ダンガンロンパ Redemption   作:ナーガ工場長

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後半戦開始。

今回も前編のおよそ2倍と相変わらず後編は長い。




非日常編3 学級裁判・後編

学級裁判 再会!

 

 

暁日「どうなんだ?氷室、お前はクロなのか?」

氷室「違うもん…!私じゃないもん…!」

 

 

宵月「幼児退行しちゃったわね…。」

柊「幽華ちゃん……凄い可愛い…。」

皇「……これだと埒が明かないな。仕方ない、一度状況を整理しよう。」

 

宵月「それもそうね。ねぇ氷室さん、いいかしら?」

氷室「……グスッ………なぁに?」

宵月「あなたは今日の朝、朝食には出ずにタワーに行ってたのよね?」

氷室「う、うん…。」

 

宵月「その時、何をしてたの?」

氷室「えっとね…。みんなが来る前に最終調整でゲームをしてたの。どのゲームでも勝てるように。」

 

宵月「という事はゲームセンターからは出てないのかしら?」

氷室「うん…。」

宵月「じゃあ、これで最後よ。朝、エントランスに入った時死体はあったのかしら?」

氷室「うぅん…無かった。それに、もしあったらみんなを呼びに行ってるよ。」

 

 

宵月「……と言ってるわよ。」

暁日「でも、その時他にエントランスにいた奴はいなかっただろ?氷室の話だけで犯人じゃないと決めるのは難しくないか?」

氷室「私ホントに知らないもん!嘘なんか言ってないよ!」

 

 

このままだと終わりそうにないわね…。

なら、氷室さんが犯人じゃないと言い切れる根拠を探してみようかしら。

 

 

ーー議論開始!ーー

 

 

暁日「お前がタワー内にいつからいたか…。それを〈証明出来る〉やつはいるのか?」

 

氷室「そ、それは…。いない…。」

 

暁日「だったら、悪いけどお前が犯人という可能性はまだ捨てる訳にはいかないな。」

氷室「私じゃないってば!なんで信じてくれないの!?」

 

暁日「だから、それを示す《証拠》を見せてくれよ。そうじゃないと話にならないだろ。お前は誰も居ない事をいい事に水槽に死体を入れた…。違うか?」

 

氷室「死体なんて気付かなかったよ…?それにあの水槽、《奥行きがある》から魚に紛れてても普通分からないよね?」

 

 

彼女が犯人じゃない証拠……。何とか見つかったわね。

 

《奥行きがある》←〈水槽内の鏡]

  論

「それは違うわ!」

     破

 

 

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

宵月「氷室さん……安心して。あなたが犯人じゃない根拠、見つけたわ。」

氷室「ほ、ほんとぉ…?」

宵月「氷室さん、今『水槽は奥行きがある』って言ったわよね?」

氷室「う、うん…。」

 

宵月「この発言、犯人の発言にしては不自然じゃないかしら?」

剣崎「不自然……と言いますと?」

宵月「あの水槽を調べた人なら知ってると思うけど、水槽の奥の壁は鏡張りになってるのよ。」

 

獅子谷「……!そうか……!」

宵月「そう、犯人なら知ってるはずの鏡に付いて知らないなんて普通ありえるのかしら?」

暁日「でも、それも嘘かも知れないだろ?」

 

剣崎「その可能性はないと思います。………氷室様はタワー内の捜査を行っていませんからね。たまたま外を捜査してる氷室様を僕が目撃したので間違いないかと。」

宵月「これで分かったでしょ?氷室さんは犯人じゃ………」

 

 

      反

暁日「その言葉、ぶった斬る!」

         論

 

 

暁日「いや、まだ可能性はあると思うぞ。」

宵月「………まだ何かあるのかしら?」

暁日「当然だ。考えられる可能性は全て考えるべきだ。」

 

 

 

 

 

ーー反論ショーダウン開始ーー

 

 

 

暁日「お前の言う通り、氷室は水槽が鏡張りになってる事を知らないのは事実だとは俺も思う。けどな、それだけじゃまだ足りないんじゃないか?俺が思うに、別の手段で死体を出現させたんだと思うんだ。」

 

宵月「別の手段って……一体何かしら?」

 

暁日「例えばそうだな……。死体を発見した時、モノパパが水と魚達を全て別の場所へ移動させてたよな?あれって要はもう一つ別の水槽があるって事だろ?《あの水槽》を使えば、誰の目にも触れずに死体を隠す事だって出来るんじゃないか?」

