続・探索編です。
前回が暁日となれば今回は…?
【宵月サイド】
「・・・・・」
「えっとー…。宵月さん?」
「何よ。」
「負けて悔しいのは分かるけどさ、そろそろ機嫌直してくれないかなー?」
「怒ってないわよ。」
「どう見ても怒ってない人の態度じゃないよ。ほら、笑って笑って。」
「……はぁ。」
今、私は最高に機嫌が悪い。
ジャンケンで負けてタワーの探索ができなくなったからだ。
それ以上に彼のあの勝ち誇ったような顔が物凄くムカつく。
「………まぁ、いいわ。少し落ち着いたし、行きましょう。………帰ってきたらあのアンテナ毟り取ってやるんだから。覚えておきなさい、暁日君。」
「本音が漏れてるよ。」
「うるさいわね。大体なんで今日も一緒なのよ。」
「あれ?来たらマズい?」
「そういう訳じゃないけど…。」
どうしても気になる事がある。
ーあまり“オレ”を苛立たせるなよ。
昨日の学級裁判後のあの殺気…。
とてもハッタリだとは思えない。
今はその気配が全く感じられないのも却って不気味さを際立たせている。
だから、しばらくは距離を置きたいと思い、
「深い理由があるわけじゃないけど…私も機嫌が悪いし、誰かと距離を置きたいの。だから、今日はそっとしておいてくれない?」
理由を悟られないように、やんわりと断った。
「ふーん……。」
葛城君は顎に手を当てて何か考えているようだった。
前もあの仕草をしていた、という事はどうやらあれは彼の癖みたいね。
そんな事を考えていると突如、
「………これでも、ダメかな?」
私を壁に追い詰めて手で逃げられなくしてしまった。
所謂、“壁ドン”の状態だ。
「ちょ、ちょっと…!?」
「君はそんな事言っても、俺はもっと君と一緒に居たいんだけどなぁ…。」
「……人を呼ぶわよ。」
「お好きにどうぞ。何と言おうと君がイエスと言うまで俺はこうしてるよ。それでも良いならこのまま我慢比べでもする?」
冗談じゃない。
今のお互いの距離は息が掛かるくらい目の前だ。
それこそ、あと一歩でも近づいたらキスが出来てしまうくらい近い。
「……もう、ずるいわよ。」
「その心は?」
「イエスって事よ!いいから離れて!」
「はーい。」
ここまで言ってようやく離れてくれた。
彼だけは何考えてるのか全く分からない…。
「よっし、じゃあそろそろ探索行こうか。」
「なんでそんなに平然としてられるのよ。」
「別にあれくらいの事は何回も経験してるし、何とも思わないよ。……あれれ?もしかして、意識しちゃった?」
「別に……。」
ある意味では恐怖を感じたわね。
「ねぇ、ちょっと聞きたいんだけどさ。」
「何かしら?」
「結局、君の才能って何なの?」
今一番返答に困る質問が来たわね…。
未だに自分の才能が思い出せない上に、手がかりすら見つからないんだから。
「その質問には答え兼ねるわね。私にだって分からないんだから。」
「本当なの?隠してる訳じゃなくて?」
「わざわざ隠す理由がどこにあるのよ。逆に、あなたは私の才能をどう考えてるの?」
「うーん…。これまでの事件への貢献っぷりを考えると俺は『超高校級の探偵』じゃないかなって睨んでるんだけど…。どう?しっくりこないかな?」
『探偵』……。だとすれば事件の解決そのものが目的だけど…。
「……違うわね。探偵は事件解決そのものが目的でしょ?私の場合はちょっと違うの。」
「違うっていうと?」
