エアフォース・オンライン:フェアリーズ 作:Bishop1911
小ネタは思いつかなかったのでご勘弁。
『こちらエッジレス、聞こえる?』
裏切ったアルファ隊の最後の1機を墜とした俺は、
アドレナリンが引いて体にこもっていた熱が冷めるのを
感じながらエッジレスの無線に答える。
「こちらレイヴン1、聞こえます。
そっちは無事ですか?」
『お陰様でね。それと、テルキスから連絡。
進行ルートに正規メンバーを送って護衛するらしいわよ。』
「…俺たちは?」
『今日のところはお役御免ってところかしら。
でも、正規メンバーと合流するまではよろしく。』
マジ卍の護衛機と合流した俺たちは
ニヨッテ基地へ針路をとった。
任務を外され、やるせない気持ちでいっぱいの俺に
無線連絡が入る。
『状況を説明する。』
テルキスだ。
『今回の護衛任務中のアルファ隊の裏切りに対し、
上層部は現在雇用している傭兵全員の解雇、もしくは
飛行停止命令を決定した。貴様らも例外では無い。』
コイツの顔を見ずに済むようになるのは一向に構わないが、
謂れのない罪で処罰されるのはまっぴらごめんだ。
「ふざけんな!その裏切り者を墜としたのは俺たちだ!」
『レイヴン1、落ち着いて。』
「……。」
マリーも不服そうな目をしているが、
表情自体は崩さない。
『その上、貴様らは今回裏切ったアルファ隊と
行動を共にしていた。
ヤツらとの背後関係も含めて調査が終わるまで
貴様らは飛行停止処分とする。
不満があるなら契約解除だ。以上。』
俺たちの反応を聞く間も置かずに無線は切られ、
密林エリア特有の蒸し暑さが俺を嘲笑うかのように
体を包み込む。
『レイヴン1、休暇と思えば良い。』
「…そうだな。」
ニヨッテ基地に着陸し、格納庫で機体セットを解除すると、
メニュー画面の機体セットの欄には“アクセス拒否“の文字が
表示され、何度タップしても動かない。
解除する方法は契約を解除するくらいしか無いらしいが、
裏切り者とは何の関係もない以上は
下手に動くと関与を認めたと捉えられかねない。
完全にすることが無くなった俺とマリーは基地の娯楽室を覗く。
今夜の作戦の準備のためか、マジ卍の正規メンバーは
1人も見当たらず、いつも馬鹿騒ぎをしている傭兵たちも居ない。
「…無人。」
「…だな。」
ポツリと呟いたマリーに俺も答える。
さほど天井が高いわけでもないにも関わらずその声が響いた。
「ふん…♪」
飛行停止処分を喰らって数分の割にマリーは
嬉しそうに鼻息を鳴らしてドリンクバーへ駆け寄る。
置いてかれた俺はジョッキに得体の知れない液体を
並々と注ぐマリーをただボケーっと見つめる。
続いてドリンクバーに併設されたバイキングに移動して
チーズバーガーにフライドチキン、フライドポテトに
ホットドッグ…と手当たり次第にジャンクフードを
掻っ攫い、トレーいっぱいに積み上げた
ジャンクフードとジョッキを
抱えたマリーはその足でシアタールームに入って行く。
とりあえず普通サイズのコップにジンジャーエールを
注いだ俺はポテトチップスだけ取って後を追う。
マリーのセレクトで上映され始めたのは
恋愛モノのアニメ映画だ。
しかし当のマリーは映画そっちのけで
チーズバーガーに齧り付く。
「お前…、よくそんなに食えるな…」
「…おいひい」
「あぁ、そう…。」
飛行停止処分のせいでかなり凹んでいる俺とは対照的だ。
俺の場合は怒りやらショックやらで
ジンジャーエールすら口に含む気になれない。
「ん…んく…、ふはぁっ…!」
幸せそうにチーズバーガーたいらげたマリーは
ホットドッグに手を伸ばしかけてそれを止める。
「…何?」
どうやら俺に見られているのが気になるらしい。
「いや、幸せそうに食うなぁ…って。」
「ここのメニューをコンプするのが目標。」
それだけ言うと、マリーはホットドッグに齧り付き、
ジョッキに注がれた液体で流し込む。
「んく…んく…んく……ぷはぁあっ!!」
大人顔負けの飲みっぷりだ。
もしかするとビール会社からCMのオファーが来るかもしれない。
フードファイターの如き勢いでジャンクフードを
かき込むマリーを尻目に俺はいつのまにか飲み干していた
ジンジャーエールのおかわりを取りにシアタールームを出た。
ドリンクバーでジンジャーエールを注いでいると、
娯楽室に入ってくる1人の女性プレイヤーが目に入った。
茶髪で背は低く、ボインボイン。
「何だ。」
そして性格はキツイ。
「……。」
俺は無言でコップに視線を戻した。
「おい、お前。」
声をかけているのは俺に対してだろう。
そうであって欲しくはないが、俺以外に人は居ない。
「…なんか用か。」
目を合わせると殺されそうなので俺はコップだけに
視線を集中する。
「レイヴン隊を探している。知らないか?」
俺たちのことだ。
俺は思わず隣のロリ巨乳を見る。デカイ。
違うそうじゃない。
「あぁ、知ってる。来いよ。」
素っ気なく返した俺は足早にシアタールームへ向かった。
振り切れるはずもないが振り切れた事を願って。
俺はシアタールームに入るや否や
「マリー、問題発生だ。」
「…ん?」
マリーに非常事態の発生を告げるが、
「なんだ。ここか?」
「ぶふううぅぅっ!?」
現れたロリ巨乳を前にマリーはジュースを吹き出した。