気合入れすぎて、今までで一番長くなってしまった…。
「……さて、全員揃ったようだし第二回ミーティングを始めよう。まずは、校舎探索班から成果を報告してくれ。」
皇にそう促されたので、俺が報告した。
「校舎内は、モノクマの言った通り三階への階段が開放されていた。三階にあったのは、これまで通り普通の教室が3つ。それからアレックスと八咫の研究資料室、それと図書室があった。…以上だ。」
「八咫さんの研究資料室にはとっても美味しいお饅頭がありましたわ。一箱持ってきたんで皆様どうぞ。」
それは報告しなくてもいいだろ…。
「了解した。他にはあるか?」
「では、オレから。オレと皇クンで以前から開いてるフロアを探索したところ、新しい場所が開放されていた。」
「あぁ、確かにあったな。」
「何があったんですか?」
「驚くなよ…。なんと、温泉が開放されていたのだ!」
「温泉だと!?」
「一階に露天風呂が増設されていたんだ。ちなみに効能は肩こり、腰痛、目の疲れ、冷え性に効果有りだそうだ。」
「温泉か。いいね!あとで入ろうか!」
「待てその話は後だ。校舎内は以上か。では次は例のタワー探索班、報告を。」
「じゃあ、私が報告するわ。タワー内にはエントランスにアクアリウム、5階にはワンフロア丸々使ったゲームセンターが、6階には獅子谷君の研究資料室があったわ。それから、タワーの敷地内には森があるんだけどその奥に柊さんの研究資料室があったわ。…こんなところね、私からは以上よ。」
「………アクアリウム?」
ボソッと皇が呟いたが、アクアリウムに一番興味を惹かれたのか…。
「ちなみに、舞ちゃんが抱いてるシマエナガさんのぬいぐるみは狂也くんがゲームセンターのクレーンゲームで取ってあげたものですっ。」
「ちょっと!余計な事言わないで!」
柊がさらっととんでもないカミングアウトをした。
宵月が抱いてるあのデカいぬいぐるみ、ずっと気になってたけどそういう事だったのか。
案の定、宵月への冷やかしが始まった。
「な、何で宵月さんと葛城さんが?もしかして…キャー!やっぱりそういう事ですか!?」
「ほぅ、遂にカップル誕生か?」
「なら、盛大に祝いましょう!」
「ち、違うわよ!これはただ取れなかっただけで…。」
「いやー、ははは。そう言われると照れちゃうなぁ。」
「アンタも少しは否定しなさいよ!!」
宵月、キレて口調変わってるし怖ぇよ…。
でもこうやって見ると案外お似合い…なのか?
収拾がつかなくなりかけたところで、見かねた皇が止めてくれた。
結局、手掛かりになりそうなものは見つからずミーティングは終わった。
ーー
【暁日サイド】
「さて、ミーティングも終わったし俺もタワーに行ってこようかな。」
ゲーセンが気になったので、俺もタワーへ行くことにした。
ーーモノクマタワー、5階ゲームセンター
やっぱり、ワンフロア使ってるだけの事はあるな。
滅茶苦茶広い。迷子になってしまいそうだ。
置いてあるゲームも多種多様なジャンルがある。
レースゲーム、クレーンゲーム、音ゲー、格ゲー…。変わったところだと、VRゲームもあった。
プレイルームにも幾つかあったけど、数は余裕で超えてるな。
ゲーセン内を歩き回ってると、見慣れない機械が目に止まった。
見た感じ、ガチャガチャに似てるな…。
「なんだこれ…。ガチャガチャか?」
「お答えしましょう!」
「うわびっくりした。モノクマ、これなんだ?」
「これはモノモノマシーン!メダルを入れてハンドルを回すとアイテムが手に入る素敵なマシーンなのです!」
要は、普通のガチャガチャと一緒って事か。
試しにメダルを一枚使って回してみた。
……出てきたのはそろばんだった。
「……これ、どうしたら良いんだよ。」
