なんとか年内にはプロローグを終わらせたい…。
小鳥遊と謎の建物を移動している間、この場所についての話をしていた。
「こうやって移動してると…。教室があって、なんというか普通の学校みたいだな。」
「でも、明らかに違うとこもあるよね。…例えばアレとか。」
そう言って小鳥遊が指差した先には監視カメラがあった。
他にも、モニターが設置されていたり窓は何故か鉄格子がはめられていたり…。
「カメラと鉄格子…か。ぱっと見は学校だけど、至る所にカメラがあってまるで刑務所にでもいるみたいだな。」
「他にも教室以外にも、妙な模様がついた扉の部屋が何箇所かあったよ。全部鍵が掛かってたけど。」
考えれば考えるほど奇妙な場所だよな。こんな特徴的な建物今まで全く見たこともないし。
色々話しながら廊下を歩いてると、「体育館」と書かれた札の
ついた扉の前に来た。
「さ、着いたよ。ここがその体育館だよ。」
「…この先に、超高校級の連中が…。」
き、緊張するなぁ…。一度、深呼吸を行い気持ちを整えて…。
「……。よし。小鳥遊、開けてくれ。」
「…うん。皆ー!また一人見つけたよー!」
小鳥遊が扉を開けるや否やその先の連中は口々に喋り始めた。
「あぁ。ご苦労だったな。」
「これでまた一人増えたね。」
「次は男の子かー!」
「随分遅かったのですね。既に全員集まってますよ。」
「こ、こいつらが…?」
「そう。君と同じ超高校級の才能を持った仲間達だよ。」
すると、それまでこの場を仕切っていたであろう白い学ランを着たやつが話し始めた。
「ーーこれで、16人目か。念のために確認するが、他に誰かを見つけたやつはいるか?」
その問いかけに答える者はおらずーー。
「どうやら、今この場にいる16人で全員か。さて、ここからどうする?体育館で待っていろ、ということらしいが…。」
「え、そうなのか?」
思わず、俺が聞いた。
「あぁ。どうやら挨拶をするから体育館で体育館で待機をする必要があるらしい。…詳しくはそこにいるやつから聞いてみろ。」
そう言って深緑色のカーディガンを着たやつを指差した。
「なぁ、そうなのか?」
「あ、あぁ。どうやらオレが一番に目が覚めたみたいなんだけど、
教室に『体育館に集合』って書いた張り紙がしてあったんだ。」
つまり、その挨拶とやらがあるってことか…。
すると、燕尾服を着たやつがこう切り出した。
「でしたら、自己紹介を行うのはどうでしょうか?お互いの事を僕たちはまだ知らないですし。」
確かに、俺達は互いの事を知らない。何人かはテレビとかで見た事があるやつもいるが。
「その通りだな。では、これより各自自己紹介を行なってくれ。」
白学ランの合図でそれぞれ自己紹介を始めた。
「さて、誰から行くかな。」
「あ、待って暁日君。折角だから、僕と一緒に自己紹介回ろうよ。
僕が知ってる限りの情報を教えるから。」
「それは助かる。」
手始めに俺はさっきまで場を仕切っていた白学ランに声を掛けた。
「悪い。自己紹介したいんだけど、ちょっといいか?」
「あぁ。勿論構わない。」
「俺は超高校級のアドバイザー、暁日悠っていうんだ。よろしくな。で、こっちは超高校級の情報屋、小鳥遊瑞希。」
「よろしくね。」
「俺は『超高校級の提督』、
水兵帽を被り勲章が大量に付いた白い学ランを身につけ、背中に朱色のマントを付けた青髪の男はそう名乗った。
「て、提督!?」
見た目が軍人っぽいと思ってたけどマジでそうなのか…。
「彼は国家公認の防衛軍である通称『四神』の内、南方の海を防衛する艦隊『朱雀隊』を取り仕切る提督に最年少で就任した人間なんだ。」
横から小鳥遊が補足説明をしてくれた。いきなり凄いやつに話しかけてしまったな…。
「き、気安く話しかけてしまって…。すいませんでした…。」
「ちょっと待て。誰もそんな態度をとれなんていってないぞ。むしろ、普段通りで構わない。」
「え?」
「俺はその才能故に周りは部下しかいなくていつも敬語で話しかけられていたんだ。ここでは普通の高校生でいたいから出来ることなら普通に接してくれ。」
「そうだったのか…。分かった!改めてよろしくな皇!」
「あぁ、こちらこそよろしくな!暁日!」
凄い才能故の悩みってのもあるのか…。
「さて、次は…。」
次に俺は会話をしている男女2人に話しかけた。
「ちょっと、自己紹介していいか?俺は超高校級のアドバイザー、暁日悠。こっちは超高校級の情報屋、小鳥遊瑞希。よろしくな。」
「小鳥遊瑞希です。よろしくね。」
「わたくしは
黒いセーラー服を着たセミロングの黒髪の女子生徒はそう名乗った。
「夜桜って…。もしかしてあの夜桜家か?」
「うん。彼女は各分野で活躍する人間を輩出する名門、夜桜家の娘にして薙刀の達人。その実力は素人程度は何をされたか分からないままに負けるとか…。」
「そ、そんな大袈裟ですわ。わたくしは趣味で薙刀を嗜んでいるだけでして…。」
そう言って謙遜する態度すら気品を感じさせるものがある。
まさしく大和撫子を絵に描いたような人物だな。
「次は、僕の番ですかね?僕は『超高校級の執事』、
夜桜と話していた燕尾服を着たどこか幼い雰囲気の白髪の少年はそう名乗った。
燕尾服を着てるそうかとは思っていたが予想通りだな。
「彼は、ヨーロッパの小国ノヴォセリック王国で王室執事長を最年少で務めているんだ。」
ま、また凄いやつが出てきたな…。
「でも、執事長なんだろ?仕事から離れて大丈夫なのか?」
「その点はご心配ありません。部下はみな優秀なので僕の指示がなくても業務を行えます。それに陛下からも『学業をするのが高校生の本業です』と仰り、推薦して頂きましたので。」
それほど、信頼し信頼されているのか…。
「それに、僕はある目標があるのですよ。」
「目標?」
「それについては…。フフッ、気が向いたらお話します。」
妙に含みのある笑いをして剣崎は言った。
「そういえば、2人は何の話をしてたんだ?」
「わたくしと剣崎さんは『高貴な者はどうあるべきか?』についてお話していたのです。」
「暁日様は『ノブレスオブリージュ』という言葉をご存知ですか?」
「いや…知らないな。」
「確か、『高貴な者には相応の責任を伴う』…って意味だったかな。」
「その通りです小鳥遊様。僕と夜桜様は互いに高貴な立場にある人間。故に『ノブレスオブリージュ』というテーマで談義していたのです。他にも『高貴な者はどうあるべきか?』『そもそも庶民と貴族の垣根は何か?』色々テーマが出てきて非常に興味深いですね。」
「な、なるほど…。」
高貴な立場…か。次元が違いすぎてよく分からないな。
夜桜と剣崎と離れて、次に声を掛ける人間を探した。
part2終わりです。
今気づいたけど、暁日と小鳥遊の外見についての説明まだしてなかったな…。とりあえず、プロローグ終了後に生徒名簿で全員分の細かい外見説明をします…。