genocidertale   作:上新粉

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*コードカクニン……キドウジュンビチュウ……5%……10%……


GENOCIDER TALE 〜Genocider VS Chara’s〜

 私や今のアズリエルが使えるあらゆる攻撃手段も七つのソウルを手にしたジェノサイダーには効果が無かった。

 

「あははっ!どうしたんだいキャラ、君達は僕が世界を壊すのを止めたいんだろう?ならもっとケツイを抱き続けなきゃ!」

 

奴がまだ全力を出していないのが唯一の救いとは全く腹立たしい話だが、奴の気が変わる前に手を打たなけれは選択肢すら無くなるというのが今の状況だ。

 

「キャラ……」

 

「解っている」

 

アズリエルが言わんとしてる事はわかる。

だが私達が打つ手が無いと言って諦める訳には行かないのだ。

 

私達が此処までやって来た事も、奴が漸く考え直した事実も全て無駄になってしまう。

だから私は考える事を止めない。

それに七つのソウルを手にした存在を見たのはこれで三人目だが、前の二人を見ている限りは全くもって打つ手が無いという訳でも無さそうだ。

 

奴から他のソウルを奪うか、奴を殺すか。

 

そのどちらかが出来ればどうにかなるが、後者は奴程のLOVEを無しに易々と出来る事じゃ無いし出来るなら避けたい。

そうなると今試すべきは……

 

「アズ、私は今から奴に入って内側から人間達のソウルを奪い返す。おまえはソウルが出てきたら直ぐに回収するんだ。フラウィーはアズが回収出来るように援護しろ」

 

「キャラ!?そんな事してもし君まで取り込まれたらどうするんだい!」

 

「そうさ!これ以上状況を悪くしてどうするんだよ!」

 

「ふん、今以上に悪くなるとしたら奴が本気で我々を消しに来た時だけだ。良いからやるぞ!」

 

私は二人を黙らせ、単身でジェノサイダーへと突っ込む。

奴はポーチから取り出したからっぽのピストルから魔力を撃ち出して来るが、それを最小限の動きで躱し最短距離を突き進んだ。

 

そうして奴の目の前に辿り着いた私は仮の肉体を捨ててソウル一つでジェノサイダーの身体へと向かった。

 

「へぇ?あれを避けるなんて流石だね。でも…………ふふ、ざんねん」

 

私のソウルが奴の身体に接触しようかというその時、奴の不気味な笑い声と共に左からフライパンが私に叩き付けられた。

 

「な……ぐっ……ぅ!?」

 

「キャラっ!」

 

そのまま左から右へと激しく吹き飛ばされた私はアズリエルが直ぐに受け止めてくれたので辛うじて生き延びたが砕けそうな激痛が全身を襲い動く事すらままならない。

 

「あはっ、内側から彼らのソウルを解放しようと考えたんだろう?思い通りには行かせないよ?」

 

「ぐ……だが……拒んだと言う事は可能性があると言う事だな?」

 

「ああそうさ、可能性はゼロじゃない。だから不用意に立ち入らせたりはしない」

 

奴は別段隠し立てする事もなく私の問いに答えた。

それは絶対に立ち入らせないという自信の表れか、それとも隠した所で意味が無いと判断しての事かは不明だが……。

 

賭けるのならそこしかないだろう。

 

考えを纏めて私はアズリエルに声を掛ける。

 

「アズ、どうにかして私のソウルをあいつに押し込んでくれ」

 

「む、無茶だよっ!?君のソウルは今の一撃でもうボロボロじゃないか!そんな身体でアイツに干渉するなんて無茶だよ!」

 

確かにこれは分の悪い賭けだ。

途中で奴の攻撃が掠りでもすればこの身は耐え切れんし、例え干渉出来たとしても私のソウルが耐えられる保証はない……だがほかの方法を試せる体力的余裕も時間も無いのなら1%未満の可能性でも試す他あるまい。

 

「アズ、フラウィー、頼むっ!他に手は無いんだ!」

 

「う〜……だけど」

 

「いつまでウジウジしてんだよこのクソ弱虫が!やってみるしか無いだろっ!他に方法があれば言ってみな!」

 

私の案に今一つ踏み切れないアズリエルに、フラウィーが喝を入れる。

まあこいつの場合は自分の情けない姿を見てられなかったのだろうが、それでアズが決心してくれるのなら構わない。

 

「アズ、解ってくれるか?」

 

「……解ったよ。でも君を犠牲にしての勝利なんて絶対に認めないからね?」

 

ふっ、私一人を犠牲に世界が救えるのならそんな安上がりな事は無いんだがな……。

 

「ああ、肝に銘じておく」

 

「うん。じゃあ行こうかキャラ、フラウィー」

 

「絶対にキャラを殺らせるなよ弱虫」

 