 

 

一見筋は通っている……けど、この推理は通らない。

彼の知らないその根拠は…。

 

      斬

《あの水槽》←【予備水槽】

    論

「その言葉、斬ってあげる!」

       破

 

 

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

 

宵月「暁日君、あなたの言う通りあそこにはもう一つ水槽があるわ。」

暁日「やっぱりな。ならそれを使えば…。」

宵月「でも、それは不可能よ。」

暁日「何だと?」

 

宵月「その水槽、『予備水槽』って言うんだけど、エントランス内にある水槽とは水門を使って間を隔ててあるの。その水門の開閉にはバックヤード内の機械で制御してるらしいわ。そして、その機械……パスワードでロックされてるから使う事は出来ないわ。……そうよね?モノパパ。」

 

モノパパ「あぁ。その通りだ。メイン水槽の大規模な掃除をする際に予備水槽を使うんだが…勝手に操作されると困るのでな。こちらでロックを掛けさせてもらっている。従って、予備水槽の使用は絶対に出来ない。」

 

 

宵月「という訳よ。これではっきりしたわね。氷室さんは水槽の構造を知らない、そして予備水槽を使う事も出来ないから彼女は犯人じゃないわ。」

氷室「………ククッ。だから最初から言ってるだろうに。それにしてもこの私を罠に嵌める(にデバフを掛ける)とは…。神に逆らったその罪、とても重いぞ。制裁を受ける覚悟は出来ているのだろうな!?」

 

シルヴィア「変わり身が早すぎるわね。」

氷室「黙ってろ。年増女。」

シルヴィア「と、年増…!?」

 

 

 

獅子谷「…………となると死体はいつ出て来たんだ?」

夜桜「朝にしても夜にしても、氷室さんが目撃してるはずですものね。」

柊「わたしは朝かなぁ。夜はみんな寝ちゃってるし。」

小鳥遊「それだと根拠が弱いよ。夜でも十分可能だ。」

 

宵月「困ったわね…。意見がまた割れちゃったわ。」

 

モノクマ「はい、待ったぁぁーー!!意見が割れちゃったのでしょうか?それはそれはお困りでしょう!」

モノパパ「今回も変形裁判所の出番だな?そうだな!?」

 

暁日「……え?あれやるのか?」

飛田「悠…。顔真っ青だけど大丈夫?」

暁日「なぁ、それやめないか?もうちょっと話したらわかるかもしれないし…。」

 

モノクマ「もうちょっと話しても分かりそうにないので意見は聞きません!では、レッツ変形!」

暁日「い、嫌だぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

暁日君の懇願を無視して、前回と同じくモノクマ達がどこからか取り出した装置によって席が移動を始めた。

 

 

 

【死体を入れたのはいつか?】

 

 

 

  [朝だ!〉 〈夜時間だ!]

         暁日   宵月

        獅子谷   夜桜

          柊   氷室

         飛田   小鳥遊

         剣崎   皇

         東雲   葛城

               シルヴィア

              

 

ーー議論スクラム開始ーー

 

飛田「犯人は《朝》のうちに死体を入れたんじゃない?」

「氷室さん!」

氷室「私は《朝》の時点で目撃してないと言っているだろう?」

 

剣崎「ですが、《目撃》してないというのは不自然ではありませんか?」

「皇君!」

皇「《目撃》してないだけで、バックヤードに死体を置いていた可能性はどうだ?」

 

獅子谷「………《バックヤード》に置いていたならいつ入れたんだ?」

「夜桜さん!」

夜桜「八咫さんを探す時に隙を見て《バックヤード》から水槽に入れたのかもしれません。」

 

東雲「隙を見てってエントランスは《無人》ではなかったろう?」

「葛城君!」

葛城「タワー内を探してた人達はすぐ下に降りてないから《無人》だった時間があるんだ。」

 

柊「幽華ちゃんが《犯人》ならその時に死体を入れることが出来るよねぇ?」

「小鳥遊君!」

小鳥遊「氷室さんは水槽の構造を知らなかったから《犯人》とは言い切れないよ。」

 

暁日「それじゃあバックヤードが《殺人現場》って事か?」

「シルヴィアさん!」

シルヴィア「死体発見現場が必ずしも《殺人現場》とイコールという訳じゃないわ。」

 

