genocidertale   作:上新粉

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*やぁ、みんな元気かい?
今回はちょっと僕の方で修正を加えた所の報告だけしておくよ。

*僕が無理矢理割り込んだ世界だから所々おかしな事になっているんだけどね?

*今回はその中でも言語認識の相違を修正しておいたよ。






謁見の間

さいごのかいろうを抜けた僕はアズゴア亡き謁見の間に続く扉へと辿り着いた。

何の気なしに物々しい扉を開いた僕はその光景に目を奪われていた。

本来ならモンスターの王がいる場所でモンスターの王がするかのように花に水をやっていた僕の英雄の姿を前に、僕は何も言葉に出来ないまま近付いた。

 

草花を踏みしめる足音に気が付いた彼はじょうろで水を撒くことを辞め、優しくも悲しげな口調で語り掛けてきた。

 

「二ャ……ニンゲンか?よく来たな……待っていたぞ」

 

「パピルス……」

 

「丁度水やりが終わった所なんだ……ニンゲンが此処に来たのは結界を抜ける為と……俺様達の為なんだって?」

 

僕は彼の問いに無言で頷く。

彼はその答えに対して困った様にニャハハと笑って言った。

 

「お前はとってもいい奴だ……だから一人で何でも解決しようとするんだな?」

 

「え……?」

 

僕は言ってる意味が解らずに自然と声が漏れてしまった。

そんな僕の様子を見ていたパピルスはゆっくりと瞬きを一度だけすると、先程までの優しさは身を潜め彼は自身の身長位ある長大な骨を手にして構えを取った。

 

「俺様は怒っているのだ、だから貴様にはお仕置きをしなければならない……」

 

その言葉の通りに彼はとても憤慨している様だった。

僕は初めてみる彼の感情に理解が追い付かずに思わず後ずさった。

 

その直後、パピルスが手に持った骨を槍のように使い僕を突き飛ばした。

 

「ぐっ……はぁっ!?な……なんで……?」

 

「ニンゲンっ、俺様は怒ってるって言っただろ?」

 

怒ってる……?はは……解ってたじゃないか。

アズゴアを殺し、多くのモンスターを殺した。

更には彼の目の前でアンダインを切りつけ、ガスターやアルフィーを殺した。

そして……サンズを殺した。

パピルスが何処まで知ってるか解らないけど、僕を恨む理由は充分だ。

 

あの時アンダインに邪魔された時から解っていた筈なのに。

いざ面と向かって敵対されるとやっぱり堪えるなぁ。

 

「どうした、立てっ!ニンゲンっ!立たないならこっちから行くぞ!」

 

パピルスが構えを直してこっちまで駆け寄ってくる。

 

けどこれが僕が選んだ結果なら、受け入れなきゃ。

 

僕はナイフを握り直すと、僅かに身体を捻ってパピルスの突きを何とか躱す。

反撃にパピルスへナイフを突き返すも彼は持ち手の部分で僕の手を弾いた。

 

「ニャハハハッ!漸くその気になったか!」

 

受け入れて……彼に否定されようとも僕は世界を壊す。

 

「だから、君は僕が殺すんだ」

 

僕は右へ飛び跳ねる事でパピルスから距離を取った。

そして彼の背後に周りつつナイフを切り付ける。

 

「だがニンゲンっ!貴様はまだ手を抜いているなっ!?」

 

パピルスは僕のナイフを手に持った骨で軽く受け止めながらそう言ってきた。

 

「僕が手を抜いてる?どうして……」

 

僕はいつも通りだ。

もう受け入れたからさっきまでの動揺なんてない筈。

彼も変な事を言うね?それを言うなら今まで手を抜いてたのは君の方だろう?

