*……べ、別に話し相手が居なくて寂しいとかは思ってないけどね!
ニューホームへ入った僕は部屋の中を一つ一つ探索していく。
しかし此処では特に収穫となるような物は無く、アズゴアもこの家には居なかった。
ハートのロケットが有ったらお守り代わりになるかと思ったけれど、普通に考えれば死んだ事になってないのに部屋にあるはずないか。
仕方なく僕はニューホームを通り抜けて最後の回廊へと向かう事にした。
もし彼が僕を警戒しているのであればそこで待っている筈だ。
暫く歩いて漸く最後の回廊へ入った僕は彼が居る事を期待し決意を漲らせると奥へと進み始める。
結果として彼は何時もの場所で僕の事を待っていた。
「よぉクソガキ、また会ったな」
「あは、やっぱり来てくれたんだね。サンズ」
目の前に立ち塞がるのは一部の隙もない状態で僕の一挙一動を観察するサンズであった。
僕はそんな彼に両手を開いて無抵抗を示したまま一歩ずつ近づく。
「本当は君に協力して欲しい事があったんだけど、パピルスの前じゃ話せない内容らしいから君が来る様に僕を警戒させ──」
「それ以上近付くなっ!」
僕が用件を伝えていると突然僕の目の前に骨が柵の様に生えてきた。
即座に足を止めた事で骨が刺さる事は避けられたが、これ以上近付けそうにない。
まあでも彼が寝ぼけたまんまじゃない事が確認出来たから話を続けるとしよう。
「それで君に協力して貰いたい事なんだけどね……
「……アルフィーから聞いたのか?それとも最初から知ってたのか?」
僕は彼の質問に前者であると答えた。
すると彼は眉間に手を当てて暫く考えていたがやがて一つ質問をしてきた。
「オマエの目的は何だ。自分らの知識を共有して何がしたい」
目的によっては此処で殺すと彼の顔にはっきりと出ていた。
ふぅむ……目的か。初めはガスターと同じ次元から元の世界へ戻れないかと考えていただけだった。
しかしガスターの記憶共有能力が手に入ればFriskの願いもあるいは……いや、結局干渉しても決意を抱くのはそれぞれの僕達であってそこまで強制出来る保証はない。
*…………
それでも、僕達がいた世界と僕が飛ばされた世界を救うくらいなら出来るはず。
*フリスク……!
僕は考えを纏めてサンズへと自分の答えを伝えた。
「僕の目的は元の世界に帰る事、そして僕らが関わった世界への干渉だ!」
「あー……そういやオマエさんは別世界から来た設定だったな。まあそれは良いか……だが」
サンズは信じてるのか信じていないのか解らないがうんうんと頷いた。
協力してくれるのかと思い一安心し掛けたその時、飛んできた骨が僕の頬を掠めた。
「俺達の世界を余所から好き勝手に干渉されると解って協力する訳ねぇだろ?」
おっと、言い方が悪かったかな?
「待ちなって!干渉って言っても僕は世界を救おうと──」
「へっ!はいそうですかとでも言うと思ってんのか?テメェみてぇな狂ったガキは、地獄で焼かれてもらうぜ」
「……へ?おわぁ!?」
僕が後ろに飛び退いた直後、元いた場所へ二本のガスターブラスターが交差していた。
続けて十字に放たれるブラスターを左に避けつつサンズへ呼びかける。
「サンズっ!?僕は争うつもりは無いよ!話を──ってちょっと!」
だが彼は僕の話など聞く耳など持たず攻撃を続けてきた。
*だからやりすぎだったんだよ!このままじゃ協力なんて望めないよっ。
怠け骨だからLOVEが1の僕に攻撃してこないと思ってたのになぁ?
何処が無気力なんだよ!いつも以上にやる気じゃないか!
*もしかして、関係者……だから?
ははっ!それがほんとなら随分と身内贔屓なモンスターなんだね?
だが言われてみればアルフィーとパピルスも普段と変わらない感じだったか。
そう考えればこの世界はまだサンズが諦観の念を抱く前って事だ。
…………これは僕の失敗だ。
*それはいいけど……本当にどうするの?
うーん……予定は違うけど一回試しに行こうか。
最後のセーブポイントはサンズに会う前だよね?
*え、たぶん……でも本当に出来てる保証はないよ?
