この世界に転生して5年が経った。一応『煉獄』が使えるか確認したがちゃんと使えた。けど今の俺はただの五歳児だから前の世界の身長の二倍の武器は使えるはずもなく当分『煉獄』はお預けになってしまった。それにここの世界は前の世界と違ってすごく平和だった。ただしとあることを除けば...
「いいかエル?東和国とウェスト公国の二つはいがみ合ってるがいつかきっとお父さんとお母さんみたいに国とか関係なく仲良くなれるんだ。だからエルは俺たち二人みたいに東和国やウェスト公国とか関係なくみんな平等に接してほしい。ま、今のエルに言ってもわからないか」
そう言って笑いながら俺の頭を撫でる人。この人がこの世界での俺のお父さん、その後ろで優しく微笑む女性がお母さんだ。
確かに俺が転生者じゃなく普通の子供だったらわからなかったかもしれないが俺はそうじゃない。だから俺はお父さんに言う。
「うん!難しいことはまだわからないけどいつか僕はお父さんとお母さんみたいになる!」
俺は出来るだけ子供っぽく言う。
「そうか!それでこそ俺ら二人の息子だ!」
そうこの世界は東和国とウェスト公国の二つがあってこの二つの国は敵対関係にあった。その中で俺の親は高等部時に今の二つの国の考えがダメだという考えが一緒だったためまずは自分たちの通っている高等部から変えるという目標を密かに立てていたらしい。そして二人は周りに今ではいけないという事を伝えたが誰も聞き入れてはくれなかった。もちろん二人のとても親しい友人たちは最初の方は納得してくれたが結局最後は諦めてしまった。ついには二人も高等部を卒業するころには諦めてしまった。その後二人は普通の恋人として付き合い10年前自分たちの親族だけを呼び結婚式に呼び式を挙げたらしい。これがお父さんから聞いた話だそれに今でも高等部に立てた目標はまだ諦めてきれないらしい。
(それなら俺が二人の目標を達成させてみせる!まぁ明日からでもやっていけばいいが今の俺には仲がいい友人がいないんだよな。だからやるなら高等部からだそこで俺は頂点に立って高等部から変えて次に初等部、最後に中等部の順番で変えていく)
ちなみになんで初等部と中等部の順番が逆かというと、初等部でいくら生意気な子供いたとしても根は素直な子が多いはずだから先に初等部からなのだ。決してロリコンとかじゃないからな!
(そのためには今より多く勉強してそして今度は自分も死なずに誰かを守れるくらいに強くなる!けど今日は遅いし明日からでいいや。そういえば現実世界にいたときには誰かが『明日やろうはバカ野郎』って言ってたな)
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それから勉強終わったら修行の日々続いた。最初は頑張ってるな程度でしか見てなかった親だが一ヵ月過ぎたころから少しずつ心配されることが多くなった。こんなの前の世界に比べたらどうってことないだがそんなことは親には言えないから、『僕ね!お父さんとお母さんが出来なかったことを今度は僕がやるんだ!だから頑張る!』と言った。そしたら二人は泣きながら俺に抱き着いてきた。それから二人はその日から少しずつ俺に甘くなっていた。その理由にを聞いてみたら『自分では気づかなかもしれないが身体は少しずつ疲労とかでストレスが溜まるものだ、だからストレス解消ていうわけではないが俺ら二人が出来ることはこれくらいしかないからな。だからきつくなったらいつでも言いなさい?』と言ってきた。正直めちゃくちゃ泣きそうになったがそこは我慢した。
さすがにこれ以上親に迷惑をかけるのはダメだと思い勉強と修行がの時間を減らした。そして減らした分の時間はウェスト公国が自分たち東和国の反応を見るためにウェスト公国付近の公園で一人いる時間を作った。だけどその公園は滅多に人が通らず通っても誰も公園には見向きもしなかった。
だけどいつもみたいにその公園のベンチでボーっとして時間を過ごしてたら入り口の方から金髪で髪が肩まで伸びてる一人の少女が立っていた。数秒目が合うとその少女はこちらに向かって歩いてきた。
