転移の光が晴れると、そこは、神殿のなかだった。この石造りからして、ギリシャ系の神殿だろうとみてとれる。
「……? アナウンスが……」
転移直後の人員確認のアナウンスがない? どういう……
イッセー君は……アーシアさんの手を籠手のある左手で確りと握り、右手には既に
「……」
部長は瞑目すると、手のひらに魔力を集め始める。
「みんな、戦闘準備よ」
……?
言われるがままに皆が各々の武器を構えた瞬間、回りに幾つもの転移魔方陣が現れる!
「……やはりね。不自然に魔力が集まっていたからなにかくるとは思っていたけど……紋章をみる限りでは、全部旧魔王派に属する悪魔たちよ。全く、何がインタビューよ。もうすこし身元を調べておくべきだったわ……」
魔方陣から現れたのは――二千を越える悪魔達! しかも、全員上級悪魔クラスの力をもってる!
「偽りの魔王の妹、リアス・グレモリー! お前は今ここで眷属もろとも死んでもらう!」
っ! この数では……さすがの僕たちも対応しきれない!
「っ! アーシアを渡すものかよ!」
「赤龍帝! アーシアは頂いていくよ――君は想像できなかったようだね、この展開をっ!」
声がする方を見ると――イッセー君が手を繋いでいた筈のアーシアが気絶していて、ディオドラに連れ去られようとしていた!
「くそっ、転移魔法、しかも個人指定の転移魔法なんざ使いやがって!」
「なんとでもいいたまえ。痛くも痒くもない。さらばだ」
「っ、待て!」
イッセー君がディオドラを殴ろうとするが――
「さようなら」
ディオドラは転移で消えてしまった。
「……くそッ!」
悔しいのだろう。握り締めた拳から少し血がしたたっていた。
突如、虚空より二つの声が。その声にこの場にいる全員がその声に気をとられる!
「おいオデンジジィ、ここは俺か殺るからすっこんでろ! クシナダにいいとこみせんだよ!」
「ふん、惚気など聞きとうないわ! ここは老い耄れに任せて海の若造はすっこんでろ!」
「なんだとぉ!?」
「ふん、この程度なら貴様が出るほどではないということじゃ」
「るっせえ! こちとら
「しるか! ワシだってここでちょいとでも運動せねば、またヴァルキリーから運動不足がどうの健康がどうのとぐちぐち言われるんじゃ!」
一人は、隻眼の杖をついた老人。一人は、聖なる輝きを宿す剣を手にする東洋風の日焼けした偉丈夫。
互いに罵り合いながら登場した――。
「北欧の主神と三貴神の一角だ! やれば各陣営にダメージを与えられる!」
その男二人に大量の魔力弾が飛んでいくが――
「ぶぇくしっ! だぁーくそっ!」
――日焼けした偉丈夫のくしゃみでかきけされてしまった。
「オーディン様と………………………………………………。あ、スサノオ様ですね。どうしてここに?」
三貴神の一角と北欧の主神――。オーディンとスサノオ! とんでもない大物だ!
「ん? あぁ、お前らがピンチっぽかったからな、おでんと一緒に殴り込みに来た」
「ほぅほぅ、中々いい尻じゃのう」
「きゃあ!」
オーディン様は朱乃さんのスカートをめくり、スサノオ様は部長に説明をしていた。
「お、おでん……Odin、なるほど、オディンを捩って……」
「そういうこった。おいおでん、アザ坊からもらった例のアレ配れよ」
「む、そうじゃったの。全く神使いの荒い連中じゃ……」
オーディン様はなにかを取り出した……これは?
「アザ坊からじゃ。通信機らしいぞ……よし、装着したの。おい若造、ちーと運動するぞい」
僕たちが通信機を装着したのを見ると、オーディン様はそういう。
「おっ? 和洋折衷、北欧と大和のコラボってか? いいぜ」
オーディン様は虚空へ右手を伸ばし、スサノオ様は剣を掲げる。
「――グングニル」
「須佐之男ノ名二於テ命ズル――切り裂け、
グングニル――槍からは紅い危険なオーラが迸り、草薙剣には蒼の暗き輝きが宿る。
そして二人は旧魔王派の面々へそれを容赦なく降り下ろした!
紅と蒼の一撃は神殿の床を抉りながら一方向へと飛んで行き、壁を崩壊させる! そして悪魔達の半数を塵芥にしてしまった!
「おらとっとと行け小童共。俺とおでんが足止めしてやるんだ」
「そういうことじゃ」
二人の言葉に部長は頭を下げた。
「……ありがとうございます、オーディン様、スサノオ様! いくわよ皆!」
『はい!』
僕たちは神殿のそとへ向かい走り出した。
「さあ、この戦神を見事討ち取ってみせろよ! そっちがこないならこっちからだ! おいおでん、半分ずつな!」
「この程度じゃ準備運動にもならんのぅ……まぁ、致し方なし」
非常に頼りになるセリフを背に。
―」・ω・」―
神殿のそと。
突如、アナウンスが流れる!
『ごきげんよう、みなさん。ディオドラ・アスタロトです』
ディオドラっ!?
『こちらには人質としてアーシア・アルジェントをある装置に拘束しています。僕の権限でその装置は発動し、彼女の治癒能力を全て反転させてこのフィールドと神々のいる客席へと効果を及ばせます。よって、フィールド内のグレモリー眷属の赤龍帝を除くありとあらゆる存在が僕に手出しをした時点でその装置を発動させます。ちなみに僕が死んでも装置は発動します。ああ、逃げようとしても無駄ですよ。僕は神殿のどこかにいるので是非とも見つけ出してください』
……っ、そんなことしたら……トップ陣が根刮ぎやられるかもしれない……っ!
『ではグレモリー眷属皆さんは精々足掻いてください』
このド外道がッ……!
「……部長、どうしますか?」
イッセー君は部長の指示を待っている。悔しいだろうに、今すぐ飛び出して助けたいだろうに。
「皆で往くわ。それ以外、方法がないでしょう。今最も優位なのはディオドラ……彼はイッセー、あなたを倒したいみたいね」
「……了解しました」
イッセー君は部長の言葉を聞くと、肯定し――ゼノヴィアに頭を下げた。
「ごめん、ゼノヴィア。アーシアを浚われてしまった……約束、守れなかった」
「……ああ。でもまだアーシアは生きている。なら、助け出してくれ、必ずッ! それで、約束を破ったことはなしにしてやる」
「……ありがとう、ゼノヴィア」
「但し! イッセー、お前も……死ぬなよ」
「……ああ」
そういうと、二人はがちりと互いの剣を交差させた。
「「この剣に誓って――」」
それを部長は見届けると、朱乃さんと共に魔力を練り始める。
「さぁ、往くわよ」
僕たちを舐めたこと、後悔させてやる!
(」・ω・)」
(/・ω・)/
(」・ω・)」
(/・ω・)/
(」・ω・)」
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(・ω・)m9