滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第40話

ギャスパーと挨拶を済ましたら、部長が優しくギャスパーに外へ出るように促す。

 

 

 

「お願いだから、外に出ましょう?ね?」

 

「嫌ですぅぅぅぅ!」

 

「ほら、部長が外に出ろって────」

 

「バカっ!イッセー、よせっ!」

 

「え?」

 

 

 

イッセーはオレの静止するよう促す声を無視してギャスパーの腕を掴んだ瞬間、時間が止まった。正確には、オレとギャスパー以外の全てがだ。

 

 

「はぁ~、やっぱりこうなったか」

 

「な、ななななんで動けるんですか!?」

 

「多分、時の滅竜の力だな。オレも可能性としてはあるんじゃないかって思ってはいたけど。本当にあるとは………。(エセ神様、やり過ぎ)」

 

「め、滅竜の力?」

 

「さっき、自己紹介の時に言ったろう?オレは滅竜魔導士。ドラゴンを滅するための魔法を扱うんだよ。通称、ドラゴンスレイヤー。それよか、ギャスパー」

 

「は、はぃぃぃぃ!」

 

「一度、両手を臍の辺りに置いて、深呼吸しろ。部長たちにはオレから説明する」

 

「わ、わかりました」

 

 

ギャスパーはオレの指示通り、臍の辺りに両手を置き、深く深呼吸した。すると、ギャスパーの興奮が治まったようで止まっていた時間が動き出した。

 

 

「あれ? 今、何が?」

 

「おかしいです。何かいま一瞬」

 

「………何かされたのは確かだね」

 

 

上からイッセー、アーシア、ゼノヴィアの順でギャスパーの神器の効果の影響を肌で感じていた。他のメンバーはやはり知っているようす。

 

そんで取り敢えず、イッセーの脳天に一撃入れることにした………。

 

「こっっの、バカたれがぁぁぁあ!!」バゴンッ

 

「へびしっ!?」

 

 

イッセーの脳天に魔力無しの力で拳骨を落とし、漫画のように床へめり込ませた。

 

 

「イッセーさん!?」

 

「龍呀!?」

 

「イッセー、てめぇは少し接し方を考えろ!初対面の相手に、ましてや対人恐怖症気味の奴に他の奴らと同じ接し方をしたら精神的にストレスになるだろう!!」

 

「す、すびぃばぜぇん………」

 

「りゅ、龍呀、貴方の口振りからするに………。もしかして貴方、ギャスパーの神器の影響を………」

 

「ええ、受けていません。どうやら、オレの滅竜の力の中には、どうやら《時の滅竜魔法》も存在するようです」

 

「規格外とは思っていたけど、時の滅竜魔法って………」

 

「部長、取り敢えずギャスパーの面倒は、二年のオレたちで見ます」

 

「そうね。龍呀が居てくれれば安心だわ」

 

 

部長にギャスパーのことを任せてもらったから、ギャスパーの神器について部室で話ことになった。

 

 

 

「それじゃあ、ギャスパーの神器の説明をお願いします。どうやら、イッセーたちも知りたいようなので」

 

「ええ、わかったわ」

 

「ギャスパーは、興奮すると視界に映し全ての物体の時間を一定の間停止することができる神器を持っているのよ」

 

「『停止世界の邪眼』と呼ばれる神器です」

 

「時間を止める神器ですか!? こんな奴に……」

 

「彼は神器を制御できないため、大公及び魔王サーゼクス様の命でここで封じ込められていたのですわ」

 

「そのうえ、無意識に能力が高まっていくようで、《禁手》に至る可能性もあるのよ」

 

「《禁手》ですか………でも制御できないんじゃあ………」

 

「まぁ、一応簡単に制御できる方法はあるけどな」

 

「本当なの、龍呀!?」

 

 

オレの言葉に部長が勢いよく立ち上がる。

 

 

「ええ。簡単な話で、イッセーの血をギャスパーに飲ませれば、ギャスパーの神器はギャスパーの制御下に完全に置かれますよ」

 

「そんなことが………さすがは赤龍帝の力ね。ところで、何故、貴方がそんなことを知っているのかしら?」

 

「そのことについては、会談の時に話そうと思います。異世界からの転生者であることに関係するので」

 

「そう………わかったわ」

 

 

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

 

 

 

「いんやぁぁぁぁあ!!」

 

「ほら、走れ。もたもたしていると、このデュランダルの餌食になるぞ?」

 

 

 

あのあと、部長がトップ会談の打ち合わせのため懐刀で『女王』である朱乃と、先日、《禁手化》に至った木場は外出中のため、残ったメンバーでギャスパーの面倒を見ている。

 

てか、ゼノヴィアの奴、悪魔のギャスパーに聖剣を振り回しながら追いかけ回してどうする。これだから脳筋は………。

 

 

 

「はい、ゼノヴィア。そこまでだ」

 

「なんだ、龍呀。止めるな」

 

「お前はバカなのか?いや、バカなんだな。悪魔に聖剣を振り回してどうする。一歩間違えれば、ギャスパーが滅されちまうじゃねぇか!」

 

「た、たしかに………」

 

「はぁ………」

 

 

ゼノヴィアの首根っこをつまみ上げ、お説教していると………。

 

 

「ギャーくん、これを食べれば直ぐに元気に………」

 

「いやぁぁぁぁあ!? ニンニク嫌いぃぃぃぃぃ!!」

 

「小猫、お前まで………てか、なんか楽しんでないか!?」

 

 

ゼノヴィアから解放されたギャスパーに、次は小猫が吸血鬼が苦手なニンニクを持ちながら、ほんの僅かに笑みを浮かべながら追いかけ回していた。

 

 

「小猫、それ以上やったら今日の晩飯後のデザート、お前だけ無しな」

 

「ッ!?」ピタリ

 

「さすが、龍呀………」

 

「小猫ちゃんの弱点をついてますね………あはは」

 

「イッセー、テメェも見てないで止めやがれ!それか、匙を支取先輩から借りてきてくれ」

 

「匙を?」

 

「呼んだか、狩谷?」

 

「おお、匙!ちょうどよかった」

 

何とちょうど、花壇の手入れをしに来ていた匙がいた。

 

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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