・主人公
名前:クライン・クルーガー 16歳
武器:アサシンカリンガ
防具:ハンターシリーズ
名前:マハト・アルペンハイム 17歳
武器:ブレイズブレイド改
防具:ランポスシリーズ
村の流通はかなり安定してきた。
腕利きのハンターがしばらく滞在していなかったおかげで、目覚ましい発展が無いことがココット村の悩みの1つではあったものの、クラインの成長とマハトの帰還により、安定して依頼をこなせるようになったことで、村周辺の危険度も徐々に低くなってきた。
この世界での村や街の発展は、ハンターの有無によって大きく差が出る。腕利きのハンターがいれば、その村や街に依頼が流れて、経済が回るようになる。ハンターはこの世界の経済の中心的存在でもある。
ハンターの体力を回復させる回復役の調達や、罠の材料の仕入れなど、行商人が直にギルドに依頼して卸して貰っている。
そうやって世界は回っていた。
ココット村に流れてくる以来は主にクラインとマハトが受けることを前提としてギルドから送られてくる。
それ以外には村長の独断により依頼を発注するようにもなっていた。
元伝説的ハンターであるココット村の村長の顔利きか、ココット村もギルド出張所として昨日するようになってきた。
近々、村長が住む大きな家を、ミナガルデギルド出張所として機能させるような動きもある。
主に森と丘周辺の依頼を管理する役割を担うようだ。
そうなったのには、ミナガルデのギルドマスターである村長の兄弟が関係しているのだろう。
村長と瓜二つのミナガルデのギルドマスターは独特な訛りで喋る老人で、いつもミナガルデの酒場のカウンターにちょこんと座っている。
マハトがミナガルデにいるときは、見かけていたらしいが、本当に村長と瓜二つでなんだか村に帰ってきた雰囲気だったと語っていた。
徐々にではあるが村の状況も変わってきている。
ーココット村ー
村人は主に大体が商人であったり武器の加工屋など、何かしら皆、村で商売を営んでいる。
村はとても狭いコミュニティのため、誰が何かの職をすることが必須になってくる。
簡単な仕事としては近くの狩場に赴き、様々な資材、薬草などを取ってくる仕事などもある。
ココット村は《シルクォーレの森》や《シルトン丘陵》などが近い関係で薬草やキノコなどの資源に溢れている。
それを物流に流して稼ぐ方法がほとんどだ。
もちろん、彼らはハンターでは無いため、モンスターを狩る技術はない。そのため凶悪なモンスターが出ない場所を探索したり、時にはハンターを雇って採取に出かけたりする。
しかし、ココット村では手に入らない物資ももちろんある。
「まいったのぉ」
空を仰ぎ見て村長はしわくちゃな顔を歪めて言った。
「流通が増えたのは主にジャングル付近の物資じゃ。じゃがそれ以外の地域の物資が必要となるとまた話が変わってくるのぉ・・」
現在、ココット村ではとある病気が流行していた。
一種の毒による病気で感染することはないが、その毒を体内から取り除かなければ最悪の場合死に至ってしまう。
幸い、解毒薬は調合で作れるので、最悪の自体は免れているのだが、それでも完治というわけにはいかなかった。
そこへ村長に呼ばれたクラインとマハトがやってくる。
「徐々に広がってるらしいね。」
そういったクラインは村長の家の前から村を一瞥する。
外に出ている村人は明らかに少なく、どこか活気も無くなっている。
ココット村を蝕んでいる奇病は、毒による高熱や身体の倦怠感など、普通の風邪と変らない症状を見せる。
しかし、治るには完全に体内から毒を除去しなければならないので《漢方薬》が必要になってくる。
「漢方薬を作るための《サボテンの花》じゃが、これはデデ砂漠などの砂漠地帯でしか自生しないのじゃ。」
通常の解毒薬よりも強力な解毒作用がある《漢方薬》はハンターも場合によっては狩りの場面に持っていくアイテムの一つではあるが、これの材料となる《サボテンの花》は砂漠地帯でしか自生しない。
その砂漠への流通はまだ確保されておらず、依頼も回ってこないので、依頼のついでに調達してくるといったこともできなかった。
そこで村長はクライン達を読んだのだ。
「なるほどね」
マハトがそう言って村長の考えを察したようだ。
「砂漠地帯の近くに《レクサーラ》という村がある。お主らにはそこに行ってもらい、砂漠から《サボテンの花》を取ってきてほしいのじゃ。あいにく、頼めるのはお前達くらしかいないからのぉ」
「直接レクサーラと連絡とって物資を送ってもらうことはできないの?」
クラインが単純な疑問を投げかける。
ある程度の物資であれば村同士で連絡を取り合い送ってもらうようにもできる。
ましてや商隊などに頼めば目当ての物資も手に入れられるようにはなっているのだが。
