葛城の衝撃の告白により、誰もが言葉を失っている中、ある人物が沈黙を破った。
…アレックスだ。
シルヴィア「…で、どうするの?」
暁日「どうするって…何のことだよ」
シルヴィア「勿論葛城クンの処遇よ。このまま投票するの?それともしないの?黙りこくっていては議論は進まないわよ」
投票か…確かに葛城はあの殺害装置を作った人物で間違いない。
だが、犯人かどうかはまだハッキリしているとは言い難い。
……このまま、投票に移るのは得策ではないと思う。考えを巡らせ、今するべき結論を口に出そうとした瞬間。
飛田「投票…?するに決まってるでしょ!!どー考えても狂也が犯人以外ありえないっしょ!」
皇「信じがたい話だが…やはり葛城が最も怪しい。投票については同感だ」
宵月「ちょ…ちょっと待ちなさい!焦って投票してはダメ!それこそ犯人の思うツボよ!ここはまだ議論を続けるべきだわ!」
壱条「宵月さんの言うとおりだ。オレもまだ議論すべき証拠はあると思うぞ」
夜桜「ですが、証拠と申されましても一体何をお話すればよいのでしょうか?思いつかない以上、投票をするのが得策なのでは…?」
…気付いた時には互いが互いに自分の主張をし合うめちゃくちゃな状態となってしまっていた。
暁日「おい!みんな落ち着けって!そんな状態で投票したとしても誰も納得いく結果にならないぞ!一回話合って…」
…だが、俺の主張はみんなの声によって無情にもかき消されてしまった。
クソ…どうすればいい…?どうすればこの意見が飛び交う意見を取りまとめることが出来るんだ?
落ち着け…!落ち着いてみんなの意見に耳を貸して答えを見つけるんだ!
シルヴィア「事件現場に使われた場所、そしてなによりモノトークのメッセージ。これがアナタが犯人である決定的証拠よ」
宵月「みんな…落ち着いて!こうやって意見がまとまらない状況になるのが一番マズイ事なのよ!」
壱条「確かに彼は怪しい…だが、本当に証拠が揃っているのか?」
皇「葛城…何故だ!何故こんな事を……!!」
飛田「だって一番怪しいのは狂也しかいないじゃん!それともなんか証拠でもあんの?」
夜桜「ですがこれ以上議論できる証拠などございませんのでは?」
葛城「・・・・・・・」
宵月「それは…まだ考えてる最中よ…」
小鳥遊「もし、証拠があったとしたらさ可能性の話だけど、壱条先生が犯人って可能性もありそうだよね」
シルヴィア「黙ってちゃ、話にならないわよ。アナタが犯人じゃないならそれを弁明できるのはアナタしかいない、そうでしょ?」
飛田「答えがないなら静かにしててよ!あの時狂也はキャットウォークを移動して天井裏に細工をした!これが答えなんだよ!」
壱条「ちょ、待てよ!!」
キャットウォークを移動←〈キャットウォーク]
論
「そこだ!!」
破
暁日「確かに犯人はキャットウォークを使って天井裏に移動したんだろうな」
飛田「やっぱ悠もそー思うでしょ!」
暁日「けど、葛城も移動できるという事は逆を返せば、それは他の人間にだって言えるコトだ」
夜桜「なるほど…確かにその通りかもしれませんわね」
暁日「つまり、葛城以外の人間にも犯行だった可能性は十分にある!やっぱり議論は…」
飛田「でも、それってなんにも変わらなくない?狂也以外にも犯行が出来ても、狂也が怪しいってのは結局同じなワケじゃん」
暁日「…そ、それは…」
飛田にしては的確に反論をしてくる。だが、何とかして葛城以外に犯行が可能だという事実を照明できなければそこで終わりだ。
シルヴィア「反論が出来ないようじゃこの話はおしまいよ。…さっ、早く投票しましょ」
飛田「さんせーい!」
宵月「だから、話を勝手に進めないの!」
壱条「オイオイ、どーすんだよ…。話がまとまらねぇじゃねえか!」
…ん?この流れ、もしや…。
モノパパ「話は聞かせてもらったぁ!これはつまりそういう事だな?」