 

僕は彼の的を得ない物言いにえも言えぬ苛立ちを覚えて何度もパピルスに切り掛る。

それを彼は幾度も受け止めながら隙を突いてその骨で僕を叩きつけた。

 

「うっ……ぐぐ……っ」

 

「貴様の攻撃からはアンダイン達と戦っていた時の様な決意を感じない!」

 

はは、何を馬鹿な事を。

ここまで来て僕が諦めるわけないじゃないか。

 

僕はパピルスを殺す決意を抱いた。

 

ほら、これで彼を切り付ければ……

 

 

 

 

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………………なぜだ。

 

 

パピルスは避ける事なく僕のナイフを身体で受け入れた。

だがその刃は彼を僅かに傷付けるだけに過ぎなかった。

僕はその事に理解が出来ずに続けて何度も彼を切り付けるも、彼は全ての攻撃を受け入れた。

 

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2

 

1

 

MISS

 

MISS

 

おかしい……どうして。

 

「なっ!こんなんじゃアンダインを倒す事はぜぇぇったいに無理だ!」

 

何が起きているんだ?僕のLOVEに変化はない。

パピルスのステータスも変わりはない。

まさか僕が今更パピルスを殺したくないなんて思ってるとでも言うつもりかい?

 

「有り得ない、僕は君達を殺す事に何も感じないのに」

 

「だから言っただろ!貴様はとってもいい奴だって」

 

な……なんで。君は僕を恨んでいるんだろう?

君は何時だって僕を信じてくれていたからいつの間にか甘えてしまっていたけれど、本来僕は君に恨まれて当然な奴なんだよ?

 

そうか……なにも知らないからまだ僕をいい奴だなんて言えるんだ。

なら教えてあげよう、僕の悪意の全てを……。

 

「はっ、僕がいい奴だって?君を135,934,267回も殺した僕がかい?それに君だけじゃない。君の知ってるワンボーもレッサードッグもイヌッスもイヌッサもグレータードッグもアンダインもロイヤルガード達もマフェットもアズゴアもサンズも。他にも出会ったモンスターは片っ端から虐殺していった!それでも君は僕をいい奴だと言えるのかい?僕の業を赦せるのかなぁ!」

 

僕はパピルスの言葉を待った。

だか彼は僕が最初に此処に来た時に見せた憂いを帯びた優しい笑みを浮かべて答えた。

 

「知ってる。だから貴様がいい奴だって言っているんだ」

 

「なっ……!何を馬鹿な……」

 

有り得ない……知ってるのならそんな目を向けられる筈が無い!

 

「その一億……なん回って言うのが何回かは解らないがものすごくすごい数って事は分かる!それだけの間お前は俺達の為に一人で何かを成し遂げようと頑張って来たのだろ?だから俺様は貴様を信じる事にした!」

 

「パピルス……ありがとう」

 

「ニャハハ。だけどな、俺様はまだ怒っているぞ!」

 

まぁ、それも仕方ないか。

どうせこの世界じゃもうパピルスを殺せない。

少しでも一緒に居たいと思ってしまった。

僕の決意か揺らいでしまった以上殺した所で後悔が心に突き刺さり目的を果たせない。

だったらリセットする前に彼に殺されるのもまた一興だろう。

大丈夫、後数億回繰り返せば今度こそ終わらせる事が出来るようになるさ。

 

そう思い僕は目を瞑ってその時が来るのを待った。

 

 

 

……しかし、何時まで待ってもパピルスからの止めはやって来なかった。

 

 

 

僕は何時までも訪れない衝撃を不思議に思い目を開くとパピルスの姿が無かった。

 

「あれ?まさか……さっきまでのは全て僕の妄想?」

 

は……はは……そりゃそうだ。いくら何でも都合が良すぎるじゃないか。

はぁ……疲れてるな。一度リセットでもすればこの疲れも取れるかな……はは。

 

僕は落胆の色を隠そうともせずに謁見の間を後にした。

 

 

 

*あなたはまだこの先の事を知る由もない。

 

 

 

 

 




*ハウディー!って普段ならアイツが言うのに、どうしたんだよ。

*あいつは今放心状態だ。それとあれはお前の真似だぞ?

*う"っ……まぁいいや。それより良いのか?あいつリセットするんじゃないか?

*それならそれで問題ない。

*……あっそ。

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