大丈夫大丈夫!ここでも世界の法則はきっと変わらない。
その世界で一番決意が強いものが力を使える筈だ。
僕は動きを止めてサンズが放つ無数の骨を受け止める。
この世界では業を背負って居ないので二十本刺さるのを待った。
「なっ!?一体何を考えていやがる!」
僕の行動に違和感を覚えたサンズが別の骨をぶつけて地面へ落とした。
とっさの行動にしては流石だと言いたいけど残念ながら手遅れだよ。
「また会おうね、サンズ!」
「はっ!?」
僕は走り込み床に刺さった骨へ自ら飛び込んだ。
パリーンッ
ーーーーさいごのかいろうーーーー
はぁ……ごめんねFrisk。君の身体を傷付けてしまった。
*気にしないで、そんな事より痛みは大丈夫かい?
はは……ありがとう、大丈夫だよ。
それに予想通りここから始められた。それじゃあ試しに行こうか。
僕は最後の回廊を出てホットランドへ戻ろうとした時、背後から呼び止められた。
「おい、ひとに来るように仕向けといてテメェは何処に行こうってんだ?」
どうやら僕は此処へ入った時から見られていた様だ。
僕はサンズの方へ向き直り答える。
「え〜と、ホットランドのコア制御室で転んだ時に大事な物を落としてしまったようなんだ。すぐ戻るからちょっと待っててくれないかな?」
「制御室?はぁ~……オマエが変な事を仕出かさねぇ様に俺が連れてってやるよ。こっちだ」
お?予想外だったけどこれは楽で良いね。
「え~……くるのぉ?残念……まぁ忘れ物は本当だからお願いしようかな」
「へっ、悪知恵を働かせたらしいが残念だったな。ほら、手に掴まりな」
ぷくくっ……今ドヤ顔されると笑いそうになるから止めて欲しいんだけど。
こうして僕は簡単にコアの制御室まで入る事に成功したのだった。
ーーーーコア制御室内部ーーーー
「ほらよ、着いたぜクソガキ」
*あなたは到着の早さに決意を漲らせた。
「ありがとう」
僕は《彼》に感謝を述べると、橋の手摺りに手を掛けた。
「そっちに落としたのか?じゃあコア内部に落ちて溶けちまったんじゃねぇのか」
「そうかなぁ……」
僕はサンズのセリフに反応するように手摺りから顔を出して下を覗き込む。
下は溶岩がコポコポと音を立てており落ちたモノは跡形も残らないだろう事が容易に想像出来る。
*ねぇ……本当にやるの?あんな所に落ちたらきっとすごく熱いよ?
熱いどころじゃあないだろうけどね……まあやるさ。
「ねぇサンズ、ちょっと探してくるね」
「はぁ!?ちょっとまておいっ!!」
僕はサンズに一声掛けると一気に手摺りを乗り越えコア内部へ落ちていく。
だが彼は直ぐに我に返り僕を重力操作で落下を止めた。
「何考えてやがるクソガキィ!」
「邪魔しないでっ」
邪魔してくる事を想定していた僕はポーチから取り出した玩具のナイフを全力でサンズに投げつけた。
彼は反射的に攻撃を回避したが、慌てて避けたが故に僕に掛かっていた重力操作が切れる。
「しまっ……!」
「また会おうねサンズ?」
別れの挨拶を済ませた直後、僕は全身を焼き尽くす痛みと共にFriskの身体は消滅した。
パリーンッ
ーーーーコア制御室内部~2回目~ーーーー
「ほらよ、着いたぜクソガキ」
ああ、やっぱり駄目だったかぁ……ごめん。
*やっぱり協力して貰わなきゃ駄目なんじゃ。
かもね……ごめん、もう少しだけ試すよ。
*…………無理はしないでね。
大丈夫大丈夫。屑とか本気サンズとかに散々殺されて来たからこれ位問題ないよ。
そう言って僕は再度コア内部へと飛び降りて行った。
パリーンッ
ーーーーコア制御室内部~10回目~ーーーー
「ほらよ、着いたぜクソガキ」
ごめん……一旦止めよう。もう少し情報を集めてから試そうか。
リセットはせめて全員の話を聞いてからにしようと思ったけど、警戒してるサンズを殺さずに抑える手間を考えるとメリット薄いしね。
*まあ、それは骨が折れるよねぇ。
…………え、なに?そういうの好きなの?
*…………いや……まぁ、ちょっとは。
ふ~ん?わかった。じゃあ次は君にサンズの交渉を任せるよ。
*えぇっ!?僕……ぼくは無理だって……
大丈夫、行動は僕がするからさ?
じゃあ頼んだよ!
「おいっ、待てガキィ!」
パリーンッ
コンティニュー リセット
*む?ははっ、そう来たか。
*そうだな……折角だ、彼等にも協力願おうか。