モノクマ「うぷぷぷ…前回は使われなかったからね…。今回は喜んでやらせてもらうよ!」
小鳥遊「暁日君…大丈夫?」
暁日「いや…もう、何ていうか……慣れたよ」
壱条「オイ、お前たち何を企んでる?」
モノパパ「まぁ見ればすぐにわかるさ。では、息子よ…」
モノクマ・モノパパ「「レッツ変形!!」」
二体は息をそろえて再び例の装置を起動させ、席が移動を始めた。
飛田「狂也は現場の細工をしたことを自白してるんだよ?」
「夜桜!」
夜桜「葛城さんが自白したのは細工をしたことだけです。直接手を下した訳じゃないですわ」
皇「モノトークの履歴はどうなんだ?あれこそ決定的な証拠だと思うが」
「私が!」
宵月「そもそもモノトークの履歴なんて分かりやすい証拠を残してること自体が不自然だと思わない?」
シルヴィア「でも事件現場にこれ以上証拠なんか残っているのかしら?」
「俺が!」
暁日「まだ俺達の知らない証拠が事件現場に眠っている可能性がある!それを検証するためにも議論を続けるべきだ!」
シルヴィア「それに彼の態度も引っ掛かるわ。今までにないくらい攻撃的な態度をとる人間のいう事なんか信じていいの?」
「先生!」
壱条「彼が攻撃的な態度を取っていたのは主にオレに対してだ。態度はこの事件とはなんら関係ないぞ」
小鳥遊「彼はずっと先生を敵視していたよね?なのになんで先生は葛城君を擁護出来るの?」
「葛城!」
葛城「…俺がアイツを敵視していたのは、突然現れた人間で信用できなかったからだ……」
暁日「これが俺達の答えだ!」
宵月「これが私達の答えよ!」
宵月「これがわたくし達の答えですわ!」
葛城「…これが俺達の答えだ…!」
壱条「これがオレ達の答えだ!」
暁日「…やっぱり、真犯人のいる可能性がある以上、投票をはじめるのはまだ早計だと思う」
飛田「そうみたい、だね…。けど、真犯人の可能性があるとして、今度は何について話すればいいかな?」
…やっぱり、次はそこに行きついてしまうか。
今わかっている情報で、次に議論をするべきことは一体なんだ?
【コトダマ提示】→〈事件前日からの皇の行動]
…これだ!
暁日「昨日から皇は夜桜と行動を共にしていたんだったよな。それで、夜の間は一緒に敷地内を歩いていたとか…」
皇「あぁ、そうだ。それがどうしたんだ?」
暁日「その時、だれかに会ったりはしたのか?」
皇「暑さのせいで少々記憶が曖昧だが、誰にも会っていないな」
暁日「つまり、皇と夜桜にはお互いにアリバイがある。そして、誰にも会っていないとなると犯人は動機発表辺りからタワーから一度も出ていない可能性が…」
反
壱条「ちょーっと待ったぁ!」
論
壱条「悪いがその推理だけじゃ減点だ。暁日くん、君は一つある可能性を見逃しているんじゃないかな?」
暁日「見逃しているって…一体どんな可能性ですか?」
壱条「道を違えた生徒を導くのも教師の役目。俺が推理を正してやろう!」
壱条「“皇くんと夜桜さんは共に行動していたから二人にアリバイがある”それはつまり、この二人は犯人でないという事が言いたいんだな?だが、それは流石に安直すぎるのではないかな?彼らが話した状況で誰にも会っていない、そして二人にしかアリバイが存在しないとなると、むしろ彼らが共犯だと考える方が自然なんじゃないか?」
暁日「確かに状況だけなら二人は怪しい。だけど、二人が犯人ではない証拠はちゃんとあるんですよ!」
壱条「なるほど…断言したな?そこまで言い切るという事は相応の理由があるという事なんだね。じゃあ聞かせてもらえるかな?二人が犯人ではないという証拠を、そう考える君の答えを!」
二人が犯人ではない 斬
という証拠←【小鳥遊の行動】
論
「その言葉、ぶった斬る!」
破
暁日「ここにいる人間全員の事件発生までの行動をある程度把握していた人物がたった一人、存在していたんですよ。そうだよな、小鳥遊?」
小鳥遊「…えっ、ボク?」
…そんな驚くことか?