フラウィーの言葉にアズリエルは無言で頷くと、私のソウルを落とさぬ様にしっかりと手に持ち余裕気に私達の出方を窺うジェノサイダーを見据えて足に力を込めた。

 

「ん?どうやら作戦会議が終わったよう──」

 

そしてジェノサイダーが話し終えるのを待たずにアズリエルはカオスセイバーを片手に突貫し始める。

 

「やあぁぁぁっ!!」

 

「おいおい、君は相変わらずせっかちだねぇ。話を最後まで聞く位の余裕は持とうよ?」

 

ジェノサイダーが軽口を叩きながらアズリエルに向けて銃の引き金を引いた。

銃口から放たれる魔力は一直線にアズリエルが持つ私目掛けて飛んで来る。

だがその弾は私の少し前でフラウィーの弾とぶつかり威力を相殺した所をアズリエルが剣の腹で叩き落とす事で軌道を変えて突き進んだ。

 

「流石に息がピッタリだな」

 

「あんまり嬉しくないけどね」

 

「おいっ、僕が合わせてやってんだ!勘違いするなよ!」

 

……反応が返ってくるとは思っていなかったが、まあいいか。

 

その後も次々と奴の弾を落として行く二人の完璧な連携を眺めながら、私は不謹慎ながらも笑いが込み上げて来るのを悟られない様噛み殺すのに必死だった。

 

だが、必死な私とは対照的にジェノサイダーは二人の連携を見てとても愉快そうに笑いながら弾を放つ速度を上げて行く。

 

「あはははは!びっくりしたよ!君達がそんなに息ぴったりだとは思わなかったよ!」

 

「「余計なお世話だ!」」

 

くくっ……テンプレみたいな事を……ふふっ……するんじゃないっ。

 

私は笑いを堪えている間にも奴の銃口から放たれる弾の間隔は更に短くなっていく。

最早マシンガンの様に放たれる弾丸にアズリエルも流石に押され始めて来た。

 

「ふふふ、そろそろ限界かな?もう少し早くしてみようか」

 

「ぐっ……くぅ……!」

 

更に攻撃が激しくなった時、ついにアズリエルの足が止められ守りに入らざる負えなくなった。

 

「キャラ……ちょっと中に入っててくれるかい?」

 

「まて、どうする気だっ」

 

アズリエルは私を自身の体に隠すと、もう一つの剣を取り出して両手で奴の弾を落とし始めた。

その際にチラッとフラウィーの方を見ていたのを奴も見逃さなかった。

 

「はは、彼に何を託したのか知らないけど……僕に気付かれないように上手くやるべきだったね」

 

「そうだね、でも僕が君を止めれば関係ない!」

 

アズリエルは気取られても焦りを見せずにジェノサイダーの頭上からショッカーブレーカーを落とした。

ジェノサイダーは頭上から降る雷撃を軽く躱し、今度はおもちゃのナイフとフライパンの二刀流でアズリエルに接近した。

 

「その通りさ!僕を止められるならね?」

 

「くっ、やってやるさ!」

 

アズリエルは降りかかって来たナイフを左手の剣でいなして右手の剣で斬りかかる。

だが体勢を崩したジェノサイダーはそのまま右手を床に付き、足に履いたバレエシューズでアズリエルのカオスセイバーを蹴り飛ばした。

 

「無駄だよ、君一人じゃ僕は殺せない。そして警戒している僕に不意打ちは通用しないよ?」

 

そうして奴は体勢を戻すのに併せて右手のナイフでアズリエルの左手に持った剣を弾き飛ばした。

 

「さぁ、まずはチェックだね?」

 

「くっ……!」

 

奴がアズリエルの喉元にナイフを突き付けてとどめを刺すと宣誓したその時……。

 

「隙だらけだ化け物ぉぉぉっ!!!」

 

ジェノサイダーの背後から突然現れたフラウィーは蔓の先を何かで包んでおり、それを奴へと振り降ろした。

だが、奴の視線は既にフラウィーを捉えていたのだ。

 

「やあ、僕に隙があると本当に思っていたのかい?これでチェックメイト、だね?」

 

「ゔっ!?」

 

待っていたかのようにフラウィーに笑顔を向けたジェノサイダーは蔓の先の塊を振り抜いたフライパンで吹き飛ばした。

 

「なっ……なんで……」

 

「君の性格を知ってれば来るタイミングなんて簡単に予想出来るさ」

 

ジェノサイダーは自身の脅威を取り除けた事から得意気に語って見せる。

その為か奴は気付いて居なかった……いや、気に留めて居なかったのだ。

 

アズリエルが私を持って突っ込んで来る事に。

そして二人は表情を一変させしたり顔で口を揃えてこう言った。

 

「「なんでそこまで隙を見せられるんだい?」」

 

「あ、しまっ──!?」

 

奴が理解した時にはもう遅い。

既に私は奴の肉体の中に入り込んだ後であった。

 




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