genocidertale   作:上新粉

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*ふむ、やはりこの方法では決意を挫けぬか。

*むぐぐ……っぷはぁ!はっ、僕を侮るなって言ってるだろ。

*ならばやり方を変えてみるかな。

*……何処に行くつもりだ?

*少し準備にね?無駄な足掻きでもしながら待っているといい。



うぉーたーふぇる→ほっとらんど

 ウォーターフェル。

水音と綺麗な音楽が奏でる心休まる空間……なんだけど、今回は何時も以上に何も聞こえてこない。

原因は直ぐに分かった、人が居ない事に加えエコーフラワーからも音が聞こえてこないのだ。

 

「ここまで静かだと逆に落ち着かないね」

 

*うん、僕も思った。

 

何が音楽でもと思ったけれど一人で歌ってるのも恥ずかしいし止めておこう。

 

*え~聞きたいなぁ?

 

え、なに?自分の声が聴きたいって自分大好きっ子なの君。

 

*あうぅ……そう言われると恥ずかしいね。

 

そうだね、じゃあ早くアンダインに会いに行こうか。

 

まあ予想はしてたけどアンダインは草むらには現れなかったので、僕達は直接彼女の自宅に向かう事にした。

 

 

 

 

 

 

 「アンダイ~ン、起きてる~?」

 

返事がない、ただの寿司のようだ。

 

*それはやめようよ……

 

残念、Friskには受けが良くなかったみたいだ。

キャラは鼻で笑ってくれたんだけどなぁ。

 

*それはうけたの……?

 

どうだろ?それより今回も誰も出てこないので突入する事に決めました。

 

というわけで早速ドアノブを捻って扉を開けようと引いてみる。

しかし鍵が掛かってるため残念ながら扉は開かなかった。

 

「開かないね。おーい!アンダイン開けてー!!」

 

呼び掛けながらドアノブを何度も引いてると不意に鍵が外され扉が開かれる。

中にはタンクトップ姿のアンダインが半目で僕を見ていた。

 

「なんだ……ニンゲンか……」

 

「おはようアンダイン、ちょっと話をしに来たんだけどいいかな?」

 

どうやら起きたばかりだったらしく目を擦りながら僕を家に招き入れてくれた。

そこまでは良かったが、何故かアンダインは不意に動きを止めた。

 

「ニンゲン……?」

 

「ん?どうしたんだい?」

 

どうやら彼女は何かに気付いた様だ。

途端に目を見開いてわなわなと肩を震わせ始めた。

 

*あなたはイヤなけはいをかんじとった。

 

いや、そんな突然キャラみたいな言い方しなくても。

でも実際その通り────うわっ!?

 

直後、何処からか槍を取り出したアンダインが僕の喉元へ穂先を突き付けてきた。

 

「ニンゲンだとっ!?貴様っ!どうやって逃げ出してきた!!」

 

あっぶなかったぁ……やっぱり彼女は油断ならないね。

 

*反射的に下がって無かったら当たってたね……。

 

彼女は僕を仕留める気だったのかまでは解らないけれど、少なくとも殺られる寸前だったのは確かだね。

僕は今にも刺されそうな状況のまま彼女の質問に答えた。

 

「えと、僕は君の知ってるニンゲンとは別人だけど……話を聞いてくれるかな?」

 

「なに、別のニンゲンだと?」

 

アンダインは変わらず訝しげに僕を睨み付けている。

当然と言えば当然だけど、彼女に正直信じて貰う方法が思い付かないな。

 

「えと……どうすれば信じて貰えるかな?」

 

半ば思考放棄ではあるけれど、僕はアンダインに聞いてみる事にした。

だが予想外な事に彼女は少し悩んだ末にこう答えた。

 

「よし、ならばこの先のホットランドにいるアルフィーを連れて来い」

 

「アルフィーに?」

 

「ああそうだ、ニンゲンは私がアルフィーに引き渡したからな。アイツに聞けばお前があのニンゲンか分かる筈だ」

 

