短編集。またの名を駄文廃棄場。   作:ゆらぎみつめ

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転生したので死ににくい特典を選んだら……。4・5

 

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 埠頭を後にした俺は、間桐邸の地下室に戦利品を持って帰ってきていた。まさか用心して最強の盾を使って行ったらギルガメッシュに絡まれるとは思わんかったわ。なんとか最強の目も併用して凌いだが。後はもうやけになってセイバーに八つ当たり気味に襲いかかったらディルムッドに右腕落とされるわ。ライダーにダイナミック轢き逃げをされるわ。散々だった。その後はディルムッドを怠惰の力で体当たりを決めて、セイバーには最強の矛を使い不意討ち。たまたま目の前にいたアイリスフィールを捕まえて逃げた。

 

 やべえ、原作崩壊待ったなしだ。流石にアイリスフィールを捕まえるのは不味い。原作でもバーサーカーが捕まえてたが、それはもっと後の話だ。序盤ではない。だが一度捕まえた敵マスター(仮)をリリースするのはまずあり得ない。ならばどうするか。今のうちに色々やるべきだろう。色々と。聖杯の器だしね。使い道は沢山ある。

 

 まずはアイリスフィールを喰らうとしますか。俺には食った相手の能力と知識をコピーする力があるからな。今までは良く分からなかったが、ようやく理解した。賢者の石により魂から情報を得ているのか、零時迷子の吸収の戒禁が発動しているのか、それとも両方か。まあ細かいことはどうでもいい。コピー出来る事が重要なので理由は後で考えるとしよう。

 

 アイリスフィールを喰らう。そして直ぐ様再構築を行う。原作のお父様が調子に乗っていた時にしたストックの魂に肉体を与えて生み出す所業だが、寸分違わず再構築をするのは意外に難しい。ようやく再構築を終えた頃には十二時を目前にした時だった。

 

 慌てて俺はいつものストック増幅を行う。六十四倍。サーヴァント六十四体分。聖杯が約九つ溜まるな。しかも今の俺はアイリスフィールを一度喰らったから、アイリスフィールの魂を基に聖杯を再構築、生成する事が可能になった。つまりガチで聖杯を複数持っているようなものである。やべえ、抑止力働かないよな?

 

 再構築されたアイリスフィールが目覚めるまで能力の考察でもしておくか。抑止力の事なんて考えるだけ無駄だしテンションが落ちるだけだ。前向きな事を考えよう。

 

 何故食らった相手の能力と知識をコピー出来るのか。考えてみたが恐らくは魂から情報を得ているからだろう。賢者の石は魂の集合体だ。個々の魂から情報が消える事はない。消える時は消費される時で、魂そのものが消える。魂から何故情報を得られるのか。その仕組みは良く分からない。零時迷子の吸収の戒禁が発動しているのかとも考えたが、はっきりとは分からん。十二の試練はそもそも蘇生魔術のストックであり、Bランク以下の攻撃を無効化。更に一度受けた攻撃に耐性をもつ能力なので除外だ。もしや根源に接続しているのかとも思うが、流石にありえないと判断する。結論として、能力と知識のコピーをするには魂が必要であるとしか分からなかったな。理屈はさっぱりだ。まあ、精々利用させて貰う事にしよう。今は出来るとだけ分かっていればいいのだから。

 

 それはさておき、だ。よくよく考えてみれば、わざわざアイリスフィールの目覚めを待つ事もない。受肉し、魔力も十分。魂のストックもそれなりだ。これ以上聖杯戦争に拘る必要がない。それにもう原作通りにならないのだから、いっそ滅茶苦茶にしてしまえばいい。であれば、大聖杯も取り込んでしまうとしよう。そうすれば後々の悲劇が回避されるし、聖杯を使う際の不安要素も完全に排除出来る。やるか。幸い、大聖杯のある場所は分かっているのだし。

 

 

 

 

 

