『オマエラ!おはようございます!朝7時になりました!起床時間です!』
「んん…、なんだよ朝っぱらからうるさいな。」
朝から不快極まりない声に叩き起こされる。
……って7時?
「ってやべ!朝食に遅れる!」
昨日のパーティー終了後に、皇の提案で朝7時に食堂に集合して点呼確認と食事を摂ることになったんだ。
でも、疲れからか熟睡してすっかり忘れてた。
やばい、とりあえず食堂に急がないと!
そう思った瞬間部屋のインターホンが鳴った。
「はい!」
ドアを開けるとそこには、
「よっ、無事だったか悠。」
「おはよう。暁日君。」
夕斗と小鳥遊がいた。
「え?……なんでいるんだ?」
「なんでって…お前を呼びに来たに決まってんだろ。」
「7時前なのに君だけ居なかったからさ、皇君に頼まれて様子を見に来たんだよ。」
なんだ…そう言う事か。
「お前…さっきまで寝てたろ。」
「な、なんで分かった?」
「寝グセ。一回鏡見ろ。」
そう言われ鏡を見ると髪が盛大にハネて寝グセになっていた。
「う、うわ…ホントだ。」
「ったく…心配して様子見に来たってのに呑気に寝てたのかよ。」
「まぁ、白暮君もそう言わずに…。とりあえず安否確認出来たから僕達は先に行ってるね。」
「あぁ。」
その言葉を残して2人は先に戻った。
とりあえず、寝グセ直して早く食堂へ行こう!
……なんか俺、ここに来てからいっつも遅刻してるような。
ーー
「皆おはよう!遅くなってごめん!」
「悠!おっはよー!」
「おはようございます。暁日君。」
「おはよう、よく眠れたようだね。健康的でいい事だ。」
食堂に着いた俺を皆が出迎えてくれた。
宵月と葛城の姿が見えないが、恐らく剣崎の手伝いをしているのだろう。良かった、皆無事みたいで。
「おはようございます。暁日様。いきなりで申し訳ないのですが、朝食のメニューは和食と洋食、どちらになさいますか?」
「剣崎、おはよう。えっとそうだな…和食で頼む。」
「かしこまりました。」
やっぱり朝食は剣崎が作ってくれてるのか。
昨日の料理も美味かったし、楽しみだ。
ふと皇の方を見ると、氷室が皇と夜桜に何かを教えているようだった。
「………で。閉じた指を開くようにして操作すれば画面のその場所をズームできる。やってみろ。」
「開くように…。あっ、出来ました!」
「おぉ…!成る程。」
「皇、おはよう。何してるんだ?」
「あぁ、おはよう暁日。これはモノドロイドの操作を氷室に教えてもらっている所だ。」
「モノドロイドの?」
「はい。お恥ずかしい話、二つ折りの携帯は使ったことはあるのですが所謂"たっちぱねる"の携帯は使ったことが無くて…。」
「俺は通信機器の所持を禁止されているから一度も使った事がなくてな。しかし、このサイズで我が軍の機械設備にも劣らない機能が入っている物が普及しているとは…。技術の進歩には驚かされるな。」
「あれ?でも2人とも操作できてた様な…。」
「夜桜は操作しているフリを、皇は適当に操作していたようだ。」
ええ…。
「まぁこの状況でコイツが使えないのはなにかと困るだろうからな。この神である私に教わったからには問題ないだろう。感謝したまえ。」
いや、お前は何様だ。
「はい!助かりました!ありがとうございます!」
「あぁ、協力感謝する。」
「むっ……、そう言われるのも悪くないな。苦しゅうない。」
あれ?あんまり褒め慣れてないのか?顔がちょっと赤い。てかなんだ「苦しゅうない」って。
「礼といってはなんだが、どうだ?我が軍の技術将校にでも「興味ないな。」そ、そうか…残念だ。」
昨日に続きスカウトをするが、あえなく撃沈したようだ。
2連続で断られた事が相当ショックだったらしく、見てわかるくらいガッカリしている。
……最初は如何にもリーダー然としてた様に思ったけど、なんか段々ポンコツに見えてきたぞ。
「…ゴホンッ。と、ともかく全員の安否を確認出来たから朝食にしよう。」
「ほら、こっちはもう料理が出来てるから早く食べる準備しなさい。」
