Muv-Luv Alternative ~take back the sky~   作:◯岳◯

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おまけアフター ~トータル・イクリプス編~

『崔亦菲』

 

ユーリンと同じく統一中華戦線の泥沼の内ゲバに愛想を尽かし、日本へ亡命する。最愛の家族と一緒に。

 

日本に在住するも私的な時間ではどことなく居心地の悪さを感じつつも、答えは前にしかないとタリサが抜けた後のA-01の前衛として水月と張り合う。

 

極まった突撃前衛の代表格だった二人の戦闘は金を取れるぐらいに白熱したもので、一部で戦争終結後にそういったスポーツが生まれそうになったほど。以降、タリサと並ぶ終生のライバルとして水月を認める。武は別の生き物なので除外された、というかステージギミック扱いされていたとか。隕石的というか、宇宙生物的なナニカとして。

 

人類内乱では特に酷い事態に陥った祖国でA-01の一員として参加、転戦を重ねる。

 

気候変動後の極寒の地獄の中、あまりにも命が軽くなった最低の戦場の中で、一切怯むことなく先陣を切り開いた武に惚れ直した。

 

クーデターから内乱にかけて、A-01で得た新しい戦友達も怪我などで引退していく中、祖国の惨状も相まって精神的鬱になりかけていたが、圧倒的戦果と強い言葉で隊員や派遣部隊を引っ張っていく武に多くの意味で救われた。

 

そのため、日本に帰国後に直球で特攻、本人も何がなんだか分からない言葉で告白するも武が理解し、苦笑。

 

焦らなくてもお前の居場所はここにあるからと武に頭を撫でられた後、生まれて始めてただの子供のように泣いた。

 

現場を目撃されて誤解された武はユーリンと純夏のツープラトンアタックで沈みかけたとか。

 

その後、デートで仕切り直してゴールイン。

 

乙女の度合的には1、2を争うほどだったとは武本人の談。後に2児を出産した。

 

現役の期間は長く、後に戦場を熟知した突撃前衛の衛士の一人として、教本を執筆。

 

統一中華戦線時代はユーリンから欧州風も考慮した機動戦術、日本では様々なスタイルを、とにかく本人が努力家だったため、突撃前衛としてのバイブルの一つとして広まっていった。

 

本人的に亡命して一番嬉しかったのは武の事と、息子と娘がハーフであることで差別を受けなかったこととか。

 

タリサと水月とは最後まで腐れ縁を続けた。誰よりも仲良しだ、とは子供たちの感想だった。

 

そんな亦菲の人生は、最後まで幸せに包まれていた。自分を見てくれる仲間、本気でぶつかってくれる競争相手兼友達に囲まれていた事と、武がユーコンで告げた「いざって時には俺が守るさ、絶対に死なせねえ」という約束がずっと守られていたから。

 

 

 

 

 

 

 

『タリサ・マナンダル』

 

カシュガル攻略後、大東亜連合へ戻った。

 

齢20を越えていたが、奇跡の8cm成長を遂げる。それでも平均的な身長だったが、本人にとってはかなり衝撃的かつ嬉しかったらしい。周囲の野郎共にとっても。

 

元から快活で嫌味がなく可愛い笑顔が魅力的だという噂があったが、身長が一般女性のそれになり、そこに女性の魅力が加わったという。

 

大東亜での戦術機開発や中隊との交流、各地でのハイヴ派遣のこともあり、武と何度も会う内にいい仲に。

 

激動する戦況の中、少し疲れた武が休暇にとかつての思い出の土地を巡る旅を助けた。そうして最後の夜、最初に別れた時と同じく、打ち寄せる波打ち際の上、満点の星空の下で告白したとか。

 

翌日、朝チュンなのに何故か現れるサーシャ、リーサ、アルフレード、ターラー、ラーマ。いつかの面子で朝から夜まで飲み通したとか。

 

その後、師匠の墓前に報告したという。武の息子としては唯一、三つ子が産まれた。難産になり、タリサはその際に死にかけるも、駆けつけた武の呼びかけで何とか生還。

 

後日、師匠に呆れ顔であの世から蹴り戻されたと、仏頂面かつ嬉しそうに語ったという。

 

軍に復帰後は、大東亜連合の次代エースとして奮闘。ハイヴ攻略から内乱解決まで、大東亜連合の希望として戦場で輝いた。本人は柄じゃないと、英雄扱いされることを最後まで渋っていたが。

 

グルカの教えは三つ子全てに伝えた。1つのナイフを溶かして3つに分けて渡したのは、有名な逸話になった。

 

一人の英雄よりも三人の勇士だと、兄妹で助け合うように諭した。武が独りで言えない思いを抱え、辛い思いをしているのを知っていたから。

 

ターラーの死後、大東亜連合の衛士陣のトップへ。多くの部下から信頼と尊敬を集めた。

 

余談。成長後も胸はあまり膨らまなかったが、エロさは20倍になったとマハディオは語る。直後に嫁に殴り飛ばされたが。

 

その事もあって大東亜連合の若手男子人気がダントツになったが、いきなりの妊娠報告。野郎どもが殺気立つも裏の噂で相手を知り、撃沈。マンダレーハイヴで鬼神の如き活躍を見せた白銀武が夫ならばと、納得せざるを得なかったとか。