「それがレクサーラの物資もどうやら枯渇気味らしくての。こちらまで流通できるほど人も物もおらんらしい。」
「あそこにはハンターがいないからの・・。もしかしたら何かあったのかもしれん」
そこで、クライン達を派遣させて問題の確認と必要によっては解決するということだ。
「それが今回の依頼ね。」
腰に手を当てて自体を理解したクラインは、村長に言った。
「レクサーラまではメタペタットの商隊も向かわせる。彼らの荷車に乗ってレクサーラまで向かってくれ。」
村長はそう言って、村の入口に付近で待機している商隊の荷車をみた。
以前、リオレウスの襲撃から助けてメンバー達で、主に物資の調達などを行っている人達のような。
長距離を移動しても負担が無いように、クライン達とそう大差のない歳の若者が中心に構成されているようだ。
「すでに商隊の準備も出来ている。お主らは大丈夫か?」
この村長はいつもいじわるだ
準備なんてハンターたるものいつ何時も、何が起きてもいいようにしていろ、とあれだけ教え込まれている。
わざわざこんな試すようなこと。
クラインとマハトは同時に振り返り「行ってきます」を返事にして村長の元を去った。
ーココット村近辺ー
「エマ・レームクールです。よろしく」
商隊の中で唯一の女の子である彼女が最後の自己紹介だった。
商隊は全部で4人。
リーダーである《デニス》
荷車を引くアプトノスの世話係兼運転士《アントン》
元ハンターで小型モンスターなどの対処を行う《ウッツ》
そして商隊の経理などを担う《エマ》
この4名がココット村に資材を持ってくる主な商隊だった。
以前のリオレウスの襲撃の際に、一通り商隊のメンバーとは顔を合わせていたが名前を全員覚えているわけでは無かったので、改めての挨拶となった。
「あの・・以前は助けていただき・・ありがとうございます・・!」
突然お礼を言われたクラインはたじろいだが、よくよく顔を見てみるとその少女はクラインが以前リオレウス襲撃の時に、《森と丘》の奥のエリアで助けた商隊の一人だった。
「あ、あぁ・・」
返事にならない返事をしてしまったクラインは、気まずい空気に耐えきれずマハトの方に目をやる。
マハトは呆れた風にクラインに視線を返してその目は「もっと気の利いたことを言えよ・・」と言っているようだった。
「とにかく無事で良かった・・です・・」
ハンターという職業柄、こうやって他人から感謝されることはあるかもしれないが、こうも直接、こんな近い距離で言われたのは初めてのことだった。
そこへ商隊のリーダーであるデニスが、クラインとマハトの元へやってきた。
揺れる荷車の中で、バランスよく歩いてくるデニスはブロンドの綺麗な髪をしていて、さながら上流階級のそれに見紛うほど綺麗な顔立ちだった。
「僕からもお礼を言いたい。本当にエマを救ってくれてありがとう。」
そう言って、手を差し出したクラインは少し迷ったものの、デニスの手を握り返した。
「あの時は本当にもうダメかと思っていた。ココット村なんかに行かなければ良かったって何度も思ったさ。」
そう言うデニスの口調は憎悪が入り交じる声音で、当時の緊迫感が伝わってきた。
「マハト君もよく頑張ってくれた。新米のハンターと聞いて多少不安には感じたが、よく無事に助け出してくれたものだ・・・」
その言葉には多少の皮肉もあるように思えて、マハトが殺気立つのを感じる。
これ以上こいつに喋らすとまずいと思い、クラインはマハトの気が反れるように声を発す。
「大したことじゃないよ。あの時は俺も必死だったんだ。俺だけの力じゃない」
そう言って、少しでもマハトの気を鎮めようとした。
「ともあれ、君の活躍によりエマはここにいれる。本当にありがとう。」
すっと立ち上がり、デニスはエマの隣に座り込んだ。
この二人はきっとそういう関係なのだろう。
そう思うも特にそこに突っ込むことはしなかった。
「ふわぁぁ」
大きなあくびをして、マハトは後ろの荷車の方へ向かう。
この荷車は全部で5つの編成になっており、それぞれがアプトノスに牽かれて移動している。
先頭の荷車をアントンがアプトノスに駆り操縦し、その後ろを他のアプトノスが着いていくように調教されている。
それぞれの荷車は十分な物資を格納できる広さを有しているが、それとは別に人が寝れるように寝具も設置されている。
エマが女性ということもあり、彼女用の部屋も用意されている。
それ以外は、残りの商隊メンバーが寝る用の荷車と、ハンター達が寝る荷車も用意されている。
外敵からの襲撃を懸念して、夜ねる時は、それぞれ見張り番となる者が起きている手はずになっている。
その場合は、備え付けの簡単なボウガンや、音爆弾などを備えている。
