滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第44話

曹操との手合わせとイッセー、木場、ギャスパーとの『男子会』をした翌週の土曜日。オレは、朱乃に呼ばれてとある場所に来ていた。

 

 

 

「ここは………神社?」

 

「あれ、龍呀?」

 

「おー、イッセー。どうしたんだ?」

 

「いや、朱乃さんに呼ばれてさ」

 

「お前も?」

 

「ってことは、龍呀もか?」

 

「ああ。大事な話があるからって、言われて場所はこの手紙に書いてあった場所を携帯で検索して来たんだ」

 

「てか、ここ神社だよな?俺や朱乃さん、悪魔が来て平気なのか?」

 

「神聖さを感じないから大丈夫だろう?」

 

「そっか! 龍呀は《白竜の滅竜魔法》が使えるから聖なる力が分かるのか」

 

「そういうこと。それより、行くぞ」

 

「ああ」

 

「ウサギ跳びでな」

 

「何処の修行僧だよ、それ!?」

 

 

てな感じで、それなりに段数がある石階段をスポコンアニメバリにイッセーにウサギ跳びをさせることにした。

 

 

「俺は後ろから何時でも、火竜の鉄拳を打てるようにスタンバルから」

 

「お前、鬼だろ!?」

 

「竜人?」

 

「なんで、疑問系なんだよ!」

 

「四の五の言わずに跳べ!脱兎のように」ボウッ

 

「跳ぶ、跳ぶよ!だから、その手に灯してる火を近付けないでくれぇぇぇぇ!?」ピョン、ピョン

 

 

半ば強引にイッセーにウサギ跳びをさせ、その背後から《滅竜魔法》で脅しながらオレも石階段を登っていく。階段を登っているとやがて、中間地点と思われる階段がない場合に着くと、一人の巫女さんが箒で掃除をしていた。しかし、その巫女さんの顔に見覚えがあった。

 

 

「朱乃………さん?」

 

「イッセー、あの人は朱乃じゃない」

 

「え? じゃあ、朱乃さんのお姉さんか誰かか?」

 

「いんや、あの人は朱乃のお母さんだ」

 

「お、お母さん!?」

 

「あら? 朱乃のお友達かしら?」

 

 

イッセーの声に朱璃さんはオレたちに気が付いたようだ。

 

 

「お久しぶりです、朱璃さん」

 

「あら?何処かでお会いしたことあったかしら?」

 

「ええ。十年ほど前に、前の姫島神社で」

 

「!?」

 

「当時、貴方は傷を負って意識がありませんでしたがね」

 

「では、貴方が………」

 

「ナツ・ドラグニルこと、狩谷龍呀です」

 

「そう、貴方が………。十年前に私と娘を助けていただき、本当にありがとうございます」ペコリ

 

 

過去の話を朱璃さんに伝えると、頭を下げて感謝の言葉を向けてきた。

 

 

「いえ、あれは神様から言われたことですから」

 

「神様?」

 

「ええ。それより、朱乃に呼ばれて来たんですが………」

 

「朱乃なら、本殿の横にある社務所に居ますよ」

 

「分かりました」

 

「では、また」

 

 

朱璃さんに朱乃がいる場合を教えてもらい、石階段を登り終えると聖の力を感じ、イッセーを静止する。

 

 

「まて、イッセー」

 

「龍─────ッ!?」

 

「おやおや、気付きましたか」

 

「そんな、わざわざ聖なる力の波動を撒き散らしておいてよく言うぜ」

 

「それはそれは」

 

「おい、龍呀。あいつ、何者だ? なんか、あいつを見ていると肌がピリピリすんだけど」

 

「奴は、ミカエル。熾天使の一人で、天使長だ」

 

「ミカエル!? 天使長!?」

 

「ほー、そこまでお気付きになるとは、イリナから聞いていた通りですね」

 

「アンタ、イリナを知っているのか!?」

 

「ええ。彼女は、私のセイントですから」

 

「遂に、天使も転生システムを導入かよ」

 

「ええ」

 

 

少しばかり、ミカエルと睨み合っていると社務所から小走りで巫女姿の朱乃が向かってくる。

 

 

「遅れて申し訳ありません、ミカエル様。それに、龍呀くんにイッセーくんも」

 

「別に気にしていませんよ」

 

「同じく」

 

「お、俺も」

 

「では、本殿にご案内します」

 

 

そのまま、朱乃が先導し、姫島神社の本殿へと入る。

 

 

「改めてまして、天使長を務めさせていただいてます。ミカエルです」

 

「リアス・グレモリーのポーン、兵藤一誠です」

 

「ギルド フェアリーテイルの滅竜魔導士、狩谷龍呀だ」

 

「では、本題に入らせてもらいます。実は、赤龍帝である。兵藤一誠くんにある物を授けに来たのです」

 

「俺に?」

 

 

ミカエルがイッセーにある物を授けると言うと、ミカエルの胸元が輝き出すと一本の剣が現れた。それを見たイッセーは本能的に剣と距離を取った。

 

 

「ッ!!」ゾワリ

 

「な、なんすか、それ!?」

 

「これは、ゲオルギウス───聖ジョージといえば伝わりやすいでしょうか? 彼の持っていた龍殺しの聖剣『アスカロン』です」

 

