genocidertale   作:上新粉

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*ほう、そんな使い方もあるのか。

*実に興味深い


NERVELESS TALE ~Frisk vs GChara~

僕へと振り下ろされたナイフは僕の身体の数センチ右を通り過ぎて行く。

キャラは攻撃が外れたのを確認するとゼロフレームで横薙ぎに切り替え僕の胴体を斬り裂いた裂く前に僕は後ろへ飛び距離を取り、その二撃目も躱した。

彼女は一瞬だけ不思議そうな顔をしていたが、直ぐに不気味な笑みに戻ると今度は目にも止まらない速度で突っ込んで来た。

 

「死ねっ!」

 

彼女の叫ぶ声に反応して身構えた次の瞬間、目の前から彼女が居なくなっていた。

 

僕は慌てて振り向こうとしたその時、彼女のナイフが僕の背中に突き刺さった刺さる直前で身体を捻ってそのナイフを持つ手を掴もうとした。

けど僕の手は彼女を捕らえる事を出来ずに虚しく空を切った。

 

いつの間にか距離を取っていた彼女は独りで何かを呟き始めた。

 

「やはりか……厄介な力だが先程間でと比べれば大した動きではないな……ならば詰ませる事は容易い」

 

流石にキャラはたった数度見ただけで僕がやっていた事に気付いたようだ。

彼女は再度距離を詰めるとナイフで僕の肩を斬り裂いたがあった場所を一瞬遅れて通り抜けて行った。

続けて彼女は直ぐ様刃を返して僕の腰から肩へかけて斬り上げた斬り掛かってくるのを何とか避けたがその刃は僕の胸に突き刺さっていたがやはり刃は僕の胸へと突き刺さっていた。

 

あれ……?おかしい……こんなはずじゃ……。

 

予想外の事態に困惑する僕を楽しげに見つめる彼女は僕の疑問に答える様に話し始めた。

 

「おまえは恐らく短い間隔でセーブをしながら私の攻撃を受けた後に直前のセーブ地点に戻る事で攻撃が当たらない位置に動いていたのだろう?」

 

「うっ……」

 

彼女が直ぐに気付くのは分かっていた。

だけどこんなに早く対策されてはこれ以上時間を稼げない。

 

「サンズ戦での私の動きからその答えに辿り着いたのは流石だが、おまえと私では経験が違うんだ」

 

確かに僕のは付け焼き刃だけど……けど……僕は……僕の決意は君に負けてはいないんだ!

 

「これで終わりだっ」

 

「あ……!」

 

その時僕は閃いたんだ…………彼女を止める事の出来る唯一の手段を。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

続けて彼女は直ぐ様刃を返して斬り掛かってくるのを何とか避けたがその刃は僕の身体を貫いていた。

 

「無駄だ、幾ら巻き戻そうがこの一撃はお前には躱せん」

 

問題ない、躱す必要なんてないんだ!

 

僕は決意を抱きキャラの左腕をがっしりと掴んだ。

 

「なっ……!?」

 

「へへへ……僕だけじゃない、君にとっても此処が避けられない一撃ってことさ」

 

僕が時間を巻き戻せる、つまりこの世界で今一番強い決意を抱いてるのは僕という事になる。

そうなると彼女がどうやってロードみたいな事をしているのか?

その答えが分かったからこそ、僕は彼女を捕まえる事が出来た。

 

「君は僕とは違い自分の身体だけをロードしなおしてるんだね?だから自分以外の誰かが君に干渉してるとロードが出来ないんだ」

 

「ふん、これで私を捕らえたつもりかっ!」

 

そう言うと彼女は僕を後ろに押し倒し、そのナイフを持つ腕に体重を掛けてきた。

 

「離さないのならおまえを殺せば良いだけだ!さぁ死ねっ!」

 

「う……っぐぅ……!」

 

僕の胸にナイフが少しずつ呑み込まれて行く。

このままじゃ後何分も持たないかも知れない。

けれど今は彼女の時間を稼ぐ為にもここでロードを使う訳には行かない。

 

僕は一分一秒でも時間を稼ごうと両手でキャラの腕を掴み押し戻そうと抵抗した。

 

「無駄だ、そんなか細い腕で私は止められん!」

 

「か、か細いのはお互い様だ……それに……こ、この腕には僕等の夢が賭かってるんだっ!」

 

「ぐぐぐ……無駄な足掻きをっ!」

 

キャラも負けずと力を込めて押し込もうとしてくる。

 

負けるもんか、絶対に負けない!

 

「ぐぬぬぬぬ……諦めろ……!」

 

「嫌だ……諦めない!」

 

胸元から流れ出る血液と共に全身の力が少しずつ抜けていくのを感じる。

それでも僕は最後まで足掻いてみせる!

