エルとジュリエットの寄宿学校   作:ヨーグリー

7 / 9
炸裂!必殺の右ストレート!

  次の日今日も通路の前で黒犬と白猫が対峙していた。もちろん俺も呼ばれた。

 

「蓮季さんや?なぜ俺も呼ばれたのでしょうか?」

 

「そんなのもちろん神崎が黒犬の生徒だからだゾ」

 

「えぇ...俺戦うの嫌いなんだけど...」

 

 蓮季に言うと白猫側から昨日俺が下敷きにした人、スコット?が言ってきた。

 

「ふん!ただ戦うのが怖いだけじゃないのか?それなら今すぐに自分の部屋に戻ってるんだな!」

 

「戻れるなら今すぐにでも戻って寝たいよ...」

 

「ダメだゾ!」

 

「ほらな?」

 

「なら!昨日僕を下敷きした恨みここで晴らす!」

 

 そう言ってスコットは俺に殴りにかかる。けど俺はそれを躱す。

 

「ほぉ、なかなかやるじゃないか、ならこれならどうだ!」

 

  さっきより動きが速くなり手数も増える。

 

「スコットだっけ?止めるなら今のうちだよ?」

 

  全ての攻撃を躱しながらスコットに言う。

 

「それなら貴様が止めて見せるんだな!」

 

「言ったからね?」

 

俺は一度スコットと距離をとる。すると後ろからロミオが話しかけてくる。

 

「大丈夫かエル!?」

 

「あ、うん大丈夫だよ」

 

ロミオに言ってスコットを見る。

 

「えっとぉスコット?でいいんだよね?」

 

「いい加減名前覚えたらどうだい?」

 

「うん、まぁ善処するよ。んじゃあ次は俺の番ね?」

 

右足を肩幅まで広げて少し右を向く。そして右手に力を入れる。

 

「実はさ俺って自分が満足いく起き方をしないと寝起きが悪いんだよね。それで今朝誰かにドアを思いっきり叩かれて無理やり起こされたんだ、そのせいでめちゃくちゃ寝起き悪いんだ。だからスコット...君でこの機嫌を直さしてもらうわ」

 

そして俺はそのままスコットとの距離を詰める

 

「な!速すぎる...!」

 

「くらえ必殺スーパー......右ストレート!」

 

 スコットの顔面を殴る。

 

「ぐはぁ!」

 

 殴られたスコットはそのまま一直線に吹っ飛ぶ。

 

「スコット!」

 

「すげぇぇぇぇ!」

 

 それを見たペルちゃんはスコットの名前を叫び、ロミオも叫ぶ。

 

「ふぅ......よしスッキリした」

 

「お、鬼だゾ......」

 

 そして俺はそのまま昨日置いて行ってしまったギターを取りに行くため噴水広場に向かう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「確かここに置いたと思うんだけど...」

 

「探してるのはこれ?」

 

 俺がギターを探してると後ろから声をかけられる。

 

「ペルちゃん...」

 

「これ探してるんでしょ?」

 

 そう言って背中に背負っている俺のギターを下して前に差し出す。

 

「あ、うんそうこれだよ!昨日置いて行っちゃってさーありがとね」

 

 差し出せされたギターを受け取る。

 

「昨日はありがとねおかげで決心がついたわ」

 

「俺は何もしてないよ決めたのはペルちゃんだよ」

 

「ううんエル君が言ってくれなきゃいつまでも決まってなかったと思う。だから私こそありがとね」

 

 お礼を言って俺に微笑むペルちゃん。

 

「それでね今日の夜空いている?」

 

「夜?まぁ空いてるけど」

 

「そう、なら昨日と同じ時間にここに来てもらっていい?」

 

「まぁいいけど」

 

「ありがと、それじゃあ先に戻るわ。ちゃんと来てよ?」

 

「うん」

 

 そのまま白猫の校舎に戻って行く。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 一度自分の部屋に戻ってギターを置いてきてから教室に戻る。

 

「神崎!さっきのやつ凄かったな!」

 

「どうしたいきなり」

 

 戻ると蓮季が俺に近づき言ってくる。

 

「ああ蓮季がさっきお前がスコットを殴ったの見てからずっとこうなんだよ」

 

