二天龍が笑った   作:天ノ羽々斬

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更新遅くなってすいません。
今後は少々遅れることがしばしばあるでしょうがご容赦ください。
と言うか二日に一話が少々きつくなってきたので……。大丈夫、エタりません。

少なくとも九重たんをアニメで見るまでは絶対にエタらない自信がある。アイラブ九重たん。








黄昏

「喫茶店とかどうですか?」

翌日、部室にて。チームXANとオカルト研究部の面々、それにバラキエルさんもいる。

おっさんは既に上空で待機している。頼もしいねぇ。

文化祭の出し物を決めなきゃなんだけど……。俺は純粋に喫茶店をやってみたい。

「良い案ね。たしか当日、二階の空き教室を借りれることになっているから大丈夫そうね。他の皆は他に何かあるかしら? 無ければ喫茶店にしようと思うんだけど」

リアスがそう部員達に問うと、皆は頷いた。よっし!

前はおっぱい喫茶! とか言ってたのが懐かしい。

「……黄昏か」

アザゼル先生が外を見ながらそう言う。既に夕方で、空を(あか)く染めていた。

「紛いなりにも神が相手だ、死ぬかもしれないだろう。そういう相手だ。だが、それでも敢えて言おう。……死ぬなよ!」

『はい!』

俺たちは黄昏の空へと飛び立つ。

 

――平和を、勝ち取るために。

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「ほぅ、蒼いの。来ていたか」

『月読か。懐かしいなこういうのも』

「……好きな女子(おなご)がいるそうだな? 怪物と言えどやはりお主も男子(おのこ)よの。その桁外れの力で何を見る?」

『……ロセはな、俺の力を見ても嫌わなかったよ。忌避も、拒否もしなかった。それが嬉しくてさ』

「あー、やめいやめい! 他人の惚け話など聞きたくない! そういう意味で言ったのではない!」

『解ってるさ。俺はこの馬鹿げた桁外れの力でさ、大事な人を護りたい。それだけだよ』

「……ずいぶん溺れたの」

『紅の受け売りだが、恋は人を変えるというが……どうやらそうらしいな』

「紅いのは随分とあの人間に入れ込んでおるからのう……はて、あの人間は何年前からおったのかの?」

『……さぁな。ただ言えることは、そいつのお陰で紅は丸くなった』

「ほ、成る程。確かに恋は人を変えた」

『……さぁて、と。そろそろここを去るとしよう。ウズメのチビに何かされたら困るからな。スサノオのバカには会いたくねぇ。喧嘩吹っ掛けられるし』

「ほほ、違いない。――ああそうそう、ひとつ言い忘れておった」

『なんだ?』

「妾もまた、お主に惹かれていた。ただそれだけのことよ」

『……それは』

「謝るなよ友よ。妾は叶わぬ恋と当の昔に諦めておる。姉上が惚れ込んだ男と知っておるからの」

『……ったく、俺はそんなに情けないかよ』

「ああ情けないぞ、天然の女誑し」

『俺は一筋だ!』

「知っておるからそう怒鳴るな。酒が不味くなるぞ。折角、幼女鬼から酒をくすねたというに」

『伊吹鬼からか、そいつぁ旨そうだ』

「やらんぞ」

『要らねぇよ盗み酒なんざ。……さて、今度こそここを去るとしよう。あばよ、根暗幼女』

「おうおう、帰れ帰れ。そして呪われてこの世から去ね」

『ひでぇ!』

 

 

「月読ィ! 私の酒を返せェ!!」

「嫌じゃ!」

 

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

 

「ぶぇくしょん! ああ、今日は冷えるわね」

黄昏時、ある一室にて。

儀式を行うために小さな神棚が設けられている。無論、祀っている神は天照大神だ。

天照を降ろす準備を(よろず)が直々に行っていた。

現代の『日巫女』はまだ未熟で、長時間降ろすことは出来ない。故に抜擢されたのが彼女だった。伊勢神宮の面々や日巫女では降りてこない天照大神も悪魔の彼女には素直に降りてくる。

日本神話勢にとって臥薪嘗胆の思いではあったが、北欧と事を構えるよりはマシだと思っていた。

それに、あやかしが神になるなんて日本ではよくあることである。例えば二ツ岩大明神。

「万さま、お神酒と榊の準備が整いました」

その部屋へ入ってくる緑髪のメイド少女。

「ありがとう琴音(ことね)

――瑠璃宮(るりみや) 琴音(ことね)。七海万の『女王』であり、彼女の人間時代からの付き人である。

「では、失礼します」

用件を済ましたメイドはあっと言う間に退室してしまう。

万はぐぐっとひとつ伸びをすると、真剣な表情で神棚へ御神酒や榊を飾っていく。

「さて、これでよし、と」

これでこの部屋は小さな「神域」となる。つまり、天照大神の場所と言うこと。この神域になら、天照大神は降りることができる。さらに窓から日光を取り込む。夕方は天照の力が落ち始める時間だが問題はない。予定では三十分ほどで会談は終わる予定だ。

「黄昏ね――」

腰に指している霊刀を引き抜く。きらりと、日光を反射して煌めいた。その美しさは、酷く儚い。だからこそ、美しい。

「さて、鬼が出るか蛇がでるか……それとも、神が出るか」

万が誰にいうでもなく呟くと扉を軽く叩く音が聞こえる。時計は、午後四時を指していた。

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