「私は事件の“全て”を知りたいの。使われた凶器、死因、犯人の動機…。それらが知りたくて捜査をしているのよ。言ってしまえば、単に知識欲を満たす事こそが私の目的とでも言ったところかしら。」
「………なるほどね。気になった物をとにかく調べたいというわけだね。」
「そうね。ただひたすらに新しい知識を増やしたい、これだけよ。理解してくれた?」
「うん。となると君は研究者…なのかもしれないね。」
「ふふ…面白い答えね。今はそれでよしとしましょう。」
「よし、だっとら気を取り直して探索しよう!知識欲を満たすためって考えたら、ちょっとはやる気も出るんじゃないかな?」
「ええ。前向きに考えて、探索…と行きましょう。」
ーー校舎4階
例によって、シャッターが撤去されて新たなエリアである4階が開放されていた。
「相変わらず変わり映えしないのよね。」
「校舎だからどうしても造りは一緒だろうしね。」
タワーはフロアを上がる毎に何かしらの変化があったけど、こっちは校舎である以上、大きな変化がみられない。…だから、こっちはあまり探索をする気にならないのよね。
「…すぎたことを言っても仕方ないわね。さっさと調べちゃいましょう。」
最初にやってきた部屋の扉は全体が白く、アクセントで縦横に一本ずつ赤い線が引かれてそれが途中で交差してるデザインだった。
「赤十字のイメージ?…となるとここは医療系の才能を持つ人物…東雲君の研究資料室かしら?」
扉を開けると中は病院の診察室のようになっていた。
そして、
「やぁ、君たちもここの探索かい?」
「東雲君、やっぱり来ていたのね。」
「まぁね。今のオレにとって一番居心地がいいのはここだからな。折角、来てくれたんだ。何か飲み物でも飲むかい?」
「すぐに出ていくから結構よ。」
「やれやれ、つれないねぇ。」
「私達はあなたと違って暇じゃないのよ。」
「言ってくれるねぇ。そういう所も嫌いじゃないよ。」
「じゃあ、勝手に調べさせてもらうわね。」
「荒らさない程度に頼むよ。」
部屋にはデスクと患者が寝るためのベッド、それから薬や医学書が置かれた棚があった。
「如何にも…って感じの部屋だね。」
「脳医学、神経学、小児科学、薬学…沢山あるわね。」
「ここには全ての種類の医学書が置いてあるんだ。」
「ふーん…。あっ、これ解剖学と法医学の本。検死に関する本もあるのね。」
時間があったら読みにこようかしら。
「薬類の方も色々あるね。傷薬に風邪薬、胃腸薬それから抗がん剤か。」
「抗がん剤ってどういう状況を想定してるのよ…………こっちは、栄養ドリンクね。」
倉庫にも栄養剤はあったけど、こっちの方が遥かに種類が多い。
すると、見慣れないラベルのドリンクが目に入った。
「こんな栄養ドリンク、市販に置いているの見たことないわね。…となると、彼らが用意した物かしら。」
ドリンクはいずれも左右の色が白黒に分かれたラベルになっており「α」「β」「Ω」と書かれた三種類があった。
「東雲君、このドリンク何かしら?」
「あぁ、それかい。それはかの身体の感度が3000倍になる事で有名なあの…。」
「コラーー!!嘘を教えない!そんな物を出したらR-18になるって言ったじゃないか!!」
「まったく…相変わらずジョークが通じないんだからつまらないな。」
案の定、冗談だったのね。……冷静に考えたら身体の感度が3000倍になるって恐ろしいわね。