正直、使い道がない。誰かにあげようかな…。
と、考えていると八咫が声を掛けてきた。
「暁日君、何をしてるのですか?」
「ん、八咫か。俺はちょっとここで遊ぼうと思ってな。八咫もか?」
「まぁ、そうですね。こういう場所ってあまり来ませんから…。」
「じゃあ折角だし、一緒に遊ぶか。なんかやってみたいゲームとかあるか?」
「そうですね…。気になったのはあれですかね。」
そう言って指差したのはシューティングゲームだった。
「アレはゾンビを銃で倒すやつか。俺もやったことあるけどなんか意外なチョイスだな。」
「だって、カッコよくないですか?敵を銃でバン!まるで映画みたいじゃないですか!」
「うん、確かに気持ちは分かる。よしやろうか。」
今回は2P協力プレイで遊ぶことにした。因みにこのゲーム、VRゴーグルを付けて遊ぶから臨場感が半端ない。武器になる銃は数種類の中から選べるが、八咫は使いやすいマシンガン、俺は今回サポートという事で遠くの敵を狙撃するのに適するライフルにした。
「キャー!凄い!敵が、敵が目の前に!わわっ、どうすればいいんですか!」
「ゾンビが来たら照準を合わせてマシンガンを撃つんだ!俺はサポートに回るから、お前はドンドン攻撃しろ!」
「照準を…やった!倒せました!」
「やるな!上手いぞ!」
「よーし、このままドンドン行きましょう!」
調子がついて来たのか、3ステージ目辺りからは
「ほらほら、どうしました!?汚物は消毒ですよー!」
「……もう俺いらないなこれ。…っと取りこぼしか。」
もはや俺のサポートなしでも立ち回っていた。
「すっごい楽しかったです!ハイスコア出しちゃいましたよ!」
「まさかあんなに飲み込みが早いとは思わなかったよ…。」
「いえ、これも暁日君のお陰です!ありがとうございました!」
「うん。俺も楽しかったよ。……っとちょっと待って。あげたいものがあるんだ。」
…八咫って確か会計委員だよな。
「…これ、なんだけど。」
「そろばん…ですか?」
「そうだ。そろばん好きだったよな?気に入ってくれるといいんどけど。」
「………こ、これはそろばん職人“来栖啓司”が作った、世界に3つしかないと言われてる超高級そろばんじゃないですか!!こ、こんなのもらってしまっていいのですか!?」
そ、そんな高級品だったのか、このそろばん。
「気にするなって、俺じゃそのそろばん使いこなせないし。使い慣れてる人間が持つ方がそろばんも喜ぶだろ。」
「あ、ありがとうございます!私も何かお礼をしないと…。」
「いいよいいよ。何か見返りを求めてる訳じゃないしさ。」
「だ、ダメです!こんなの貰ったんじゃ相応のものを出さないと等価交換になりません!……そ、そうだ!私の身体で払います!」
……ハァ!?発想が飛躍しすぎだ!
「私の身体、好きに弄んでもらって構いません!どうか、それで等価交換といきませんか!?」
八咫はおもむろにジャケット脱ぎ始めた。この状況、見られるのは流石にマズイ!
「ま、待て待て!一旦落ち着け!」
八咫がテンパって話にならないので、一旦彼女の研究資料室に連れて行き落ち着かせることにした。
ーー八咫の研究資料室
「とりあえずお茶淹れたから飲め。」
「ありがとうございます……ふぅ。」
「落ち着いたか?」
「はい、お陰様で…。あの、見苦しいところを見せてしまい大変申し訳ありませんでした。」
「大丈夫だ。気にしないでくれ……とはいっても、急に服を脱ぎ出したのは流石に焦ったけどな。」
「〜〜〜〜!!」
さっきの事を思い出したのか、顔を真っ赤にして机に突っ伏してしまった。
………あの真面目な八咫からは想像つかない仕草してるの、なんか可愛いな。ギャップ萌えってやつか?
