滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

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第51話

《side龍呀》

 

 

 

ヴァーリが俺に魔法が効かないと知って、近接戦闘に切り替わって約5分。正直、驚いている。あのヴァーリをオレが拳と脚で圧倒している。これは、完全にアクノロギアとの特訓の成果であろう。

 

そんなことを確かめていると空間に変化が感じられた。これは、イッセーたちがギャスパーの暴走を止めたからなのだろう。

 

 

「考えごとをしながら、俺の攻撃を全ていなすとは流石だな、狩谷龍呀」

 

「悪い悪い、空間に変化を感じられたからな。てか、ヴァーリ。お前、近接戦闘弱くね?」

 

「生憎、今まで魔法が効かない相手に巡り会えたことが無くてね」

 

「確かに、そうだろうな。魔法が効かない奴なんて、数えるほどしかいないだろうしな」

 

 

ヴァーリがというよりも、この世界の大半が魔法での攻撃がメインになっている。そんな世界に魔法が効かない存在が現れたらどうだろう。即座にチート級である。

 

しかし、オレの《滅竜魔法》はその上のドチート級である。魔法による自動防御、魔法捕食、ドラゴンスレイヤー、エンチャントなどなどの能力があるのだから、モヤットボールさんも驚くほどの「チートやチータやろう!そんなん!」 である。

 

 

「ほれ、右の腹が甘い!」

 

「ぐっ………!?」

 

「次は、顔のガード!」

 

「がっ………!?」

 

 

戦闘をしているはずが、いつの間にか龍呀先生によるヴァーリくんの格闘戦闘教室になっているのは気のせいかな?

 

つい、黒歌や小猫の様にヴァーリのガードが甘い所を突きながらアドバイスを出してしまう。これでコイツが強くなったらどうしよう?このあとのイッセーとの戦闘で影響が無ければいいけど………。

 

 

「てかさ………魔導師共がウゼェ。なあ、ヴァーリ。少し休憩でいいか?」

 

「何故だい、やっと高ぶって来たところだろう?」

 

「いや、お前が良いならいいんだけど。合間合間に魔導師たちの魔法が飛んでくるのがウザくてさ」

 

「確かに、少し目障りなってきたな」

 

「お前は、少し休んでろ。一撃で終わらすから」

 

「それは新しい力なのか?」

 

「ああ。まだ、この世界で家の中以外じゃあ二回目だな」

 

「それは楽しみだ」

 

 

どうやら、ヴァーリの奴はオレの技にまで興味があるようで、瞳を少年のようにキラキラと輝かせているのは気のせい?

 

 

「まぁ、いいや。モード、雷天竜!」

 

 

雷天竜を発動して、グラウンドにいる魔導師たちを全て一掃するために中規模技を使うことにした。そのため、声帯だけを《毒の滅竜魔法》で強化してサーゼクスやアザゼルたちに警告する。

 

 

「アザゼル、聞こえているなら防御結界の中に戻るかあるいは自分で結界を張れ。今から魔導師たちを全て一掃するために中規模な魔法を使う。以上だ」

 

 

警告を伝えると、アザゼルは慌てて防御結界を展開した。

 

 

「さて、やりますか!」

 

「雷天竜の狂飆(きょうひょう)ッ!!」

 

 

片手を上げて、魔力を四割ほど解放しながら、グラウンドを天竜の力で空気を操り、空中にいる魔導師たちを強制的に一ヶ所に集める。魔導師たちは逃げようとするが逃げられない。一度、風に捕まれば洗濯機の中のようにグルグルと風の渦に流されるのに加えて、風の中に雷の滅竜魔法が混じっているため、痺れて身動きができない。

 

「これで全員かな?」

 

 

魔導師が全員、風の渦に巻き込まれたのを確認してから最後の仕上げをする。

 

 

「轟け───天雷ッ!!!」

 

 

決め台詞を叫びながら、上げていた片手を振り下ろすと風の渦に捕まっていた魔導師たちは捕まっている風によってグラウンドの地面へと叩き付けられた後に、風に混じっていた雷が集束して、約10万ボルトほどになった雷が轟音と共に地面に這いつくばっている魔導師たらに降り注ぎ、グラウンドの地面に人型の焦げ跡だけが残る。

