*おっと危ない。
Friskは僕の望むままで良いと言った。
今更彼の言う事全てを信じるのは簡単では無いが、もし彼が僕を裏切るつもりならそれならそれでいい。
大切な親友に二度も裏切られるなんて体験はしたくはないが、裏切る事も裏切られる事も最後となるならそれでもいい。
もう繰り返すのには疲れた。
どっちにしろFriskの力を使わなければ僕が世界を壊す事すら出来ないのだから他に選択肢は無い。
…………理屈をこねれば幾らでも出せるが、結局のところ僕は彼を信じたいんだ。
そして目の前の彼が僕を受け入れてくれたあの時の様に。
愚直で真剣に相手を思いやれる様な、僕はそんな人間になりたいと思った。
「Frisk……君の話を信じるよ」
僕は彼の両手を強く握り返した。
「フリスク……うん、ありがとう」
Friskも応えるように更に僕の手を強く握った。
その直後、僕の決意がキャラの身体を解放しFriskへと流れていく。
背後でキャラが自分の身体に戻っていくのを感じながら彼と一つになっていく。
僕の決意は彼のソウルと交じり合い、彼のこれまでを知る事となった。
Friskはあの時リセットした後も何一つ変わらなかった。
相手を褒めたりなだめすかす様な小細工を一切せず、ただ心から本心を伝えていた。
──戦いたくない。皆を、そして
そして彼は自分の
聡明な君達なら解ると思うが、そんな話を信じる奴は殆ど居ない。
そして信じた所で相手を警戒させる要因にしか成り得ない。
その結果何が起きたのか?
信じない者からは不審がられ、信じた者からは警戒され、スノーフル以降はほぼ全員がFriskと敵対していた。
それでも彼は決して戦おうとせずにいたものだから一周の間にそれこそ数百数千とその身体は引き裂かれた。
そしてそれは二週目以降も順調には進まなかった。
原因の一つは彼が今までのニンゲンと比べ不器用で非力だったという事。
そしてそれ以上にニンゲンとモンスターの身体的持久力の差があった。
もし嘗ての僕等が行ったように和解して行けばモンスター達は戦闘中でも体を休める時間を設けてくれる。
もし今日までの僕のように虐殺の限りを尽くしたのならLOVEが上がり体力や防御を上げることが出来る。
だが彼のやり方はどちらの恩恵も受けられず、相手が分かってくれるのをひたすら待ち続ける事しか出来ない。
そんな苦行を彼は数億回と繰り返してきたのだ。
……もし僕が居たら絶対に彼を止めている。
だから彼は僕を別の世界へ飛ばしたのだろうと、今なら納得出来る。
*僕を裏切った訳じゃ無かった……のか。
「言い訳するつもりはない。結果として君の手を汚させたのは僕の我儘だから」
*…………
そう答えるFriskだが、これまでの事も彼の気持ちも知ってしまった僕が彼を責められる筈が無かった。
「そろそろ肉体の主導権が君に移るよ」
僅かにFriskの身体が動かせる様になり始める。
「君が僕や世界を赦せないなら全てを壊すといいよ」
「僕は……」
口から出る言葉が僕のものへと変わった。
同時に彼の言葉が頭の中に直接聞こえてくるようになる。
*でも、もし君の願いがあの頃と変わらないなら僕は……その先の世界を君と一緒に生きたいな。
Friskの身体の主導権が殆ど僕に移り変わろうとした。
*この時を待っていたよ。
「避けろフリスクっ!」
何者かの声が空間に響き、真っ先に反応したキャラが僕へ叫び掛けるも反応する間もなく僕らの視界は暗闇へと覆われてしまった。
*久しぶりだね二人共、そしてさよならだ。
*ちっ、あのクソマッドめ!
*僕をこんな所に縛り付けやがって!覚えてろよ!