暁日「ほら、お前言ってただろ…。自分の研究資料室にいたって」
言ってた、というか宵月経由で聞いた話なんだけどな。
小鳥遊「フフッ…冗談だよ。確かに動機発表から、事件発生直前までボクは自分の研究資料室にいた。そこで暇つぶしにカメラの映像を見ていたよ」
壱条「それで、皇くんと夜桜さんは?」
小鳥遊「残念ながら、二人は何もしていない。ただ、仲良く会話をしていただけだったよ」
暁日「…と、いう訳です」
小鳥遊「流石にボクまで共犯だって言うつもりはないよね、先生?」
壱条「それを言い出したらキリがねぇからな。そこまでは言わんさ。その情報だけあれば十分だよ」
シルヴィア「でも結局何も変わってない上に手がかりもないし、これじゃまた振り出しに戻っただけじゃない?」
暁日「いや、少なくとも皇と小鳥遊の話のお陰で犯人はタワーから移動していないという事になる。これは大きな手掛かりだと思うぞ」
2人の証言と事件発生直後の状況、これらを組み合わせて考えれば葛城以外で殺人装置を作動させた真犯人の正体が見えてくる…………はず……。
・・・・・・・・・・・・・・・!!
・・・・・・・・・・ま、まさか・・・・・・・・!!
小鳥遊「暁日君、どうしたの。…もしかして、犯人が分かった?」
暁日「・・・あぁ、分かった・・・・けど・・・」
宵月「暁日君…顔が真っ青よ…。あなた……何に気づいたの?」
……け、けど………こんな………………こんなことって………………!
暁日「……で、電源を入れた本当の人物………真犯人は……」
【人物指定】
→小鳥遊瑞希
「……お前しか……考えられない…!!」
暁日「小鳥遊……お前なんだ」
小鳥遊「・・・・・え?」
俺の告発に小鳥遊は状況を飲み込まないでいる様子だ。
…無理もない。そうなるのが必然だ。
シルヴィア「…アナタ、なんで自分が一番驚いているの?」
暁日「それにもちゃんと理由がある。けど、その前に順を追って説明させてくれ」
小鳥遊「・・・」
…やっぱり誰も信じられない状況だよな。
暁日「まず、俺達が現場で獅子谷を発見するまでの状況を振り返ろう。アレックス、宵月。あの時のこと覚えているか?」
シルヴィア「たしかあの時は、獅子谷クンを探しているときに何故か現場内で倒れている小鳥遊サンと葛城クンを見つけたんだったわね」
暁日「そうだ、そしてその時の二人が倒れていた場所を詳しく覚えているか?」
宵月「葛城君が観客席、そして小鳥遊さんが・・・!」
暁日「気づいたか。そう、アイツは現場内の中でも最も入り口に近い場所にいたんだ。そこには今まで話した通り、例の殺人装置のトリガーである電源スイッチがある。小鳥遊は恐らくそれを
小鳥遊「む、無自覚…?」
皇「ば、バカな!そんなことがあり得るはずがない!!……無自覚だとしても何かしらの違和感くらい、感じられるはずだ!」
俺の推理を聞いている全員が言葉を失い、血の気が引き、一斉に否定を始める。
・・・だが、これ以外あり得ない!