しかし、夜に寝るのはとても危険なので、今日中に中継地点となるメタペタットまでたどり着くのを目的としている。
マハトは自分の寝具に戻り寝るようだった。
「到着まで俺らハンターはやることないだろ?俺たちの仕事はあくまで《デデ砂漠》の探索だ。到着までゆっくりさせてもらうぜ。」
行こうぜ、クライン。そう言ってマハトは自分達に貸し与えられている荷車へ向かった。
荷車はそれぞれ繋がれており、直接行き来することができる。
移動する家のようなものだ。
「じゃあ、うちのリーダーがそう言っているので」
そう言ってクラインはマハトの後を追いかけた。
「何様のつもりだ・・?」
デニスはクラインの後ろ姿が見えなくなるのを確認してからそう声にだした。
「そんな言い方はないんじゃない?」
隣に座っていたエマがそう注意する。
「あいつら、ハンターが一番偉いんだって思ってんだ。あいつらが狩りに使ってる薬草や資材の供給は誰がやってると思ってる?俺たち商隊がいなきゃ、あいつらは狩場で野垂れ死んでるんだよ・・!」
クラインたちが消えた先の荷車に向かってあえて聞こえるように、大きな声でそんなことを叫んでいた。
ー後方の荷車ー
「エッラそうな隊長だなぁ!」
ドカっと麻の上に寝そべったマハトは、あえて聞こえるように、大きな声でそんなことを叫んだ。
「まあ、性格悪いよな、あいつ」
「プライドが高いんだろ?ただでさえ低いプライドなのにな」
床を伝ってドンッと隣から音が聞こえてきた。
隣の荷車でデニスが床を殴ったのだろう。
車両自体別々だが、寝床になっている荷車は連結されており、ある程度の物音は伝わるようになっている。
出発当初から薄々感づいていたが、デニスはハンターに対して下に見ている傾向があるようだ。
クライン達は職業ごとに上下の差は無いと考えているが、デニスの態度には少なからず不快感は抱いてしまう。
「たまにいるんだよな。自分の職業至高主義なやつ・・」
マハトは特にデニスに対する不快感を表していて、乗車してからいつ一発触発するかとクラインはヒヤヒヤしていた。
それはどうやら隣にいた商人の女の子エマも一緒だろう。
お互いの不穏な雰囲気を感じてかクラインにお礼を言ったようにも思うが、本心ももちろんあっただろう。
しかしそれが彼にはいいきっかけになってしまったようだ。
無理矢理にでも皮肉を言ってやろうと気が満々で、待ってましたと言わんばかりに会話に混じってきたからだ。
マハトに対して当たりが強い言い方になっていただろうが、クラインに対してはただの建前だろう。
ハンターに窮地を救われても素直にお礼も言えない人でも一商隊の隊長にもなれるのか。
人間性と仕事の質は比例しないらしい。
ハンターにも似たような人がいるのかもしれないが。
「なぁ、クラインお前もまさかハンターが一番えらい職業なんて思ってないだろうな」
「まさか!?そりゃ尊敬できる職業だとは思うけど、この世界の役割の一つだろ」
役割の一つ。というのは村長からの教えだった。
村長はハンターという職業は世界で必要な職業の一つでしかない。
モンスターを狩れるハンターという役割がいなければ、人間は生きる事はできないだろう。しかし、みんなみんなハンターであっては、人間は生きていけない。
だからこそ、ハンターを補助するために商人がいて、物資を各村に流す役割がある。
各所の依頼をまとめるためにハンターズギルドが存在する。
そうやって人間はそれぞれが役割を意識して連携して生きることでここまで成長してきたと思う。
村の発展にハンターは必要不可欠と言われるが、商人や村長も必要不可欠でもある。
ハンターの活躍がきっかけとなり、商人という職業が活き、村長の采配が重要になってくるのである。
そんなことを村長が教えてくれたのを覚えている。
先程、マハトがデニスの前を去るときに”俺たちの仕事は”と言ったが、まさにこのことでもあった。
「このままバカにされたまんまも癪だから、さっさと仕事済ませて村に帰ろうぜクライン」
マハトはゆっくりと目を閉じてそのまま眠ってしまった。
整備されていない荒れた道を行くアプトノス車は、心地いい揺れをクライン達に感じさせながら、熱帯の地レクサーラを目指すのであった。
ーレクサーラー
ココット村から森と丘を超え、一晩メタペタットで明かして数日。
熱砂舞う地《レクサーラ》に到着したクライン一行。
彼らは村に到着してからすぐにその異変に気がついた。
レクサーラという村は砂漠のオアシスに築かれた村で、砂漠地帯の狩場に向かうハンターの経由地点として使われる。そのため、一時的にハンターが寝泊まりできる施設や規模は小さいが出張ギルドも存在する。
