genocidertale   作:上新粉

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*But Nobody Came


すのーふる 〜FP〜

キャラ達に席を外して貰った僕は今、Friskと二人でスケルトン兄弟と机を挟んで向かい合っている。

パピルスが興味津々で僕が話し始めるのを待っている隣でサンズは相変わらず考えが読めないニヤケ顔で僕を見ていた。

 

さて、どうやって伝えようか。

一歩間違えれば即BAD TIMEが始まる様な話をしなければならないだけでなく、僕自身も心苦しく正直伝えたくない内容だ。

 

…………良し、これで行こう。

 

一つ一つ口にする言葉を考え、そして遂に覚悟を決めた僕は漸く口を開いた。

 

「パピルス、僕の為に死んでくれないか?」

 

「…………」

 

「……エ……エエエェェェェェェッッッ!!???」

 

「いい度胸してんなクソガキィ?そんなにサイアクなメにあわされたかったんだったらそう言えよ、死ぬほど後悔させてやるからよぉ!!」

 

「ま、ままままって!?話は最後まで聞いてよ!ストォォップ!!」

 

サンズが腕を前に出した直後、部屋を埋め尽くす勢いで現れたガスターブラスターが今にもエネルギーを解き放とうとする中、僕は大慌てでサンズに落ち着くよう頼み込んだ。

そのおかげかサンズが後一歩の所でどうにか踏みとどまってくれたので僕は安堵の溜め息を吐きながら話を続ける。

 

「はぁ、今のは語弊を多分に含んでいたのは解ってる。別に実際に死ぬとか消えるとかそういう事じゃないんだ」

 

「じゃあどういう事だ?」

 

サンズは伸ばした腕を降ろさずに続きを促してくる。

 

ふぅ、先ずは第一関門突破って所かな。

これで後の話がしやすくなる。

 

「まぁ簡単に言えばガスターが人間の決意を使って行った実験をして貰いたいんだ」

 

「おまえ……本気で言ってるのか?」

 

「ああ本気さ、だからってまた君と最悪な時間を過ごしたい訳じゃないからそれを引っ込めてくれないかな?」

 

「あの実験が成功してるかも解らんのにパピルスをモルモットにするつもりじゃねぇだろうな?」

 

「実験結果は本人から聞かされたよ。ただし今とは生きる世界が変わってしまうし全ての世界線と記憶を共有する事になるから辛い記憶や自分とは異なる考え方に性格が変わってしまう事は充分有り得るね」

 

それに……僕は彼に恨まれるかも知れない。

 

「だからパピルスやサンズが嫌なら強いるつもりは無いんだ。そのかわりしっかりと理解した上で決めて欲しい」

 

「それで、もし実験に失敗したらどうするつもりなんだ?」

 

「戻れるのであればロードして二度目はやらない。戻れない場合は…………ごめん、これに関しては何が起こるか分からない以上今は答えようが無いや」

 

僕はサンズへ事実を正しく伝える。

彼は顎に手を当てて暫く考えると、再び質問を投げ掛けて来た。

 

「この実験はパピルスでなければならない理由は有るのか?」

 

「サンズ、君の気持ちは解るよ。だけど彼以外に僕の話を信じて命を賭けてくれるモンスターがいると思うかい?」

 

「……ねぇな、そもそもそんな馬鹿げた実験をする意味が解らねぇ」

 

「そうだね。だけど僕だって理由も無くそんな事はしないさ。僕の理由はこの世界(UNDER TALE)の完全な隔離。そしてもう二度と僕の様な存在(ジェノサイダー)を生み出さない様に今存在する全ての世界線へ干渉する事だ」

 

「フリスク……それって……!」

 

Friskaが驚くのも無理はない。

何故ならそれは嘗て彼が願い、そして僕が否定した事と大差ない事を言っているのだから。

流石に全ての前提を書き換えてしまうのは前に言った通り世界を壊す事と同義だからやらないけど、今のキャラみたいに魔力で身体を造る事位なら方法はあるんじゃないかなと思う。

 

だがここまでではサンズ達に関係の無い事だろうから僕は話を続ける。

 

「サンズ。この世界だってここのキャラみたいな考えの人間が今後落ちて来てもおかしくない。と言うか地下に落ちてくる人間は大抵上で何かがあった末に落ちてくると言っても過言じゃない。そんな彼ら彼女らが道を誤らないように僕という案内人が必要だと思ったんだ」