暁日「思い出してくれ。事件の前後、小鳥遊は自分の行動をハッキリ記憶していなかった。小鳥遊、なんでかお前は分かるか?」
小鳥遊「……ま、まさか…まさか……!!」
暁日「お前は答えなくていい。俺が代わりに教えてやる。」
小鳥遊が自分の行動を覚えていなかった理由は……。
【コトダマ提示】→〈事件発生前後の状況]
……これしか、考えられない!
暁日「その理由は、今回の動機そのものだ」
壱条「学園内の、
暁日「学園内の異常気象は少なからず全員に何かしらの影響が出ていた。それは勿論小鳥遊も例外じゃなかった。いくら涼しい地下にいたとしても気温上昇は変わらない。きっと自分でも気づかない内に熱中症に近い症状が出ていたんだ。そのせいで………」
反
シルヴィア「三流の推理ね」
論
シルヴィア「黙って聞いていれば、なんてお粗末な推理なのかしら。その程度の推理でお友達を疑うなんて…アナタ、サイテーね!!」
シルヴィア「アナタの推理、確かに一見筋は通っているように見えるわ。でも、その推理だと小鳥遊サンがスイッチをオンにしたタイミングで都合よく獅子谷クンと葛城クンが現場にいないと成り立たない。彼らの行動を追いかけていないとそもそも無理な行動なのよ」
暁日「小鳥遊は自分の研究資料室にいた。あの部屋のモニターを見れば、全員の行動の把握は簡単な事だったんだ!」
シルヴィア「確かに彼女なら可能でしょうね。でも、葛城クンはどう説明するつもり?彼も獅子谷クンを行動を把握していないと今回の犯行は不可能よ。彼にも行動を把握する方法があったとでも言うのかしら?……あるわけないわよね?あったらとっくに見つかっているはずなのよ!」
行動を把握斬
する方法←【控室床の扉】
論
「その言葉、ぶった斬る!」
破
暁日「……あるんだよ……!葛城にも獅子谷の行動を把握する方法が…!それが、これだよ…」
俺は控室の床にあった扉の写真を見せた。
暁日「コイツを開けた先にはハシゴが延びていて地下まで続いていた。このハシゴ…どこに続いていたと思う?」
シルヴィア「アナタ…一体なんの話を……」
暁日「
宵月「葛城君はモニターで獅子谷の行動をチェックしていた…という事ね」
暁日「あぁ………恐らくこういう筋書きだ」
暁日「まず、小鳥遊が自分の研究資料室に引きこもっていた間に葛城が様子を見に訪れたんだ。この時に獅子谷の行動を確認して犯行を思いついた。そして実行するために先に葛城はハシゴを使って現場へ移動した。その後、いつまで経っても戻ってこないのと、現場内で倒れていることに気づいた小鳥遊は様子を見にエレベーターで上のフロアへ移動したんだ。だが、本人も気づかない内に熱中症になっていた小鳥遊は上階の暑さに耐えきれず、朦朧とした意識のまま装置を作動させてしまい、そのまま気絶してしまった…という感じだ」
壱条「し、しかし…葛城君が実際にハシゴを使ったどうかは分からないんじゃ?」
暁日「根拠はありますよ」
その証拠は…
【コトダマ提示】→〈クローゼット]
……これだ……!