ここより南は常に砂嵐が吹き荒れており、人が立ち入ることができない未開の地となっており、そこを迂回してデデ砂漠へ向かう。
ハンターの経由地点とされている関係上、常にハンターが行き交う村であるにも関わらず、クライン達が到着した時にはまったくと言っていいほど、ハンターが見当たらなかった。
「ここがレクサーラ?噂に聞いていたのと全然違う・・・」
クラインが疑問に思ったことを口にして、マハトは黙って村を一瞥した。
荷車から商隊のリーダーであるデニスが出てきて、この村で一際大きな建物へ向かう。
レクサーラの建造物は、ココット村のように木材で建てられたような家ではなく砂岩で作られた家がほとんどで、その他にテントを張った家なども存在する。
デニスが向かった家は、村で最も大きい赤い砂岩で作られた家だ。おそらくこの村の長の家だろう。
デニスに連なって、他の商隊のメンバーが後に続く。最後尾には商隊唯一の女性エマがいた。
旅の途中、幾度となく衝突するデニスとマハトを鎮めたのは、このエマだった。
高飛車なデニスに対して、最初こそ冷静に対処していたマハトであったが、日数を重ねて行くにつれて、抑えきれなくなっていた。
モンスターで言うところの怒り状態よろしくになったマハトだったが、間に女性が入ることで、いくらか冷静にもなれた。そういう意味では一番世話になっているのは、エマだろう。
「・・・」
マハトは黙って商隊達の後ろ姿を見つめていた。
「マハト、こっからはやっと俺たちの出番だ」
それを見ていたクラインはマハトの方をポンと叩いて、気を紛らわしてやろうと思った。
「はぁ〜〜」
ため息を吐いてマハトは「そうだな」とだけ返した。
「それよりも気になるのはこの村だよ」
そう言ってクラインはレクサーラの村を見回した。
この村は砂漠のオアシスに気づかれた村で、砂漠地帯に向かうハンターの経由点としての機能を持つ村だ。
ハンターのための商店や宿が完備されており、そこかしこにハンターがいてもいいはずだが、今この村には不自然なほどに人っ子一人いない。
ココット村を出る時に村長が言っていた通り、物資が枯渇しているというのも、なにか関係があるのかもしれないと、クラインは考えていた。
「俺も何度かこのレクサーラに来たことはあるけど、ハンターがたくさんいたはずだぜ」
マハトも違和感には気づいていたようで、クラインに以前レクサーラに来たときの状況を伝えた。
「なにかあったとしか思えない・・・」
そう言ってマハトは先程デニス達が入っていったレクサーラの村長の家を見た。
マハトの目線に釣られるようにクラインも赤レンガでできた村長の家を見やると、デニス達が家から出てきた。
デニス達は扉から出て来たときから、クライン達と目を合わせており、何かいいたげな表情をこちらに向けている。
ゆっくりと近づいてくるデニスを見て、クライン達は次の言葉を待った。
「良かったな。お前らにも仕事だ。頑張れよ、立派なハンターさん」
ーデデ砂漠ー
無限に広がるように見える大きさ砂原。直射日光が降り注ぎ、立っているだけで体力を奪われる広大な砂漠にクライン達は来ていた。
「俺始めてだ。《森と丘》以外の狩場に来るの」
「そっか、お前ずっと村の仕事だけだったもんな」
話をしながらベースキャンプで準備を整えるクラインとマハト。レクサーラに到着してまもなく、クライン達はレクサーラからほど近いこの《砂漠岩地》という狩場にやってきていた。
レクサーラの村長と話しをしていたデニス商隊は、砂漠の物資流通の交渉しようとしたものの、最近多発している砂漠岩地でのモンスター大量繁殖に悩まされていたようだ。
そのおかげで、レクサーラの商隊も思うように物資を調達できずにいたようだ。
「村長は知ってて俺たちを寄越したのか・・」
「あのじいさんのことだ。ロクに説明なんかしてくれないさ。」
とりあえずやれってスタンスだからな。そう続けてマハトは支給品ボックスから一つの瓶を取り出した。
「ほらクライン。コレ飲んでおけ」
ヒョイッと投げられた瓶を受け取ると、ひんやりと冷たく、触っただけでこの砂漠の暑さを若干軽減させてくれた。
「これって?」
「クーラードリンクさ。こういった暑い狩場では、立っているだけでも暑さで体力をやられちまう。その暑さを軽減させるための飲み物さ。」
クラインはへぇ〜と言い、渡された瓶を軽く振ってみた。カラカラと音がして、白い液体の中に氷のような物体が見える。
これは氷結晶というもので、寒冷地対や洞窟なので採掘できる鉱石だ。どんなに高温にさらされてもなぜか溶けない氷とされ、氷属性の武器の材料としても使われることも多い。