 

 

 

 

 

『クリスカ・ビャーチェノワ』

 

カシュガル攻略後から情操教育を始め、各種の教育を受けた。

 

中身と見た目とのギャップが著しかったものの、5年後には容姿と内面が追いついたとか。

 

凄乃皇の衛士として純夏、イーニァ、霞と共にハイヴ攻略戦の戦場へ参加した。

 

人類内乱には参加しないものの、各地のハイヴ攻略作戦には必ず参加した。

 

内乱末期にソ連の人工ESP体と決戦へ。ユウヤ、霞、イーニァ、武と共に積み重ねてきた思い出を吐露、意図的に作られた者達でも幸せに生きられる道を指し示した。

 

結果、全てではないが血を流さず和解できた者達も。内乱終結後、既に出産していた二児と共に血の故郷たるロシアの島にユウヤ達と一緒に帰った。

 

過去の投薬の影響で45歳の若さで夭折。最後はユウヤと子供たち(一男二女)に看取られ、カシュガル攻略後から見せるようになった星々のような笑顔を浮かべながら逝った。

 

生前、たまの休暇では祖国の料理やユウヤの好きな肉じゃがを唯依から教わり、家事に育児に奮闘する様子は普通の女性以外の何者でもなかったとイーニァと霞、夕呼は語り続けた。

 

 

 

 

『イーニァ・シェスチナ』

 

クリスカと同様、凄乃皇の衛士の一員としてハイヴ攻略で活躍した。

 

攻略が進むにつれ、必要性が薄れたことを感じ、ユウヤとクリスカの仲を持て囃しながらも、繋がりが深まっていく二人を前に、自分の居場所はどこなのかと考え始める。

 

おねーさんの自分がクリスカを心配させてはいけないと気を使い、基地の中を彷徨っている時に武と遭遇。

 

武に悩みを打ち明けると「どこでだって良い、居たいと思う場所があれば言ってくれ、絶対に俺が作るから」と言われ、笑顔に。作るという発想がなく、それを気負うことなく当たり前のように言い出してくれた武に惹かれた。

 

それから徐々に時間が経つに連れ、色々な出来事を経て武への想いが育ち、10年後に霞と一緒に夜討ちを仕掛けた。

 

だが、当時すでに夜の白銀と呼ばれていた武を前に色々と始まる前に敗北。しつつも涙ながらに語られた想いを聞いた武が、一から始めようと一緒に帝都デートなどを経て、最終的には霞と同着。

 

一児に恵まれ、本人も長く生きた。エピローグでは夕呼と武の専属護衛(リーディング的な意味で)になり、大好きな人達とずっと生きた。

 

若々しい霞とは違ってあちこち豊満で遠慮も屈託もない明るく綺麗なおねーさんであるイーニァ。自身も子供が好きだったため、武の子供達の一部からは憧れの人と淡い思慕を抱かれ、直後に玉砕するまでがよくある流れだったとか。

 

衛士としても強く、一度だけ対人戦の戦場で単独で挑んだ結果、ユウヤに匹敵する戦果を上げた。満場一致で、二度目の出撃許可が出されることはなかったが。

 

 

 

 

『ユウヤ・ブリッジス』

 

A-01の衛士として各地のハイヴ攻略に参加後、経験を活かし次世代の戦術機開発に協力する。

 

現場の視点と高レベルの戦術機知識をないまぜにした意見は、第四世代、第五世代の戦術機開発におおいに役立った。

 

唯依の母である旃那の死後、祐唯と再会。助走をしてのラリアットを決めた。最低限のケジメだったと本人は語る。

 

以降はわだかまりはありつつも「そんな事言ってる場合じゃねえ」レベルに人類がヤバくなったので現場で協力、名機を次々に産み出すことに協力する。

 

日本に居る間は横浜で厄介になった。クリスカに一般的な常識や嗜みなどが必要になった時は、夕呼の推薦によりまりもを頼った。夕呼や武に頼らなかっただけ、賢明だったと言えよう。

 

それから10数年以上かかったものの、クリスカとイーニァの約束を果たし、二人の故郷へと一時的に帰った。

 

だが、休んでいられる時代ではないと戦場に復帰、地球最後のハイヴから月、火星に至るまで全てのハイヴ攻略に参加し、武の僚機として活躍した。

 

唯依と武のことを知りつつも、本人が納得しているのならと反対はせず。ただ、左右のフックはお見舞いした模様。残念でもなく当然だと関係者は語った。

 

子供が産まれた時は母・ミラとまりもを頼って、なんとか父親らしくあろうと奮闘。不器用ながらも真摯に真面目で、子供たちからは仕方のないお父さんだと慕われた。

 

後年、武は「ユウヤが居なければ自分は月のハイヴで死んでいた」と何度も語った。家族を大事にするという当たり前のことを、重みのある言葉を吐き続けてくれなければ使命に溺れて死んでいたとも。

 

産まれに翻弄され、孤独の中で運命に弄ばれながらも一途に生きた彼は、親しい家族に囲まれながら、幸せな笑顔で唯依達と同じ場所へ旅立った。

 

 

 


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