暁日「先生。このクローゼット、どこにあったか覚えてます?」
壱条「確か天井裏へ行く扉の真下にあったよな。まるで、上へ行くのを遮るかのように」
暁日「俺も最初はそう思っていた。けど、実際は違ったんです」
飛田「違うって何が?」
暁日「これは床の扉を隠すために移動させられていたんだ。本来は元々別の場所に置かれていた痕跡も現場にはあった」
夜桜「で、では……やはり……」
……どうやらこれで全て判明したようだ。俺はそう宣言しようとした。
・・・だが、ある人物がそれを遮った。
…葛城だ。
葛城「……そうだ、やっぱり犯人は俺だ」
皇「葛城……?」
葛城「俺があの装置を作り、最後にスイッチを起動させて獅子谷君を殺した。そして、小鳥遊さんを気絶させてスイッチの前に移動させたんだよ」
宵月「今さら…何を言い出しているの?もう犯行も真相も全て暴かれたのよ!……お願いだから、抵抗はやめてよ……!」
葛城「違う……違う違う違う!!俺が犯人なんだ!これだけは譲れないよ!」
葛城…今になって何を言い出すんだ?俺達をかく乱するつもりか?それとも、小鳥遊を庇って?
どんな理由であろうとも真実を暴くのを邪魔するなら容赦はしない…何があろうとも決して絶望しない、そう誓ったんだ!!
暁日「小鳥遊がスイッチを入れた時、お前は既に気絶していた。俺はそう考える」
葛城「違う!証拠なんてなにも……!」
暁日「あるんだよ。お前が得意な演技じゃなく、本当に気絶していた決定的な証拠がな」
葛城「バカな……それは何だって言うつもりだい?」
暁日「いいだろう、見せてやるよ」
決定的証拠は…
【コトダマ提示】→〈白い粉末」
これだ!
暁日「コイツだよ」
壱条「これは、白い…粉か?」
飛田「もしかして、これを吸ってハイになって…!」
モノクマ「コラーー!!そんなモノ使ってたらこの作品BANされちゃうでしょうが!」
暁日「こ、これはそんな変なモノじゃないぞ…。俺も舐めてみたけど別に体に異常はなかった。そして、この粉はしょっぱい味がした。葛城が倒れていた場所にあったこの粉こそが決定的証拠だ!」
皇「しょっぱい味、という事は塩分の類か」
葛城「……ハッ!どんなものが出るかと思えば塩?だったら何だって言うんだい?笑わせるのも大概にしなよ!」
暁日「だったら、教えてやるよ。この塩が一体なんなのか!」
葛城「塩が一体何だって言うんだい⁉」
葛城 から 出た 汗
これで終わりだ!!
暁日「この塩の正体…それは葛城、お前がかいた“汗”だ!!」
葛城「な、何だって……!!」
暁日「お前が移動した証言がない以上、わざわざ塩を食堂から持ってきたとは考えにくい。となると、これはお前自身から汗として出たものだ。それがこれほど乾いて粉状になるという事こそがお前が長時間倒れていたという決定的証拠!何か反論はあるか⁉」
その後葛城は顔を手で覆い
葛城「く、クソ……」
一言そう呟いて完全に黙り込んでしまった。
……しばらくの間、裁判所に沈黙が続いた。
飛田「じゃあ……やっぱりクロは……」
小鳥遊「どうやら、ボクで間違いないみたいだね」
暁日「そうみたい、だな。……じゃあ、最後に事件の流れを振り返って……」
・・・ダメだ、言葉が出てこない。
これをすると、クロが完全に決まってしまう。そう考えると、次の言葉を出すのが怖くて仕方ない。
その様子を察したのか宵月が言葉を差し伸べた。
宵月「暁日君、無理をしないで。ここから先は私がやるわ」
暁日「……いや、俺がやる。俺が……やらなきゃダメなんだ」
宵月の言葉で決心がついた。
この事件、俺の手で幕を引かなくては……!