暁日「でも他に《思い当たる場所》があるのか?」

「私が!」

宵月「《思い当たる場所》……それはあなたの方がよく知ってるんじゃないかしら?」

 

 

 

 全 論 破 

 

宵月「これが私達の答えよ!」

夜桜「これがわたくし達の答えですわ!」

氷室「これが私達の答えだ!」

小鳥遊「これがボク達の答えだ!」

皇「これが俺達の答えだ。」

葛城「これが俺達の答えだよ!」

シルヴィア「これがワタシ達の答えよ!」

 

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

 

宵月「どうやら、死体は夜時間に入れた……そう考えるのが妥当みたいね。」

獅子谷「………だが、どうやって隠したのだ?」

剣崎「それに、新しい問題も増えましたね…。殺人現場…。」

 

宵月「殺人現場については後にして先に死体を隠した方法、これを考えましょう。」

夜桜「ですが隠すといっても、もう場所は無いと思いますが…?」

宵月「1つだけ思い当たる方法があるわ。」

柊「えっ。そうなのぉ?」

 

 

その方法は…

【コトダマ提示】→〈鏡を動かす機械]

…これよ!

 

 

宵月「あの鏡…実は動かす事が出来るのよ。」

シルヴィア「何ですって…!」

宵月「バックヤードにある鏡を動かす機械…これが手動モードになってたのよ。鏡を手動操作で動かし、もう一つあるものを利用した。」

 

 

それは…

 

 

ーー閃きアナグラム開始ーー

 

 

鏡 の 反 射

 

 

……そういう事ね!

 

 

 

宵月「…そう。鏡の反射を利用したのよ。」

皇「鏡の反射だと?」

 

 

宵月「つまり、こういう事よ。

 

まず、鏡を動かして人1人分が入れるスペースを作る。

この時鏡と水槽の間に水が入り込むから投げ込んだ時に死体が損傷する事が無くなるわ。

 

そして、正面から見ると鏡の反射によって水槽の中が映る。

これによって、鏡が奥に取り付けられている事と水と魚に遮られて鏡が動いている事も分からず、エントランス側からだと一見何も無いように見えるようになるわ。

 

最後に死角になった空いたスペースに死体を投げ込むの。

これで、いつでも死体を取り出す事が出来るという訳よ。」

 

 

剣崎「なるほど…これなら夜時間でも死体を入れることは可能ですね。」.

飛田「鏡か…。それは気づかなかったなぁ。」

 

 

 

宵月「死体のトリックはこれで終わりよ。ここからが本題ね。殺人現場について議論しましょうか。暁日君、何か思い当たる節はないかしら?」

暁日「えっと……そうだな。みんなは八咫の死体を見たとき一つ変わった事があるのに気づいたか?」

東雲「確か、メガネが無くなっていたな。」

暁日「そう、そのメガネだけど…。俺、見つけたんだ。」

 

 

【コトダマ提示】→〈メガネ]

 

 

暁日「このメガネ……八咫の研究資料室に落ちてたんだ。これってつまり、八咫は研究資料室で殺されたって事じゃないか?」

氷室「メガネを掛けているのは東雲と八咫の2人…。東雲は今掛けているから、八咫の物で間違いないな。」

暁日「それからもう一つ、気になる物があったんだ。」

 

 

 

そう、未だに謎の物…。俺は写真に撮ったそれを見せた。

【コトダマ提示】→〈謎の計算式]

 

 

暁日「これも八咫の研究資料室に書いてあったやつなんだけど、こんな計算式を見つけたんだ。」

 

飛田「『(1×2)+(9×5)+(6×1)=96』……???なにこれ?」

柊「うーーーん……。分からないや。」

 

剣崎「計算式なのは間違いないですが……答えが違いますね?」

シルヴィア「普通なら答えは53よね?全然違うじゃない。」

葛城「計算式っていうと八咫さんのイメージだけど……?」

 

宵月「96……九六………きゅう……ろく……く…。」

獅子谷「…………宵月?随分考え込んでいるがどうした?」

 

宵月「みんな。この計算式の意味が分かったわ。」

氷室「なんだと!?」

 

 

 

宵月「これは計算式に見せかけたダイイングメッセージよ。恐らく八咫さんが犯人にバレるのを避けるため、暗号化したものね。」

皇「なるほど…。会計委員の八咫らしいな。」

 

