俺がペルちゃんと知り合って5ヵ月が経ったある日今日も俺らはいつもの公園で話していた。
「それでね犬塚が...どうしたのさっきから僕の顔ばかり見て」
「い、いやなんでもないよ!それでなんだっけ?犬塚?って子が体育の時間で転んだんだっけ?」
「いや、そんな話してないよ?それに顔も赤いけど大丈夫?熱でもあるの?」
熱があるか確認するためにペルちゃんの前髪を上げておでこに手を当てる。少し熱いな。
「にゃ、にゃんでもないから!」
「でもさっき触ったら少し熱かったよ?今日はもう終わりにする?」
「それはだめ!」
いきなりペルちゃんが大声を出した。
「ま、まぁペルちゃんがいいならそれでいいけどあんまり無理しちゃだめだからね?」
「うんわかってる」
「それじゃあさっきの続きでも...あー何話してたか忘れちゃった」
「私も忘れちゃった」
「ま、いっか今日はもうこのまま時間までボーっとしてようか」
「うん」
ベンチに深く腰を掛けて空を見る。するとペルちゃんが手を握ってきた。
「えっとぉ...ペルちゃん?」
「だめ...?」
上目使いで聞いてくるペルちゃん。
(ぐはっ!これはまずいシルさん以上の可愛さだ!あの人は狙ってやってるけどこの子は狙ってやってるわけじゃないからタチが悪いぞ。それにまだこの子がまだ5歳でこの世界では同い年だが俺は精神年齢で言うと軽く30超えているおっさんだからよかったわ。もしこれが高等部のペルちゃんだったら一発で落ちたわ)
「もちろんいいよ!」
「やった!」
そう言いながら小さくガッツポーズをする。うん可愛い。...あれ?俺落ちてね?
それから何も話をしないで手だけを繋ぎ時間だけが進む。俺はこんな時間がとても心地よいと感じてしまう。もしこんな時間が続くなら俺はきっとどんな手を使ってもこの子を守るだろう。
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「あ、もうこんな時間」
「本当だ」
「時間が経つのはやいなぁ...」
「どうせ明日もここに来るんだしよくない?」
「よくない!エル君は女心っていう物を何もわかってない!」
「そ、そうすか」
「そうだよ!今日は今日!明日は明日って言葉があるでしょ!それだよ!」
「あ、はい」
「むぅ!絶対わかってない!...もういいもん今日は時間がないからまた今度教えてあげる」
「お、お手柔らかにお願いします......」
「それじゃあ...また明日」
「うんまた明日」
ペルちゃんと公園の入り口まで一緒に行きお互い挨拶をして俺はペルちゃんが遠くなるまで見届ける。
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「ただいまー」
公園から帰ってきていつもみたいに最初に部屋に行って部屋着に着替えリビングに向かう。そしてリビングに行くとお父さんとお母さんが真剣な顔をして話していた。
「どうしたのお父さん?」
「帰ったか」
「うん今さっき。それでどうしたのなんか真剣な顔をしてるけど」
「エル、慌てず聞いてくれ」
「うん」
「俺とお母さんは親族以外には結婚したことを言ってないのは知ってるよな?」
「うん」
「実はな東和国とウェスト公国のとある人物から目を付けられているという話を俺の親父から聞いてなそれで一週間後にフランスの方に親父の友人がいるからその人に匿ってもらうことになった」
「本当に言ってる?」
「ああ、すまない俺が不甲斐ないばかりに」
「期間はどれくらい?」
「とりあえず国の目をある程度避けられるまでだな。でも安心してくれダリア学園の高等部までには間に合うように話をしておく」
「わかった」
「本当にすまない」
「エル、ペルシアちゃんにはきちんと言っておくのよ?」
「うん...悪いけど色々することがあるから部屋に戻るね」
部屋に戻りこの一週間ペルちゃんに出来ることを考えた。
