最後のループである。
俺はこの世界のループをクリアする事でようやくこの無限ループから解放される。
……のだが、今回のループはドラゴンボールの世界。やべえ。今から挫折しそう。
そこでのループ終了条件は全王の力を手に入れる事。
うん。無理。
ドラゴンボール最強にして絶対の存在の力とか。まず無理である。
正直NARUTOの世界とドラゴンボールの世界とでは強さのレベルが違う。パワーインフレの金字塔である。序盤で月は壊れるわ星は砕かれるわの世界だ。
まあ、相変わらず拒否権はないから結局やるしかないんだけどね!
そんなこんなで心機一転、ドラゴンボールの世界でのループは始まった。
一ループ目。
なんの変哲もない一般家庭の子として生まれる。
この始まりは本当に懐かしい。
どれくらい懐かしいかというと二度と体験したくないぐらいには。
さて、気を取り直してどれほど動けるかの確認を始める。
まあ、力は全て没収されたので大体は各世界の技術がどれくらい使えるかの確認であるが。
その結果、ある程度は使えることが分かった。
まず忍術。
精神エネルギーと身体エネルギーを掛け合わせてチャクラとするのが忍術である。ドラゴンボール世界の気は色々な呼び方があったりするとんでもエネルギーなためかある程度のコツを掴めば出来た。血継限界である氷遁や木遁も出来たため、ドラゴンボール世界ではNARUTO世界のルールがあまり適応されないらしい事が分かった。
瞳術。
使えない。平凡な一般家庭だしね。そりゃ使えないわ。
六道仙術。
上に同じ。仙術はなんとか出来たのでまあ満足。
戦闘技術。
体を鍛えれば普通に使えた。まあ、記憶だからね。使えるわな。
そんな感じで、現時点での戦闘力を理解した俺は、どうせだからと趣味に走った。
どうせこれが最後の世界である。少しくらい気を緩めてドラゴンボール世界を生きる事にした。
その手始めとして、漫画の技を再現してみた。
まずドラゴンボールのかめはめ波。舞空術、瞬間移動、界王拳。
ワンピースから、六式や覇気。刀語から虚刀流。Fateシリーズから燕返し、無明三段突き、圏境。他にも様々な二次元の技の数々。ドラゴンボールの世界という混沌とした世界に来たのだ。いずれ来る終わりの時まで楽しむのも悪くないだろう。何より、強くなるのは確かなのだから。
二百ループ目。
全ての技を再現。習得する事が出来た。流石ドラゴンボールの世界。無茶が効きすぎる。怖い。
技の再現をするために、まずはこの世界の武術や技術から学んだ。ある程度の心得はあるが、本格的なものはあまり学んでこなかったからだ。
それで大体五十ループは費やし、一流レベルの腕を得た。俺が目指すのはそれで初めてスタート地点に立てるようなものばかりなのでようやくといったところである。
その過程でドラゴンボールを集め、願いを叶えたりした。写輪眼の再現を頼み、なんとか万華鏡写輪眼までは再現する事が出来た。須佐能乎は無理だったが、大国主と八上比売の力は取り戻せた。これでループ終了に向けての布石は打てたので満足である。
武術や技術を学ぶ過程で仙人となり、長寿の力を得た。亀仙人と同年代なので原作開始まで数百年は時間があるが、今は技の再現が重要なのでそこら辺は今は気にしない。
もう五十ループをかけて技の再現を全て再現するに至る。次にそれらを原作よりも使いこなし、上回るように磨きをかけるためにもう百ループ消費した。
そして、全ての再現、及び昇華を達成した俺はようやくループの終了に向けて動き始めた。
次のループにて。
一旦強くなるための修行をほどほどにし、ドラゴンボール世界の科学技術を学ぶ事にした。ドラゴンボール世界の科学技術は色々役に立つものが多いからな。学んでおいて損はないだろう。
カプセルコーポレーションに入社したいが、原作数百年前だから存在しないのでそれまでは別の場所で技術を学ぶしかない。いや、いっそのこと超能力とか魔法も学んでみるか?幸い、時間は無限にあるのだから。
それから更に百ループ。粗方の技術を吸収する事に成功する。
ドクターゲロの技術やブルマの技術を盗めたのは幸運だった。ヤムチャとベジータマジごめん。
ついでに隙を突いてセルの幼体を得て融合。更に人造人間も全て吸収し、完全体セルと同等の力を手に入れた。無差別に人間を捕食するのは止めておいた。今更そういう罪悪感はないが、それよりも効率のいい方法があるからである。
自爆である。
セル編において、主人公が犠牲になり、その直後に核が残っていたが為にパワーアップして復活。完全体セルからパーフェクトセルになったあの絶望を読者は忘れない。
