めざめしんそー   作:しんそー

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第1話

あなたにとっては残念な結果となりましたが、あなたの日々の努力に心から敬意を表します。雄英高校は、あなたの挑戦を応援しています。

 

 

不合格通知の最後の一文。

 

読みたくはなかったけど、読まなきゃいけない。そう思って不合格通知を隅から隅まで読んだ。

 

届いたものが、あまりにも薄っぺらいので覚悟はしていた。

 

けど、やっぱり悔しくて、辛くて、泣きそうで……てか、泣いたけど。

 

普通なら読むのに1分もかからないであろう、高々A4用紙の紙切れ1枚。

けれど、俺は10分も20分もかけた気がする。

 

そして、辿り着いた最後の一文。

不合格通知のテンプレートなのかもしれない。

 

けど、俺は今までの人生でどれだけの努力をしてきたのか?

 

他者を見下し、自分の個性を蔑み、他者の強個性を妬む。

 

相手がどんなに強くても会話さえ出来れば俺の勝ち。

なまじ対人限定では超強個性が故にできた醜い自尊心。

 

入試試験がロボットじゃなければ……と出来なかった理由をよそに求める甘え

 

 

ああ、俺の性格や態度って没そのものだったんだな……

 

 

ふと、自分の体を見下ろす

痩せ細った体だ。みるからに弱い。頼り甲斐のない。

 

ヒーローの本義とは敵をやっつける事にあらず、人を助ける事。

 

 

 

俺の心の底から憧れたヒーローはみんな頼り甲斐のありそうな体つきであった。

 

身体増強系のオールマイトは別として、ナンバー2のエンデヴァーも火を操る個性なのに筋骨隆々だ。

 

きっと俺がヒーローだったとしても、俺に助けてもらいたいと思う人は少ないだろう。

それは個性のせいじゃなく、ヒーローの資格、心構えだ。

俺って足りないものばかりなんだな。

 

 

 

遠い噂で、雄英体育祭のリザルト次第では普通科でもヒーロー科に転入出来ると聞いたことがある。

不合格の時はここで目立とうと思った。けれど、今はそんな気持ちじゃない。

 

雄英普通科にいって、体を鍛えて個性を伸ばして、

 

そして、もう一度

 

憧れたヒーロー達に成長を見てもらおう。

 

いや、やっぱり、ヒーローにはなりたい。

だから、ヒーローになる為に出来る限りの努力をしよう。

 

その結果として、ヒーローになったら最高。

 

出来なくても、きっとその努力と、現役のプロヒーローや将来のプロヒーローと関わり合いが持てたなら……

 

きっとそれは無駄な事じゃない。

 

俺の人生はこれからも明るい。

俺の個性は人のために使いたい。

 

 

 

ヴィラン向きの個性って事は、裏返せばヒーロー向きの個性でもあるんだ。

 

 

 

 

 

これは、俺が最高のヒーローになる物語。

 

そして、そんな俺の原点は、家の中で第1志望校の不合格通知を読んで大粒の涙をボロボロと落としたときだ。

 

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