教会の二人が去った後、オレたちは部室に戻ると傷が治った木場が教会の二人を追いかけようと動き出した。
「待ちなさい、裕斗。私の元から去るなんて許さないわ!」
「貴方はグレモリー家の眷属、ナイトなのよ?」
「すみません、部長」
「裕斗……」
木場は部長の言葉を無視して部室から出て行ってしまった。
「き、木場さん……」
「どうして……」
その日は皆解散となり、家へと帰る。
そして、翌日。何故か、小猫に話しがあると屋上に呼ばれた。
「話ってなんだ?」
「イッセー先輩が何やら裕斗先輩のために動き出そうとしているので協力して欲しいんです」
「まぁ、オレは良いけど。このことは部長には話したのか?」
「いえ……」
「はぁ~、わかったよ。そこは何とかしてやるから、放課後にまたな」
「すみません。ありがとうございます」
「別に気にするな。これも黒歌のためだ」
「むぅ…………」プクー
「な、なんだよ」
「なんで、そこで姉様が出てくるんですか?」
「いやだって、オレは黒歌の夫だし」
「うそ……」ガーン
「いや、マジで」
「家に帰ったら話しをしなくては」ボソボソ
「それじゃ、オレは行くぞ?」
「はい」
屋上から出ると急いで三年の教室へ向かう。
「チワース、二年の狩谷です。リアス・グレモリー先輩か姫島朱乃先輩は居ますか?部活のことで話しがあって」
部長と朱乃の教室で二人を呼ぶと直ぐに二人とも来た。
「どうしたの、龍呀?貴方が私たちの教室に来るだなんて」
「珍しいですわね?」
「イッセーと木場のことです」
オレがそういうと二人は顔付きが切り変わった。
「こっちへ」
「はい」
三人で人気のない場所に行き。話しをする。
「それで、二人に何かあったの?」
「いえ、ただイッセーが何やら動き出したそうだと小猫から聞いたので」
「あの子ったら……」
「だから、オレと小猫がイッセーを監視することの許可を貰おうと」
「なるほどね。貴方と小猫がイッセーを見ていれば安心できるわ。けれど、何故小猫まで……」
「多分、黒歌のことが木場と重なってるんだと思います」
「そういことね。わかったわ、貴方たちにイッセーの監視と裕斗の捜索をお願いするわ」
「分かりました。では」
「ええ」
そして、放課後。小猫に部長たちから許可をもらったこととイッセーの尾行と監視のことを話し、
現在は喫茶店のテラスでイッセーと生徒会役員の匙の話しを隠れて聞いている。
そして、匙が去ろうとするのを小猫が止める。
「俺は断る!」
「あれ?」
「なっ、小猫ちゃんに龍呀!?」
「どうも」
「よう、イッセー」
「やはり、イッセー先輩はエクスカリバーの破壊を考えていたんですね」
「全く、水臭いぜ。オレたちにも言えよな」
匙を捕まえて、オレたちは席を移動して一つのテーブルに座る。
また、匙は再び逃げようとするが小猫の怪力で逃げられない。
「教会側に協力?」
「アイツら堕天使に悪用されるくらいなら消滅させるって言ってただろう」
「最悪は破壊してでも回収したいようですね」
「木場はエクスカリバーに打ち勝って復讐を果たしたい。片や教会の二人はエクスカリバーの回収または破壊。上手い具合に利害が一致しているな」
「だからさ、俺たちの方から協力を願い出るんだ」
「なるほどな」
「ですが、素直に受け入れるとは思えませんが」
「当たって砕けろだ!木場がまた俺たちと悪魔稼業が続けれるなら思い付くこと何でもやってやる!」
「まずは、あの二人を探さなくてはいけませんね」
という訳でオレたちは宛もなく教会の二人を歩きながら探す。
また、探している最中に匙が愚痴をこぼす。
「なぁ、俺は居なくていいだろう?無敵のルークとフェアリーテイルの滅竜魔導士が居るんだからさ」
「戦力は多い方が良いんだよ。しかし、やっぱり簡単には見つからないな。第一、こんな繁華街に白ローブを着た女性なんて……」
「居たが?」
「本当に居たよ!」
