エアフォース・オンライン:フェアリーズ 作:Bishop1911
洞窟内は誘導灯が埋め込まれていると言ってもやはり暗すぎる。
俺は着陸用のライトを点灯させて少しでも視界を
確保しようとする。
まぁ、ジェット戦闘機がせいぜい数十m先までしか
照らせないライトを使ったところで
突然現れる障害物を躱せるとはこれっぽっちも思ってないが、
衝突するにせよ、しないにせよ、
ぶつかる相手くらいは見えた方がいい。
洞窟に入って数秒もしていないが、心配してくれているのか
早速連絡が来た。
『まだ生きてる?』
しかし、冗談のつもりなのかかなり皮肉のこもった質問だ。
「残念ながらまだピンピンしてる。」
俺も向こうに合わせて少々皮肉っぽく答える。
『私の機体の修理代、忘れないでよ。』
言い方はやっぱりアレだが、とりあえず「堕ちるな」と
言いたいということは俺にもしっかり伝わった。
俺も負けじと言い返す。
「あたり前だ。お前のポンコツミグの新調資金まで
稼いでやるよ。」
『やっぱいい。そのまま死ね。』
だが、自分の機体を悪く言われたのが癪に触ったようで、
無線は切られた。
そして、つまらない言い合いをしているうちに
出口が目に入る。洞窟より少し明るい程度だが、
飛び出すと同時に俺は目の前に現れた巨大な物体に驚いた。
洞窟を抜けた場所は円形にくり抜いたような縦穴で、
キノコのような形をした金属製の巨大な構造物が
縦穴を覆い隠すようにそびえ立っている。
『アルファ1、それがジャミング施設だ。機銃で破壊しろ。』
今更のようにAWACSが支持を出してくるが、
もとよりそのつもりだっただけに
俺は返事もせず右腕の機銃を構えて掃射する。
数十発の機関砲弾はあっという間になくなり、
キノコのような出で立ちのジャミング施設には
無数の弾痕が残されていた。
連続して鳴り響く射撃音が縦穴で反響し、
続いてジャミング施設に青白いスパークが発生する。
「やっべ…!」
自爆する予兆のようなものを感じ取った俺が
キノコの傘の間をすり抜けて上空へ脱出しようとすると、
ジャミング施設の隙間から飛び出した瞬間に
一瞬だけロックオンされたことを告げる警報音とともに
HMDが真っ赤に照らされるが、
背後の派手な爆発音とともに通常の緑色に戻った。
直後にものすごい風圧が俺の背中を突き飛ばす。
「うおっと…!危ねえ…」
危うくバランスを崩してしまうところだったが、
なんとか持ち堪える。
『アルファ1が敵のジャミング施設を破壊。よくやった。』
AWACSの戦果確認の無線と同時に視界の端で
スコアが追加される。
これで修理代は全て返せそうだ。
「ヒャッホーっ!!」