 

親友が戻って来るのを……

 

 

 

 

 

 

 

 

*Frisk、君の決意の勝ちだ。

 

 

 

 

 

親友の声が聞こえて来た次の瞬間、僕の身体からフリスクが持つ赤いソウルがキャラの方へ飛びだして行ったのだ。

 

「なっ!?」

 

彼女が反射的に躱そうとするのを僕が残り僅かな力を振り絞って引き止める。

フリスクのソウルが彼女の身体へと入ると、彼女は僕の腕を振り払い後退りし始めた。

 

「ぐっ……何のつもりだ……こんな記憶を植え付けてどうするつもりだ!」

 

彼女にフリスクが植え付けている記憶、それは多分フリスクがよく知る彼女の記憶だと思う。

 

けど、一体どうするつもりなんだろう?

親友の意図は解らないが既に立ち上がる事さえ出来ない僕はフリスクの事を信じて待つ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

何なんだこの記憶は……!

世界を壊そうと決意を抱き続ける彼奴(フリスク)とそれを阻止しようと決意を抱き続けた(キャラ)

果てしなく繰り返されるその構図は今とはまるで正反対だ。

 

*君は復讐心に囚われていてモンスターの心をまだ知らない。

 

くだらん、興味無いな。

 

*だろうね……けど、今君が見た記憶の中の僕やキャラ(キミ)は一見両極端に見えるけど根本には二人とも同じ想いを抱いて居たんだ。

 

*二人ともモンスター達を救いたいという固い決意があったからこそ僕は今此処に存在しているんだ。

 

自分の為では無くモンスターの為だと?ますますくだらん話だ。

私の邪魔になるだけでこんな奴らなんか救う価値もない。

 

*それが君の本心とは思えないけどねぇ……まあいいや、君には少し落ち着いて考える時間が必要だね。

 

なに?おまえっ、何をする気だ!

 

*大丈夫、君の身体を暫く借りるだけさ。

 

馬鹿な、そんな事出来る筈が無い。

奴の戯言に違いない、そんなものに耳を貸すだけ無駄だ!

 

*はは、君の言う通り本来ならそんな事は出来ないよ。けど今の心に迷いのある君にならば息をするより簡単な事さ。

 

「こんな風にね?」

 

「……っ!!?」

 

*おっと、Friskを驚かせてしまったかな?

 

ば……馬鹿な……ありえん。

貴様!返せっ、これは私の体だ!!

 

*分かってる、傷付けるつもりはないよ。

 

*それに君の決意一つで簡単に主導権を取り戻せるさ。

 

何を訳の解らん事を……私の決意は本物だ、中途半端だとは言わせんぞ!

 

*……ま、()()の記憶やこの世界の皆を見て改めて自分の本当の気持ちを考えて見ると良いさ。

 

*奴の動きは気になるけど、暫くはここにいるつもりだから君もゆっくりするといい。

 

くそがっ……覚えていろ、貴様だけは必ず殺す。

 

*あはは、まさかこっちでも君から殺害予告を受けるとは思わなかったよ。

 

*さて……そろそろFriskに報告しなきゃね。

 

*……信じてるよ、キャラ。

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

「お待たせFrisk」

 

キャラの様子を窺っていた僕だったが突然彼女が僕の名を呼んだのでまさかとは思いながらも訊ねてみた。

 

「え……フリ……スク、なの?」

 

「そうだよ、まだ彼女とは和解出来ていないけどね?」

 

彼女は肩を竦めつつそう答えた。

僕はフリスクが無事だった事に安堵しながらもその後の言葉に僕は疑問を覚えた。

 

「それって……無理矢理身体を乗っ取ってるって事?」

 

「ま……まぁ、そうなる……かな?」

 

フリスクは明らかに目を逸らしながら答えた。

 

えぇ〜……なにやってるんだよ。

そんなのまんま悪役のやり方じゃないか……。

 

「フリスク?他人の身体を勝手に使ったら和解どころじゃ……」

 

「そうだよねぇ……いや、悪いとは思ったんだけどね?」

 

何か言い訳を考えようとしているのだろう。

多分何か意味があってやったんだろうけど、衝動的な思い付きである事も想像出来た。

 

普段は色々考えているのにたまに抜けてるんだよなぁ僕の親友は……まぁ、そんな所もフリスクらしいかな。

 

「……それで?これからどうするつもりなの?」

 

フリスクにこれからの予定を聞いてみる。

 

「それなんだけどねぇ……彼女の答えが決まるまでは此処に居ようかなって思って」

 

「そっか……じゃあリセットをし──」

 

「いや、リセットは無しかな。恐らく僕達がこっちに来た時まで戻っちゃうから」

 

あ……確かにその通りだ……でも…………。

 

僕はサンズが倒れている方に目を向ける。

リセットをしないという事はどういう事か……きっとフリスクは分かった上で言っているのだろう。

でも、僕は……

 