なので自爆をする事にしたが、折角なのでパーフェクトセルも欲しいから人造人間を全て吐き出し、主人公達から遠く離れた場所で結界を張って気と自爆の被害を外に出さないようにして更に核にも自爆で壊れないよう結界を張って、自爆。
結果。
自爆からのパワーアップは成功した。第一形態にまで弱体化していたが、パワーアップ後はパーフェクトセルになっていた。一度は完全体まで至っていたからか無事にパワーアップ出来たようだ。これを俺は何度も繰り返した。いつかのループで手に入れ、大量生産を可能にした仙豆をアイテムボックスから取り出し、回復。そして自爆。回復。自爆。回復と何度も繰り返す。パーフェクトセルが生まれるまで何度でも。
そしてパーフェクトセルが生まれ、主人公達に敗れるその瞬間に密かに介入。核を確保して吸収し、再びレベル上げの作業に戻る。次に魔人ブウが復活した際には、正直虫けら同士の戦いを見ているような気分になるぐらい強くなっていた。サイヤ人式レベル上げマジヤバイ。魔人ブウをサクッと吸収し、ついでにバビディとダーブラも吸収。サッと消える。そしてレベル上げ。魔人ブウを吸収したお陰で再生能力とスタミナがカンストした。なんだこのチート。なので折角大量生産出来た仙豆がいらなくなってしまった。核も要らず、肉片からでも再生が可能なのでレベル上げが捗る捗る。
そんな感じで日々を過ごしていると、ある日空から一人用のポッドが降ってきた。
何事かと見てみるとなんと、中には瀕死のブロリーが!
しめしめと吸収させてもらい、更にチート化。再びレベル上げに勤しむ。が、自爆し過ぎたせいか、一度の自爆では瀕死にならなくなり、それでも続けたら自爆しても瀕死どころか傷一つつかない訳の分からない再生能力か防御力を手に入れていた。なので自爆に代わるレベル上げとして太陽へのダイブを考えた。強敵との戦いもいいが、その場合破壊神ビルスが来ても困るからあまり気は進まない。かなり強くなった筈なのだが未だに勝てる気がしないからな。その点太陽はいい。様々な悪役が最期を迎えた無慈悲な処刑台。そこならば今の俺でも瀕死になれるだろう。
そして、俺は太陽に身投げした。
何重にもバリアを張り、気で肉体を強化してのダイブである。しかし流石は太陽である。あっという間にバリアは砕け、気で強化された肉体は瞬時に燃え尽きる。これだ。これでまたレベル上げが出来る。痛覚などの感覚は鈍くしているので然程苦痛ではないが、一瞬でも気を抜けばその瞬間には跡形もなく燃え尽きる環境だ。気力が尽きるのが先か。肉体が燃え尽きるのが先か。精々破壊神ビルスに一撃与えられるくらいには強くなりたいと思いながらレベル上げに意識を傾けた。
気が付いたら太陽を泳いでいた。
まさかの太陽克服である。
始めてから何年経ったかは分からないが、気が付いたら太陽でバタフライである。驚きである。
太陽をぬくい、としか感じない時点でもはやレベル上げには使えないのは理解していたが、まさか太陽を克服出来るとは夢にも思わなんだ。
これ以上ここでのレベル上げは不可能。次はどこにいけばいいのだろうか。……ブラックホールかな。重力の渦。流石にあそこに行けば瀕死になれるだろう。勢いあまって死んでしまってもまた次のループで挑戦すればいい。太陽から飛び上がり、ブラックホールを探しに宇宙を舞う。もはや呼吸も食事も必要としないし、寿命も仙人化諸々の影響で問題ない。気長に探すとしようか。
ブラックホールを克服した。やったぜ。
どれほどの時間が経ったか分からないが、気が付いたらまた克服していた。高重力下での戦闘はかなり良さげだったんだがなあ。まあ、最近は自分でも重力を重ねて強化していたからとっくに克服していたとも言えるが……。ふむ。太陽もブラックホールも克服してしまったわけだが、どうするか。やはり強敵との戦いしか選択肢はないのか。どうなのか。
「破壊」
次のループ。
なんだろう。こんな展開前にもあったような。
まあいい。
まさかの破壊神ビルスと遭遇。即破壊である。驚きである。というか何故に問答無用で破壊だったのか。虫の居所が悪かったのか、それとも危険とみなされるほどに俺が強くなっているのか。どっちか。ま、答えは分かっているけどな。
なんせ、前回のループでビルスの右腕を奪ったのだから。どちらかなんて尋ねるまでもない。
あの時、破壊神ビルスの破壊により、俺は破壊された。しかし、運良く肉片が残った。極小さな、目に見えないレベルの細胞片。そして、久しく忘れていた瀕死からの再生が始まり、力を得て復活した。そして隙を晒した破壊神の右腕を瞳の力で奪い吸収した。次の瞬間、本気の破壊により、今度こそ破壊された。