この氷結晶とにが虫のエキスを調合することで、このクーラードリンクが完成する。ちなみに、今回目的としている《サボテンの花》と《にが虫》を調合することで、解毒薬を作ることができる。
「これが先人の知恵ってやつか・・」
クラインが感心しながらクーラードリンクを一気に飲み干す。喉を通った瞬間、体内の器官という器官すべてに冷たいひんやりとした感覚が行き渡り、一気に体温が変化したことにより、少し身体をブルッとさせた。
「これ腹壊したりしない?」
あまりの冷えように少し心配してクラインはマハトに聞いた。
「ハッハッハ!大丈夫さ」
マハトは笑いながら借りの準備を進めていた。
クラインは始めての狩場ということもあり、入念に砂漠の地図を確認する。
「さて、それじゃあ、目標を探しに行くか」
マハトが大剣・ブレイズブレイド改を背負ってクラインに声を掛けた。
ーエリア2ー
ベースキャンプからは二通りの道を通じてそれぞれ違う狩場に繋がっている。一つはベースキャンプを下ったところから広大な砂漠地帯に通じる道。そしてもう一つは地底湖エリアや、岩地が存在するエリア。ここではある程度日射を防いでおり、砂漠による太陽の照り返しもないためクーラードリンクは不要である。
クライン達はまずエリア2である大きな砂漠地帯からの探索を始めた。
今回の仕事は、砂漠に突如として大量発生した《ゲネポス》の討伐だ。
この砂漠岩地には主に《ゲネポス》と《ガレオス》という小型モンスターと、そのボスが徘徊している狩場だ。
《ガレオス》とは砂丘を泳ぎ回る魚竜種に分類されるモンスターで、砂漠を自由に泳ぎ回り、集団で獲物を囲い込み狩りを行う。
対して《ゲネポス》は主に岩地の方を生業とし、これまた《ドスゲネポス》を筆頭に、群れの住処を守っている。
砂漠地帯の《ガレオス》と、岩地の《ゲネポス》とで半分割にすることで、この砂漠岩地の生態系はバランスを保っていた。
しかし、ここ最近砂漠岩地の生態系に偏りが見られ、《ゲネポス》が砂漠地帯にまで侵食してきたようだ。
砂漠地帯には、《ガレオス》と《ゲネポス》両方がせめぎ合う場所となっており、危険度が大幅にましていたようだ。
このことから、レクサーラもミナガルデギルドに依頼を発注。しかし、どのハンターも依頼に失敗し、中には帰還できなかったものもいないことから、まともな調査が進まずにいたのだ。
「それにしてもよりによって俺らなんて・・・」
クラインは、まだハンターとしてまともに狩りを始めて半年ほどといキャリアだ。その不安をつい口にしてしまう。
「まあ、村長も俺らだったら大丈夫だと思って商隊について行けって言ったんだと思うぜ。それに今回の依頼は大型モンスターの討伐じゃない。あくまでゲネポスの討伐だ。ある程度、数を減らしてサボテンの花を採って帰ろうぜ」
そうだ、もともと自分たちがこの砂漠岩地にやってきたのは、解毒作用があるという《サボテンの花》を採取することにある。
それを持ち帰り村に持ち帰ることが、今回のココット村村長からの依頼だ。
そして、このゲネポス討伐はレクサーラからの直接の依頼。
「大型モンスターの討伐でないだけに、少し安心だな」
「油断はするもんじゃないぞ。クライン」
砂漠地帯にでると、照りつける太陽と、照り返しによる暑さがクラインを襲った。
「これはクーラードリンク無いとどうかするところだった・・」
クーラードリンクである程度の暑さをしのげているとはいえど、暑いと感じるのは十分過ぎる熱気が充満していた。
そして、どこまでも広がるように見える砂漠には、見慣れた。しかしどこかズレを感じさせるシルエットがあった。
「あれがゲネポス・・」
クラインの視線の先には、今回の依頼のターゲットである《ゲネポス》が見えた。
ゲネポスは鳥竜種に分類され、ランポスの亜種としてされているモンスターである。クラインが《森と丘》でよく戦ってたランポスと、よく似ているが、性質は大きく異る。
まず、特徴であり驚異とされるのは鋭い牙や爪から分泌される強力な麻痺性の毒である。ゲネポスの特徴はこの麻痺性の毒によるもので、自分よりも10倍近い体重をもつモンスターですら、この毒により拘束し捕食することもできる。
攻撃と同時にこの毒を打ち込むことができるので、攻撃を食らうことだけはなんとしても避けたいところである。
ちなみに、この毒はあくまで相手の運動性能を奪うだけであり、視覚や触覚、痛覚までも奪うものではないため、捕食対象者は、自らが食べられていく感覚を体験することになる。
その体験は想像を絶するものであろう。
「気を付けろよクライン!」
マハトは背中の大剣の柄に手を添えて走り出す。
大剣を扱うマハトはある程度の間合いを保てるため、果敢に攻め、自信の反射神経を頼りに敵の攻撃を避けるスタイルを得意とする。