そんな僕の様子を見ていた彼女も僕の視線の先のサンズを見つめ、口を開いた。

 

「あ、もう起きても大丈夫だよサンズ」

 

「…………え?」

 

僕は一瞬フリスクが言った言葉の意味が理解出来なかった。

だが次の瞬間にはサンズが何事も無かったかの様に立ち上がって来たのだ。

 

「ったく、なんつー事させやがるんだ。下手すりゃ死んでただろおい」

 

「大丈夫、彼女は何だかんだ言っても僕とFrisk以外を殺すつもりは無かったはずだよ……彼女は否定してるけどね?」

 

え……うそ……!?本当に?僕は夢を見てるんじゃ……。

 

「あれ?Friskも気付いて居なかったのかい?」

 

僕は言葉に出来ずにただただ頷いた。

未だに何が起きたのか解らない。

だってサンズは僕の目の前でキャラのナイフに斬られて……。

僕の疑問に答えるように彼女は答え合わせを始めた。

 

「Friskは僕の記憶で見たと思うけど、肉体の殆どが魔力で出来てるモンスターは皆死ぬと塵になるんだよ?」

 

「あ……」

 

そう言えばフリスクの記憶にあった気がする……。

 

「だから僕は彼が斬られた瞬間に失った魔力を直ぐに僕の決意で補ったんだ。補い切れるかは正直賭けだったけど上手くいって良かった」

 

「ひでぇはなしだぜ……ところでよ。おまえ、本当にフリスクか?」

 

良かった……!じゃあ皆無事なんだ……え?サンズ、何を言っ……いや、そんなはずない。間違い無くフリスクだよ。

僕は慌ててサンズの方を見るが彼の表情からは考えが読めない。

 

再びフリスクの方を見ると彼女は俯いたまま僅かに肩を震わせていた。

 

「ふっ、ふふ……この私が?笑わせるなよ凡骨がっ」

 

そんなっ!?まさか……本当に……?

 

「フリス──」

 

「ちっ、下がってろFrisk!」

 

僕の声を遮る様に叫んだサンズが僕を骨の壁で守ると先制して骨で彼女を囲んだ上でガスターブラスターを放った。

 

そんなサンズの様子を窺っていた彼女は目を閉じて軽く微笑むと周囲の骨を悠々と切り裂き、ガスターブラスターを避けた。

 

「感心したよサンズ、真っ先にFriskを守ってくれるなんて僕は君を好きになれそうだよ」

 

「はぁ?………………こっのクソガキが、笑えねぇジョーク言いやがって。やっぱり俺はおまえが大っ嫌いだよ」

 

「はは、ごめんごめん。君が突然本人かなんて聞くからつい悪戯心がね?」

 

何故か解ってる様子のサンズとは違い、僕は状況が今一つ理解出来なかった。

つまり、今はフリスクだけどさっきのはキャラで……ええと……?

 

「Frisk?どうしたんだい?」

 

えと、キャラだけどキャラじゃなくてフリスクじゃないけどフリスクで………。

 

「キャラ?フリ?」

 

「それはカップリングかい?想像するのは構わないけどキャラが凄い顔で睨んでるから口にはしない方が良いと思うよ?」

 

「え?違くて……その……今は?」

 

未だ考えが纏まらない僕の言葉を拾って彼女は納得したように答えてくれた。

 

「ああ、僕はずっと僕さ。キャラの物真似はそんなに似てたかい?と言っても本人の身体だから当然だよね」

 

物真似?……良かった……そうだったんだ……。

僕はフリスクの説明を聞いて漸く理解した。

けど……なんか釈然としないなぁ。

 

僕は眉を顰めてフリスクの事を見つめた。

 

「あは、は……ごめん、ちょっと悪ふざけが過ぎたよ」

 

「……はぁ、しょうがないなぁ。次やったらほんとに怒るからね?」

 

「うん……」

 

反省してるようだから良いけどさっきのは流石に悪質だと思う。

それにもしサンズが信じてくれなかったら大変な事になってたかも知れないんだから、フリスクは衝動的に行動するのは控えた方がいいと思うな。

 

「まぁ、とにかく彼女が落ち着くまではゆっくりしようか?」

 

「う〜ん……まあそうだね」

 

フリスクのやり方はちょっと強引だけど今は彼女が考え直してくれる事を信じよう。

 

「じゃあ、お家にもどろうか」

 

「そうだね。サンズ、マイホームまでの近道を案内してよ」

 

「へっ、悪いな?この近道は二人用なんだ」

 

そう言うとサンズは僕の手を取って明後日の方向に歩き始めた。

 

「あっ!僕の親友を攫って何処でナニをする気だこのへン──」

 

サンズはフリスクの話を最後まで聞かずにショートカットでマイホームへ帰って行った。

 

 




*こちらはまだまだ進展がありそうだが……おっと。ははは、もう来た様だ。

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