「あっ、はい。ほら、柊さんも…。」
「………くぅ。」
「寝てる!?」
ようやく朝食を摂る事になった俺達。
出てきたメニューはご飯、味噌汁、お浸し、卵焼き、鮭の塩焼きという非常にシンプルなものだったが、シンプルさ故に味が分かりやすくとても美味かった。
…明日は洋食にしてみよう。
「さて、朝飯も食ったし何しようか…。」
皇からは特に指示はなく各自自由行動になった。
だが小鳥遊も夕斗も個人で探索がしたいらしく、暇になってしまった。
「そういえば、倉庫とプレイルームまだ行ってなかったな…。」
昨日の時点でまだ探索してない場所があったのを思い出し、そこへ行くことへした。まずは食堂のすぐ隣にある倉庫へ行くか。
ーー
「失礼しまーす…っとうわ。めっちゃ広いな。」
中に入った俺はまず、その広さに驚いた。
剣崎も言ってた通りまるでホームセンターかショッピングモールだな…。
「あら、暁日君何か用ですか?」
「八咫。俺はここはまだ来てなかったからちょっと探索に来たんだ。八咫は?」
「私はここの在庫確認を皇君にお願いされて確認しているところです。ですが得意分野とはいえ、この広さですから流石に骨が折れますね…。」
「じゃあ俺も手伝うよ。」
「え?いいのですか?」
「ああ。探索するついでだし、女の子にやらせるのも悪いからな。」
「あ、ありがとうございます…。では私は右側から確認していくので、暁日君は反対から確認していってもらえますか?それから、あとでリストを作成するのでこのルーズリーフに記録をお願いします。」
「分かった。」
「ーーえっと、カップ麺50箱、お菓子70袋っと…。」
八咫に手渡されたルーズリーフに一つずつ記録していく。
それにしてもホントに色々あるな…。
記録したものだけでも筆記用具、工具、インスタント食品、ジャージ、栄養剤…。
この作業が終わってからいくつか貰っていくか。
特にジャージは必須だな。
制服で寝ると肩が凝るんだよな。シワも付くし。
「ーーふぅ。ここで最後か。」
残る箇所は絆創膏や包帯といった衛生用品となった。
「絆創膏70箱、ガーゼ50箱、湿布60箱…。ん?これなんだ?」
ふと目に入った箱を手に取るとそこには『モノクマ印の0.01mm!薄くて丈夫!』と書かれていた。
「………………………………」
……黙って元の場所に戻した。
不純異性交遊は禁止って言いながらなんでこんなモン置いてるんだ。
そもそも『モノクマ印』ってなんだよ。
「俺は何も見てない。うん、気のせいだ気のせい。」
「何が気のせいですか?」
「どぅおわぁ!」
「?どうしたのですか?暁日君?」
「いやなんでもないです!はい!」
「?そうですか。」
「ざ、在庫確認終わったからコレ渡しとくよ。」
「あ、どうもありがとうございます。」
「ーーはい、お疲れ様でした。倉庫の物なので温いですがどうぞ。」
そう言ってペットボトルのお茶を差し出してくれた。
「あぁ、ありがとう。」
渡されたお茶を飲む。温くなっているとはいえ疲れた身体に水分が染み渡る。
「…ふぅ。にしてもこれだけ在庫、一体どうやって集めたんだ?とても単独犯が仕組んだとは思えない程の数だぞ。一体どれくらいの財力を持ってるんだ。」
「ですが、犯人はあまり予算計画があまり得意ではなさそうですね。」
「予算?」
「はい。例えば今飲んでるそのお茶は150円で売ってますが、私ならそれより安い120円でより質の良いお茶を知っているのでそっちにしますね。卸業者にしても、恐らく私のツテでしたら更に安く出来ますし、それ以外の面でも…。」
あーこれ長くなる奴だ…。
「…これらを踏まえると、予算は最終的に現在の2割削減できると思います。」
「な、なるほど…。そんな事考えられるのも生まれつき持つ才能のお陰なんだな。」
「……私の場合、そうならざるを得なかったのですけどね。」
「え?」
「いえ、こちらの話です。」
あまり言いたくない過去があるのか?
