「疲れてるところ悪いね、龍呀くん」
「気にするな、と言いたいが少し辛い。だから手短に頼む、サーゼクス」
北欧の悪神とその息子であるフェンリルの動きを封じるためにセカンドオリジンを含めた9割りの魔力を消費する、時属性のオリジナル滅竜魔法を使ったあと、パーティーは急遽中止。各勢力たちによる対ロキの会議にオレは出席している。
「それで、ロキとフェンリルはどのくらい動き止められるんだ龍呀」
「セラフォルーさんにも言ったが、神相手となると効果は乏しいから魔力にものをいわせて、約10日が限界だった。その間にロキをどうにかする策を考えないと駄目だろうな」
「因みに龍呀くんの前世で、我々はどんな行動を取っていたのか教えてくれないか?」
アザゼルの問いに答えると、体育祭が始まるまでのこの世界の流れを唯一知っているオレにサーゼクスは何の躊躇もなく訪ねてきた。
「まずオレが知っている流れなら、本来はベルゼブブさんがロキを時空の彼方へと転移魔法で封印するんだが、その効果も1日しか持たない。そして、その1日の間にオーディンのじっちゃんがヴァルハラからミョルニルを持ってくるんだよ」
「ちょっと、あなた!我らが主神に向かって、じっちゃんとは‥…‥…」
「よせ、ロスヴァイセ。今は、こやつの知識はわしよりも重要なものなのだ。爺呼ばわり程度なんぞ、捨て置け」
「‥…‥オーディン様がそう仰るのであれば」
「すまんのう。続けてくれ」
「ロキとの戦闘中にミョルニルは来るが、それを扱える兵藤一誠がフェンリルの牙にやられる。が幸い、さっきのパーティーでライザーの妹からもらった『フェニックスの涙』で起死回生をする。あとは無事にロキを撃退、ハッピーエンドだ」
イッセーがフェンリルにやられると話をした時は皆、表情を歪めていたがレイヴェルのファインプレーによりイッセーが復活して、ロキを倒すという流れを聞いた時の表情は安堵の表情だった。
「安心するのは、まだ早いぞ。オレが今話した兵藤一誠は訳あって先ほどのパーティーで禁手化に至っていることが前提条件だ」
「そのとある訳とは聞いてもいいかね、龍呀くん」
「ああ。この世界はもうIFの世界だからな。んで、そのとある訳ってのは、グレモリー眷属の塔城小猫を姉である黒歌が拐おうとした時に禁手化に至る。至り方は、ここでは言えない卑猥な方法なので省かせてもらう」
「なるほど。つまり、龍呀がその方法をイッセーに教えりゃあ、あいつは直ぐにでも禁手化に至れると?」
俺の説明にアザゼルがそう聞き返してくる。
「ああ。それと言い忘れてたが今のまま、イッセーを戦いに行かせるのは少しヤバいんだよ。今のブーステット・ギアは分岐点に立っている。禁手化か普通の強化」
「ならば、イッセーくんには禁手化に至ってもらおう。龍呀くん、彼に方法を教えてくれないか?」
「無論、そのつもりだ。本来なら至れるはずの禁手化への成長イベントをオレが奪ってしまったのも同義だからな。加えて、アザゼル。匙に他のヴリトラの神器を移植してくれ。それも前世の物語に出てくる」
「移植はいいが、耐えられるのか?」
「だれが鍛えたと思ってんだ? タンニーンのおっちゃんほどじゃないにしろ、オレがタイマンで鍛えた愛弟子だぞ。禁手化に至ってないイッセーならば勝てるくらいには育ててある」
「ほほう。ドラゴンスレイヤーのお前がそこまで言うってことは、シトリー眷属全員がかなり鍛えてあると思っていいんだな?」
「ああ、特に椿姫先輩はオレの魔法を返せるくらい強いぞ」
「おいおい、それは流石に驚いたぞ。ハハハハ!!!! よし、あとでヴリトラの小僧にはうちで保有しているヴリトラの神器を移植してやる」
アザゼルは、シトリー眷属の成長具合を聞いてから匙に堕天使勢力が保有しているヴリトラの神器を移植してくれると言質を取れたので良かった。
「んんっ、少し話がずれているようだがオーディン殿。龍呀くんの話によれば、別の世界のあなたは赤龍帝にロキ撃退のためにミョルニルを託したそうですが、如何かな?」
「わしとて分かっておる。全ては北欧の主神たるわしの責任じゃ、何とかしよう。それと龍殺しの魔導士よ。お主に此度の褒美をやろう。何がいい?」
「いきなり言われてもなぁ‥…‥…」
「でしたら、以前、『駒王協定』が締結される前に私に言っていた神殺しの魔法を習得するのは如何ですか、狩谷龍呀」
オーディンからのご褒美を何にしようか迷っているとミカエルが夏休み前に姫島神社で話していた滅神魔法のことにふれてきた。
「神殺しの魔法じゃと? そんなものがあるのか、お主」
「あるにある。オレが知ってるスレイヤー系魔法は、4つ。オレの滅竜魔法。黒歌と小猫の滅獣魔法。そして、滅神魔法と滅悪魔法。その中でも滅悪魔法は朱乃に可能性があるだろう」
「奇妙な魔法じゃのう‥…‥。それで、わしは何をすればよい?」
