短編集。またの名を駄文廃棄場。   作:ゆらぎみつめ

4 / 15
間桐臓硯に転生したらいろいろやっちまった件。1

 

 

 

 

 俺の名前は間桐臓硯。

 

 転生者である。

 

 前世の俺はどこにでもいるような変態な高校生だったが、ある日突然転生トラックとかいう意味の分からない代物でオーバーキルされ、気が付いたら神様を名乗る光の塊に適当なチート能力を詰め込まれて転生させられた可哀想な男である。

 

 しかも転生先が間桐臓硯だ。あの間桐臓硯である。

 

 あの五百年を生きた妖怪であり、蟲を使い間桐桜を陵辱したり聖杯の欠片を埋め込んだりとやらかしまくった人外の外道。その癖過去は正義に燃えた男だというのだからなんともいえない。

 

 そんな男である。

 

 しかも本編である第四次、第五次まで約五百年経たないと原作に立ち会えないという絶望的な問題がある。

 

 流石に俺は原作のキャラ達に会いたいからと人を喰らう吸血鬼擬きの化け物にはなりたくはない。

 

 だが折角間桐臓硯に転生したのだし、完全な不老不死でも目指してみるのもいいかもしれない。そしてサーヴァントといちゃいちゃえろえろしたい。

 

 それに自称神様からチート能力も貰ったのだ。

 

 目指してみるのも悪くはないだろう。

 

 ......そう思っていた頃がありました。

 

 だが実際、蓋を開けてみればあまりにデタラメな事が起きていました。

 

 それは、俺のチート能力だ。

 

 まず一つ目、人類最高の頭脳。

 

 完全記憶能力、並列思考、高速思考、高度演算。人間の限界を極めたような頭脳で、正直アトラスの錬金術師達が涙目になるような廃スペックである。

 

 二つ目、肉体改造。

 

 生物の肉体を自由自在に改造出来る力。やろうと思えばどんな姿にもなれ、また若返りやなんかも可能な力。しかも、更に魂の改造まで可能であり、魂の物質化という本来ならば第三魔法と呼ばれるものをたった数秒で行える。というかやっちゃった。アインツベルン涙目である。泣いていいよ、うん。

 

 三つ目、絶対催眠能力。

 

 対象に言葉を用いて絶対催眠をかけられる力。この力はたとえ神ですら抗えず、聞いた時点で能力者の思うがままにされてしまう力。色々妄想が捗る力だ。ぐへへへ......。

 

 以上のチートを使い、俺は二十になる頃には立派な魔術師になった。

 

 そして、日本に向かった。

 

 何故なら今の西暦は千五百年。つまり、あのキャラの生前に出会えるかもしれないのだ。

 

 そう。ノッブとおき太に!

 

 行かなくてはならない。

 

 魔術協会からは惜しまれたが、この野望には遥かに及ばない。

 

 あまりに五月蝿いので、片手間で作ったいくつかの魔術礼装を寄贈して黙らせ、胸一杯に期待を抱えて出発した。

 

 そして、それから約五百年後、第四次聖杯戦争が始まった。

 

 原作の始まりである。

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。