八咫の意味深な発言の意味を考えつつも詮索するべきではないと判断し、ひとまず倉庫を後にした。
ーー
「次はプレイルームか…。へえ、結構色々あるな。」
寄宿舎に戻り、プレイルームに来た。
中にはボードゲーム、ビリヤード、ダーツ、レースゲームやダンスゲームなんかもあった。
「暁日か。どうした?」
「本代。俺はここの探索をしに来たんだ。そっちは何を?」
「何って、プレイルームに来てやることは決まってるだろ。」
どうやら、本代はソリティアをしていたようだった。
「まぁ、突っ立ってないで座れよ。丁度退屈してたんだ。」
「じゃ、お言葉に甘えて…。」
俺は本代のいるテーブルの反対側に座った。
「どうだ?記憶の進展は何かあったか?」
「いや、さっぱりだな。参考程度に聞きたいんだが、お前から見て俺の才能は何だと思う?」
「うーん…そうだな…。第一印象だけで言うなら『超高校級のバンドマン』かと思ったな。」
「バンドマンか……面白い意見だが、しっくりこないな。」
「あれ、ダメか…。じゃあちょっと視点を変えて…。自分の経歴をヒントに考えて見るのはどうだ?過去の実績が評価されるってのはよくあることだし。」
「なるほど経歴か。それは思いつかなかったな。流石アドバイザーだな。」
あ、なんか初めてここに来てから褒められた気がする。
「経歴…確か父親が大手企業の社長だったな。それから、運動神経と成績は常にトップ…。そんな感じか。」
おいおいなんかもの凄い経歴が出てきたぞ…。事実なのかそれ?
「そ、その経歴だと『超高校級の優等生』とかか?」
「いや、それも今ひとつ納得がいかない。もっとそれ以上の…。」
お前凄い欲張りだな。
「まぁ、とりあえず保留にしよう。それより暁日、折角プレイルームに来たんだから俺と勝負でもしないか?」
「しょ、勝負?いいけど…。」
「そうこなくてはな。だが、ただ勝負するのもつまらんな。負けた方は罰ゲームを受けてもらおう。」
うお、何かやな予感…。
「分かった。でも、お前が負けても罰ゲームは受けてもらうぞ。」
「フッ。負けんさ…絶対にな。」
すげえ自信だな。
「丁度がトランプもあることだ、ポーカーをするか。ルールは知ってるな?」
「あぁ。」
「よし、カードを配るぞ。」
ーーハート、クラブ、ダイヤの5とダイヤのジャック、クラブのエースか…。結構良いカードが揃ってるな。出来るならフルハウスを狙いたいけど…。
「俺は二枚交換する。暁日、お前は?」
「あ、じゃあ俺は一枚…。」
ーーハートのジャック…よし来た!
「では、カードを見せてもらおう。」
「……フルハウス!どうだ!」
「フルハウスか、やるな。だが……
ロイヤルストレートフラッシュ。俺の勝ちだ。」
……ハァ!?ロ、ロイヤルストレートフラッシュとか初めて見たぞ!?
「イカサマ…じゃないよな?」
「確認してみるか?」
そう言われたので本代の身体確認をしたが…。
「ほ、ホントに何もないな…。」
「だろ?」
「では、早速罰ゲームを…。」
「……もう一回…。」
「ん?」
「も、もう一回!別のゲームで勝負だ!」
「フッ…そうこなくてはな。良いだろう、納得が行くまで何回でも勝負してやろう。」
この後、何回か勝負をしたけど…
ダーツ。
「三回真ん中に当てた方が勝ちだ。」
「よ、よし…。」
「…三連続で真ん中だと…。」
「フッ。」
チェス。
「チェックメイト。」
「…瞬殺…。」
ダンスゲーム。
「最終スコアが高い方が勝ちだ。」
「は、はい…。」
「ふぅ。こんなものか。」200000点Perfect!