「話を戻すけど結局、このドリンクは何なのかしら?」
「よくぞ、聞いてくれました!そのドリンクは『モノナミン』と言ってボク達が特別に調合した特別ドリンクです!」
「へぇ、栄養ドリンク。じゃあなんで、3種類もあるの?」
「3種類それぞれ効果が違うんだよ!『α』は睡眠促進。人間、疲れた時はグッスリ眠るのが1番!これ一本で瞬く間に夢の世界へGOという訳だよ。しかも、目が覚めた時も疲れを引きずらない優れもの!税込みなんと600円!」
……市販に売ってるものじゃないけど、通販でもしてる気分なのかしら。
「じゃあ、『β』は?」
「『β』は疲労回復!疲れた身体にこれ一本!作業もバリバリ捗るようになるよ!でも、一時的な物だからあまり飲み過ぎないこと!しっかり睡眠を摂るのも大事だから『α』とうまく併用してね!お値段は税込み650円!」
……通販の気分のようね。
「……じゃあ、この『Ω』は?」
Ωは確か「究極・最後」を意味する言葉だから、なんとなく嫌な予感がする。
「『Ω』はその名前の通り、他二本以上とは比べ物にならないくらい強力でね、効果は眠気覚まし。一本飲むと、丸2日は寝ないで済まなくていいくらいなんだよ。ただし、カフェインが普通のドリンクの30倍も含まれていて人によっては体調が悪くなっちゃうんだ。だから、これを飲むのは本当に必要な時だけにしてね。それから、絶対に二本以上飲まないこと!カフェインが強すぎて中毒死しちゃうかもしれないからね!中毒で死んじゃって裁判する事になっても面白くないじゃん!」
死ぬ事より、裁判優先か…。コイツは本当に倫理観が異常ね。
「じゃあ、私たちは探索に戻るわね。」
「おや、もういいのかい?」
「それなりに見れたから十分よ。一通り終わったら医学書読ませてもらいに来てもいいかしら?」
「勿論構わないさ。他にも聞きたいことがあったら言ってくれよ。……例えば、その胸を大きくするとか「…………。」……グェッ!……まぁ、君に任せるよ。オレは小さいのも大きいのも平等に愛せるからさ。」
とりあえず、ストレス発散も兼ねて東雲君を引っ叩いてから部屋を後にした。
ーー次の部屋はなにやら高級感のある扉になっていた。
「綺麗な扉だね…。まるで、偉い人が使う部屋みたいだ。入る前に一応ノックしておかない?」
「……する必要あるのかしら?まぁ、いいけど。」
扉をノックして見ると中から声がした。
「入れ。」
「この声は皇君ね。」
「ということは大和の部屋なのかな。」
「入れって言われたし、お言葉に甘えさせてもらいましょう。」
扉を開け中に入ると、高級感のあるデスクや壁に掛けてある勲章や表彰状が目に入った。映画でしか見た事ない光景だけど、実際に見るのとでは印象が違うわね。
「ふーん…ここが皇君の部屋というわけね。」
「その通りだが、あまり見ない方がこちらとしてはありがたい。軍の機密事項もあるのでな。」
「機密事項……このファイルの中身かしら?」
「おい。」
皇君が注意を促したけど私の方が早かったみたいね。
中身は……艦隊に使われる設備や兵器の類に関する資料のようだけど、専門用語がちょっと多いわね。
「これはもう読まないでおくわね。」
「頼むから勝手に読むのは勘弁してくれ。人目に触れていい代物ではないのだ。」
確かにこの情報が漏れるのはマズいわね。……だったら何故こんなところに?
