二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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皆がディオドラ処刑と言ったので私の思い付く相当な(R15規制ギリギリの)ものにしてみました(笑)


混沌の世界

僕――木場祐斗は一瞬硬直していた。

イッセーくんとアーシアさんが急に光に包まれたかと思うと――消えていた。

「ふむ、赤龍帝も巻き込まれたか。まぁ好都合だ」

声のする方向を見ると、そこには一人の男――。

「おっと、自己紹介がまだだったな。私は真なる魔王が一人、シャルバ・ベルゼブフだ」

シャルバ・ベルゼブフ……旧魔王派か!

「シ、シャルバ、助けてくれ! 君と僕、新旧魔王が揃えばあいつらなんて――」

ディオドラがシャルバに助けを求めた。涙と血と色々ぐしゃぐしゃで汚い。

シャルバはそんなディオドラに手を向けると、ブレスレットのような形をした装置から光を発射した!

その光に貫かれたディオドラはあっという間に灰になってしまう。

「悪いが、小娘の有効性を教えてやったのに扱えず、さらに禁手にすら至っていない赤龍帝程度に敗北する……そんな貧弱な味方は必要ないのだよ」

……仲間を殺してもなんの感情も抱かないのか? この、外道が……ッ!

「さぁ、今度は君たちも、赤龍帝や小娘と同じように消えろ」

ディオドラはそういうと、絶大な魔力を放出し始める!

「……五月蝿いッ! アーシアとイッセーをよくも……ッ!」

歯を噛み締めすぎて口から少量の血を流すゼノヴィア。

それと同時に、デュランダルが聖なるオーラを圧縮し始める! これは……!?

「ふん、たかが小娘と汚い蜥蜴風情が死んだところで……」

部長と姫島先輩は茫然としたままだし、ギャスパー君は泣きっぱなしだし、頼みの綱のゼノヴィアは激昂してるし……くそ、この状況じゃ……!

「よく言うだろう? 援軍には援軍だ」

「そういうこったァ」

突如、背後から声。そこには――。

巨大な聖剣を担ぐ碧眼金髪の女性……と、2丁拳銃スタイルのフリードだった。

「……教会の矛、戦場で魂を拾うもの、天国への水先案内人……」

ぼそり、とゼノヴィアがそう呟く。

「私の師であるシスター・グリゼルダが“若手コンビでは最強”とまで呼んだ、ヴァチカンの矛……片方が身の丈ほどの大剣をもち、片方が2丁拳銃で、互いの不足をかばい会う、“天国コンビ”……まさか、この二人だとは思わなかった」

ゼノヴィアはそう、僕に説明する。

ヴァチカンの若手最強!? あの二人、そんなに強いのか!?

「アリー、コンビネーションは覚えてるだろォなァ?」

「フ……私を誰だと思って? しかし、悪魔に堕ちた私と堕天使に下ったお前、“天国コンビ”ではハクがつかんな」

「んじゃあよォ、地獄コンビで良くねェか?」

「のった」

「貴様ら、私を無視するなど――」

呑気な会話を続ける二人にシャルバが横やりをいれるべく魔力砲を放とうとした瞬間、なにかがシャルバに飛ぶ! しかしシャルバは魔力障壁でそれを阻んでしまう。

「ン? 防がれたか」

「その貧弱な拳銃ではな」

「うるせェな、アレはメンテ中なんだよ」

「まぁいいさ……さぁ、ここはまかせな!」

 

俺達が、地獄だァ!(私達が、地獄だッ!)

 

刹那、聖剣と魔力がぶつかった。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「ぐっ!?」

男――クルゼレイは焦っていた。こんな筈ではなかった、と。

目の前の男女が目を赤くした瞬間、“左手が切断されていた”のだから。

「『選好みの断罪翼(ワンダー・スレイヤー)』、とでも名付けようか」

龍咲はそう呟き、翼を大きく広げるとクルゼレイへと突貫した。すれ違い、右翼が左肩に触れる。

するとどうだ、左腕を肩ごと、まるで豆腐を日本刀で切り裂くかのように容易く斬ってしまったではないか。

(馬鹿な、こんな馬鹿なことがあってたまるか! 私は蛇を飲んだのだぞ!?)