宵月「それで、このダイイングメッセージの意味だけど…まず96はただの『語呂合わせ』よ。96だから『く・ろ』。」

剣崎「クロ…!という事は前の計算式が犯人を示してる訳ですね!」

宵月「そういうことよ。そして、計算式の解き方だけど……みんな、モノドロイドを用意してくれる?」

飛田「いいけど…なんで?」

 

 

 

宵月「この計算式はある物に対応してるの。」

 

それは…

 

ーー閃きアナグラム開始ーー

 

携 帯 の テ ン キ ー

 

……そういう事ね!

 

 

宵月「携帯のテンキーよ。最初の(1×2)は『あ行』を二回押して、『い』という感じよ。モノドロイドはスマホと同じだからやり方は分かりやすいわね。」

暁日「その法則で残りもやっていくと犯人の名前になるって事か…!」

宵月「そういう事。じゃあ残りもやっていきましょう。次は(9×5)だから『ら行』、その次は(6×1)で『は行』…。」

 

これで浮かび上がる名前は……。

 

 

 

【人物指定】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

→柊色羽

「犯人は…あなたよ!!」

 

 

 

 

 

宵月「このダイイングメッセージを解くと浮かび上がる名前…『い・ろ・は』……。そう柊色羽さん、あなたが犯人よ。」

柊「…………。」

飛田「えっ!?色羽ちゃんが!?」

東雲「あの天使の如く優しい柊ちゃんが………正直あり得ないと思うが。」

 

宵月「とはいっても、あくまでダイイングメッセージを解いただけだからね。まだ推測の域を得ないわ。…どうなのかしら?柊さん。」

柊「……………。」

暁日「お、おい。柊、お前聞いてるのか?」

 

柊「…………すぅ、すぅ……。」

獅子谷「………寝てる!?立ったまま!?」

柊「………ふにゃっ。……あれ、何の話だっけ?」

 

 

宵月「あなた………分かってるの?今の状況……。」

 

 

柊「うん、分かってるよ。わたしが犯人、そう言いたいんだよね?」

 

 

飛田「い、色羽ちゃん?」

葛城「完全に目が覚めた…ってことかな。」

 

柊「色々言いたい事はあるけど…まずはわたしは犯人じゃないってことを説明しようかな。」

 

……ここからが本番、という事ね。

 

 

 

ーー議論開始!ーー

 

 

柊「ダイイングメッセージは、まぁ面倒くさいからほっとこうかな。それより、重要なポイントはわたしがその時間何してたかって事で良いのかな?わたしはその時間〈寝てたよ〉。はい終わり。」

 

夜桜「み、短すぎませんか…?」

 

柊「本当の事を言っただけだよ。それより怪しいのはその時間包丁を持ち出していた《瑞希ちゃん》じゃないかな?」

 

宵月「その時間のアリバイは暁日君が証明してるわよ。」

 

柊「そんなの嘘っぱちじゃないの?例えば2人は《共犯》って事も考えられるでしょ?」

 

 

ーー?今の発言、なんかおかしくなかったか?

 

「俺に代わってくれ!」

 

 

《瑞希ちゃん》←〈小鳥遊の秘密]

  論

「それは違うぞ!」

     破

 

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

 

 

暁日「柊、お前今『瑞希ちゃん』って言わなかったか?」

柊「言ったよ?何か問題?」

 

小鳥遊「あ、暁日君…?」

暁日「小鳥遊、悪い。今の証言明らかに変なのはお前も分かってるだろ?」

葛城「2人とも何の話をしてるんだ?」

 

暁日「あぁ。柊は普段、誰かを下の名前と男子には『くん』、女子には『ちゃん』を付けて呼ぶだろ?なのに、小鳥遊の事を『瑞希ちゃん』って言ったんだ。」

シルヴィア「言い間違いじゃないの?それなら大した問題じゃないと思うけど?」

暁日「いや、それが大有りなんだ。…………なんせ、小鳥遊は『女子』だからな。」

 

皇「な、何!?」

宵月「小鳥遊君が…女子ですって!?」

飛田「ほ、ホントなの!?瑞希…いや、瑞希ちゃん?」

 

