「常闇、起動!」
わたしが起動したのは、とあるボーダー隊員から奪ったトリガーを元にして作ったトリガーだ。
わたし達はボーダー本部とは全く関係ない組織、ディフェンダー。ネイバーを倒すと言う業務こそ同じだが、こちらは少数精鋭のいわば特殊部隊なのだ。
常闇を起動したわたしは、改めて目の前の敵を見る。
バムスターが10体、モールモッドが24体、ラービットが約50体。
「5分、かな。」
わたしなら5分あれば処理できる。
それだけの実力と実績があるのだ。
常闇はブレード型の黒トリガー。
ボーダーのレイガストを元に改良、もといわたし専用に改造されている。
近接トリガーのレイガストを元にしているので、基本的には近接戦闘 特殊能力のひとつはそれをサポートするためのもの。
まぁ今回は数が多いのでもう一つの能力を使うことになるのだが。
「ダンシング・ブレード」
トリオンで作られた黒い剣がダガーに、さらに小型化し1センチほどの大きさにまで分裂する。
1万個まで分裂したダガーを操り敵を屠る。
まずは近くにいたバムスター10体と捕獲機のラービット38体。
続いて戦闘機モールモッド24体すべて。
少し遠くまで移動していた12体はボーダーの黒トリガー使いが処理したらしい。
無線を繋ぎオペレーターに報告する。
『任務完了しました。これより帰還します。』
「チカちゃんお疲れ~♪紅茶飲む?クッキー焼いたよ~♪」
「ありがとうございます。後でいただきますね。」
「はーい、じゃあ待ってるね~♪」
今のはオペレーターの彩さん。女子力高めで愛されタイプの人。
この人をあまり待たせるわけにはいかないから早めにやる事を済ませてしまおう。
───
【チカの手記④】
・・・今日はイレギュラーな侵攻があった。
ここにそれを記しておく。
・・・いつか資料になることを祈って。
ロイならこの2重の謎が解けるかもしれない。
・・・小規模の敵小隊を撃破
戦意はなかったように見えた。
わたしが入隊してから初めての事だった。
たいしたことはなかったが。
しかし今回のことは気になる。
おおきな事件にならなければいいのだが。
・・・明日も頑張ろう。
───
これでよし。思ったより時間がかかってしまったが。彩さんのところに急ごう。これ以上待たせては悪い。
「お待たせしました。」
「おせーぞチカ。先飲んでるけど文句言うなよな?」
高圧的なのはクロウ。頼りになるシューター。怒らせると怖いので注意しなければならないが。
「まあまあ、いいじゃないですか。チカちゃんにだって用事くらいありますよ。」
紳士っぽいのがロイ。知能的で状況把握が得意なシューター。
単独でガンガンキルを稼ぐわたしやクロウと違って、二人のサポートをする役回り。温厚で怒らない人間だと思っている。ケンカなどの仲裁役になるほどだ。
わたし達の小隊はこれで全員。
アタッカーのわたしに、同じくアタッカー寄りのシュータークロウ、撃ちもらしやヘイト管理を担当するロイ。
そしてチームを支えている彩さん。
そして全員の頭文字を取って
これが小隊名。
・・・後日
『CRATへ緊急指令!人型ネイバーを確認!ボーダーの援護を要請!繰り返す!...』
「おいおい、人型だってよ。しかも援護かよ。本部長は何考えてんだ?」
「任務をこなすのが我々の使命です。いきましょう、クロウ、チカ。」
人型・・・
「チカちゃん・・・?」
「あ、いえ。大丈夫です。行きましょう。」
「よーし、それじゃあ飛ばすよ〜?今回もボーダーに見つからないところに設定したからね〜。クロウは調子のりすぎないこと!」
「はいはいわかったよ、早く飛ばせ」
「行ってきます、彩さん」
「うん!気をつけてね♪」
『トリオン体を転送します。位置ER-FF・高度1』
今回の任務、かなり危ないかもしれない。
わたしのサイドエフェクトがそう訴えかけてる。
『転送を開始します...』
杞憂に終わればいいんだけど。
・・・
「おし、人型を殺りゃあいいんだな?」
「援護ですよ。ボーダーの。勘違いしないでください。クロウとチカは周囲の警戒と私の護衛をお願いします」
「援護なら私の得意分野です。任せてください」
「トリガー・オン!」
成瀬 千佳 16 ♀ AB型
身長 158 体重 45
アタッカー兼偵察
トリガー 常闇(トコヤミ)
・ボーダーのレイガストを元に作られた黒トリガー
・耐久性、鋭さ、軽さが売り
・ダンシング・ブレード 分裂した無数の刃を操る。
・???