滅竜魔法を持って、悪魔の学園へ   作:黒牙雷真

62 / 74
第62話

グレモリー邸に泊まった次の日。今日は、早朝特訓は無しにして身体を解す程度でスパーリングという名の準備運動を終えたあと朝食を取り、グレモリー邸の噴水広場にて集合している。オカルト研究部員+αが揃うとアザゼルが口を開く。

 

 

「よし! 全員揃ってるな。人間界の時間で20日間、トレーニングメニューを作った」

 

 

アザゼルのその言葉にイッセーが愚痴を放つ。

 

 

「20日も特訓すんのかよ?!」

 

「イッセー。まずは、お前からだ」

 

「え?」

 

 

イッセーはアザゼルの言葉の意味が今一理解出来てない様子だが、直ぐにアザゼルの言葉の意味を理解する。それは、タンニーンの翼の羽ばたく音が聞こえて来たからだ。

 

 

「昨日のドラゴンのおっさん!」

 

「そいつがお前の専属トレーナーだ」

 

「うえっ!?」

 

 

イッセーもまさかドラゴンが特訓の相手だとは思っていなかったようで変な声をあげる。

 

 

「ドライグを宿す者を鍛えるのは、始めてだ」

 

「修業中に禁手化に至らせたい。まっ、死なない程度に気張れや」

 

「皆さん、もう少し言い方ってもんが────あがっ!?」

 

 

イッセーは、台詞を言い終わる前に襟首をタンニーンに掴まれた。そんなイッセーに部長が一声掛けるが慈悲はない。

 

 

「イッセー!」

 

「部長………」

 

「気張なりなさい!」

 

「そうでした。優しい部長も修業の時には、鬼のしごき部長に変貌するんでした」

 

 

それを最後にイッセーは、タンニーンにグレモリー領の山奥へと連れて行かれたのであった。さて、見るもんも見たことだし、オレも移動するかな。

 

 

「それじゃ、そろそろオレもシトリー領に向かいます。黒歌、小猫、朱乃、いつもの特訓は20日の間は自己判断に任す。だが、オーバーワークは止めろ」

 

「前世のアニメで小猫は、猫又の力を受け入れる前にオーバーワークで倒れている。だから、三人ともオーバーワークに注意してくれ。じゃなぁ」

 

 

オーバーワークについて注意したあと、昨日の夜にグレイフィアに頼んで用意してもらった冥界の地図を頼りに身体を雷にして、シトリー領の関門場へまずは向かう。

 

関門場に着くとセラフォルーさんから手紙と共に同封されていたフリーパスで身元を確認してからシトリー領のシトリー邸へ、また雷になって飛んでいく。

 

シトリー邸に着いたら門番の悪魔に依頼書を見せてからシトリー家のメイドに支取先輩の所へ案内してもらう。すると、既に玄関の広場にシトリー眷属が全員揃っていた。

 

 

「すみません。少し遅れました」

 

「いえ、約束の時間を決めていないので大丈夫ですよ。それでは、狩谷くん。貴方は、私達にどういう修業の指導を?」

 

「そうですね。取り敢えず、イッセーと同じように山奥へ行きましょう」

 

「山奥ですか? ですが、今から準備が………」

 

 

支取先輩の問いにオレが答えると椿姫先輩が山奥へ行くための装備の準備を考えるがその必要はない。昨日のうちに準備はオレの方でしてある。

 

 

「大掛かりの準備は問題ありませんよ。収納ラクリマに色々と収納してありますから、他に必要な物は皆の着替えくらいですね」

 

「着替えだけですか?」

 

 

オレの説明に支取先輩が尋ねてくるので答える。

 

 

「ええ。収納ラクリマには、業務スーパーで買い溜めした食材を限界まで収納してありますから。他にも料理器具や簡易ベッド、トイレットペーパー、洗剤等も収納してあります。火や水は魔法で何とかなりますし、風呂なんかはオレが魔法で造りますから問題ないです」

 

「分かりました。それでは、簡単に着替えだけ纏めて来ます。少し待っていてください」

 

「分かりました」

 

 

支取先輩にあまり荷物がいらないことに理解してもらったあと、シトリー眷属の皆は一度自分の部屋に戻り、キャリーバッグを持って戻ってきた。匙に関しては大型のボストンバックだ。

 

 

「皆の荷物も収納ラクリマに入れますね」

 

 

シトリー眷属の荷物を一ヶ所に集めてから収納ラクリマ専用の魔法陣を展開して、そのまま魔法を起動させる。すると荷物が魔法陣に沈むようにラクリマへ収納されていく。

 

 

「これでよし。あとは、修業場所の山だけど………どこかありませんか?」

 

 

荷物の準備は整っているが修業を行う場所については何にも考えていなかった。なので、支取先輩に聞いてみた。

 

 

「そうですね………シトリー領の北端にある山なら大丈夫だと思います。あそこは、一面荒野ですから」

 

「なるほど。なら、そこへ行きましょう」

 

「でも、どうやってそこまで行くんだよ狩谷」

 

「そんなの、オレの背中に乗ればいいだろう?」

 

「狩谷の背中に?」

 

 

匙が山に行く方法について聞いてくるのでシトリー邸から出て、開けた場所でオレは完全竜化をする。すると、後ろからついてきたシトリー眷属が絶句していた。

 

 

「これで平気だろう?」

 

「し、白い……イグニール!?!?」

 

「狩谷くんがドラゴンに……!」

 

 

どうやら、完全な竜化したオレの外見は白いイグニールらしい。これで2回目の完全竜化をしたが竜化した状態の自分の姿を見ることなんてなかった。

 

 

「全員、オレの背中に支取先輩は案内を頼みます」

 

「わ、分かりました」

 

 

皆を乗せるために背を低くして皆を乗せる。皆が乗り終わったら、ゆっくりと翼を羽ばたかせて飛翔する。飛翔する際に、天竜の滅竜魔法で皆が受ける風圧などを相殺する。

 

支取先輩のナビにより、到着した山は本当に殆んど草木がない荒野だった。まぁ、滅竜魔法の応用で何とかなるだろう。

 

竜化を解いてから懐の収納ラクリマから『マジックパワーファインダー』を出す。これは、FAIRY TAILの大魔闘演武編に出てきた機械ラクリマだ。

 

 

「か、狩谷! それって、マジック・パワー・ファインダーこと、MPFじゃねぇか!?」

 

「おう。匙はやっぱり、分かってるな。さて、修業場所は広くて良い場所だ。まず、皆の力量を測るためにこの魔力計測ラクリマに魔法を放ってもらう。それから、皆の悪魔の駒も教えてほしい」

 

「因みに、今のオレの最大値は8069だ。聖十大魔道のジュラには勝てなかった」

 

「いや! お前もその数値はおかしいだろ!?」

 

「まぁ、細かいことは省いて。パパッと、コイツに魔力をぶつけてくれ」

 

「分かりました。皆、やりますよ!」

 

「「「「「はい!」」」」」

 

 

支取先輩の掛け声でシトリー眷属に活が入った。

 

 

 

 

オリ主の滅神魔法について

  • 完全習得(永久的)。
  • 一時的な習得(今章限り)
  • 今後も使える(条件有り)
  • ごめん、使えなかった。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。