 

 

「さて、ヴァーリ。レッスンの続きと行こうか?」

 

「止めておくよ。今の俺では到底、キミには敵わないと理解した」

 

「そうか。なら、悪いが勝者としてあることをしてもらう」

 

「あること?」

 

「簡単な話。イッセーと戦うことだ」

 

「なるほどな。いいだろう」

 

「他にもう一つ。お前にはスパイをしてもらう」

 

「そんなことをして、俺へのメリットは?」

 

「報酬は、魔王や神クラスの敵100体と闘える理想郷で、どうだ?」

 

「その話。乗らないわけがないだろう」ギラギラ

 

「なら、交渉成立」

 

 

俺の話にギラギラとした闘争心の炎を灯しながらヴァーリは受けた。よし、これでアニメ通りのイッセーvsヴァーリが成立する。あとは、どうやってアニメ通りの展開に持っていくかだが………。おや?この臭いは、イッセーとヴァーリ以外のドラゴンか。となると、アザゼルだな。

 

 

「アザゼルの奴が、人工神器を禁手化させたみたいだぜ。ヴァーリ」

 

「そのようだ。それもドラゴン系ときた」

 

「さて、交渉は成立した。オレたちの関係がバレない程度に本気で格闘のレッスンをするか、ヴァーリ」

 

「………いいだろう。勝てないのであれば、強くなるためにキミから技術を教わるのも悪くない」

 

 

それから再び、龍呀先生によるヴァーリくんの格闘レッスンが始まり、アザゼルがカレテアとの戦闘で左腕を切り落とすまではずっと格闘レッスンを続けていた。

 

その後、アザゼルの奴がカテレアの自爆から逃れるために自分の腕を切り落としたところを見ていると、偶然にも魔力を纏ったヴァーリの拳がボディーに入り、思わず吹き飛ばされてしまった。

 

 

「ぐおおおおおッ!!」

 

 

流石に纏っている魔力は食えないので、吹き飛ばされて部室棟の壁に貫通したあと、久しぶりに殴り飛ばされたことに驚きながら首をぐるりとゆっくり回して関節を鳴らす。

 

 

「いやぁ………参った参った。まさか、ボディーに入るとはなぁ」ゴキゴキ

 

「油断するからにゃ」

 

 

肩の骨をゴキゴキと鳴らしていると、呆れた顔で小言を言う黒歌の姿がそこにあった。

 

 

「黒歌か。ここに居ていいのか?」

 

「魔王様二人と天使長がいれば平気にゃ。それに、どうせこの時には私はいなかったはずにゃ」

 

「まぁな。アニメでも、黒歌はまだ先、夏休み中に出てくるからな」

 

「なら、若手悪魔の会合の時かにゃ」

 

「そういうこと」

 

「それとヴァーリとの交渉のことは白音たちに話すのかにゃ?」

 

 

流石は猫耳。聴覚は人間の20倍以上、犬の2倍あると云われているだけはある。ということは小猫にも聞こえていたりするのかな?

 

 

「それは追々な。ん?もう、イッセーとの戦闘が始まろうとしてるのか」

 

「最強の白龍皇と最弱の赤龍帝。どちらが勝つのかしら?」

 

「条件が揃えば、イッセーだな」

 

「条件?」

 

「半減の力の吸収」

 

「なっ!? 相反する力を吸収したら宿主に膨大な負荷がかかって、最悪は死ぬにゃ!?」

 

「だが、兵藤一誠というバカな男はやるだろうな」

 

「はぁ………呆れた。龍呀が知っている物語の赤龍帝チンもそれをやったのかにゃ?」

 

「やってモノにした」

 

 

黒歌は信じられないという顔しているが、既に見ているはずだ。木場の聖と魔の融合を。ならば、倍加と半減が融合しないわけがない。

 

 

「さてさて、あのアニメでも特に熱いシーンをこの目でしかと刮目して見ますかね」

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

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