「こんなもんって…お前…。」140000点Great!
一回も勝てなかった…。
「お前…勝負事強すぎだろ…。もしかして『超高校級のギャンブラー』じゃないのか?」
「ギャンブラーか…なるほど。そう考えると合点がいくな。だが、俺の場合はそれらを全てを超越してると言っても過言ではないな。」
「え?」
「生まれながらにして絶対的な勝利を約束された力…。俺が望みさえすれば、運命は絶えず俺に味方する。天に二物も三物も与えられた存在。さしずめ俺は『超高校級の勝者』といったところか。」
「『超高校級の勝者』…?」
あまりにも荒唐無稽すぎる発言に思わず呆然とする。
「そうだ。天の道を往き、総てを司る男…それこそがこの俺だ。」
「天の道ねぇ…。まぁその、お前が納得いったのならそれで良いんじゃないかな。」
「フッ…お前のその物怖じしない態度、気に入ったぞ。」
「は?」
「この俺が王にでもなった暁にはお前を参謀にしてやろう。」
「は、はぁ…。どうも。」
よく分からないけど、どうやら本代に気に入られたようだ。それにしても王って…。
「さて、罰ゲームだが…。」
げっ、忘れてた。すると、
「おっす!荘士、悠何してんのー?」
「荘士くん悠くんおいっす〜。」
柊と飛田が入ってきた。
「丁度いいな…。よし、罰ゲームはあの2人のどっちかをデートに誘え。フフ…お前の好みのタイプを知って弱みを握ってやるか。」
「いや、ちょ…。ハァ!?」
「なになに、何の話してんの?」
「なぁに?わたしも混ぜてよ〜。」
「あぁ、これからな…。」
「待て待て待て!説明するな!」
わざわざ説明しようとする本代を全力で阻止し、その場から逃げる形で後にした。
ーー
「ーーふぅ。なんか疲れたな。…主に本代のせいで。」
結局、今日も進展は無かったな。
明日こそ、明日こそ何かあればと信じて眠りについた。
ーー
「…なぁ。今日で3日目だよな。」
朝食を食べている最中に夕斗がポツリとつぶやいた。
「あぁ。」
「3日経ってるのになんで何もねぇんだよ。オレらはいつまでここにいればいいんだよ!」
「だ、大丈夫だよ。待ってればいつかきっと…。」
「いつかっていつだよ!なぁ!?」
「お、落ち着けって…。」
「…でも、確かに妙ね。」
切り出したのはアレックスだった。
「シルヴィアちゃん、妙って何のこと?」
「ワタシの付けているこのブレスレット…超高性能GPSが埋め込まれている事は話したわよね?」
そういえば最初にあった時にそんな事をいってたな。
「これさえあれば、電波が届かないような秘境や洞窟…果てはマントルの中や宇宙にいようともワタシの場所は半日もあれば特定されるハズなのだけど…。」
「うぷぷぷぷ!そんなオモチャをまだ信用してるの?」
「滑稽!実に滑稽だな!」
モノクマとモノパパが現れた。
「大体さぁ、そんなにここから出たいのなら誰かを殺せばいいんだよ!」
「お前達が何を言おうと、絶対にコロシアイはしない…!絶対に16人で出るんだ!」
「16人ねぇ…。ホントに全員そう思ってるのかな?」
「…は?何を言ってるんだ?」
「オマエラは16人全員が仲間だと思ってるの?甘いねぇ。
…………オマエラの中にイレギュラーが1人いるって言ったらどうする?」
モノクマは不気味に目を光らせてそう言った。
「イレギュラー…?」
「モノクマ…喋りすぎだ。今日はそんな話をしに来たのではないのだろう?」
「はっ!そうでした!今日はオマエラにあるお話を持ってきたのです!」
「話…?」
「はい!いつまで経ってもコロシアイが起こらないからもう退屈で退屈で!そろそろ誰か死ねよっていう無言の圧力を感じるので、殺す動機を用意させていただきました!」
「動機…だと?」
いやな予感しかしない。
「実はオマエラの記憶をボク達が一部抜き取っているのです!誰かを殺したクロにはご褒美としてその抜き取った記憶をお返しします!」
「流石は我が息子だな!失われた記憶を利用する…実に王道だ!」
記憶を抜き取った…?何を言ってるんだ?