小鳥遊「……………。」

暁日「小鳥遊……本当にごめん。けど、これは重要な事なんだ。………お前の口から話してほしい。」

小鳥遊「僕は…………。………………うん、ボクは女子だよ。」

 

獅子谷「……な、何という事だ…!」

 

暁日「そして、重要なのはここからだ。この事は例の動機として俺に送られてきた。そして東雲も最初から気付いていた。つまり、知ってる人間は俺と小鳥遊本人、そして東雲の3人だけなんだ。」

夜桜「あら?…となると…。」

暁日「そういう事だ。柊はあたかも知ってかのように小鳥遊を『ちゃん』付けで呼んでいた。それにお前はさっき寝ていた言ったよな?……なぁ、これはどういう事なんだ?」

 

柊「……………。」

宵月「答えられないのかしら?それとも反証を考えているのかしら?」

 

  

       反

柊「眠くなっちゃうシナリオだねぇ…。」

          論

 

 

柊「そこまで言われたら反論しようかなぁ…。これ以上聞いてると眠くなりそうだし。」

宵月「まだ認めないつもり?往生際が悪いわよ。」

柊「だってわたしは犯人じゃないからねー。」

 

 

 

ーー反論ショーダウン開始ーー

 

 

柊「なんで瑞希ちゃんが女の子だって知ってたかって?それはとっても簡単な話だよ。その時間、ちょっと散歩してたんだ。その時たまたま温泉の脱衣所前を通った時に2人の争う声を聞いたんだよ。それで知ったんだ。」

 

宵月「あなた、さっきは寝てたって言わなかったかしら?」

 

柊「たまたま目が覚めただけだけど、それの何が悪いの?別に起きて散歩するのもわたしの勝手でしょ?それにわたしが犯人だって言うんだったら、あの水槽の鏡を動かしたのもわたしって事だよね?あの鏡を動かすんだったら《誰でも出来る》んじゃないの?それでもまだ、犯人だって言うつもり?」

 

誰でも出来る…。それはあり得ないわ!

 

        斬

《誰でも出来る》←【鏡を動かす機械】

    論

「その言葉、斬ってあげる!」

       破

 

 

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

宵月「鏡を動かすのは誰でも出来るわけじゃないわ。………覚えてるかしら?バックヤードの説明を初めて受けた時の事。」

葛城「確か、モノパパは俺と宵月さんと柊さんにやっと説明出来たみたいな事を言ってたよね。」

宵月「そうよ。バックヤードの説明を受けたのはその3人だけ。そして、3人の中で事件発生時間に外を出歩いていた事を認めたのは、他でもない…。そう、あなた自身よ!」

 

柊「うっ………!」

シルヴィア「どうやら……これで決まりみたいね。」

 

柊「…………だよ。」

宵月「え?」

柊「まだ……まだだよ!まだ分かってないことがあるよ!」

葛城「全ての事実が君が犯人だと示している。これ以上何があるって言うんだい?」

 

柊「死因だよ!琴音ちゃんの死因がまだ分かってないよね!?それが分からないと犯人とは言えないんじゃないの!?」

宵月「死因……それはここに書いてあるわ。」

 

【コトダマ提示】→〈モノクマファイル2]

…これよ!

 

宵月「モノクマファイルにははっきりと『頭部と胸部に外傷有り』…そう書いてあるわ。」

柊「だから、それがなんなの!?胸部は包丁だけど、頭部を殴った凶器は分からないじゃない!」

宵月「その頭部の傷……ちょっと変わった形をしてるのよね?東雲君。」

 

東雲「あぁ……。確か何かの角で殴ったような形だったな。」

柊「角?そんなのなんでもあるじゃない!」

宵月「そうね。でも、あなたが犯人なら1番目の前に手頃な凶器があるんじゃないかしら?」

 

暁日「手頃な凶器…?」

柊「そ、そんなのないよ!知らない!」

宵月「仕方ないわね。教えてあげる。」

 

 

 

柊「琴音ちゃんを殴った凶器……なんだって言うの!?」

 

柊 の 持ってる 本

 

これで終わりよ!!

