音町高校ゲーム部! 作:たま
私達が宿を出たときだった、
「ゲーム部のみなさーん!」
遠くから私達を呼ぶ声が聞こえた。誰だろうと思い声の方を見てみると、役場の職員の人が走ってこちらに向かって来ていた。
「はぁ...はぁ...ゲ...ゲーム部の...みなさん!」
役場の人は肩で息をしている。よほど急いで来たと思われる。
「だ、大丈夫ですか?」
「は、はい...大丈夫です、ふぅ...それよりみなさんに伝えたいことがありまして。」
「伝えたいことですか?」
「はい、実は..」
役場の人に言われて私達が来たのは今日行く予定だったダンジョンである。いまはその入り口の近くにいる。
「いやぁ~!町から見てもでかかったけど、近くで見ると物凄くでかいなぁ!」
「そうね~、大きいのは分かってたけどここまでとは思わなかったわね~。」
事実、上へ上へとのびているダンジョンはいくら見上げてもてっぺんをみることはできない、今までで一番上までたどり着いた人はまだいないらしい。
「それより、私達に依頼したいことがある人ってどこにいるんでしょう?」
役場の人にはダンジョンの前で待っているということしか教えてもらっていない。
「おい楓、待ってるやつってあいつじゃないか。」
と月夜先輩が指をさした先に、ダンジョンの入り口の前で立っている人がいた。フードを被っているので顔は見えないが、身長は私より少し低い位なので年はそれほどかわらないと思う。
「あ、確かにそれっぽい人がいますね、声をかけてみますか?」
「あぁ、そうしてみようか。」
そう言って楓部長はフードを被った人に近づいていき、その後に私達もついていった。するとフードを被った人もこちらに気づいたのか、小走りで近づいてきた。
「あの!もしかしてゲーム部の人達ですか!」
と元気良く私達に話しかけてきた、声からして女の子ということがわかった。
「あぁそうだよ、冒険者ギルドゲーム部だ。依頼があるというのは君のことかな?」
と楓部長が言うと力強く頷き、
「はい!そうです!」
と答えた。フードをとると、林檎のように赤い髪と瞳があらわになった。
「自己紹介もまだですが時間が無いので早速本題に入らせてもらいます!」
よっぽど焦っているのか、凄い勢いで言ってきた。
どうやら女の子の友達が昨日ダンジョンに行ったっきりでまだ帰ってきていないということらしい。
「なるほどそれで私達に依頼してきたと...よし、皆!ダンジョンに突入する準備はいいかな?」
楓部長が皆に聞いた。でも、返ってくる言葉はもう分かっているような口ぶりだ。
「勿論できてるわ~♪」
「当然だ。」
「はい、できてます。」
皆とっくに準備はできてる。わたしだって
「当然!勿論できてます!」
「じゃあ皆!行くぞ!」
「「「「おー!」」」」
そして私達はダンジョンへと足を踏み入れた。
このとき、私達なぜは気づかなかったんだろう。
できてまもない、無名の私達のギルドになぜ依頼してきたのかを。