短編集。またの名を駄文廃棄場。   作:ゆらぎみつめ

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間桐臓硯に転生したらいろいろやっちまった件。3

 

 

 

 

 いよいよ第四次聖杯戦争が始まった。

 

 開戦の合図はやはり遠坂時臣による茶番である。

 

 正直この猿芝居に何の意味があるのか俺は前世を含めて理解出来ない。

 

 ある程度戦いに慣れた者達からしたら違和感があり過ぎるし、自分を殺そうとしたかつての弟子を無事に教会に辿り着かせるのはまずあり得ない。

 

 この事に関しては優雅とか関係ない。

 

 魔術師の師弟が殺し合い、負けた方が生き残る事など稀だ。特に遠坂時臣のような典型的な魔術師は何がなんでも始末をつけるだろう。例え友人の息子であろうとも。

 

 ま。終わった事だ。一々掘り返すことでもない。猿芝居であろうが多少は他陣営に動揺は与えられただろうしな。それが支払った代償に釣り合うかどうかはともかく。

 

 さて、現在はあの茶番の夜から一夜明けたお昼時。

 

 俺はお洒落なカフェにて優雅なティータイム中である。

 

 因みに一人ではなく、相手がいる。

 

 雪のような美女と男装をした美少女の二人組だ。

 

 彼女達は此方を睨みながらも大人しくティータイムを共にしている。

 

 あの男ならばともかく、彼女達が昼間の、こんな人目のある場所で事をかまえる事はないだろう。

 

 だからこそこうして余裕をもって優雅にティータイムを満喫をしているのだが、やはり彼女達の動きは固い。

 

 仕方ない。口は上手くないがどうにかして彼女達の緊張を解すとしよう。

 

「そう構えないでほしい。私もこんな所で事を起こすつもりはないよ」

 

「......それを素直に信用するとでも?」

 

「思っていないが、本当にこの場で事を起こすつもりはないのも確かだ」

 

 どうやらアイリスフィール・フォン・アインツベルンは信じられないようだ。当然だが。

 

 ま。信用はともかく緊張はしっかり解すとしようか。

 

「ところで隣の君、食べたいなら好きに注文して構わないよ。私の奢りだ。遠慮はいらないよ」

 

「な、何を!私は別に!」

 

「そうかい?時折メニューを見てたからそうだと思っていたんだが。なに、本格的に戦闘が始まるだろう夜までまだまだ時間もある。君のマスターもそれぐらいの我が儘は許してくれるだろう」

 

「く、あ、アイリスフィール」

 

 男装の少女は俺の言葉にかなり気持ちを揺さぶられたらしい。隣のアイリスフィールに情けない視線を向けている。

 

「......そうね。ここは素直に御馳走してもらいましょうか」

 

「アイリスフィール!」

 

 男装の少女はアイリスフィールの許しが出た瞬間すぐに店員を呼び出して大量に注文していく。それでいいのか腹ペコ王。俺が勧めたとはいえ素晴らしい変わり身だ。

 

 横のアイリスフィールは出来の悪い我が子を見るような表情をしている。

 

 うん。実に和やかだ。これが聖杯戦争で敵対中のマスターとサーヴァントの食事風景である。これを見ているかもしれない衛宮切嗣の心中を思うと愉悦が満たされていく。ご飯三杯は固いな。

 

 と。どうやらケイネスのサーヴァントが他のサーヴァントを誘い始めたらしい。気配をビンビン感じる。でもこの分だと彼女達がランサーに気付くのは原作通りもっと先になるだろう。俺もわざわざ誘いに乗るつもりはない。とりあえず今はまだ。

 

 それに、食い物の恨みは恐ろしいからな。

 

 食事をしている獅子(セイバー)を刺激したくはない。

 

 

 

 

 side.衛宮切嗣

 

 

 

 

「何をやっているんだ......」

 

 とある高層ビルの一室にて。

 

 スコープ越しに見えているのは己の妻とサーヴァントが敵である恐らくマスターだろう男が向かい合った食事風景である。

 

 あまりの事に切嗣は銃を落としかけたが、すぐに気を取り直すと再びスコープを覗く。

 

 そこには最初の剣呑さが嘘のように談笑している三人の姿が。

 

 特にセイバーが心を開きすぎていると感じる。

 

 己の彼女に対する態度を考えれば不思議じゃないが、敵マスターであろう男に気を許して、万が一にでも鞍替えでもされてはかなわない。

 

 アイリにはその辺のケアは丸投げしているので言うほど心配はしていないが、相手が相手である。

 

 どんな手を使ってくるのか想像すら出来ない。

 

 アイリに付けた盗聴器から会話が漏れてくる。

 

『ああ、そうだ。衛宮切嗣についていくつか話があるんだが、聞きたいか?』

 

『キリツグの話?』

 

『ああ、まだ傭兵だった頃の彼の話だ』

 

『へえ』

 

 不味い。己の中の何か直感的なものが警鐘を鳴らす。

 

 現に、今まで上っ面ばかりの会話しかしていなかったアイリが興味を引かれて露骨に興味を示した。

 

『彼の部下に久宇舞弥という女性がいるだろう?』

 

『......ええ』

 

 一段。落ちるアイリの声。

 

 初めて聞いた妻の声に切嗣はひくりと喉がひきつった。

 

『元はとある戦場で拾ったらしいが、今では彼の右腕ともいえる存在だ』

 

『ふうん』

 

 更に一段。落ちる。

 

 切嗣は思わず銃を下ろして盗聴器を切りたくなったがなんとか踏みとどまる。

 

 尚も盗聴器から紡がれる舞弥についての会話は、正直冷静に考えればあまりに正確で深い事情まで突っ込んでいて、普段の彼ならば危機感に襲われているだろう。

 

 だが今の切嗣には別の事が気になってそれに気が付かない。いや、危機感ならある。それは彼に対してではなく、彼の正面に座る顔の見えない己の妻にたいして。

 

『ああ。そういえば最近は予行演習と称して彼女と関係を......』

 

「う、うおおおおおおおおおおおお!!!」

 

 たまらず切嗣は銃を放り投げ、盗聴器の電源を切った。

 

 精神攻撃は基本である。

 

 切嗣はそう口にする彼の姿を思わず幻視した。

 

 その後、久宇舞弥に慰められる魔術師殺しの姿があったが、幸いにもそれを目撃する者は彼女以外にはいなかった。

 

 

 

 

 side.■■■

 

 

 

 

 夜。コンテナが多く並ぶ埠頭にて、開けた場所で二人の男女が火花を散らしていた。

 

 一人は二槍を手繰る魔貌の騎士。

 

 もう一人は青のドレスのようにも見える鎧を着た可憐な騎士王。

 

 二人はその圧倒的なまでの武を競い合い、ただただ死闘を繰り広げる。

 

「どうしたセイバー!動きが鈍いぞ!」

 

「くっ!」

 

 二槍を見事なまでに操る騎士、ランサーからの声に騎士王、セイバーは負傷した左手が原因か動きがややぎこちない。

 

 必滅の黄薔薇。

 

 ランサーの宝具であり、回復を阻害する呪いの槍。

 

 

 

 

     ■以降書けなくなり断念■

 

 

 

 

 

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