「小鳥遊、よかったら一緒に探索回ろうぜ。」
「あ、暁日君。もちろん構わないよ。」
「それと…さっきはお前もだけど皆に迷惑をかけてゴメン。」
「別に気にしていないよ。こんな状況だから皆ピリピリしててもおかしくないしね。」
確かに…監禁されてコロシアイを行わせるなんて誰が考えても異常すぎるよな。
「とりあえず早く回ろうか。暁日君は気になっている所とかってある?」
「うーん…そうだな…。」
考えながらモノドロイドでマップを開き、
「そういえばここまで移動するときに話してた、扉に妙な絵だか模様だかが描かれた部屋ってのが気になるな。」
「じゃあ、まずそこを調べるためにも二階へ行こうか。」
そう言って体育館を出て廊下を移動し始めた。
途中で
「ここが、集合場所の食堂か…。一応中を見ておくか。」
扉を開けた先には
「あら暁日君と小鳥遊君、どうしたのかしら?」
先客で剣崎と宵月が来ていた。
「ちょっと中だけでも見ておこうと思ってさ。へえ、結構立派なもんだな。」
「ここは見ての通り食堂よ。今のところ私と剣崎君以外は誰も来ていないわね。」
「この食堂…なかなか凄いですよ。真っ先に厨房を調べたのですが、巨大な冷蔵庫が三台もありました。」
「三台の冷蔵庫?」
「どうやら、肉類・魚類・野菜とフルーツでそれぞれ分けられているみたいですね。しかも、フォアグラやキャビアといった高級食材の用意までしてありました。数や鮮度には問題ありませんし、食中毒や餓死することはまずないでしょう。」
「他には食器の数を見たけど、ぴったり16人分だったわ。」
人数分ある食器…外部から人間が来ることは無いという事か?そして膨大な食材を用意できるだけの財力がある人間が関わっているのか?
「なるほど、ありがとう。俺達は他の場所の探索をしてくるよ。」
「では、僕達はもう少し探索をしてみます。隣に倉庫もあるみたいですし。」
「倉庫もあるの?」
「はい。これもまた巨大でまるで大型ホームセンターのような雰囲気でしたね。」
「そうか。あ、それから…。さっきは迷惑をかけて、ゴメン。」
「大丈夫、気にすることないわよ。あの状況だと皆気が立っていてもおかしくないわ。」
「それに、非があるとすれば白暮様の方にありますからね。」
「…ありがとう。それにしても、剣崎って意外と強いんだな。あの時、全然動けなかったぞ。」
「僕は陛下の護衛も任されていますからね。喧嘩の仲裁など造作もございません。」
…ホント人は見かけによらないよなぁ。
「宵月は記憶の方はどうだ?何か手がかりとか…。」
「…さっぱりね。思い出そうとしても靄がかった感じで。」
どうやら、こっちはまだ時間はかかりそうだな…。
食堂を後にして、俺達は二階へ向かった。
「二階は…俺が目覚めて以来か。」
「あの時はすぐ移動したからちゃんと見れてなかったからね。改めて見ておこうか。」
手始めに教室を見て回った。
1-A、1-B、1-Cの合計3つの教室がありどの教室も一見普通の教室だった。…全ての窓に鉄板が付けられていること、監視カメラとモニターがあることを除けば。
「どの教室にも監視カメラとモニターがあったな。」
「十中八九、僕らを見張るためだろうね。壊すことも出来ないし、ここでの生活は全部筒抜けってことだね。」
「ホント、趣味が悪いな…。」
「…さて、本題か。」
残るは妙な絵が描かれた扉がある部屋だった。
二階にはコインが描かれた扉の部屋があった。
「ここは一体なんなんだ?」
「あ、2人もここを見に来たの?」
そこに白暮、葛城、皇の3人が現れた。
「白暮…なんで皇と?」
「コイツにはこの俺が付こうと思ってな。この俺が見張ってる以上、コイツは誰も殺せないしコイツが殺されることもないしな。」
「つーわけで、撒くにも撒けないからもう諦めたわけよ。」
「な、なるほど…。」
…『俺がいるから殺さないし、殺させない』って凄い自信だな。
「それは分かったけど…なんで葛城君も?意外な組み合わせだね。」
「あぁ。それは…彼が俺のファンらしくてね。色々話したいらしくて誘いを受けたんだよ。」
「何故あのような魅力的な作品を作れるのか…。いい機会だから純粋にファンとして色々聞きたくてな。」
「いやぁ。まさかここでファンに会えるなんてね。俺のデビュー作まで観てくれてるのは嬉しいよ。」
「俺としては…葛城が中学の時のアレが好きだな。」
「あぁ!アレ?アレは俺にとっても転機だったからね!俺もよく覚えているよ!」
オイオイ、自分達の世界に入りそうだぞ…。
「そ、それで3人もここを見に来たのだろ?」
「あぁ…。他に目ぼしい物もなかったからな。」
「ここ…なんなんだ?」
「モノクマ…参上!」
モノクマが出てきた。
「…なんだよ。煽りにでも来たのか?」
「もう、折角この部屋を説明しにきたのにそれはないんじゃない?」
「…説明?お前は知ってるのか?」
「もっちろん!ここは『超高校級の研究資料室』って言うんだ!」
「『研究資料室』?」
「そう!この部屋は今回スカウトされた才能のデータを得るためにあるんだ!扉にはその才能をモチーフにしたものが描かれてあるよ!」
俺達16人しかいないのにデータを集める必要があるのか?
「…なるほど。ご苦労だったな。真っ二つになりたくなかったら早急に消えてもらおう。」
「ちぇー。わざわざ説明したのに酷いなー。」
愚痴りながらモノクマは消えた。
「モノクマが言うには誰かの才能を研究する部屋…。コインが描かれてるから『幸運』の研究資料室か?」
「へぇ…。トップバッターはオレか。どれ、見てやろうじゃねーの。」
そう言って、白暮が扉を開けーー
ーー中には一台の机とコイン・トランプ・サイコロが2つ置いてあった。
「…まぁ、予想はしてたが地味だな。オレにお似合いだわ。」
「これで、運のデータをとるのか…?」
「確率…データを取るには妥当だな。」
「ちょっと試してみるか…。ホレッ。」
そう言って白暮はコイントスを10回した。
「…やっぱそうなるよな。表を狙ったんだけどな。」
コインは全部裏になった。
「一周回って幸運とも言えない気もするけどね…。」
「そーいうのよく言われてるけど、あんま好きじゃないな。オレもういいや。出ようぜ。」
「え。もういいのか?」
「地味すぎてつまんねーだろ?麻雀とかが置いてるならともかくさ。」
「白暮ちょっと待ってくれ。あと葛城も。」
「まだ用があるのかよ?」
「その…さっきはゴメンな。思わずカッとなって皆に迷惑かけて。」
「あぁ…。俺は気にしてないよ。」
「オレこそ…ゴメンな。状況が状況なだけにイライラしてた。皇達と行動してから頭冷えてさ、オレの方が悪かったよ。その代わり…」
「?」
「こういう事言うのもクサイけどさ…。友達になってくれないか?ここから出てもっと皆の事知りたいんだよ。」
「…そんなの勿論構わないよ。俺だってお前のことをもっと知りたい。いや、お前だけじゃない。皆で生きて帰る!そうだろ?」
「暁日…ありがとな!」
…俺達には絆がある。皆で信じあえばきっとここから出られるはずだ!
後書きで申し訳ありませんが、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。