「他に何かないかしら?」
「だから、勝手に見るなと…。」
すると、
「ねぇ、大和。この金庫何?」
葛城君が何かを発見して皇君に声をかけた。
どうやら、金庫のようだけど金庫にしてはかなり大きい。
「大和の部屋の物だから大和なら開けられると思うんだけど…。どう?」
「……。」
「皇君?」
この金庫を見つけた瞬間、皇君の態度が急に変わった。
「先に言っておく。………金庫の中身については口外するな。」
明らかに何かを警戒している。その雰囲気に有無を言う間もなく頷いた。
「よし、開けるぞ。」
金庫を開けるとその中には、
「これは…刀?」
鞘と持ち手の色が紺碧になっていて、例えるなら海のような色の刀が入っていた。
「模造刀…だよね?」
「いや間違いなく本物だ。……これは俺の物だからな。」
皇君は刀を鞘から抜きながら呟いた。刀身は透き通っているように白く、刃紋が静かな水面のように平坦になっている。刃のギラつき方を見るに本物のようね。
「どういう事かしら?」
「この刀の銘は『
「妖刀?こんな綺麗な刀が?」
「それに、名前がセイレーン…。西洋の怪物の名前が何で使われているのかしら?」
「それに付いては、少々長くなるが聞くか?」
「面白そうだし、聞かせてもらえるかしら?」
「ーーこの刀はかつてとある刀匠によって作られたものだ。だが、刀匠の名前は分かっていない。文献によるとその刀匠は西洋かぶれだったらしく、西洋の技術を刀に取り入れられないか考えていたそうだ。そこで、西洋から剣の製法を輸入し、その技術を応用して刀に組み込んだ。そうして生まれたこの刀は軽量かつ切断力と貫通力に優れる非常に強力な武器になった。刀匠は海から来た技術を称えて、この刀に『
ある日刀匠はしきりに『歌が聴こえる』と訴え初めた。だが、他の者には聴こえず刀匠にだけ聴こえるらしく、ついには延々と聴こえる歌の幻聴によって精神を病み、発狂死してしまった。その後、持ち主が何度も変わったが何も幻聴が聴こえるようになり最後は発狂死し、新たな持ち主を求めて世界を転々と移動したが、海を渡るために船に乗せればその船が沈み、そのような事を繰り返し最後は皇家に流れ着いた訳だ。…まぁ、信じるかはお前達に任せるが。」
妖刀か…なんとも嘘くさい話ね。
「でもそんな刀を大和は持ってて大丈夫なの?」
「俺の場合、呪いを力でねじ伏せてるからな。恐らく牙を向く事はない。だが、他の人間が持った場合死ぬだろうな。それよりも刀があると言う事実が問題だ。誰かに持ち出されるのは危険すぎる。だから、この金庫と刀については一切口外無用で頼む。…いいな。」
「分かったわ。刀がある事は誰にも言わないわ。私達はここでの事は何も知らない。それでいいかしら、葛城君?」
「うん、異論はないよ。」
皇君と口裏を合わせて部屋を出た。
「それにしても刀か…。あんな危ない物があるとはね。」
「皇君は自分にしか使えないって言ってるけど、持ち出される可能性は否定出来ないからね。ここでの事は見なかったことにしておきましょう。」
「そうだね…。ん、ちょっと待って。」
突如、葛城君はモノドロイドを操作し始めた。
「へぇ……これは凄い。」
「どうしたの?」
「小鳥遊さんから画像が送られてきてね。どうやら向こうに俺の研究資料室があったみたいなんだ。」
そう言って見せた画像には大きなホール、大量の衣装や台本が置かれた部屋が写っていた。
「凄い数の道具ね…。これ全部舞台のものよね?」
「うん、これだけ揃ってたら大体の演劇は出来ると思うけど…人が足りないから声劇くらいが限度かもしれないな。それに見せるお客さんもいないんじゃね…。」
どこか寂しそうに葛城君は呟いた。演劇に対する想いは嘘じゃないようね。
「………よし!宵月さんごめん!ちょっと用事思い出した!悪いけど一人で探索してて!」
「ちょ、ちょっと!?」
突然、何かを思い出したかのように葛城君はどこかへ行ってしまった。
…思い出したというより、思いついた感じだったような…?