「ボク達からの話はそれだけです!では、頑張って殺してね〜!」
モノクマ達が去ってもあまりにも突拍子もない話を全員飲み込めずにいた。
「クロになった人物には抜き取った記憶を返す…か。」
「一応聞くけど真に受けてる人はいないよね?…………そりゃそうだよね。でも問題は…。」
「…モノクマの言った『イレギュラー』の存在…。」
アイツらの言葉が事実なら、俺たちの敵に当たる人間がいる…?
「大体、誰かは予想付くぜ…。」
「ほう、誰だね?白暮クン。」
「決まってんだろ…氷室だよ!」
「…あ?」
「だってそうだろ!『ダンガンロンパ』とか言う殺戮ゲームを知ってたのはお前だけじゃねーか!白状しろ!」
「キサマ…神を愚弄するとはいい度胸だな。」
お、おい!一触即発じゃないか!
「待てって夕斗、氷室!『イレギュラー』の存在が必ずしも敵とは限らないだろ!」
「じゃあ、お前に敵じゃないって証明できるのかよ!?」
「そ、それは…。」
「出来るわけねーよな!?お前だって誰なのか分からねーのによ!」
そう言って、夕斗は食堂の外へ歩き出した。
「待て、白暮…。どこへ行く?」
「決まってんだろ…。寄宿舎だよ。裏切り者がいるってのに一緒に行動なんか出来るかよ。一人で部屋に篭らせてもらう。」
「その行動がどれだけリスクがあるか分かって言ってるのか?」
「誰かに殺されるよりよっぽどマシだよ。…オレなんかいてもいなくても大して変わんねーよ…。」
その言葉を残して寄宿舎へ戻ってしまった。
結局今朝はこのまま解散になってしまった。
そして、夕食になっても夕斗は姿を現さなかった。
夜時間になり、部屋に戻ってから俺は
「……一応モノトークで声掛けてみるか。」
ーーーー
暁日悠:なぁ、飯食ってるのか?飯くらいは食いに朝は来いよ。
ーーーー
……クソ。返事がない。
俺はそのまま寝てしまった。
ーー
『オマエラ!おはようございます!朝7時になりました!起床時間です!』
起きてから食堂に行ったが夕斗はいなかった。
「…おはよう。夕斗は?」
「おはよう暁日クン。…あれから白暮クンを見てないわね。」
「昨日は昼食と夕食を扉の前に置いたのですが…。結局手をつけてなかったようです。」
「二食もまともに食事を摂ってないとなると流石に健康面が心配だね…。このまま餓死する可能性もゼロではない。」
「ともかく、一度食事にしてから白暮をなんとかしよう。」
「……最終手段として、この俺が扉を破壊する。」
…校則違反になるなよ。獅子谷。
「かしこまりました。では、早速朝食の準備をします。」
「あれ。まだ準備してなかったのか。」
「はい。一度白暮様がいるかを確認してから作ろうと思ってたので…少々お時間が掛かりますがお待ち下さい。」
そう言って、厨房に戻っていった。
ーーその瞬間。
「うわあああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
剣崎の悲鳴が響いた。
「な、なんだ何があった!?」
「あ、あ…れ、冷蔵庫に…。」
怯えた様子で剣崎は冷蔵庫を指さした。
食堂には全員いる。
…そんなはずは…。
アイツはまだ部屋に篭っているはず…。
だから、ここにはいない。
だが、
ーー冷蔵庫の中ではこの場所には居ないはずの『超高校級の幸運』、白暮夕斗が文字通り冷たくなっていた。
およそ1年掛けてようやく一人目の被害者となります。おまたせしました…。
一応、クロもトリックも大まかには決めてるのでじっくり肉付けしてから投稿となると思います。