「…なぁ、なんで急に身体で払うとか言い出したんだ?テンパって咄嗟に出たにしては変だぞ?」
「そ、それは…えっと…。」
「………もしかして、過去に何かあったのか?」
「………っ!」
やっぱり何かあるみたいだな。
「言いづらかったら無理に話さなくてもいいんだぞ。」
「いえ、大丈夫です。私の才能にも関係ありますし…いずれ話さなくてはいけないと思ってました。」
八咫はゆっくりと静かに語り始めた。
「私の育った環境は母子家庭で非常に貧乏でした。一日にまともな食事を摂るのもやっとなくらいに…。その上母親もこう言っては何ですが、本当に母親としては最低でダメな人間でした。気に食わない事があれば私の身体に火のついたタバコを押しつけ、ほぼ毎日といってもいいくらいに家を出て帰って来ませんでした。」
「…酷い母親だな。」
「それだけならまだマシな方でした。母親は帰ってくる度に違う男の人を連れ込んで来て、まだ幼い私の『遊び相手』をさせていました。……言う事を聞かないと殴ると脅されて。」
『遊び相手』……間違いなくまともな意味じゃないだろうな。「身体で払う」って言い出したのもそのせいか。
「中学生になった辺りからは家から離れるために全寮制の高校へ行こうと勉強を必死でしました。学費を稼ぐためにも年齢を偽ってバイトをした事もあります。……ですが、その学費を全て母に奪って蒸発してしまいました。」
「……なんて母親だ…。許せねぇ…!」
「…もう無理だと諦めた時に奇跡が起こったのです。母が蒸発した後親戚に引き取ってもらい、近くの公立高校に入ってからは生徒会で会計委員をしてました。…その頃に大学を立て直した功績が讃えられた事で超高校級としてスカウトされたのです。…もしスカウトが無かったら私、どうなっていたのか…!ううっ…!」
涙ぐむ八咫を見てたら思わず俺は八咫の手を握っていた。
「八咫……辛かったよな。話してくれてありがとう。」
「あ、暁日君……」
「安心しろ。俺は何があってもお前の味方だ。……もちろん、ここから出てもだ。」
「ううっ……!ありがとう……ありがとうございます…!」
「………ちょっとは楽になったか?」
「ありがとうございます。お陰でだいぶ楽になりました。」
「そか、なら良かったよ。」
「…私はどうしても、ここを出なければなりません。私を待ってる人や会わなくてはいけない人がいるんです。」
「会わなくてはいけない人?」
「母が蒸発する前に一度、私には生き別れの姉がいると教えてもらったんです。姉さんに会うまでは、死んでも死に切れません。」
「姉か…。分かった!俺も持てる限りの人脈を使って協力するよ!」
「そ、そこまでしてもらわなくてもいいんですよ…?」
「気にするなって。俺はお前のビジネスパートナーなんだからさ。」
「ビジネスパートナー…ですか。フフッいいですね。では、これからも………私の生涯のビジネスパートナーとしてよろしくお願いします。」
「あぁよろしくな。」
「では、早速ですが色々と仕事に関して相談したいのですが…。」
「オイオイ、急だなぁ。」
八咫の悩みを聞いた事でお互いの信頼はグッと上がった様に感じた。
………ん?「生涯のビジネスパートナー」って…俺まさかプロポーズされたのか!?