「ゲオルギウス?聖ジョージ?」

 

 

イッセーがミカエルの言葉に疑問符を頭に上げていると左腕に宿るドライグが口を開く。

 

 

『有名な龍殺しだ。まあ、お前も少しは勉強しろ』

 

「うるせっ! てか、龍殺しってことは龍呀の魔法と同じ………」

 

「ああ。俺の滅竜魔法を剣にしたような物だ」

 

「す、すげぇ………」

 

「特殊儀礼を施してあるので、悪魔の貴方でもドラゴンの力があれば扱えるはずです。貴方のブーステッド・ギアに同化させるといった感じでしょうか」

 

「歴代の中でも最弱と噂される貴方の、良い補助武器になるかと思いまして」

 

「最弱………これでも色々と努力してるんですけどね。いえ、認めますけどね。でも、どうして?」

 

「大戦後、大規模な戦こそ無くなりましたが、ご存知のように。三大勢力の小規模なつばぜり合いは未だに続いています。」

 

「あれで、小規模な訳ねぇ………」

 

 

イッセーは、コカビエルとの戦闘を小規模な物なのかと呆気に捉えているようだ。

 

 

「この状態が続けば、いずれ皆滅ぶ。そうでなくとも、横合いから他の勢力が攻め込んでくるかもしれません」

 

「他の勢力?」

 

「イッセー的に分かりやすくいえば、北欧神話にでてくるアースガルズ。ギリシャ神話のオリンポス。他にもインド神話や日本の天照大御神等々。この世界には、ゲームとかに出てくる神々は殆ど存在する」

 

「マジかよ………」

 

「マジだ。この世界は小説のような物と違って、奴らは人間でも殺せる」

 

「え………?」

 

「簡単な話。オレが滅神魔法を習得すればいい。まぁ、その場合、どこかの神の雷なり炎なりを喰わないとダメだがな」

 

「その話は本当なのですか、狩谷龍呀!?」

 

「そいえばアニメで、ナツはギルド“悪魔の心臓(グリモアハート)”に所属してた炎の滅神魔導士のザンクロウの炎を喰って、一時的に炎の滅竜神魔法を使えたんだっけ………」

 

「なら、滅竜魔法が使える龍呀も使えることになるのか………。やっぱり、規格外」

 

「だとすると、龍呀くんの二つ名はいずれ、【ドラゴンスレイヤー】から【ゴッド・ドラゴンスレイヤー】になりますのね」ウフフフ

 

「ゴッド・ドラゴンスレイヤー………」

 

ミカエルは、朱乃の口から出た【ゴッド・ドラゴンスレイヤー】を復唱し、何やら感傷に浸っているようだ。

 

 

「話を戻すぞ。んで、アスカロンをイッセーのブーステッド・ギアに同化させるんだよな」

 

「ええ。くどいようですが、このアスカロンはいわば、悪魔勢力との友好の証として、貴方に授けるのです。それに今度の会談は好機とも思っているのですよ」

 

「好機?」

 

「三大勢力が手を取り合い、無駄な争いを無くすためのね」

 

「争いを………」

 

「過去の大戦の時、一度だけ皆が手を取り合ったことがありました。赤と白の龍が戦場をかき乱した時です」

 

「………」

 

「あの時のように、再び手を取り合えるよう。貴方に、赤龍帝に、いわば願を掛けたのですよ」

 

「………」

 

 

ミカエルの言葉に、イッセーはアスカロンを受け取るか少し迷っているようだ。そんな、イッセーに朱乃が声をかける。

 

 

「イッセーくん、ここは有り難く頂戴しましょう」

 

「あ、はい。朱乃さんがそういうなら」

 

 

どうやら、朱乃の声で腹を決めた様子のイッセーは、ミカエルから差し出されたアスカロンをブーステッド・ギア越しに掴もうとする。

 

 

「聖剣と同化って………そんなことできるのかよ?」

 

『神器は宿主の思いに応える。お前が望めば叶わんこともない』

 

「俺が望めば………」

 

『相棒、ブーステッド・ギアに意識を集中するんだ』

 

「おう!」

 

 

イッセーは、ドライグの指示通り。ブーステッド・ギアに意識を集中させながら、今度こそアスカロンの柄を掴んだ。

 

 

『波動を聖剣に合わせろ!』

 

「ああ!」

 

 

イッセーがブーステッド・ギアをアスカロンの聖なる波動と同調させると、アスカロンがブーステッド・ギアと融合し、手甲剣のような姿に変化していた。

 

 

「本当に合体しやがった………」

 

「これで、私の用事は済みました。では、私はこれで」

 

「あ、あの!俺、貴方に聞きたいことがあるんです!」

 

「生憎、今は時間がありません。会談の席か、会談後に伺いましょう」

 

「必ずお願いします」

 

「ええ。約束します、兵藤一誠。それと、いずれ貴方が宿す、聖なる滅竜の魔法も拝見したい物です。狩谷龍呀」

 

「機会があればな」

 

「では」

 

 

その言葉を最後に、ミカエルの身体を光が包み込み、一瞬の閃光のあと、この場から消えた。

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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