「えー、迷える子羊にお恵みを~」
「天の父に代わって哀れな私達にご慈悲を~」
てな訳で目標の二人を見つけたオレたちは近くのファミリーレストランに向かい二人に飯を食わせることにした。
「美味い、イリナ。この国の飯は美味いぞ!」
「これよ、これ!ファミレスのセットメニューこそ、私のソウルフード!」
「物凄い食べっぷりだ……」
「よっぽど腹が減ってたんだな」
それから20分近く、延々と教会の二人はファミレスの飯を食っていた。
マジで、ファミレスメニュー全て制覇するのでは?と思うほどだった。
そして、腹が満たされると…………
「なんてことだ……。信仰のためとはいえ、悪魔に救われるとは世も末だ」
「いやいや、助けたのは俺たちじゃなくて」
「龍呀先輩です」
「私たちは悪魔に魂を売ってしまったのよ」
「だから、俺たちじゃなくて龍呀が奢ってくれてんだよ!それに奢られておいてそれかよ!」
「なら、いいのかしら?」
「いいんじゃないか?」
何やら二人は勝手に自己完結しているようだ。
それが終わるとイリナが十字架を指で切り始める。
「それじゃ主よ、この心優しい者と悪魔たちにご慈悲を」
「「「あああああ!?」」」
「イリナ、オレは良いけどイッセーたちは悪魔なんだぞ?そんなことしたらダメージが入るだろうが」
「あら、ごめんなさい。つい癖で」
「で、私たちに接触した理由は?」
「エクスカリバーの破壊に協力したい」
「なに?」
イッセーは何故、教会の二人と同じエクスカリバーの破壊に協力したいのかを二人に話した。
「話は分かった。一本くらいなら任せても良い」
「なっ、ちょっと、ゼノヴィア!?」
ゼノヴィアから協力の承諾を得るとイリナは驚き、イッセーと小猫は喜び、匙は拒否して欲しかったのか悔しい顔をしていた。
「彼方は堕天使の幹部であるコカビエルが控えている。正直、私たちだけでは荷が重い」
「でも……」
「なに、本部もドラゴンと人間の力を借りるなとは言っていないさ」
「そんな屁理屈な……」
「何より狩谷龍呀の助力があれば堕天使の幹部を退けてエクスカリバーを回収する確率が高くなるだろう?違うか?」
「そりゃ、昨日のあの力を見せてもらったらそう思うけど」
「なら、話しは決まりだ」
二人はあれやこれや話していたが結果は変わらず。オレたちと協力することになった。
そして、オレたちは木場と合流することにした。
「それでイッセーくんは僕のためにそこの二人にエクスカリバーの破壊の協力を頼んだと?」
「ああ、そうだ」
「でもね、僕は僕の手でエクスカリバーを破壊したいんだ」
「木場、お前がエクスカリバーを破壊してもお前の復讐は終わらないぞ」
「どういうことだい、龍呀くん?」
「お前が受けた聖剣計画の元を絶たないとダメだって言ってんだよ」
「聖剣計画の元?」
「バルパー・ガリレイ。ソイツを殺さないと聖剣計画が終わらない。エクスカリバーが仮になくなっても聖剣はこの世にはいくつも存在するんだからな」
「バルパー・ガリレイ……その男が僕の同士たちを……」
話が終わると教会の二人は去り。その後に木場はオレたちに今回の件から手を引けと言うがイッセーがそれを説得し、小猫が木場に最後の止めをさして木場が折れた。
オリ主の滅神魔法について
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完全習得(永久的)。
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一時的な習得(今章限り)
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今後も使える(条件有り)
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ごめん、使えなかった。