興が乗ってきたよ、このまま終わらせてしまおうか!
*なんてね、流石にそこまではやらないって。
スノーフルへ入った僕は目に付いたモンスターを片っ端から塵に変えながら邁進していた。
犬、犬、犬、犬、犬、犬、犬……なんかいつもより犬が多かった気がするけどまあいっか。
そうして僕はやっと彼を見付ける事が出来た。
恐らく隊長に定期報告でもしてたのだろうか、彼はスノーフルとウォーターフェルの境の一本道を歩いていた。
「やぁパピルス、元気かい?」
「ニャ!?俺様は元気だが貴様は何故俺様の名前を知っているんだ!?」
「そんなのパピルスのファンだからに決まってるじゃないか」
「そ、そうかぁ……俺様のファンなら仕方ないな!」
突然名前を呼ばれて不信感を抱いたパピルスだったがファンである事を告げると少し照れながらも少し心を許してくれた様だ。
ふふ、相変わらずのパピルスで安心した。
「そうだ!それよりここは今きけんなんだぞ!『ニンゲンの姿をした危険な奴が居るから皆避難して』って若いアズゴア王が言ってたのだ!」
「へぇ〜?そうなんだ」
それはいい事を聞いたなぁ……。
「ねぇパピルス、僕も避難したいんだけど何処行けば良いのかな?」
「なんだとっ!?それを早く言えっ!大丈夫だ、俺様が直ぐに連れてってやるからな!」
パピルスは何も疑うこと無く僕を連れてウォーターフェルへと歩いていった。
このまま避難場所まで行けたら良かったんだけどねぇ。
「ところで貴様の名前をまだ聞いていなかった気がするぞ!」
ん、まあ確かに名乗って無いね。
うーん……なんて答えよう。
「フ……いや、キャラって言うんだ」
「そうか!よろしくなキャラ!」
「……よろしくね!」
ま、名前なんて有って無いようなものだし別に良いけど。
「そうだキャラ!お前はニンゲンがどんな姿をしているか知っているか?」
「知ってるよ」
「ほんとかっ!?一体どんな姿なんだ!」
「こんな姿」
僕は親指を自身に立てて自己アピールしてみせた。
「……ううむぅ、ニンゲンはそういうポーズを取ってるのか……」
どうやらパピルスには伝わらなかったみたいだ。
けど、もう一人にはちゃんと伝わったしいっか。
「遂に正体を現したかニンゲン!」
上から声が聞こえてくるのと蒼い槍が僕のいた場所へ突き刺さるのはほぼ同時であった。
「隊長っ!?」
「はは、ウォーターフェルに入った時から殺気が駄々漏れだったよ」
後ろに飛び退いた事で難を逃れた僕は正面へ降りてきた甲冑姿のアンダインは僕へ槍の先端を向けている。
しかし間に割り込むパピルスのせいで手が出せないようだ。
「どけっパピルス!そいつがアズリエル王子が言っていたニンゲンだ!」
「ニェェッ!?でもあいつは避難したいって言ってたし…………それに俺様のファンだって」
パピルスは僕の反応を気にするようにチラチラとこっちを見ている。
ああもう本当に愛しいなぁパピルス。
僕を最期まで信じ続けてくれたのなんて君をおいて他には居ないよ。
せめてこれ以上君が苦しまない様に。
歪んでしまわない様に。
僕に失望してしまう前に。
終わらせてあげるよ。
……………………ちっ。
「邪魔しないで欲しいんだけど?」
「あ……アンダインッ!」
振り下ろされた凶刃はパピルスではなくアンダインを切り裂いた。
またこのパターンか。
いや、アンダインの行動パターンを考えれば当然かな。
ふぅ………。
「グガァ!逃げろパピルスッ!!」
今度こそ終わらせようと振り下ろしたナイフも再びアンダインがその身を呈して受け止めた。
「あのねぇ、温厚な僕も流石に怒るよ?」
「黙れっ!ニンゲン風情に大事な部下も大切な友人も殺らせはしない!」
「アンダイン!早く傷を治さないと!!」
「良いから行け!貴様がいると足手まといだ!」
アンダインに言われて狼狽えていたパピルスだったがやがて意を決して奥の方へと走り去ってしまった。
ああ、僕の愛しい英雄を……唯一人僕を信じてくれていた優しい英雄が…………………はぁ。
「……ありがとうアンダイン」
「なに?」
「これで僕は心置きなく世界を滅ぼせる」
「はっ……くくくっ……!ぬあぁぁあああああああああっっっ!!させるかぁっ!例え神が許そうともこの私が絶対に赦さん!!」
そう言いながらもその身体は徐々に塵へと姿を変えている。
だが、次の展開が分かってしまっている僕はおもちゃのナイフを構え直す。
「アルフィー……パピルス……私は絶対にこいつを殺してみせる!ぜったいになぁぁぁああああっ!!!!」
塵と化していた身体は僕を殺す決意によって輝きだしその姿を変えた。
「覚悟しろ!貴様の命は此処で終わりだ!」
アンダインは勇者へとその姿を変貌させた。
……ただ、それだけだ。
僕はよく知った攻撃を軽く受け止め、アンダインを切りつけた。
「ぐぁ……ば、馬鹿な……」
「当然だろ?こっちは死ぬほどお前に殺されてるしその数万倍もお前を殺してるんだからさ」
「くっ……だ……がな……この戦いを見ているアルフィーが……今頃お前が見つけられない所へ皆を避難させている筈だ」
僕はその言葉に反応せずに先へと歩き出す。
ふふ、そんな場所は一つしかないじゃないか。
僕を舐めないで欲しいな。
さて、次に進む場所は決まったね。
行こうか。ホットランドの
*先に言っておくと避難先に付いては僕の予想だからね?
*実際に今まで何処に避難してたのかは僕も知らないし興味も無かったからね?