やばい、軽く承諾しちゃったけど冷静になると死ぬほど恥ずかしい。
ーー
【宵月サイド】
ミーティングも終わった事だし、晩ご飯の支度まで時間があるので少し散歩する事にした。
「…んん〜っ。春みたいな気候ね。」
この学園に来てからはずっと晴れてる。暑くもなく、寒くもない丁度良い気候だ。
中庭の噴水前を通ると、
「〜〜〜♪♪」
柊さんが、持ち歩いてる本にスケッチをしていた。
………正直、この子は苦手だ。マイペースすぎて話すだけで疲れる。
といってもこの子は悪意があるわけじゃないし、和やかな雰囲気のせいで強く怒ることも出来ない。
視界に入った以上、無視するのもどうかと思ったので声を掛ける事にした。
「柊さん、隣いいかしら?」
「あ、舞ちゃん。どうぞー。」
「何描いてるのかしら?」
「えっとね、あれだよ。」
指さした先には氷室さんがいた。
「氷室さん?なんでまた彼女なの?」
「幽華ちゃんが可愛いからかなぁ。ほら、ちっちゃい子みたいだよね?」
「まぁ確かに彼女は高校生にしては背が低いわよね。」
「小学生みたいですっごい可愛いんだよねー。あと、聖悟くんもよく描くよー。どっちも可愛いからねぇ。……食べちゃいたいくらいに。」
「…ッ!?」
……何?今の強烈な悪寒は?
……………まさか、柊さんの「子供好き」ってそういう意味…?
…考えすぎよね、話題を変えましょう。
「…柊さんが、絵本作家になったきっかけって何かしら?」
「うーん…。おとーさんの影響かなぁ。」
「お父さん?」
「うん、“柊流星”って作家さん知ってる?」
「確か、『ドライバー探偵シリーズ』の作者よね。」
『ドライバー探偵』…愛車を乗り回して全国を旅する1人の青年。その青年が立ち寄った道中で起こる事件を解決するという推理小説だ。
「あのシリーズ、私も好きなシリーズよ。車の知識についても面白おかしく書かれてるのが意外と楽しくて………柊?もしかして…。」
「うん、柊流星はわたしのおとーさんなんだ。舞ちゃん、おとーさんのファンなんだぁ。またおとーさんに伝えておくね。」
テレビで見たことあるけど、あの厳かな雰囲気の男の人がこのゆるふわな子の父親…。意外すぎるわ。
「わたしはおとーさんが本を書くのを見て育ったんだぁ。だから、無意識に自分も本を書きたいって思ったのかも。もちろん子供が好きっていうのもあったんだけどね。」
「憧れから始まって超高校級になれたのも、才能のおかげよね。」
「うぅん、わたしなんかまだまだだよ。おとーさんみたいに長いシリーズも書いた事ないし。いつかわたしも小説を書いておとーさんと一緒に賞を貰う事が夢なんだー。」
「本当にお父さんが好きなのね。」
「うん、大好き。ちっちゃい頃におかーさんが死んでから1人で育ててくれたんだよ。それにどんなに忙しくても誕生日は絶対に祝ってくれるんだー。」
「いいお父さんね。」
「えへへー。お風呂もよく一緒に入るんだよー。」
「へぇ……えぇ!?」
サラッと流しかけたけど、今凄い事言わなかった!?
「お風呂…?お父さんと?」
「もちろん。友達に話すとよく驚かれるんだー。」
そりゃ驚くわね…。高校生の上この身体…。
お父さん、色々苦労してそうね。
「その…相手も男の人なんだから、一緒にお風呂に入るのは自粛した方が良いと思うわ。それに、ファザコンって言われちゃうわよ。」
「ファザコンでもいいもん。おとーさんが好きなのはホントなんだし。」
「…まぁ、私からはとやかく言わないでおくわ。」
他所の家庭事情に口を出すのも野暮よね。
すると、柊さんが何かを渡してきた。
「はいこれ。」
「?何かしらこれ?」
渡されたものは私の似顔絵だった。
「話してる間に描かせてもらいましたっ。」
