ、その聖なる力のデカさは!?」

 

「これが魔王に手傷を負わせた、聖なる竜の光」

 

「あんま人に撃つのは気が向かねぇから空を見てな」

 

「空?」

 

 

大きく空気を吸ってから空に身体を向けてから、そして…………。

 

 

「白竜のホーリーブレス!!」

 

 

適当な力で白竜のホーリーブレスを放つ。それにより、空には一筋の光が伸びた。

 

 

「これでもまだやるか?」

 

 

「「…………」」

 

 

「いいや、私の降参だ」

 

「私も貴方には勝てないわ」

 

「そうか」

 

 

戦いが終わると指を鳴らして土の壁を崩壊させる。

すると土の壁の外から傷が治ったのかイッセーが駆け寄ってくる。

 

 

「おい、龍呀!今って……」

 

「ああ、白竜のホーリーブレスだ」

 

「やっぱり。だから、土の壁を作ったのか」

 

「そういうこと」

 

 

 

こうしてオレの聖剣使いとの勝負は勝利で終わった。

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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