 

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

宵月「八咫さんを殴った凶器…それはあなたの持ってるその大きな本よ!」

柊「あぁっ!!」

東雲「そうか…!あの角と細長い辺の形…まさに本じゃないか!」

 

宵月「八咫さんは護身用として包丁を持っていた。もし八咫さんに攻撃されたなら傷が付いてるはずなのに傷もない。その理由は…その本を盾にして攻撃を防いだからなんじゃないかしら?」

柊「……!」

宵月「その本は重さも大きさも厚さも凶器として十分すぎる。包丁を本で防いだ後、その本で返り討ちにした…。違うかしら?」

 

柊「…………………。」

宵月「柊さん、その本を見せなさい。もし本を凶器にしてるなら刺し傷か血の跡がついてるはずよ。紙だから洗い流す事も出来ないし替えの本もないでしょうしね。」

柊「…………。」

柊さんは無言で本を見せた。

 

獅子谷「血の跡…。それに刺し傷があるな……。」

暁日「じゃあやっぱりお前が…。」

柊「………。」

シルヴィア「もう、反論する気もないみたいね。」

 

 

宵月「これ以上続ける必要は無いみたいね。じゃあ最後に事件を振り返って全てを終わらせましょう。

 

……………これが事件の真実よ!」

 

 

 

 

ーークライマックス推理開始!ーー

 

【Act.1】

事件は昨日夜時間中の深夜0時過ぎに起こったわ。

八咫さんは自分の研究資料室にある人物を呼び出した。呼び出した目的……それは恐らく、事件発生の日に配られた動機『誰かの秘密』が関係してるのでしょう。

 

【Act.2】

呼びされた人物にとってその秘密はとても大きな意味があった。だから、口封じとして八咫さんを殺そうとしたの。でも、この時八咫さんは護身用として包丁を持ち出していた。その包丁を使って犯人に対抗した。

けど、この時犯人は咄嗟に“ある物”を使って彼女の攻撃を防いだ。

“ある物”……それは犯人が普段から持ってる大きな本よ。

 

【Act.3】

本で攻撃を防いだ犯人はそのままその本で八咫さんの頭を殴りつけて気絶させて、その間に証拠隠滅を図ろうとしたの。けど、この時辛うじて息があった八咫さんは犯人の名前を計算式に置き換えたダイイングメッセージを残した。このダイイングメッセージに気づかなかった事、そしてこの争いで落ちたメガネによって殺人現場が彼女の研究資料室だとバレるきっかけになってしまったの。その事に気づかないまま、犯人はさらに包丁を突き刺しトドメをさした。

 

【Act.4】

次の死体を処理するために研究資料室から死体を運びだした。

この時、温泉では暁日君と小鳥遊…さんの争いが起こっていたの。犯人は死体を運ぶ時偶然その声を聴いていた為、小鳥遊さんが女子だと知る事になりその事を口走った事で、事件発生時の行動に矛盾が生じてしまった。

そして、犯人は死体をモノクマタワーのエントランスまで運んできた…。

 

【Act.5】

エントランスにあるアクアリウムのバックヤードに来た犯人は、鏡を動かす機械を手動モードに設定して鏡を動かして死体を隠すスペースを作ってそこへ死体を投げ込んだ。鏡の反射と水と魚、これらの要素が合わさって正面から見ても死体がある事には気づかないようにしたの。そして、何食わぬ顔で朝食とゲーム大会に参加して、八咫さんを探し始めた時にタワーの外へ出るフリをしてさり気なくバックヤードに行き死体を水槽内に出現させたーー。

 

 

 

「そうなのでしょう?『超高校級の絵本作家』、柊色羽さん!!」

 

ーーBREAK!!ーー

 

 

柊「……ふうっ。……あーあ、バレちゃったぁ。いけると思ったんだけどなぁ。」

氷室「……そんな…まさか、キミが…。」

柊「あー、もうそういうの良いからさ。さっさと終わらせちゃお?じゃクマちゃん、始めちゃって?」

 

モノクマ「……んぁっ?……やっべ、出番あんまりないから寝てた…。はいはーい!それでは、オマエラ!投票をお願いしまーす!」

モノパパ「もう一度言うが、ちゃんと全員投票しろよ?では、始めぇぃ!」

現れたパネルのボタン…。私は柊さんへ投票した。

 

モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰か!?」

モノパパ「そして、その答えは正解か不正解なのかぁ!?」

 

モニターに表示され、再び回りだしたスロット。ドラムロールと共にリールの速度が落ち、柊さんの顔が3つ並んで止まった。

そして、歓声と共に大量のメダルが排出された。

 

 

 

学級裁判 閉廷!


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