「…いつのまに。」
描いてるのに全然気づかなかった。
「……凄い似てるわ。」
「今日は楽しかったからそのお礼。大したものじゃなくてごめんね。」
「そんな事ないわ。この絵大切にするわね、ありがとう。」
「どういたしましてー。」
ーー
ーーその夜
夕食を食べ終わった俺達。
すると葛城が
「よし!これから男子の親睦を深めるためにも温泉に行こうか!」
と提案した。
「さっきの報告でも言ってたしな。いいぜ、行こう。」
「………異議なし。」
「オレはもちろん構わないさ。」
「じゃあ、アタシたちも温泉に行こう!」
「日本の温泉…初めてだわ。」
「いいですね!裸の付き合い!賛成ですわ!」
いざ、温泉へ行こうとした瞬間
「ちょーーっと待ったぁぁぁ!!」
空気を読まないヤツが現れた。
「アンタさぁ…ホント空気読まないよね。」
「はい?空気は読むものじゃなくて、吸うものだよ?」
「飛田さん、やめとこう。彼と張り合うだけ無駄だ。」
「なんの用だよ。わさわざ遮ってまで出てきたけど。」
「実はもう一つプレゼントがあったのを忘れてたんだよ。いや〜失敬失敬。」
「わぁ…モノクマさん、次は何をくれるのでしょうか?」
「ズバリ、次の“動機”です!」
その瞬間、食堂に緊張感が走る。
動機…また事件のきっかけを作る気か。
……あの忌々しい光景を思い出してしまう。
「次の動機のテーマは『闇』です!人間は誰しも大小あれど、闇を抱えてるモノ!その人物にとって闇と言える秘密を発表させて頂きます!」
「でも、自分の秘密なんて自分が知ったところで意味なんかないんじゃ…?」
「誰が自分の秘密を自分に発表するって言ったの?……ボクは今回、
………なんだと?
「つまり、自分の秘密を他の誰かに知られる事になるということ!うぷぷぷ…誰がどの秘密を知るのか楽しみだねぇ。……あ、それからオマエラのプライバシーに配慮して、みんなが個室にいるでしょう日の変わり目の0時に送らせていただきます!以上です、じゃあねぇーーー!」
「……先に釘を刺しておく。誰の秘密が送られてきても他言無用だ。ましてや、本人に伝えようと思うな。」
そうだそれが一番だ。下手に話そうものなら恐ろしい事になる。
「で、結局温泉は?」
「もちろん行くよ!今行かなかったらいつ行くのさ!」
「よし!行くぞ!」
ーー
【暁日サイド】
という訳で温泉に来た俺達。
来たのはいいんだけど…。
「………なぁ。」
「どうした暁日?」
「なんで俺らはみんなしてサウナにいるんだ?」
「サウナで我慢大会。これも1つの醍醐味じゃないかな。」
「………言えてるな。」
…………いや、さっぱり分からん。
「……そう言えば結局、小鳥遊君は来ず?」
「あぁ。一応声は掛けたけど…『温泉の硫黄の臭いが好きじゃないんだ』『みんなでお風呂って慣れなくて…』って言われて断られた。」
「まぁ、無理に誘う必要も無いだろう。」
………にしても、皇と獅子谷は分かる。葛城、意外とガタイいいな。
「……………」
「…うん?暁日君、どしたの?」
「いや、結構ガタイいいなって。」
「フフン、でしょ?最近はモデルの仕事も多いからね。鍛えてるんだ。」
「…………暁日、お前は細すぎだ。………少しはトレーニングしろ。」
「……お前と一緒にするな。これでも少しは鍛えてるんだよ。」
俺は別にプロレスラーとかになりたい訳じゃないし。
「……きゅう。」
「ちょ、剣崎!?」
「………どうやら、脱水症状になってるみたいだね。これ以上は危険だ、剣崎クンを外に連れていっておくよ。」
「頼むぞ、東雲。」
東雲と剣崎が退場か。
「…………………」
……気まずい!残った3人は背がデカいから圧迫感が凄い!なんか3倍くらい熱くなった気がする!