「オレが滅神魔法を使うようになるのは、神の炎か雷を食らう必要あるけど、それなりにリスクも伴う」
「リスク?」
「滅竜魔導士は、同じ属性の魔法であっても滅神魔法を食らうことができない。つまり、他の魔法なら食えるが神の炎や雷を食えば、身体が拒絶反応を起こして最悪は死ぬ」
でも、ナツの身体能力をもらってから滅神竜魔法に至れる可能性はあるんだけどな。
オレの他のスレイヤー系魔導士が滅神魔法を習得する際のリスクを説明すると最初に言い出したミカエルが口を開く。
「最悪は死ぬって、以前、姫島神社ではそのようなことは兵藤一誠も一言も‥…‥…」
「イッセーはどうかは知らないが、リスクのことを言えるはずがない。側に朱乃が居たんだからな」
「ッ‥…‥…!!」
オレの顔を見たミカエルは、そのあとは何も言えずに俯いてしまった。
「それでどうするんだ、龍呀。リスクを承知で、その滅神魔法とやらを習得するのか? それとも物語通り、イッセーにやらせるのか」
「もちろん、食らうぜ。仲間のために1%でも勝率を上げられるのであれば、どんな困難にも立ち向かう。それがフェアリーテイルの魔導士だからな。それに考え方を変えてみれば、これも一種の神の試練ってやつだ。元人間の男として、神の試練を越えた英雄に憧れたこともある」
「ホホホ、自ら死の危険を知りながら神の試練に挑むか。よいぞ、よいぞよいぞ、滅竜魔導士。否、狩谷龍呀! お主のような危険を承知で、更なる高みへと登ろうとする無鉄砲な輩を久方ぶりにみたわい。神の炎と雷、このわしがお主に与えよ。そして越えてみせよ、神の試練を!!!!」
「おう!」
大笑いしながら品定めするような眼差しを向けてくるオーディンにウキウキとしながら答える。
「それでは、ロキ撃退にはグレモリー眷属から赤龍帝・兵藤一誠。シトリー眷属から『兵士』、匙元次郎。ギルド フェアリーテイルからは滅竜魔導士・狩谷龍呀が参加することに異論はありますかな?」
対ロキ戦闘に挑む面子にサーゼクスがこの場にいる者に賛否を問うがそこでオレは更に新しいメンバーを組み込むことにした。
「オレから一つ。ロキ撃退に今代の白龍皇であるヴァーリ・ルシファーの召集を提案する」
「確かにあいつが居りゃ、かなりの戦力にはなるが大丈夫なのか?」
「そこは、北欧の悪神と戦ってみないかと誘ってやればヴァーリのことだから面白がってほいほいと来るぞ。それに今頃、まだあいつはオレの家にいるはずだし」
「似た者同士だからこそ、思考パターンがわかるわけか‥…」
「では改めて、ロキ撃退にはグレモリー眷属から赤龍帝・兵藤一誠。シトリー眷属から『兵士』の匙元次郎。ギルド フェアリーテイルからは滅竜魔導士・狩谷龍呀。そして白龍皇のヴァーリ・ルシファーが参加することに異論はありますかな?」
サーゼクスがこの会議にいる皆に問うと無言で返答する。
「では、また9日後に、ロキ撃退の作戦の調整と最終確認のためにお集まり頂きたい。こちらも異論はありますかな?」
二度目のサーゼクスの問いに皆、無言になる。
「では、9日後の作戦調整の日に」
サーゼクスのその言葉で、会議に参加していた皆が部屋から出ていく。
会議が終わったので、オーディンのじっちゃんに試練の話をしに行くことにした。
「オーディンのじっちゃん、ヴァルハラに行くのを少しだけ遅らせることはできるか?」
「いいじゃろう。そこはわしが何とかしよう」
「ありがとう」
オーディンのじっちゃんにお礼を言ってから懐にしまっておいた小型の通信ラクリマを取り出して、家にいるであろうヴァーリに電話する。
「もしもし、ヴァーリ? 今暇か?」
『暇ではないな。君の家で今も戦っている最中だ』
「そうか。悪いが今直ぐに冥界へ来てくれ。10日後に北欧の悪神と戦うことになった。お前も参加しないか?」
『なんだい、その面白しろそうな誘いは。行かない訳がないだろう。もちろん、参加するとも』
「それでお前に頼みがある。その間、イッセーを鍛えてくれないか。今からあいつを禁手化に至らせる。禁手化に至ったイッセーなら遊び相手程度にはなるだろう」
『なるほど。俺が鍛えて、鍛えた相手といずれ戦う。それはそれで面白いな。いいだろう、兵藤一誠を鍛える話も喜んで受けよう』
「それじゃあ、待ってるからな」
オリ主の滅神魔法について
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完全習得(永久的)。
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一時的な習得(今章限り)
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今後も使える(条件有り)
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ごめん、使えなかった。