暁日「……これが……この事件の真実だ!」
【Act.1】
まずは二日前に時間を戻そう。
この日、才牢学園全体が異常な暑さに包まれ、モノクマたちはこれを今回の動機として提示した。
それから二日間暑さによって全員の意識が薄れ、限界に達する者が現れ出したことで遂に俺達も行動に移すことを決定したんだ。その代表として名乗り出たのが事件の被害者、獅子谷岳だった。
そして、この様子をひっそりと監視カメラで窺っている存在がいたんだ。
【Act.2】
獅子谷が一人になったタイミングを見計らい、モノトークで事件現場である超高校級の演劇部の研究資料室に呼び出し、そこでスキを突きスタンガンで獅子谷を気絶させた。その後、あらかじめ用意していた電気を使った殺人装置に縛り付け、水をかけて通電しやすくした。
…これらの細工を行ったのが、一連の犯人とでも言うべき人物『超高校級の演劇部』葛城狂也だった。
だが、ここで葛城の予想していなかった事態が発生したんだ。
【Act.3】
一通りの準備を終え、残すは装置のスイッチを入れるだけとなった葛城。
だが装置の準備、呼び出してからハシゴを登って移動をショートカットしてからの待ち伏せ、獅子谷の縛り付けといった作業を猛暑の中で行っている内に葛城も体力をかなり消耗していた。そして、遂に限界に達したことで葛城も倒れる事となってしまったんだ。この時、葛城の身体から発生した汗が乾いて結晶化したことで、この瞬間に倒れた事を示す証拠となったんだ。
【Act.4】
そして葛城と同じく監視カメラを見ていた人物がいた。それは暑さを回避するために超高校級の情報屋の才能資料室にいた真犯人だ。この部屋はもともと小鳥遊の為に用意された部屋だから使っていてもおかしな話じゃない。恐らく一時的に葛城も一緒に居させてもらったのだろう。……もしかしたら、犯行の事も何か聞かされていたのかもな。
葛城が上へ行ってから一向に戻ってこないことを不自然に思った真犯人はモニターを確認して、葛城が倒れたいることに気づいたんだ。そこで大急ぎでエレベーターを使って上階へ移動した。
【Act.5】
上階の事件現場についてすぐに部屋の中が暗い事に気づいたが、この時に真犯人にも異変が起きていた。地下は比較的涼しいといえそれでも暑い方だ。そんな中で過ごしていたため本人も気づかない内に熱中症に蝕まれていた。そんな状態でさらに暑い地上へ来たことで真犯人も限界を向かえ、気絶してしまったんだ。そして意識が朦朧とするなか、無自覚に殺人装置の最後のトリガーである出入口の電源スイッチに手を掛けてしまい、そのまま作動させてしまった……。
暁日「……これらの事件は全て無意識の中で起こってしまった。だから“真犯人”にも事件の経緯が良く分かってなかったんだ……!」
暁日「……『超高校級の情報屋』、小鳥遊瑞希!お前がその“真犯人”なんだよ……!」
小鳥遊「……なるほどね、これが君の出した結論って事だね。これほど詳しく説明されちゃ認めるしかないか。暁日君、見事な推理だよ」
夜桜「そんな……何故そんな余裕のある態度が出来るのですか⁉」
小鳥遊「そりゃ、誰にも犯行の瞬間が分かんないんだもん。……正直、未だに実感がないよ」
いつものように飄々ととした調子で答えてはいるが、語尾が震えている。
普段の態度を取り繕うだけでも精一杯なんだろう。
その空気を察したモノクマが突如大声を挙げて音頭を取り始めた。
モノクマ「それでは、議論の結論が遂に出たようなので、早速投票を始めてもらいましょーか!」
モノパパ「辛い現実を受け入れるのも必要な事だ。諸君にとって最良の選択をするように……な」
各々の証言台に現れた投票用のパネル、画面の人物たちは約半数が赤くなっている。
何が辛い現実だ……お前たちに分かるわけないだろ。
口に出すのをこらえつつ、震える指で小鳥遊へ投票を行った。
モノクマ「投票の結果、クロとなるのは誰か!?」
モノパパ「そして、その答えは正解か不正解なのかぁ!?」
回り出すドラムロールと共に回転する4度目のスロット。徐々に速度が落ちていき……。
小鳥遊の顔の絵柄が揃ったところで止まり、歓声と共にメダル排出された。