「ねぇこんな時間に何してるの?」
「そういう君こそ何してるの?」
「私は少し散歩してたの。それであなたは?」
「僕はいつもこの時間に来てこうやって何もしないでボーっとしてるんだ」
「それって楽しい?」
「うーん楽しくはないかな」
「じゃあなんでやってるの?」
「ここの公園ってあまり人が通らないんだよそれで静かだからこうやってボーっとしてると落ち着くんだ。君も一緒にどう?」
「...うん」
そう言って俺の隣に座る。そして五分ぐらい経つと女の子が口を開いた。
「なんか落ち着く」
「でしょ?」
「うん。でもなんであなたはここでこんなことしてるの」
「実はウェスト公国が僕みたいな東和国の子供の事をどう思ってるのかなって思って反応を見るためにここに来たんだけど人が全然通らなくてそれでもこうやってここで人が通るのを待ってたらこうやってボーっとしてるのが習慣になっちゃったんだ」
「あなた東和国なんだ」
「そうだよ」
「へぇ」
「あれ?君は他のウェスト公国の子みたいに何か言わないの?」
「なんで?どうして東和国だから悪口とか言わないといけないの?私はそんなの違うと思う」
(へぇ、俺以外にもこういう子はいたんだ)
「そっか僕と同じだね!」
「同じ?」
「うん!僕もね相手がウェスト公国だから悪口を言うのはいけないことだと思うの。それで僕には叶えたい夢があるんだ」
「夢?」
「うん!僕のお父さんは東和国でお母さんウェスト公国なんだ!それで二人は国が違うから悪口を言ったりするのは良くない!ってよく言うんだ。それで二人は高等部の時にこんな世界を変えるていう目標があったんだけど結局変えられなかったんだ。だから僕がお父さんのとお母さんの代わりにこんな世界を変えるんだ!」
「なんかすごいね」
「でしょ?だから......最初の一歩として僕と友達になってください!」
女の子に向かって頭を下げて右手を出してお願いをする。
「いいよ!私もあなたの夢を手伝ってあげる!」
そう言って俺の右手を握ってくれる。それにさっきまでは少し暗い感じだったがいきなり明るくなった。きっと少し警戒をしていたのだろう。
「ジュリエット」
「え?」
「私の名前。ジュリエット・ペルシアだよよろしくね!...えーと」
「僕はエル!神崎エル!よろしくねペルシアちゃん!」
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それから俺とペルシアちゃんは周りが暗くなるまで話した。
「あ!もうこんな時間!」
ペルシアちゃんが公園に立っている時計を見て言う。
「本当だ...じゃあ今日はこれでお別れだね」
「そうだね......ねぇ」
「うん?」
「明日もここに来る?」
「来るよ!ていうか僕は毎日来てるよ」
「本当!じゃあ明日もこうやってお話ししない?」
「うん!」
「やった!じゃあまた明日ねエル君!」
「うんまた明日!」
公園の出口に向かうペルシアちゃんを最後まで見届けた後俺も家に向かって歩き始める。
(よし!まずは第一歩!とりあえずお父さんとお母さんには報告しておこう)
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はい、どうもヨーグリーです。
まずはお気に入り登録した方ありがとうございます。
今回で試作品の二つ目です。今のところではあと二話続く予定です。そして次回で原作前が終わります。
多分読んでいて『ここ原作と設定が違うぞ?』ていうところがあるかもしれないですが自分はまだ原作を読んでないので違うところがあると思います。一応wikiの方で世界観を調べましたがあまり詳しくは見てません。それなら原作を早く読めよ。って思う方もいると思いますが最近何かと忙しくて読めないんですよね。それに前回言ったんですが今書いている作品が後半に入ったら本格的に活動していくつもりです。それまでにはきちんと原作を読んでおきます。
それじゃあもう書くことが無いので今回はここまで、また次回!