「あ、そうなんだ...」

 

「どうやったらあんな風に出来るんだ!?」

 

「えっとぉ...修行?」

 

「しゅ、修行って一体どんな修行すりゃあんな速く動けるんだよ...」

 

「もう死にたいと思いたくなるような感じのやつかな?」

 

「「本当にどんな修行!?」」

 

「まぁ冗談だけど......四割ぐらい」

 

 つい最後の方が小声になってしまう。

 

「お、おい今最後の方聞いちゃいけないことを聞いた気がするんだが...」

 

「は、蓮季もだゾ...」

 

「とりあえず席に座ろ?授業始まるよ?」

 

「おう。あと、エル後で話があるから昼休みいいか?」

 

「ああ...」

 

 ロミオが真面目な顔で言ってきたから俺もつられて真面目な顔をしてしまう。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

 昼休み俺とロミオは人目のつかない場所に来ていた。

 

「それで話って何かな?」

 

「ああ、昨日の事でな」

 

 ドクンッ...

 

 (落ち着け俺。たとえロミオとペルちゃんが付き合っても応援するんだ。昨日ペルちゃんに言ったばかりじゃないか)

 

「どうなった?」

 

 俺は出来るだけ平常心を保つようにする。

 

「俺たち...」

 

「ああ」

 

「友達になることになった」

 

「......は?」

 

「え?」

 

「友達?恋人じゃなくて?」

 

「ああ友達になった」

 

「それって振られた...てことでいいの?」

 

「あんまり振られたって言わないでくれ!思い出しただけで泣きそうになるんだ。...く、くっそぉぉぉぉぉ!」

 

「な、なんかごめん」

 

 四つん這いになり地面に向かって悔しそうに叫ぶロミオ。

 

「それでなんでそうなったの?」

 

「ああそれがな...」

 

ーーーーーーーーーーーーーーーー

 

『待たせたわね』

 

『もういいのか?』

 

『ええ」

 

『そ、それじゃあ答え聞いていいか?』

 

 一度目を瞑り深呼吸をする。

 

『ごめんなさい犬塚。私あなたと付き合えないわ』

 

『そんな......』

 

『あ!勘違いしないであなたが嫌いだからってわけじゃないの』

 

『ならどうして...』

 

『私他に好きな人がいるの』

 

『それってもしかして...エルの事か?』

 

『そ、そうよ』

 

『そっか...エルならしょうがねぇか』

 

『何も言わないの...?』

 

『他の奴だった文句の一つは言ってやりてぇがエルならしょうがねぇよ』

 

『ずいぶん彼の事を買ってるのね』

 

『ああ、あいつは俺にって蓮季と同じ親友だからな。まぁ初等部と中等部はあいつの親の都合でフランスに行っちまったがな。そういうペルシアはどうなんだ?エル君って呼んでるけど』

 

『私も昔彼とは仲が良かったのよ。それでいつの間にか好きになってたの』

 

『そ、そうか......』

 

『それに私も彼と同じ夢があるから』

 

『夢...?」

 

『初めて彼と出会ったときに教えてくれたの。エル君のお父さんは東和国でお母さんがウエスト公国なんだって』

 

『まじかよ!』

 

『それで彼のご両親がダリア学園の高等部の時に国が違うだけで争うのは良くなって思ってたらしいの。それで二人でこんな世界を変えようってなってダリア学園から変えようとしたんだって。だけど結局それは出来なかったの』

 

『そうだったのか...それでその話がエルの夢にどう繋がるんだ?』

 

『まぁゆっくり聞きなさい。ご両親の話を聞いた当時の彼は二人の出来なかったことを僕がやるんだ!って言ってたの。しかもまだ5歳よ?けどその眼には口先だけではない覚悟があっただから私はその夢を手伝うって決めたの』

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

 

「とまぁこんな感じだな!」

 

「いやちょっと待ってすげー色々言いたいことがあるが...その話のどこに友達になる要素があった!?」

 

「あ、その部分忘れてた」

 

「はぁ相変わらずだなロミオは...それにお前はそれでいいのか?」

 

「何がだ?」

 