「訳のわからん、といった顔をしてるな。いいぞ、教えてやる。私の禁手の能力はな、種族限定の絶対切断だよ。これは『悪魔殺し(イービル・キラー)』……」

「ッ!? なら、その力は――」

「そう、神をも裂く力だ。……最も、名の高い神や魔獣などにはあまり効かないがな」

「クッ……貴様には禁じ手の兆候など……」

「なに、簡単なことだ……それでいてとても難しいこと。『己を正しく認識する』。それだけで良かった。(オレ)(ワタシ)で、(ワタシ)(オレ)だ……」

龍咲の脳裏には赤い、あの少年が浮かんでいた。

(私はワタシ、俺はオレ……それで、良いのだろう? 兵藤……!)

龍咲がそういっていると――もう二つ、魔方陣が現れる。レヴィアタンと、グレモリーの紋章だ。

「クルゼレイ!」

「カテレア! 何故出てきた!?」

「貴方が心配だからよ! 死なれたら困るわ!」

「カテレア……」

カテレア・レヴィアタンは、どうも警備の隙をみて脱出していたらしい。禍の団へと再び戻っていたようだ。更に言えば、カテレアはクルゼレイとねんごろらしい。

「……」

そして、もう一人は現魔王、サーゼクスだった。

「サーゼクス、何故出てきた?」

「これは我々の起こした問題だ。我々が処理するべきだからね」

「にしては遅いが」

「覚悟を少々していただけだよ」

サーゼクスはクルゼレイとカテレアに目を向ける。

「サーゼクスッ! 貴様さえ、貴様さえいなければ我らは……ッ!!」

サーゼクスを見ると激昂するクルゼレイ。

「……私は、甘いと言われても良い。下らぬと罵られても良い。それでも……悪魔を滅ぼしたくは無いのだ」

「甘いッ! 甘いぞサーゼクスッ! 例え滅びたとしても、人魂を喰らい人を堕落させるのが我等の本懐の筈だろうッ!」

「……やはり、理解してくれぬか。なら……」

サーゼクスは瞑目すると、目を開く。

その目には、地獄の最下層(コキュートス)すら沸々とさせる、冷たいモノが映っていた。

「……ッ!」

アザゼルは、その底冷えした瞳に恐怖を覚えた。

(なんて眼だ……これが、サーゼクスの覚悟……)

「カテレア、『従え』。クルゼレイを捕らえよ」

サーゼクスはそう命じる。あろうことか、敵であるカテレア・レヴィアタンに。

当然、カテレア・レヴィアタンは従うはずはないと、誰もが思った。しかし……カテレアと、サーゼクスだけは違った。

(……『サーゼクスの命令に従うのは当たり前』……仕方ないよね、悔しいけど、サーゼクスの命令には“絶対に逆らえない”から……)

カレテアは片腕の無いクルゼレイを魔力の鎖で捕らえる。当然カテレアも蛇を飲んでいるし、その上彼女はほとんど消費をしていない。片腕を失ってボロボロなクルゼレイを捕らえるのは容易い。

「ッ!? や、やめろカテレア!」

「私だって止めたいわ。でも……サーゼクスの命令には逆らえない」

「……ッ!! サーゼクス、貴様ァァァ!!」

吠えるクルゼレイ。すると、サーゼクスは冷酷に告げる。

「心配しなくとも、その腕は治すよ。それにね……僕も悪魔なんだ。“やりたいことをするためならなんでもする”。……違うのかい? クルゼレイ」

「お、おのれェェェ!! サーゼクスゥゥ!!」

「……」

サーゼクスの後ろにいくつかの魔方陣が展開される。そこからは、憲兵の姿をした悪魔達が居た。

「連れていけ。カテレアもだ」

『ハッ!』

憲兵達は魔力封じの枷を二人につけると、魔方陣で跳んでいってしまう。

「……アザゼル、龍咲殿……迷惑をかけてすまなかったな。私は彼らの処断を決めなければならないから、執務室に戻るよ」

そう言うや否や、サーゼクスは逃げるように魔方陣で跳んでいった。

「アザゼル、我らも他の場所へ赴くぞ」

「……ハァ、オレの直属の部下ってのはなんで変人ばかりなのかねぇ……」

「運命だ」

「んな簡単なことばで済ませるな!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

 

光が晴れると、アーシアと共によくわからない場所に居た。闇……? いや、混沌とした世界。

……なんとなく、わかる。

ここは、俺が死んだときに通った場所……。オレの、始まりと終わりの場所。次元の外側……

 

 

 

 

……次元の、狭間……!

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