対して片手剣を扱うクラインは、ヒット・アンド・アウェイを得意とし、相手の行動パターンを分析し、ダメージを蓄積させる戦い方だ。
どちらも一長一短ではあるものの、相手により得手不得手は出てくる。
今回の場合、ゲネポスの麻痺毒には十分な注意を払わなければ、一発であの世送りになる場合もある。
それを踏まえると、クラインの方がこういった小型モンスターの討伐には向いていると言えた。しかし
「ガァアアア!」
クライン達のいた場所から更に奥。エリア2の方面から、ゲネポス特有の金切り声が聞こえてきた。
クラインが声に気づいて目線を向けると、遠くからでも見てわかるほど、立派なトサカを持つ個体のゲネポスがいた。
「まさか・・!?」
「やっぱり、いやがったか」
3匹のゲネポスの群れに向かっている最中。その奥からドスゲネポスが現れた。
「普通、このエリアにドスゲネポスが来ることはないんだがな。」
「どうする?マハト?」
「おれがあいつの相手をする。クラインは周りのちっこいのを頼む!」
「わかった!」
とっさとはいえ、どんな状況でも対処しなければならない。
土壇場での狩りの対応が今後の狩りに影響してくる。
ここは、経験が多いマハトに大物を相手にさせるのは、得策だとクラインも判断した。
マハトは、飛びかかるゲネポスの攻撃を避けて、その奥にいる《ドスゲネポス》へと向かう。
3頭のゲネポスがマハトに気を取られている間に、クラインはその内の一頭に抜刀しながら飛びかかった。
ブシュッ
以前よりも威力をました片手剣《アサシンカリンガ》の刃が、一匹のゲネポスに致命傷を与えた。
ゲネポスの断末魔に気が付き、他のゲネポスもクラインの方向へと身体を向けた。
このまま、攻め込んで他の2頭も仕留める。
そう思い、クラインは残り2頭のうち一匹に狙いを定め、振り下ろした刃を上に向けて切り上げを行う。
その切っ先が確実にゲネポスの顎にヒットしたと思った瞬間。
クラインは鈍い衝撃を右半身に感じて、気がつけば砂の上を転がっていた。
「ッ・・!!」
耳元でズシャっという音を聞き、思わぬ方向から与えられた攻撃に虚を疲れる。
『一体・・なに・・』
急いで体制を立て直して、口の中の砂をペッと吐き出しながら、攻撃された方向を見る。
しかし、先程クラインが立っていたであろう場所には2頭のゲネポスがいるのみで他には何もなかった。ただただ広大な砂漠がゲネポスの背後に広がっている。
『何だ?何が起こった?』
正体不明の攻撃に動揺しながらも、クラインは2頭のゲネポスに集中しようとしていた。しかし直後、クラインの耳に、ゲネポスとはまた別の、モンスターの鳴き声が入ってきた。
聞こえてきた右に方向に目を向けると、サーっという音とともに、黒ずんだヒレのようなものが見える。
『ガレオス・・!』
そう、この砂漠には主に2体の凶暴な小型モンスターが生息している。
一体が、今回の依頼の標的である《ゲネポス》
そしてもう一体がもともとこの砂漠地帯を縄張りとしている砂竜《ガレオス》だ。
『同時にガレオスにも気を向けないといけないのか・・』
広大な砂漠を縦横無尽に及び回るガレオスの群れと、地上を闊歩するゲネポスとの同時狩猟。
まだ経験の少ないクラインにとって、辛く困難な狩りであった。
ー*ー
『まずいな・・』
ドスゲネポスとの攻防を続けるマハトであったが、ガレオスの存在には気がついてた。
砂漠での狩りの経験があるマハトは、砂漠地帯に足を踏み入れたタイミングでガレオスが泳ぐヒレの数を確認していた。
目視で確認できただけで4つ。つまり少なくとも4匹のガレオスがこの砂漠地帯に存在していることになる。
通常、岩地地帯を縄張りとしているゲネポスたちがこの砂漠に出てくることは無いのだが、今回の場合はある程度の推測ができる。
ドスゲネポスがこの砂漠地帯に現れたところを見ると、ゲネポスの群れがガレオス達よりも優れていることになる。
縄張り争いの末、ゲネポスがこの砂漠岩地全体を統治しており、徐々にガレオスが淘汰されていることになる。
ガレオス達にも、群れのボスとなる《ドスガレオス》が存在するが、この場合《ドスガレオス》はこの《ドスゲネポス》に倒されたと考えられる。
それにより、ゲネポスたちは生息域を一気に広げることができた。そして今回のゲネポスの大量繁殖である。
そう考えるとこの《ドスゲネポス》は通常の個体よりもさらに強い個体であることが伺える。
そんな通常よりも強い個体である《ドスゲネポス》を相手にしながら、後ろでクラインと交戦しているゲネポスにも注意を配り、同時のいガレオスにも注意を向けないといけない。
一切の障害物が存在しない砂漠地帯において、全方位からの攻撃の危険にさらされていることになる。