「お前の好きな相手の好きなやつが目の前にいるのにいいのかってことだよ」

 

「......よくねぇよ。しかもすげぇ悔しいよ。でもエルなら仕方ねぇかなって納得は出来るかなって...」

 

 その言葉を聞いて俺は腹が立った。それはロミオの本心ではないからだ。よくない、悔しい、たしかにこの二つは本心だ。だけど最後は違う。こいつはエルなら仕方ないって納得したと言ったがそれはただの強がりだ。俺はロミオの事は親友だと思っている。だからこそ最後まで本心を言ってほしい。だから俺のやることは一つしかない。

 

「お前舐めてんのか?」

 

「は?」

 

 俺を惚けた顔で見てきたからそのまま顔を殴る。

 

「いってぇな!何すんだよ!」

 

「ふざけんじゃねぇよ!」

 

「なんだよいきなり...」

 

「何が納得できるかな...だよ!今の自分の顔見て同じ事言えるのか!?」

 

 そう言って俺はポケットからスマホを出してカメラを起動させてインカメにする。

 

「ちょ、お前携帯の持ち込みはきん...し...」

 

「わかったか?お前は納得できるって口では言ってるがそれはただの強がりだ今の自分の顔を見てわかっただろ」

 

「ああ...そうだよ!悔しいよ!思ったよ俺じゃなくてなんでエルなんだって!けど...ペルシアがお前を好きって言ったんだなら諦めるしかねぇだろ...」

 

「へぇ、犬塚露壬雄ってそのその程度の男だったのか」

 

「は?」

 

「俺の知ってる犬塚露壬雄は目つきは悪くて口も悪い、しかもすぐ暴力を振るう奴だ。けどな簡単には諦めるような奴じゃなかった。でもまぁ今ここにいる犬塚露壬雄は俺の知ってる犬塚露壬雄とは真逆のザコのようだしな。んじゃ俺はそんな奴には話が無いから行くわ」

 

 言いたいことだけを言って俺は後ろを向き校舎に戻ろうとする。

 

「...待てよ」

 

「あ?まだ何かあるのか?」

 

 ロミオに呼ばれ後ろを振り向く。するとそのまま俺の顔を殴りに来る。それを俺は受け止める。

 

「だれがザコだって!?散々好き放題言いやがって!いくらエルでも許さねぇぞ!それに悔しくねぇわけねぇだろ!それなら俺がペルシアを振り向かせればいいだけじゃねぇか!」

 

「ふん」

 

 ロミオの言葉を聞いて俺は少し笑ってしまう。

 

「何がおかしいんだ」

 

「いや、やっと俺の知っている犬塚露壬雄に戻ったなって。それにやっと本心も言ってくれたしな」

 

「あ...」

 

 俺の左頬にあるロミオの右手を掴んでゆっくりとおろす。

 

「俺はお前の親友だ。それにこれはペルちゃんにも言ったことだが人生ていうのは一度しかないんだ。後悔しても遅いんだ。だから誰かに遠慮して生きるな...特に俺にはな?」

 

「ああ。ありがとなエル。おかげでスッキリした」

 

「それは何よりだ。それじゃあ次は俺の番な?」

 

「は?」

 

「だってお前俺のこと殴ったじゃん」

 

「いや、その前に一回俺の事殴らなかったか?」

 

「あれはノーカン。それにさっきのは挑戦状として受け取ったからな。それに俺もペルちゃんのこと好きだから俺からも負けないって意味を込めて殴らせてもらうわ」

 

「ちょっと待ってくれ!話会おうぜ?今ならまだ間に合うから、な?」

 

「や・だ」

 

 そして俺は朝スコットを殴った時の構えをする。

 

「必殺スーパー......右ストレート!」

 

 そしてロミオは吹っ飛んで行った。

 

「やべ、力加減ミスった......まぁいっか」

 




はい、どうもヨーグリーです。

皆さんは今日のクリスマスはどう過ごしましたか?自分はドラゴンボールの映画を見に行きました。あ、もちろん友達と一緒にですよ?

そして来週で今年も終わりますね。一応あと一話分書き溜めしてるのでそれを出したら今年最後になります。

それでは今回はここまで、また次回!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。