そして次のループ。今回のループにて俺は右腕分だけ破壊神ビルスである。つまりその分だけ破壊の力を手に入れたというわけだ。これで破壊の力に対抗する術も、そして逆にその力を使う事も可能だろう。これで次は破壊神ビルス全てを食らいつくせるだろう。
が、まずは、この力に慣れる事からだな。流石に神の力か。大筒木カグヤの力とはまた違った扱いづらさだ。だけど使いこなすには一ループで充分だ。
五百ループ後。
破壊神ビルスの力は予想通り一ループで使いこなす事が出来た。
そしてビルスとウィスに勝利し、吸収出来たのは比較的早めのループだったか。
しかし、全王は遠かった。
破壊神だろうが天使だろうが、大神官であっても遠かった。
全王の消滅の力は格が違った。まず食らえば防御も再生も不可能。回避も出来ない。ザマスとかいう奴やヒット、他世界の破壊神や天使も吸収したがどうしようもない。神龍を吸収したり、願ったりしても見たが、何の効果もなかった。
だからと何度も全王に挑んでいても、全く進展はない。
あまりにもどうしようもない事態に、俺は真正面から挑む事を止め、搦め手で行くことを決意した。
次のループ。
あっさりと全王の一部を奪うことに成功した。
方法は簡単。料理やお菓子を献上し、彼の細胞片が食器などに付着するのを待つ。それを細胞片が手に入るまで行った。それだけである。簡単過ぎて涙が出てきた。
手に入れた細胞片はクローン技術でクローンの生成に使用し、出来たそれを吸収した。
これで俺は全王の力を手に入れる事が出来た。
後はこれをオリジナルより使いこなせるように修行すればいいだけ。今回のループは比較的簡単だったな。
二千ループ後。
……なわけがなかった。
全王の力を手に入れたのはいい。だがいざ力の修行に入ろうとすれば全王の邪魔が入った。
どうやら力を使ったら全王に気付かれるらしかった。
しかしそれでもと繰り返し繰り返しループを重ね、ようやく力を使いこなせるようになったのが千ループ目。全王ともなんとか互角になり、戦いになるようになってきたのもその頃。宇宙ごと消滅されたりなんだったりされながらも全王と戦い、相討ったのが更に千ループ後。全王を討つ事が出来るようになったのは大きな一歩である。この調子でループを重ね、全王の力を超える。その為にはなんだってやってみせよう。
二千ループ後。
オリジナルの全王を丸ごと吸収した。
これにてループは終わり。
まさかこんなにも苦戦するとは。これまでの世界でのループより長い時間かかったかもしれない。
だけどまあ、これでループは終わったのだ。
ようやく転生する事になるが、それまでは少しばかり休憩してもかまわないだろう。
はあ、疲れた。
「やあ、久しぶりだね」
「神か」
「おめでとう。これで君は転生特典を全て手に入れ、無事転生する事が出来る」
「正直もう転生はお腹一杯なんだが?」
「おいおい、まだ転生特典を手に入れたばかりじゃないか。まだまだ満足してもらっちゃ困るよ」
「と言われてもな」
「なに、これから転生する世界は君を退屈させはしないよ」
「どうだか。神の力を手に入れ、世界の創造も破壊も可能な俺を満足させられるものがあるのか?」
「あるさ。なんせ、君の同類がうじゃうじゃいる世界なんだから」
「転生者か!」
「いぐざくとりー。まあ、君みたいな方法で力を手に入れた奴はいないだろうけどね。しかし転生者の力は君を殺しうる可能性を秘めている。素晴らしいと思わないかい?」
「悪くはないな。ループしない、正真正銘最後の世界だ。それくらいが丁度いい」
「よし。じゃあ早速転生させるね!」
「ああ」
「ちなみに転生先の世界は魔法少女リリカルなのはだから」
「ああ。ん?魔法少女?」
「そ。魔法少女」
「魔法少女かー」
「うん。それと君にもう一つ転生特典をあげよう。というよりこれも君が手に入れた転生特典だから、返すというのが正しいかな」
「うん?」
「君が今までのループで築いてきた絆。それを特典としよう。君専用の英霊の座みたいなものだね」
「え?」
「つまり君が絆を結んだ相手をサーヴァントのように召喚したり会話出来るようにするわけだよ。良かったね。普通のサーヴァントと同じく再召喚も出来るから、永遠に一緒にいられるよ」
「な」
「いやあ、リアル修羅場なんて中々拝めないから今から楽しみで仕方ない」
「ま、待て!」
「それじゃ、またね。転生者君。次に会う時を楽しみに待っているよ」
「うわあああああああああ!」