黒歌をお嫁にしてから神様がいる所へ戻ってきた俺たちはまず、自己紹介をすることになった。
「まずは俺からだな。オレの名前は狩谷龍呀。あとは知っての通り、種族は人間で、フェアリーテイルの滅竜魔導士だ」
「私の名前は黒歌にゃ。種族は元々は猫又だったけど今は転生悪魔にゃ」
「それでは、私だけど……神様です」
「は?」
黒歌は神様の自己紹介の『神様です』に間抜け顔で固まった。
そして、錆び付いた錻の様にギギギギと顔を俺の方へ向けての冷や汗を流しながら質問をしてきた。
「りゅ、りゅりゅ龍呀、本当なの?」
「本当だ」
「…………」
「はにゃぁぁ…………」バタリ
今度はキャパオーバーしたのか白眼を向いて倒れた。
「あらま、気絶しちゃった」
「いや、これが普通の反応だから。オレも最初は夢か何かかと思ってたから黒歌みたいな気絶はしなかったけど」
「まぁそうだね。いきなり、目の前に神様だもんね?」
「それで、次は姫島朱乃の所なんだろう?」
「そうそう。姫島親子が姫島の一族に殺されるのを止めて欲しいのさ」
「わかったよ。でもその前に、顔を隠すためにミストガンの服を用意してくれ」
「なんで、また?」
「何となくだ」
「わかったよ、ホイ」
「ありがとうございます」
神様からフェアリーテイルのミストガンの服を一式もらって着替える。
これなら、顔がバレないから後で面倒なことになることは避けられる。
「それじゃ、行ってらっしゃい!」
「黒歌をお願いします」
黒歌を神様に任せて、オレは神様の展開した転移魔法で姫島朱乃の最も悲しい時代に行くことになった。
◇◆◇
《side???》
とある神社で二人の親子が数人の大人たちに囲まれていた。
「朱璃、そのガキを寄越せ!」
「嫌です!この子はあの人との大切な子供なの!」
「ええい、早く寄越せ!」
「母様……」
「大丈夫よ、朱乃。朱乃は母様が守るから」
「グスッ……お願い、誰か、母様を助けて!」
「なら、娘諸共逝くがよい!」
「朱乃!」
「母様!」
大人の人はその手に持つ刀で母様の背中を切り裂いた。
そして、母様は私に覆い被さる様に倒れてきた。
「母様!母様!」
「朱……乃……貴女……だけ……でも……生きて」
「嫌だよ!母様がいないと嫌だよ!」
「ごめん……ね」
「お願い誰か、誰か母様を助けて!」
私は願った。誰でも良いから母様を助けてと。そして、奇跡は少し遅れて起きた。
「まだ、娘の方は息があるのか。なら楽に逝かせてやる」
「……グスッ……グスッ……」
「あの世でこの様なことになった事を、お主の父を恨むのだな」
母様を切りつけた大人の人は母様を切りつけた刀で私を切りつけようとするが何処からか男の声が聞こえてきて、その大人を殴り飛ばした。
「殺らせるかぁぁぁぁ!!」
「なに!?」
「火竜の鉄拳!!」
「グハッ!?」
「え……?」
「もう大丈夫。安心しろ」
◇◆◇
《side龍呀》
再び、神様によって転移させられたのはとある神社の石階段の前だった。
「ここが姫島神社なのか……ん?」クンクン
「これは……血の臭い!!」
オレは血の臭いを感じたので雷になって一気に石階段を登っていく。
すると途中で見えない壁に阻まれてしまう。
「これは結界か?これくらいなら破れるな」
「鉄竜剣!!」
鉄竜剣で結界を破り、神社の脇にある神主の家に入るとそこには背中から血を流している女性と今にも殺されそうな少女がいた。
「殺らせるかぁぁぁぁ!!」
「なに!?」
「火竜の鉄拳!!」
「グハッ!?」
「え……?」
少女は殺されると思っていたのか殺されていないことに驚いていた。
「もう大丈夫だ。安心しろ」
「貴様、何者だ!」
「あ?そんなの言う必要があるのかよ?それとアンタら何やってんだ?あ"ぁ?」
「そやつらは穢れた血を持つ子供を宿すだけに飽きたらず、家庭など持ちおったから我等一族が粛正しに来ただけだ!」
「そうか…………でも、オレには関係ないから。てめぇらをぶっ飛ばすことにしたわ」
「なに!!」
「簡単に帰れると思うなよ?」
そこからは簡単に説明するが姫島一族を魔法を使わずにボコボコにして亀甲縛りをして放置。
縛り終わると急いで朱乃のお母さんである朱漓さんの傷を治す。
「ねぇ、母様は大丈夫なの?」
「大丈夫、必ず助けるから」
少し出血が多いが何とか一命は取り留めることができた。
けれど、完全に傷が癒えるまで朱漓さんに魔法を使っていると背後から朱乃と少し似た臭いが流れてきた。
「朱璃!朱乃!」
「父様!」
「朱乃、よかった無事で!朱漓は?朱漓はどうした?」
「母様は今、私達を助けてくれた人が治してくれてる」
「それは本当か?」
「うん!」
玄関の方から多分、バラキエルのオッサンだろう。
朱乃とオッサンがオレのことを話している様だ。
「朱璃!」
「安心しな、一命は取り留めたから」
「そうか……妻と娘を助けてくれて感謝する」
「別に通りかかっただけだから、気にするな」
バラキエルのオッサンと話しているとマントを朱乃に引っ張られた。
「ねぇ、お名前なんて言うの?」
「オレか?オレは、ナツ・ドラグニル。フェアリーテイルの滅竜魔導士だ」
ここは偽名が一番だろう。
「ナツお兄さん。母様と私をたすけてくれて、ありがとう」
「ちゃんと、お礼を言えてえらいな」ナデナデ
「えへへ……」
「それじゃ、君のお父さんも帰ってきたことだし。オレは帰るよ」
「ナツお兄さん、また会えるかな?」
「そう願っていれば、きっと……」
「何から何まで、すまない」
「気にするな。それじゃ」
オレは影の滅竜魔法で影に潜り、姫島神社を後にして人気が無いところで神様に念話をする。
「神様、少し手間を取ったけど姫島親子を救ったぞ」
『はいはい、お疲れ様。一度こっちに戻すよ?』
「了解だ」
また、神様の転移魔法で黒歌がいる所へ転移する。
無事に転移が成功すると黒歌が笑顔で出迎えてくれた。
「おかえりなさい、龍呀」
「ただいま、黒歌」
「帰ってきて、早々で悪いんだけど。君たちを原作の開始日より少し前に転移させるよ。家とかお金はこっちでやっておくから。ついでに、便利な小型ラクリマも送るから」
「わかった」
「他には、二人の子供が出来ても問題ないからね?」
「本当かにゃ!」
「それはまだ早いっての!//////」
オリ主の滅神魔法について
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完全習得(永久的)。
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一時的な習得(今章限り)
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今後も使える(条件有り)
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ごめん、使えなかった。