(とりあえずどうするか...お父さんはダリア学園の高等部には間に合うように話を付けてくれるらしいからそれについては心配はないだろう。俺の夢は高等部から本格的に始動するからな。けどペルちゃんにはどうしようかな。......うーんだめだ!なにも思い浮かばない!とりあえず今日からフランスに行った時のことを考えよう。フランス語は現実世界の方で興味があって勉強したから話せるし)
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そしてついに一週間が経ちフランスに行く前日になった。
「ペルちゃん」
「なに?」
「今日は大事な話があるんだ」
「大事な話?」
「うん......実は明日僕フランスに行くことになった」
「え......?」
「ごめんね本当はもっと早く言うべきだったんだけど、どうしても言い出せなくて」
「なんで?」
「お父さんの都合で......」
「やだ!私エル君と離れたくない!」
そう言って俺の手を掴む。
「俺もペルちゃんと離れたくないけどだめなんだ」
「どうして!」
「どうしてもなんだ」
「なら私も一緒に行く!」
「無理だよ」
「そんなの言ってみなくちゃわからないよ!」
「無理なものは無理なんだよ......わかって」
「やだ!わかりたくない!一緒に!私はエル君と......一緒に...いたい」
さっきよりも手に力を入れて俺の手を握るペルちゃん。それに対して俺も握り返す。
「聞いてペルちゃん」
「......なに?」
「僕ねダリア学園に入ろうと思ってたんだ。初等部と中等部はフランスの学校になると思うんだ。けど高等部までには帰ってくると思う。それで戻ってきたらダリア学園に編入するつもりだよ」
「それじゃあ...」
「うんもしペルちゃんがダリア学園に行くなら高等部になるけどまた会えるよ」
「行く!私ダリア学園に行く!」
「じゃあ約束ね?」
「うん約束!」
そして俺たちは指切りをしてお互いに手を繋ぎいつもみたいにベンチに座る。けどその距離はどこかいつもより近い。
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「あ、もう時間だ」
「本当だ」
「うぅ...やっぱり嫌だよ......」
「もうまた泣くんだからどうせ高等部で会えるでしょ?」
「そうだけどそうじゃない!やっぱりエル君は女心をわかってない!」
「確かにそうかも」
「そうだよ!」
「そしたらペルちゃんにこれあげる!」
俺は今日持ってきた手提げ袋から紙袋を出しその中身を出す。
「ヘアピン?」
「うんペルちゃんはいつも頭にリボン付けてるでしょ?それでリボンか髪にでもつけてもらえればいいなって思って」
俺が渡したのは淡い黄色みを帯びた白色の花びらがついたヘアピンだった。
「すごーい!綺麗!」
「でしょ?ペルちゃんの髪の色とも合うと思ったんだ!」
「ありがと!エル君!」
「どういたしまして!」
「ちなみにこれはなんて名前の花なの?」
「それはねヒマワリだよ」
「え、でも私が知ってるヒマワリは黄色じゃ...」
「確かにヒマワリって言ったら黄色だけどそのヒマワリはイタリアンホワイトていうヒマワリなんだよ」
「へぇ」
「あとそれが今の僕の気持ちだよ!」
「エル君の今の気持ち?」
「うん!」
「えっと...うーん?」
「まぁ普通はわからないよね。家に帰ったらお母さんに花言葉を聞いてみるか自分で調べてみてよ」
「うん...」
「......それじゃあこれ以上だと暗くなっちゃうし」
「そうだね...」
「じゃあまたダリア学園の高等部で」
「うん!」
そう言ってお互いに振り向き家へと帰る。
(待っててねペルちゃんいつかきっとお父さんとお母さんの夢を叶られるぐらい強くなって君を守れるぐらいになるから......!)
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はい、どうもヨーグリーです。
というわけで今回で原作前終了です。
今更ですがペルシアの口調は自分の予想です。
今回も書くことが無いのでここまで。それではまた次回!