1人での狩りであれば、一度ベースキャンプに戻っていたことだろう。
マハトはドスゲネポスの攻撃を交わしながら、《ドスゲネポス》にダメージを与えていく。
幸い、マハトの扱う大剣は攻撃範囲が広く、取り回しによっては周囲一体を攻撃範囲にできることで、ある程度の距離であれば、敵が近寄りにくくなっている。
しかし、《ガレオス》の方は砂中に潜っての攻撃を主とするので、気は抜けない。
たまに距離を取り、ガレオスとの距離、数などを把握する。
ちらっと視界に入ったクラインだが、彼もガレオスとゲネポスとの同時攻撃には苦戦しているようだった。
理想としては、2人でドスゲネポスの撃退に回れたらいいのだが、この状況下ではそれはあくまでも理想であり、ドスゲネポスとゲネポスの群れを離すことのほうが重要だった。
始めてガレオスと対峙するクラインにとって、ガレオスの攻撃は予想できないものばかりだろう。
砂中に潜り音もなく近寄り、砂ブレスによる攻撃。そしてまた砂に潜って攻撃をすることができない。
マハトも以前、別の依頼でガレオスの《魚竜のキモ》を集めに来たときはかなり手を焼いていた。
『なんとかしてこのドスゲネポスをここから遠ざけないと・・』
《ゲネポス》と比較して大きく発達した爪や牙。そして跳躍力は驚異的で、一気に間合いを詰められることもある。小回りがきき、動きが素早いだけに、大きな一撃を加えるのも、なかなか難しかった。
「ちょこまかとっ…!」
大剣を薙ぎ払って周囲からのモンスターの接近を牽制しながら、ドスゲネポスにも攻撃を与えていく。
ドスゲネポスの鱗にはあまりダメージを与えられないが、それでも両者の距離を保つには十分な攻撃だった。
ドスゲネポスはマハトの攻撃により、後ろに大きく跳躍してこちらを伺っている。
彼奴の視界には、後方にいるであろうクライントそれと対峙するゲネポスの群れが映っているのであろう。
モンスターにどれほどの思考回路があり、感情があるのかはわからないが、いつクラインのところにいくかもわからない。それを防ぐためにも、マハトはここでドスゲネポスを引き止めておかなければない。
「ギャァァ!ギャア!」
突然、ドスゲネポスが鳴き声を上げたかと思うと、突然踵を返して、マハトの前から退散した。
「…!!」
十分なダメージを与えたがゆえの退散か?
安堵したマハトは、そのままクラインのもとへ助太刀に向かおうと、後方を振り返る。
すると、1体のゲネポスの死骸が横たわっていた。
「ふぅっ…」
クラインが息を着いて、彼の足元には残り2体のゲネポスと、ついでガレオスの死骸が横たわっていた。
「クライン…!よくやったな!」
行き過ぎた心配だったか、クラインはすでにイャンクックとも渡り合えるほどハンターに成長している。
「マハトがドスゲネポスをひきつけてくれたおかげだよ」
そう言って、クラインは懐から剥ぎ取りナイフを取り出し、今倒したモンスターの素材を剥ぎ取り始めた。
ーベースキャンプー
一度、ベースキャンプに戻ってきてたクライン達は、現状を整理した。
砂漠地帯一体の被害状況について。
ゲネポスの大量発生により物資調達が思うように行かなくなったわけだが、その原因はドスゲネポスの出現と紐付けることはできる。
しかし、マハトが戦ってみた印象としては、あのドスゲネポスはそこまで強い感覚はなく、なぜ岩地地帯に生息しているゲネポスが砂漠にまで及んでいるのかまでは、不明だ。
少なくとも、あのドスゲネポスの討伐も依頼の範疇に加えないと物資不足の原因は打破できないという結果になった。
「ただ、気になるのは生態系を脅かすほど、あのドスゲネポスが強いっていう印象はなかったな」
マハトがドスゲネポスと対峙して思った率直な感想だった。普段生息しない地域に進出するモンスターは、異様に強くなった個体で、その地域一体の生態系を破壊してしまう。
そのために、ハンターがギルドから依頼を受けて、そういった凶暴化したモンスター。生態系を壊しかねない個体をハントする。
おそらく、今回の一連の状況もそれに起因するはずだと、マハトは思っていた。
「とりあえず、あのドスゲネポスの討伐を狩ろう。おそらくそれが最善だ」
「わかった」
今回の依頼は、ゲネポスの討伐だが、依頼の根本としては、砂漠の安全確保。
そういう意味では、ここではドスゲネポスの討伐は絶対になるだろう。
ましてや、自分たちも村長に頼まれた《サボテンの花》を見つけなければならない。
「まずは岩地地帯でゲネポスを狩りながらボスが来るのを待とう。砂漠の方にでるのは危険だからな」
「わかった」
クライン達は、再びアイテムなどを補充し砂漠地帯とつながる道とは逆の道から、岩地地帯を目指すことにした。
ーエリア1ー