「………俺も限界だ。先に出る。」
「お疲れ。無理しないでね。」
「……ふぅ。」
火照った身体を水風呂で癒す。凄く快適だ。
「………夜空を見ながら風呂に入ってこそ、露天風呂だよなぁ。」
ぼんやりと、空を眺めながら呟く。
すると、
「ちょっと!どこ触ってるのよ!」
宵月の声が聞こえた。そういや、女子も入ってるんだったな。
「…………」
一瞬良からぬ考えが浮かぶが、すぐに振り払う。
「いやいや、覗きは流石にマズいって。」
「ふぅ、隣失礼するよ。」
「ん?東雲か。剣崎は大丈夫か?」
「とりあえず冷たいものを飲ませて涼しいところに寝かせてある。しばらくしたら快復するだろう。…ところで、何か声が聞こえたようだが?」
「あぁ。女風呂の宵月の声だよ。」
「……ふーん。よっと。」
東雲は何やら仕切りを登ろうとしてるようだ。
「オイ、何する気だ?」
「そりゃ決まってるだろう?覗きだよ。」
「ちょ、それはマズいって!」
「とか言いながら止める訳じゃないみたいだが?おっ、良いところに登れそうな台が…。」
「あーあ…。俺知らね。」
ーー
【宵月サイド】
「うっひょーーう!露天風呂だーー!」
「あ、飛田さん!先に掛け湯をしないと…!」
「これが露天風呂……素晴らしいわ。」
女子全員でお風呂に入る事になった私達。
皆凄いテンションが高いわね。
「……ふぅ、あったかい。」
なかなか良い湯加減だ。気持ちがいい。
…………それにしても
「日本の文化……素敵ね。」
モデル体型のシルヴィアさん。
「よーし、アタシ泳いじゃうぞー!」
スポーツをやってるだけに程よくしまった身体の飛田さん。
「あぁ〜〜気持ちいい〜〜♪」
小柄な割に意外と大きい柊さん。
「………3人ともデカいわね。」
「…視線で殺せそうなくらいガン見してるな、キミ。」
「…いつのまに隣いたのよ。」
「最初からいたぞ。…それにしても巨乳の何がいいんだか。重くてジャマなだけだろう。」
「羨ましいとは思わないの?」
「……天は二物を与えないからな。この私がグラマラスだったら、パーフェクトになってしまうだろう。…………悔しい訳じゃないからな。」
悔しいのね。
「……?」
「どうしたの?夜桜さん?」
「…いえ、妙な気配を感じまして…。」
「妙な気配?」
「………えいっ!」
「っひゃあ!?」
急に後ろから胸を揉まれた。
「ひ、柊さん!?」
「えへへー、朝のお返しっ。それそれー。」
「ちょ、ちょっと!どこ触ってるのよ!」
「ほらー、揉まないとおっきくならないよー?」
「や、やめなさい…!」
「………!曲者ぉ!」
「ギャッ!」
突然、夜桜さんが仕切りへ向けて桶を投げつけた。
「ど、どうしたの?凛ちゃん?」
「不届き者がいましたわ。……倒したので皆様、気にしないでください。」
ーー
【暁日サイド】
「くっ…なかなかいい肩じゃないか。」
「ほら、言わんこっちゃない。」
覗きをしていた東雲の顔へ向かって風呂桶が飛んできた。
「………大丈夫か?」
「心配には及ばんさ。………フフ、わが生涯に一片の悔いなし…。」
………めっちゃ幸せそうな顔して倒れてしまった。
皇達もサウナから出てきたようなので俺達も上がる事にした。
ーー
……0時か。これからモノクマが言ってた『誰かが抱えてる闇』が送られてくる時間だ。この情報はそいつにとってはプライバシーに関わる問題で、皇も言ってた通り他言無用でいるべきだ。例え何が来ても驚かないでいよう。
すると、モノドロイドから通知音が鳴った。
「来たか。一体誰の……………なっ!?」
そこに書かれていた物…それはあまりにも衝撃的だった。
『超高校級の情報屋 小鳥遊瑞希の秘密!
小鳥遊瑞希は自身が女である事を隠し、男と偽っている。』
今回は「平和」と言ったな。あれは嘘だ。
実は小鳥遊ちゃん女の子バージョンの立ち絵も用意してます。
本編でも出るのでしばしお待ち下さい。
次回、波乱の幕開け。