genocidertale   作:上新粉

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*ヘイレツシテソタイコウセイ、ギジジンカクプログラムセットアップカイシ。


すのーふる 〜C&C〜

目の前に立つ存在は先程までの巫山戯た様子ではなく私に対して敵意を滲ませた笑みを浮かべている。

 

「感謝しておこう、どういう訳か知らんが貴様のお陰でこの身体を取り返せた」

 

「私はアイツら程気が長くないんでな、さっさとガスターの奴をふん捕まえて大団円と行きたいのだ」

 

こんな奴が私自身だなどと認めたくは無いが、奴が私と同じなら奴のやり方では何時まで掛かるか分かったもんじゃない。

それに私が奴らに協力すれば態々コイツに協力して貰う必要も無く此処を出れる。

だから私は此処で説得する。

協力は得られなくとも邪魔しない様に言い聞かせるだけならさほど苦労は無いだろう。

 

「さて、お前が心を改めて生きると言うなら私はお前を見逃そう。だが──」

 

私が話し終える前に奴は取り出したダガーナイフで斬り掛かってきた。

私は後ろに跳ぶ事でそれを躱し、目を見開き口角を吊り上げる。

 

「交渉決裂で……良いんだな?」

 

「ふはははっ!私を見逃すだと?やはり貴様は私ではない、ただの阿呆だ!」

 

ふっ、確かに私はお前とは違う。

そこだけは同意してやろう。

 

私はポーチから木の棒を取り出し奴へ突き付ける。

 

「お前がその気なら私はこいつでお前の脆弱な決意をへし折ってやろう」

 

「貴様……そんな物で私を止められると思っているのか?」

 

「良いから来いよイミテーション。私が恐いのか?」

 

安い挑発に苛立ちを隠しきれない奴へ私は更に煽り立てる。

直後、奴は弾けるように飛び出すとナイフで私の身体を貫こうとして来た。

 

私はその直線的な攻撃を屈む事で躱し、反撃に奴の腹を蹴り飛ばす。

 

「ぐっ……甘い!」

 

だが、確かに蹴り飛ばした筈の奴は次の瞬間にはナイフを振り下ろしていた。

 

「ちぃっ!面倒な奴め!」

 

私は右に転がる事でどうにか躱すが、奴の攻撃はまだ終わらない。

距離が開いたとみるや今度は斬撃を飛ばしてきた。

 

「無駄だ!私は貴様の様な腰抜けとは違うのだ!」

 

「どっちが腰抜けだ、そこまでLOVEを得なければ骨を殺す程の決意も抱けなかった癖に!」

 

私は次々飛んで来る斬撃を木の棒で相殺しながら奴の琴線に触れていく。

 

「黙れっ!貴様らの世界と一緒にするな!」

 

「ふふ、下らんな。私達の世界なら簡単だったとでも?」

 

「でなければ貴様等のような甘ったれに出来た事が私に出来ぬはずが無い!」

 

なるほどな?清々しいくらい利己的な思考だ。

その傲慢さも決意が伴っていれば悪くないが、これではただの子供の癇癪だ。

 

まあ実際に子供なのだから仕方ないがな。

 

私は木の棒で奴の斬撃を捌きながら徐々に距離を詰めていく。

 

「お前の決意が我々を超えると言うのなら私に示してみろ」

 

「ぬかせっ!私の決意が貴様らなどに負ける筈が無い!」

 

奴は一気に距離を詰めると我武者羅にナイフを振り回しはじめた。

流石にきついが……まだ当たる訳には行かない。

奴を捕らえるまではな。

 

私は奴の決意を応用した攻撃に対応するべく常に三手先を読みながらナイフの軌道を避けていく。

 

「私の動きに反応出来るとは思ったよりは出来るようだな?」

 

「なに、アイツに比べればお前の動きなど止まって見えるさ」

 

「……いちいち癇に障る奴だな貴様は!」

 

私の挑発と一撃も与えられない苛立ちからか奴の攻撃が段々と大振りになっていく。

 

「どうした?フリスクならば既に私に致命傷を与えている所だぞ?」

 

「黙れぇっ!!」

 

そして遂に奴は怒りに任せて私の頭上からナイフを振り下ろした。

普通のモンスターなら受け止める事すら叶わないであろう一撃だが、今の私で有ればその程度造作もない。

 

私はやつの手首を掴み、何時もの笑顔のまま奴を見返す。

 

「ふっふっふ、どうした?貴様の決意はこんなものか」

 

「な、なんだと!くっ……離せぇ!」

 

私の手を逃れようと暴れるが逃れる事は叶わない。

 