「……じゃあ行こうかしら。」
ずっとついて来ていた人がいなくなって気は楽になったし心置きなく探索させてもらう事にした。
ーー3階の部屋も残す所はあと1つとなった。
扉はドット絵調のデザインになっている。
「これは分かりやすいわね。恐らく、『超高校級のゲームプログラマー』氷室さんの部屋ね。じゃあ、入ろうかしら葛城く…。」
振り返っても誰もいない。葛城君は今別行動をしている事を忘れていた。
「……一人ってこんなに寂しいものだったかしら。」
いないものを求めても仕方ない。ましてやわざわざ呼び出したら何を言われる事か…。
「…独り言ばっかり喋っててなんか虚しいわね。早く終わらせよう。」
「…失礼するわよ。」
「む、宵月か。今日はバディは一緒じゃないのか?」
バディ……あぁ、葛城君の事ね。
「途中まで一緒だったけど、急用があったのかどこかへ行っちゃったわ。」
「成程な。どうりで寂しそうな顔をしてると思ったらそういう訳か。」
「寂しそう?冗談でしょ。」
「自覚してないのか。負けヒロインのような顔をしてるぞ。」
負けヒロイン…例えが分かりにくすぎる。
「…話を変えるけど、ここはあなたの研究資料室なの?」
部屋の様子は壁一面にゲームソフトと本体、それから部屋の中心にパソコンが一台置いてある。ゲーム機は黎明期時代の物から最新の物まで様々メーカーのゲーム機が一通り揃っている。そして、氷室さんはその内の一台で遊んでいた。
「大体察しは付くだろうがその通り、ここは私の部屋だ。探索するなら好きにしたまえ。私はゲームしてるから何か聞きたい事があったらいつでも声をかけるが良い。」
「分かったわ。」
壁のゲームを調べていくが、ジャンルも色々ある。あまりゲームをやる方ではない私でも聴いた事のあるタイトルから恐らくかなりマイナーなゲームもある。その中で携帯ゲーム機の棚を調べている時にあるものを見つけた。
「このゲームのタイトル……『ダンガンロンパ』…。『ダンガンロンパ』って確か…。」
そうだ、氷室さんが言っていたゲームだ。確か殺戮ゲームだとか…。
「同じタイトルだけで40作品くらいあるわね…。氷室さんが言うには全部で53作………本当に途中からただのゲームじゃなくなったようね。」
そして、肝心のソフト自体は全て抜き取られている。このコロシアイをさせている黒幕がプレイさせないために抜き取ったのかしら?
「だとしたら、なんでわざわざパッケージだけ残しておくのかしら?…謎ね。」
後の棚にある物は全部ゲーム…かと思ったら見慣れない物を見つけた。
「これは…ボールかしら?」
ソフトボールくらいの大きさの球にはモノクマ達のカラーと同じく左右で白黒に分かれ「7」という番号が書かれていた。
「7……ってことは同じ物が全部で最低7つあるのかしら?………モノクマ!」
返事がない。色といいモノクマと関係があると思ったけど違うのかしら?
棚にある物はこれくらいかしら。とりあえずこのボールは持って帰ろう。
あと気になるのは…中央に鎮座するパソコンね。
「氷室さん、このパソコン動かしてもいいかしら?」
「別に構わんが、やるだけ無駄だと思うぞ。」
「無駄?」
「起動したらすぐに分かる。」
そう言われたので早速起動すると、
「…パスワード?」
「分かったろう?パスワードを入れない限りコイツは操作できない。」
「パスワード知ってるの?」
「知らん。」
えぇ………。
「じゃあこれただの置物じゃない。」
「フッ…そうやって悲観的になるのが素人の甘い所だ。……忘れたか?私の才能を。」
「ゲームプログラマー…よね?」
「そう!私は神の如き天才プログラマー!私にかかればセキュリティの突破などイージーモード以外の何者でもない!道が塞がれてるなら破壊して創ればいい!こんなしょぼいセキュリティなど、ハッキングしてプログラムを書き換えてしまえば何の問題もない!」
「……つまり、セキュリティを弄って強引に突破するって事?」
「人間にも分かる言葉に言い換えるならそういう事だな。」
……もしかして馬鹿にされてる?
「…さて、肝心のハッキングだが、内部のプログラムを解析して一から作り替えることになるだろうから少々時間が掛かる。今すぐにでも初めようか?」
何そのゲームの選択肢みたいな質問。
「とりあえず、報告会だけ済ませてからにしない?情報共有も必要だし。」
「まぁ、よかろう。しばし、人間達の戯れに付き合ってやるとするか。」
ひとまず私達は食堂へ戻る事にした。
ここまで書いた時点で各チャプター終了後の遺品アイテムシリーズを入れるのを忘れている事に気づく痛恨のミス。急ピッチで現時点でのチャプターのラストに追加しました。どんな物なのか再度確認してみて下さい。