アルフィーがニンゲンを引き受けた……これは何かキナ臭くなってきたねぇ。

僕はアンダインの提案を呑み、僕達はホットランドへと向かう事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ホットランドへ向かう道中、僕はアンダインの事を考えて溜息を吐いた。

この世界の殆どのモンスターに影響が出ているとはいえあんなアンダインは見たくなかったなぁ。

普段の彼女なら僕を決してアルフィーに会わせようとしなかっただろうし、人の話なんて聞かずに標的である僕を仕留めようとしたはずだ。

だが、ここの彼女からはそうした熱い心が感じられなかった。

 

*仕方ないよ。彼女達は僕達の知ってる彼女達とは違うんだからさ。

 

それはそうだけど……まぁ、前提から違うなら仕方ない……のかなぁ。

 

*と、とにかく!皆から話が聞ければ何かわかるだろうし皆を救う方法が見つかるかもしれないよ?

 

……そうだね。とりあえず今はアルフィーに会いに行くのが先決か。

 

僕は一息ついて気持ちを落ち着けてから再び歩き出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 それから十数分後、僕達はホットランド入口のウォーターサーバーの前で水を飲んでいた。

 

「……っぷはぁ……はぁ、暑い……」

 

*身体もリセットされるから何度来ても暑いものは暑いよねぇ。

 

ねぇ、寒いのは我慢したんだから此処は替わってよぉ……。

 

*う~ん……暑いなら上を脱いだら良いんじゃないかな?

 

…………へ?い、いやいやいや!なに言ってるの!?君の身体だよ!?脱げる訳ないでしょ!

 

*僕の身体だから良いんじゃないの?僕は全然構わないよ。

 

僕が構うの!っていうかそれこそ君が替わるべきだってば!

 

*え?だってキャラの身体の時……

 

ちょっ、それは忘れなさい!君がそれを知ってることをキャラにばれたら鈍器でソウルまで歪むレベルで殴られ続けるよ!?

 

*…………わ、わかった。忘れる。

 

はぁ……まあ確かに子供の身体だし君もキャラも大差はないけどね?

でも気分的に落ち着かないしあの時だって必死だっただけで羞恥心が無かった訳じゃ……それはまあいいか。

それよりも研究所は直ぐ近くだし急いで行くとしようか。

 

 

 

 

 

 

 研究所は自動ドアだったので気にせず中に入ると中は少しだけ涼しかった。

奥に進んだ僕はアルフィーを探し始める前に冷蔵庫の中の即席麺をポーチにしまった。

 

*ドロボウっ!

 

いやいや君だって…………あ、ごめんなんでもない。

 

そう言いながら彼の記憶を見返した僕は言葉を失った。

彼は人の物を持っていかない所か、モンスターが落としたお金もキッチリ返すわ落ちてる物は全てロイヤルガード達に届ける程のお人好し(アホ)だったのだ。

 

そんな持ち物が終始パイと包帯とぼうきれだけの彼に言われてしまっては言い返しようがない。

それに言い返しても一歩も引かないのが解っているので、僕は諦めてポーチからそっと即席麺を冷蔵庫にしまう。

 

*あ、そういえば物音は聞こえないしこのフロアには居ないんじゃないかな?

 

どうやら僕が冷蔵庫を漁っている間に聞き耳を立てていたらしく、僕が即席麺をしまったのを確認した彼は満足そうに頷いてからその事を伝えてくれた。

このフロアに居ないとなると何処にいるだろうか。

僕は周囲を見渡しているとふとガラス扉が目に留まった。

 

「他の所も考えられるけれど……アルフィーと言えば此処かあそこかなって気がしないかな?」

 

*そうだね……後はウォーターフェルのゴミ捨て場だけど、この世界では考えにくいかな?

 

あ~、まあそっちはあそこに居なかったら行ってみようか。

僕はガラス扉を開いてエレベーターの中へと入っていく。

さあ!いざゆかん真研究所へ!!

 

*おー!

 

 

 

 

 




*……ちっ、空間を弄りやがったな。

*けどここを抜け出せばアイツの虚をつけるはず……待ってろよRotten eggs(腐れ卵)
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