「いい加減気付いたらどうだ?貴様の中途半端な決意では私やフリスク達はおろか本気のサンズにすら勝てん」

 

「……なに?今の私が貴様らだけでなくあの骨に勝てないだと!?奴らの邪魔さえ入らなければ殺せた!それに奴と同じだけのLOVEを手にすれば貴様や奴にだって負けはしない!」

 

奴はナイフを持ち替えて私の肩を切り付ける。

だがその傷口は塵になる事も出血する事もなかった。

 

「なっ!?有り得ない!」

 

奴は動揺を隠し切れずも再び私に斬り掛かった。

それでも結果は変わらない。

 

「何故だ!何故傷付かない!?いや、違う……最初から分かっていたなら如何して私のナイフを避け続けた!!」

 

「だから初めに言っただろ。お前の決意をへし折ってやるってな?お前の決意では私に攻撃を当てる事も傷付ける事も出来んのだ」

 

私が7つのソウルを持っているからだと?

そんな物は理由にならん。

現にジェノサイダーの奴は今の私と近い状態のガスターを殺しているし、あの時だってガスターを殺った時のように奴が手段を選ばなければどうなっていたかなど容易に想像出来る。

 

だが僅かとは言え積み重ねて来たものを捨てるというのは簡単な事では無いのだろう。

 

「有り得ん……貴様なんかにっ……くそっ!」

 

奴は声を荒らげながら何度も私の肩にナイフを突き刺す。

私はそんな事も気にせず奴へと語り掛ける。

 

「キャラ、お前は追ってから身を隠す為に此処に落ちてきたらしいな?」

 

「だからどうしたというのだ?」

 

「それが事実ならお前はただの馬鹿だが……もしお前が私と同じ様な存在なら他に考えた事があったんじゃ無いか?」

 

「ふん、知らんな」

 

奴は身に覚えは無いといった態度を示すが、僅かな視線の揺らぎまでは隠しきれてなかった。

 

「ふふ、心当たりはあるのだろう?そうでなければお前は私に馬鹿呼ばわりされた事に怒りを示している筈だからな」

 

「……っ、下らん!これ以上安い挑発に乗るものかっ」

 

散々乗せられておいて何を今更。

 

「今更そんな事そんな事する必要が無い事くらい解るだろうに」

 

「…………」

 

「そうか、答える気はないか……ならば代わりに答えてやろう。お前が本当に危惧していたのはFrisk達がモンスターを殺し尽くし、そしてこの世界を壊してしまう事だったんじゃないか?」

 

奴は何も答えない。だがこの沈黙は肯定と捉えて問題ないだろう。

なので私は気にせず話を続ける。

 

「だからお前は地上でLOVEを集めて奴らをこの地下で排除しようと降りてきた。違うか?」

 

私は奴の手を手を掴んだまま問い掛ける。

すると先程まで沈黙を続けていた奴は暫くして深い溜め息を吐きながら喋り始めた

 

「はぁ……下らん妄想話を聞かされて興が醒めた。もういい、勝手にしろ」

 

興が醒めた……ねぇ?

 

「ああ、取り敢えずそういう事にしておいてやる。我々の目的の邪魔にならなければそれでいい」

 

「ふんっ!」

 

奴は不貞腐れたようにそっぽ向くとそのままフリスクに身体の主導権譲った様だ。

こういう所は私と同じで素直なようだな。

 

「えっと……僕が言うのもなんだけど、強引過ぎないかな?結局彼女と和解出来た訳じゃないし」

 

「奴の協力は不要だし邪魔さえされなければ構わん。それよりもこれ以上あの卵野郎に時間を与える方が問題だ」

 

「いや……まぁ、そっか……僕達を此処に飛ばしたのは時間を稼ぐ為って事も考えられるよね」

 

それも有るだろうが本質では無いだろう。

その証拠に奴はこれまでの事を実験と言っていた。

つまり我々のデータを元に何かを企んでいる事になる。

だからと言って弱気になってる訳じゃないが奴程の存在が私やフリスク達を止める事に躍起になっている以上慢心は出来ないのだ。

 

「兎に角Frisk達を呼んで直ぐにこの世界を出るぞ」

 

「……待って、それなら出る前にパピルスとサンズの二人に話したい事があるんだ」

 

話したい事?この世界のアイツらに何を話すつもりだ……まぁそれくらいなら別に構わんだろう。

 

「解った。私達はgrillby'sで時間を潰してるから話し終えたら来い」

 

「ありがとうキャラ、僕達と彼らの四人で話したかったんだ」

 

そうして私はアズ達を引っ張り出す為にフリスクと共に骨の家に戻ったのだった。

 

 




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