ベースキャンプから北に抜けると、ここデデ砂漠の岩地地帯へとでることができる。
先程のエリア2の広大な砂漠地帯とはうって変わり、大変狭く、逆に大型モンスターも立ち入らないエリアとなっている。
ベースキャンプが建てられるエリアは、モンスターが侵入できない、もしくはしづらい場所に建てられ、一応安全な場所とされている。
そのため、ベースキャンプと隣接するエリアには、凶暴な小型モンスターも少なく、温厚な草食モンスターが生息域としているエリアが多い。
ここも例外ではなく、クライン達のいるこのエリアも、《アプケロス》と呼ばれる草食種モンスターがいた。
アプトノスと近縁種とされているが、縄張り意識が強く攻撃的なのが特徴である。
しかし、縄張りに侵入し危害を加えなければ、攻撃をしてくることはないので、ほぼ無害と言っていい。
クライン達は、そのままエリア1を抜けて、エリア4へ抜けた。
こちらは、先程のエリアよりも広く、岩地地帯では最も広いエリアとされている。
大型モンスターも現れることがあり、もっぱら凶暴なモンスターが生息するのは、こちらのエリアで案の定ゲネポスもこのエリアに存在した。
そして、その中心一体、ひときわ大きなトサカを持ったゲネポスが一頭。
「いやがった…」
クラインとマハトはほぼ同時に、ドスゲネポスの存在を認め、それぞれ得物の柄を握る。
「狙うわドスゲネポス1頭だ。いいな。クライン」
「オーケー…!」
ダッとマハトが駆け出して、ドスゲネポスに近づく。
それを追うように、クラインが続く。周りのゲネポスがクライン達に気が付き、威嚇の鳴き声を上げた。
あたりから、鳴き声が上がり、ゲネポスの群れが警戒しだす。
ドスゲネポスも向かってくるマハトに向き、迎え撃つ構えに入っている。
マハトは、走り出した勢いのまま、抜刀しドスゲネポスに真正面から思い一撃を食らわす。
血しぶきがあがり、同時にドスゲネポスの鳴き声が上がった。
クラインはマハトが一撃を与えた次のタイミングで攻撃を仕掛ける。
1撃2撃と剣を振り回して攻撃を加えていく。
マハトの大剣は一撃離脱のヒット・アンド・アウェイ。
そのスキをクラインが埋めるコンビネーション攻撃を仕掛けていく。
ドスゲネポスがやられている間、周りのゲネポスは攻撃を仕掛けようとする。
腰を低く構え、飛びかかりの姿勢にかまえていた。
いくつか攻撃を与えたクラインはそのまま、ゲネポスの方に向かい、更に攻撃を加える。
そしてその間に体制を立て直したマハトがドスゲネポスに攻撃を与えていく。
砂漠で戦ったときと違い、こちらから先制を掛けられたことは、クライン達にとって大きなアドバンテージとなっていた。
「クライン!このまま攻めていくぞ!!」
「うん!…………!?」
クラインがマハトに返事をした同タイミングである。エリアの奥の方。地底湖へとつながる方向に、もう一つひときわ大きなゲネポスの影が見えた。
その影が大きく2回吠え、姿勢を低くしてこちらに向かってきてた。
「まさか!?」
「2体いたのか?」
奥から現れたのは今戦っている個体とはまた別のドスゲネポスであった。
「だから、ゲネポスが異常繁殖していたのか!」
今砂漠で起きている異常事態。その原因はこの2体のドスゲネポスによるものであることがわかったクライン達。
この2体のドスゲネポスがいることで、ガレオスなど他生物が淘汰されてしまったのであろう。
『どうする?いま両方討伐するか?しかし…』
有利だと思っていた盤面が一気に覆ってしまったこともそうだが、ゲネポス対峙に来たつもりが、ドスゲネポスの討伐、しかも2頭ともなれば負担が大きくなってしまう。
「マハト!俺がもう一頭を相手する!」
クラインは、もう一頭のドスゲネポスに駆け寄り、マハトに近づけさせまいとする。
「それしかないかっ…!」
マハトはそのまま、目の前の1頭目のドスゲネポスに向き合う。
その時、砂漠へとつながる道で、砂塵が舞うのが目に止まった。
「…?」
途端、地響きが鳴り響き地面が割れるのが目に入った。
反射的にマハトは横に転がる。次の瞬間には、もともとマハトがいた地面が割れて、大きな魚のような影が現れた。
同じ位置にいたドスゲネポスが断末魔の叫びを上げ、現れたそれの口元に収まり、力なく息絶える。
「ドス…ガレオス…?」
【4. ギルドの管理と規制】
ギルドは 「自然との調和」 を基本理念に掲げ、乱獲の防止やモンスター個体数の管理を行っている。
また、依頼の難易度に応じて ハンターランク(HR) を設けており、未熟なハンターが高難易度の狩猟を行えないよう制限している。
特に危険なモンスターの情報は パニック防止のため統制され、誤報や未確認情報が広まらないよう厳重に管理される。