 

「……確かに、奴はお前らが居なくても奴はいつかオイラを殺していたかも知れねぇしな。お前の言い分は分かった」

 

「サンズ……」

 

「だがまだ認めたわけじゃねぇ。実際お前さんじゃなくてもFriskにやって貰っても良いわけだろ」

 

サンズとしては僕より彼の方が信用出来るみたいだ。

だが残念な事にFriskには出来ない理由があるんだ。

 

「Friskは僕と違ってこの世界に来るまでも含めて一度たりともLOVEを得ていないから、僕やキャラみたく心を身体から離す事が出来ないんだ」

 

「ごめんねサンズ」

 

「別にお前さんが謝る事じゃねぇ。だがそうだな……それならやっぱりこの話は────パピルス?」

 

先程まで黙ったまま腕を組んで座っていた彼だったが今まさにサンズが断ろうとしていた所を遮る様に前に出てきたのだ。

 

「パピ……ルス?」

 

「二人の話は難しすぎてさっぱり解らん!だが要は貴様は皆を救いたいのだろう?それで偉大なる俺様の助けが欲しいんだな!任せろっ!このグレートなパピルス様が全て解決してやるぞ!ニャーハッハッハッハ!!」

 

えっと……しっかりと理解した上で……って、言った……よね?

 

「パピルス、分かってるのかい?下手をすれば皆に会えなくなるかも知れないんだよ?」

 

「大丈夫っ!俺様と貴様が手を組めば問題なぁい!」

 

「おい……考え直せってブラザー、そもそもお前にメリットがある訳じゃねぇんだぜ?」

 

「兄ちゃん!英雄は友達を助けるのに損得なんて考えたりしないものだ!」

 

その後も暫く僕とサンズが二人掛りでよく考える様に言い聞かせるが、すっかりその気になっているパピルスは一歩も引こうとはしなかった。

 

「はぁ……パピルス、本当に良いのか?」

 

「勿論だ兄ちゃん。フリスクは俺様の友達だからな!友達の力になりたいと思うのは当然だろ?」

 

「……はぁ、俺はちゃんと言ったからな」

 

「パピルス、僕からも最後に聞くけど……本当に良いんだね?」

 

「ああ!俺様は大丈夫だぞ!」

 

僕の最終確認にパピルスは眩いばかりの笑顔で答えた。

そんな彼の笑顔を信じて僕は強く決意を漲らせる。

 

「分かった、じゃあ行こうか。サンズ、コア内部まで頼めるかい?」

 

「……ついてきな」

 

浮かない顔のサンズに申し訳なく思いながらも差し出された彼の手を掴みコア内部へ向かった。

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

 

 

ショートカットで瞬時にコア内部まで来た僕はキャラに身体を返すと早速パピルスの元へ向かった。

 

「おお!これがフリスクのソウルなのか!赤くてカッコイイな!」

 

「はは、ありがとう。それじゃあ行くよ?」

 

「うむ!何時でも大丈夫だ!」

 

僕は彼の身体を労る様に慎重に入っていく。

彼は興味津々で僕のソウルが身体に入っていくのを眺めており、特に変わった様子は無いようだ。

そうして僕のソウルが完全に中に入った辺りでパピルスに様子を訊ねてみた。

 

「ん?何か変わった事が無いかだって?ん〜そう言えば身体が随分軽くなった気がするぞ!」

 

ここまでは成功かな。

まぁ互いの意思で1つになるなら融けない事はキャラ達の一例で予想は出来ていたから想定通りと言えばそうかな?

あ、という事はもしかして……いや、流石にないかな。

 

僕は横に逸れた思考を振り払い本題へと入る。

 

「えぇ……こ、此処に飛び込むのか……?」

 

まぁ普通は躊躇うよね?

僕はパピルスにまだ引き返せる事を伝えるも彼は首を横に激しく振って否定した。

 

「心配するなフリスク!男に二言は無いのだ!!」

 

そう言って彼は手すりの上に立ち上がった。

そして二、三分程下を眺めていたパピルスはやがて威勢のいい掛け声と共にコアの中心へと飛び込んで行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




*しかし だれも こなかった
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