 円蔵山。その地下にある大空洞「龍洞」。そこに設置された巨大な魔法陣。大聖杯。これがある限り、器を用意する限り何度でも聖杯戦争を行える代物。元は冬の聖女の魔術回路を拡張・増幅した魔術炉心。第三次聖杯戦争の影響でこの世全ての悪に汚染されたものの、その価値は計り知れない。

 

「まあ、もうこの世にはないんだがな」

 

 だがそれはもう過去の話。大聖杯の破壊もとい取り込みは簡単だった。賢者の石のストックで巨大化し齧り取って終わりである。霊脈への影響なんかはあるかもしれないがそこはここのセカンドオーナーに任せるとしよう。他力本願万歳。

 

 さて、目的は果たした。もうこの冬木市にいる必要はない。さっさととんずらこくとしよう。原作キャラ救済?キャスターを原作よりも早く討伐したので十分だろう。後はなるようにしかならない。原作キャラ救済の為に命をかけるなんてナンセンスだ。何様のつもりだ。馬鹿らしい。こんなところにいられるか!私は帰るぞ!今度はマジで帰れるから最高だわー。アイリスフィールも遅かれ早かれ切嗣が見つけるだろう。心残りは一切ない。さらば冬木市!○○先生の次回作にご期待ください!

 

 

 

 

 その後の顛末。

 

 聞いた話だが、結局原作通りになったらしい。冬木の大災害も起きたらしく、どうしてそうなったのか全く想像できない。冬木を出る際、キャスターの魂を二つ解放して聖杯完成に支障のないようにしたのが裏目に出たのだろうか。

 

 キャスターに囚われていた子供達もちゃんと元の体で返し、雨生龍之介は警察に送り届けたのが間違いだったのだろうか。分からない。世界には修正力でもあるのだろうか。……ありそうだなあ。抑止力なんてものがあるんだ。あってもおかしくはない。まあ、今の俺にはどうでもいい事か。

 

「お父さん、いくよー!」

 

「さあ、どこからでも来ていいよ桜ちゃん!」

 

 庭から黒髪の父と娘の楽しげな声が聞こえてくる。

 

 魔術など関係ない日常。平和である。

 

 

 

 

 

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 第四次聖杯戦争から十年が過ぎた。

 

 本来ならば第五次聖杯戦争が開かれる時期だが、俺が大聖杯を喰らったせいでもう二度と聖杯戦争は開かれないだろう。うん。イイコトシタナー。

 

 さて、そんなことよりもこの十年を振り返ってみるとしよう。まず間桐雁夜と間桐桜だが、魔術に関わらない日々を過ごしたお陰か、本当の親子より親子らしく仲良く暮らしている。最近では雁夜は隣の人妻と仲が良い。テメェ懲りてねえな。何?未亡人だからセーフ?知らんわ!桜は何か知らんが妙にボディタッチやスキンシップが増えている。鈍感じゃないから好意を抱かれているのは分かるが、幼い頃から知っているから複雑な気分だ。最近は体つきが良くなり過ぎているからうっかり手を出しそうで怖い。ていうか時々黒い。

 

 俺自身はかなり強くなった。ストック増殖は一京から先は数えていないが毎日続けている。これ本当に抑止力働かないか不安である。だがやめない。影の国にも何故か知らんが行けた。おっぱいタイツ師匠ことスカサハに会い、何度か稽古をつけて貰った。殺して死なないからといって最初から難易度ナイトメアってどういう事なんすかねぇ。ある程度稽古を受けると寝所に誘われたので行ったら、桜が膨れた。まさかバレるとは。スカサハ直伝のルーンで隠蔽したのに何故。キシュア・ゼルレッチ・シュバインオーグ。宝石爺がやって来たりもしたが、色々冬木の大聖杯に関して聞かれた後、第二魔法に関する魔導書を渡して帰っていった。何しに来たのか分からんが、まあ気にするだけ無駄だろう。それよりも桜の機嫌を治す方が大切だ。

 

 

 

 

 

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